株式会社TBグループは、LED表示機・デジタルサイネージを柱とするLED&ECO事業と、POS/ECR(電子レジスター)・オーダーエントリーシステムを柱とするSA機器事業を展開する東証スタンダード市場上場企業です。東京都文京区に本社を置き、1946年の創業から80年近くにわたる歴史を持ちます。
屋外・屋内向けLED大型ビジョンはスポーツ施設・交通機関・商業施設への供給実績が豊富で、業界内での認知度が高い製品群です。一方でPOS/ECRは飲食・小売分野での顧客基盤を持ちますが、近年のインボイス制度導入特需の反動やレジ需要低迷で厳しい局面にあり、二つの事業が異なる局面に置かれています。
本記事では転職エージェントの視点から、TBグループの事業・強み・年収・転職難易度・選考対策まで解説します。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社TBグループ |
| 設立 | 1946年11月 |
| 代表者 | 村田三郎 |
| 本社所在地 | 東京都文京区本郷三丁目26番6号 |
| 資本金 | 36億4,900万円 |
| 従業員数 | 連結125名・単体47名(2025年3月末時点) |
| 上場区分 | スタンダード市場(証券コード6775) |
| 売上高 | 約23億円程度(2024年3月期・推計) |
| 平均年収 | 約473万円(推計) |
| 平均年齢 | 非公開 |
| 勤続年数 | 非公開 |
| 事業内容 | LED表示機・デジタルサイネージの企画販売/POS・ECR・OESの開発製造販売 |
TBグループは1946年創業の老舗企業で、現在は「LED&ECO事業」と「SA機器事業」の2セグメントを中核事業として持ちます。資本金36億円超という数字は売上規模に比べると相対的に大きく、財務的な厚みが一定程度あることを示しています。
直近業績では2期連続の営業赤字という厳しい状況に置かれており、特にSA機器事業の苦戦が影響しています。一方でLED&ECO事業は受注増加により黒字転換しており、事業の重心が徐々にLED側へシフトしている局面です。グループは連結子会社9社以上で構成されており、ヘルスケア分野への展開も模索しています。
主な事業内容
TBグループの事業は「LED&ECO事業」と「SA機器事業」の2本柱に加え、ヘルスケア関連事業という3つの軸で構成されています。
LED&ECO事業
屋外・屋内向けのLED表示機(大型ビジョン)とデジタルサイネージLED照明の企画・販売を行う事業です。スポーツスタジアム・競技場、交通ターミナル(空港・駅)、商業施設・ショッピングモール、公共施設などへの供給実績が豊富です。
屋外デジタルサイネージの販売実績では業界シェアトップクラスを誇るとされており、大型案件での実績が信頼性の高さを支えています。製品の企画・販売に特化しており、製造は外部パートナーと連携する形態です。
近年の業績では受注増加により黒字転換しており、デジタル広告媒体としてのLED大型ビジョン需要や、省エネ目的のLED照明リプレイス需要が事業を牽引しています。
SA機器事業
POS(販売時点情報管理システム)、ECR(電子キャッシュレジスター)、OES(オーダーエントリーシステム)の開発・製造・販売を行う事業です。飲食店・小売店向けの店舗情報機器が主力で、有料放送サービスや医療・健康分野関連機器の販売も含まれます。
2023年のインボイス制度導入に伴うレジ需要特需の後、反動による需要低迷が続いており、SA機器事業は苦しい局面にあります。一方でOES(飲食店向けオーダーシステム)は飲食業のDX化需要に対応できる製品領域であり、市場環境の変化に対する適応が求められています。
ヘルスケア関連事業
医療・健康分野向け関連機器の販売を行うサブ事業です。SA機器事業の技術・販路を活用した隣接分野への展開として位置づけられています。現時点では主力事業に比べて規模は小さいですが、高齢化社会に向けた成長領域として注目されています。
カプセルホテル「MAYUDAMA CABIN横浜関内」の運営も手がけており、グループとして多様な事業ポートフォリオを持っています。
TBグループの強み
強み1. 屋外デジタルサイネージ業界シェアトップクラス
LED大型ビジョン・デジタルサイネージ市場において、業界シェアトップクラスの販売実績を持つとされています。スポーツ施設や交通インフラなど、大型案件での採用実績が豊富であり、「実績のある選択肢」として顧客の信頼を獲得しています。
転職者にとっては、自社製品の市場ポジションの強さを背景に営業活動ができる点がメリットです。既存顧客の維持管理からリプレイス提案まで、幅広い営業の型が学べます。
強み2. 1946年創業の老舗ブランドと長期顧客関係
80年近い歴史の中で積み上げてきた顧客関係と信頼は、簡単に模倣できない資産です。特に大型施設向けのLEDビジョンは、設備の長期利用サイクル(10〜20年)に伴うリプレイス需要が継続的に発生するため、既存顧客との長期的な取引が続きやすい事業構造です。
強み3. LED&ECOとSA機器のクロスセル可能性
LEDサイネージと店舗情報機器(POS/OES)という異なる領域を同一グループ内に持つことで、施設全体の情報表示・運営システムをワンストップで提案できる可能性があります。飲食店・商業施設向けには、サイネージと注文管理システムを組み合わせた複合提案が差別化要素になり得ます。
強み4. コンパクト組織による機動性
連結125名という規模は意思決定のスピードが速く、大企業では通らないような提案やカスタム対応が可能な柔軟性を生みます。顧客のニーズに対して部門横断で迅速に対応できる体制は、特に中規模案件の受注で競合他社に対する優位性となります。
強み5. デジタルサイネージ市場の成長トレンドに乗る
屋外広告・デジタル情報表示の分野は、交通DX・スポーツマーケティング・スマートシティ構想などのトレンドに支えられ、継続的な成長が見込まれます。TBグループの主力であるLED大型ビジョンは、この成長市場の中心的な製品カテゴリに位置しています。
強み6. 省エネ需要とESGへの対応
LED照明のリプレイス需要は、企業の省エネ・脱炭素対応の文脈でも追い風を受けています。ESG投資・SDGsへの企業対応意識の高まりが、LED照明更新の意思決定を後押しする構造にあり、TBグループのLED&ECO事業の中長期的な市場環境は良好です。
TBグループの年収事情
TBグループの平均年収は約473万円程度とされており(日本経済新聞情報より)、同規模の中堅電機・電子機器メーカーと比較するとやや低い水準ではあるものの、標準的な範囲内に収まります。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| LED・サイネージ営業(3年未満) | 380〜450万円程度 |
| LED・サイネージ営業(5〜10年) | 450〜580万円程度 |
| POS・ECRシステム営業 | 400〜550万円程度 |
| ソフトウェア開発エンジニア | 450〜600万円程度 |
| 機構設計エンジニア | 430〜570万円程度 |
| 技術サポート・フィールドSE | 400〜520万円程度 |
| 管理・企画部門 | 420〜560万円程度 |
| 管理職(課長・部長相当) | 570〜750万円程度 |
※上記は推計・概算であり、実際の給与は個人の経験・スキル・評価によって異なります。
給与制度の特徴
中堅上場企業として、月給制+年2回の賞与という基本構成が一般的と考えられます。コンパクトな組織のため、成果が直接的に評価に反映されやすい傾向があります。特に営業職は個人・チームの業績連動型の評価要素が含まれる可能性があります。
年収を見る際の注意点
- 現在(2025年)時点で営業赤字が続いているため、賞与に直接的な影響が出ている可能性がある
- LED&ECO事業とSA機器事業では業績が二極化しており、所属部門によって評価・処遇の状況が異なる可能性がある
- 連結子会社と本体(単体47名)では処遇条件が異なる場合がある
- 会社全体の業績回復が見込まれれば、処遇改善の余地が生まれる局面でもある
TBグループの働き方・福利厚生
TBグループは中堅上場企業として、標準的な労働環境を整備しています。
勤務時間・休暇
- 年間休日は125日程度(マイナビ転職情報より)
- 週休2日制
- 有給休暇制度あり
福利厚生(推定・一般的な中堅上場企業水準)
- 各種社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 退職金制度
- 通勤交通費支給
- 慶弔見舞金
- 健康診断
- 資格取得支援制度
- 従業員持株会
- 財形貯蓄制度
注意点
- 連結子会社9社以上で構成されるため、グループ会社間での待遇差が存在する可能性がある
- 営業赤字が続く局面では、福利厚生面での取り組みに制約が生じる可能性を念頭に置くべき
- コンパクト組織のため、専任部署が少なく、業務の兼務・横断担当が多い
- リモートワークや在宅勤務の整備状況は公開情報が限られており、職種によって異なる可能性がある
TBグループの社風・カルチャー
一言で表すなら「実直なニッチ開拓者文化」
大企業とは異なる特定分野(LED大型ビジョン・店舗POSシステム)に注力し、業界内での地位を積み上げてきた企業文化が根底にあります。80年近い歴史の中で事業を転換・進化させてきた適応力が同社の文化的特徴であり、変化に対して比較的柔軟な組織気質が見られます。
少人数組織のため、個人の貢献が組織全体に見えやすく、主体的な行動が評価されやすい環境です。ただし、現在の業績局面(営業赤字)を反映して、コスト意識と成果志向が強まっている可能性があります。
評価される人物像
- 自ら課題を見つけて解決策を提案できる自律型の人材
- LED・サイネージ・POS分野の専門知識を活かして即戦力となれる人
- 顧客と長期的な信頼関係を築ける営業スタイルの人
- 組織の変化期(業績回復フェーズ)に積極的に貢献する意欲がある人
- 複数の業務領域に対して柔軟に対応できる人
表面的なイメージと実態の差
「LED看板の会社」というイメージを持たれがちですが、実際にはデジタルサイネージ・POSシステム・医療機器・カプセルホテル運営まで多角的に事業を展開しています。外見よりも事業ポートフォリオは多様ですが、現在はLED&ECO事業への集中とSA機器事業の再建が最優先課題という局面です。
TBグループの転職難易度
難易度:C級(比較的ハードルは低め・ただし業績局面の見極めが重要)
連結125名という規模から採用人数は少ないものの、近年の業績課題を背景に「即戦力で事業を立て直せる人材」への需要が高まっている可能性があります。特定の専門スキルを持つ人材には門戸が開きやすい環境といえますが、業績回復が見込めるかどうかの見極めが転職判断の鍵となります。
理由1. 採用枠は少数だが優秀な即戦力には積極的
単体47名、連結125名という規模のため、年間採用人数は限られます。ただし、LED&ECO事業の拡大局面では営業・技術人材の補強が必要となるため、即戦力の優秀な人材であれば採用に積極的な可能性があります。
理由2. 業績低迷局面が転職リスクとなる
2期連続の営業赤字という状況は、処遇・将来性という観点での不確実性を高めます。特にSA機器事業への配属を希望する場合は、事業の中長期的な見通しを面接で確認することが重要です。
理由3. 専門性が求められる職種が多い
LED表示機・デジタルサイネージの営業技術や、POS/ECRシステムの開発・サポートなど、専門的な知識が必要な職種が多く、完全未経験からの参入は難しい側面があります。
TBグループの主な募集職種
TBグループでは以下のような職種での採用が行われることがあります。
- 機械・電気・電子製品法人営業(LEDビジョン・デジタルサイネージ営業)
- IT・通信製品法人営業(POS/ECRシステム営業)
- ソフトウェア開発エンジニア(POS・OESのシステム開発)
- 機構設計エンジニア(LED表示機・ECR本体の設計)
- 保守・フィールドサポートエンジニア(設置後のサポート・メンテナンス)
- 広報・PR担当(会社・製品の認知度向上)
- 経営企画(事業戦略・グループ管理)
TBグループに向いている人
タイプ1. 業績回復フェーズに参画してキャリアを作りたい人
現在は業績課題を抱えているものの、LED事業の黒字転換など回復の兆候もあります。「課題のある企業を立て直す経験をしたい」という成長志向の人には、自分のスキルを最大限に発揮できる環境です。
タイプ2. デジタルサイネージ・LED市場の専門家になりたい人
屋外デジタルサイネージ業界シェアトップクラスという実績を背景に、この分野でのスペシャリストとしてのキャリアを形成できます。将来的に業界内での市場価値を高めたい人に適しています。
タイプ3. コンパクト組織で幅広く活躍したい人
連結125名という規模では、一人ひとりの役割の範囲が広く、営業から提案・設置サポートまで一気通貫で関われます。大企業で「自分の仕事の幅が狭すぎる」と感じている人には刺激的な環境です。
タイプ4. 都心立地での勤務を希望する人
東京都文京区本郷の本社は交通アクセスが良好です。都心での勤務を希望する転職者にとって、居住地からの通勤のしやすさはメリットです。
タイプ5. 即戦力として実績を出したい人
少人数組織のため、成果が直接的に評価されます。「結果で示せる」自信のある人材にとっては、実力を発揮しやすい環境です。
TBグループに向いていない人
批判ではなくミスマッチ防止のため、以下の傾向がある人には向いていない可能性があります。
- タイプ:業績安定を最優先する人 — 現在の営業赤字局面を考えると、安定志向の強い人には不確実性が大きすぎる可能性がある
- タイプ:高収入を求める人 — 平均年収473万円は業界内で決して高くなく、大手競合他社と比較すると見劣りする
- タイプ:大企業の知名度・ブランドを求める人 — 業界外ではあまり知られていない企業であり、社会的な認知度を重視する人には向いていない
- タイプ:大規模チームで組織的に動きたい人 — 連結125名のコンパクトな組織のため、大企業のような組織的なサポート体制は期待できない
- タイプ:明確なキャリアパスを重視する人 — 小規模組織かつ業績課題のある局面では、体系的なキャリア開発プログラムの整備は限定的
TBグループの選考対策
戦略1. 現在の業績局面と事業の将来性を理解する
選考に臨む前に、LED&ECO事業の黒字転換とSA機器事業の苦戦という現状を把握することが重要です。「なぜこのタイミングで転職を希望するのか」という問いに対して、業績回復への貢献というポジティブな意欲を示せると印象が良くなります。
直近のIRレポートや決算短信に目を通し、事業の方向性について自分なりの見解を持っておくことをお勧めします。
戦略2. LED・サイネージ市場の知識を準備する
LED大型ビジョンやデジタルサイネージの用途・市場規模・競合他社の動向について基本的な知識を持って面接に臨んでください。「なぜデジタルサイネージ事業に興味を持ったか」「業界の今後の動向をどう見ているか」といった質問が想定されます。
戦略3. 即戦力性をエピソードで示す
コンパクトな組織への転職では「どれだけ早く独立して動けるか」が採用判断の大きな軸です。前職での具体的な成果を数値化し、「入社後○ヶ月でこういう貢献ができる」というビジョンを語る準備をしてください。
戦略4. 小規模組織で働くことへの適性を示す
面接では「少人数組織でも自律的に動ける」ことをアピールしてください。前職での主体的なプロジェクト推進経験や、部門横断での調整経験があれば積極的に盛り込みましょう。
戦略5. 複数の事業にまたがる柔軟性を示す
LED&ECO事業とSA機器事業という異なる事業ドメインを持つ企業のため、「一つの事業だけでなく、幅広い業務に対応する意欲がある」という姿勢が評価されます。
戦略6. 長期的な貢献意欲を伝える
業績課題のある局面での採用では「すぐ辞めてしまわないか」が採用担当者の懸念事項の一つです。「数年単位で事業の再建・成長に貢献したい」という長期的な意欲を誠実に伝えてください。
TBグループへの転職で評価されやすい経験
- LED表示機・デジタルサイネージの営業または技術サポート経験
- POS/ECRシステムの導入営業または技術開発経験
- 大型施設(スポーツスタジアム・交通ターミナル・商業施設)向け設備・機器の提案営業経験
- 店舗向けITシステム(注文管理・レジ・決済)の企画・開発・営業経験
- 中小〜中規模企業向けの法人営業で安定的に売上を作ってきた実績
- LED・照明設備のリプレイス提案営業の経験
- ソフトウェア開発(組込系・POS系)のエンジニアリング経験
- グループ会社のマネジメント・PMO経験
- 苦境にある事業の再建・コスト改善に関わった実績
- ヘルスケア・医療機器分野での営業・マーケティング経験
- 代理店・パートナーネットワーク経由の販売推進経験
- 事業企画・新規事業開発の経験
- B2B法人向けルートセールスで長期的な顧客関係を築いた経験
特に評価されやすいのは「デジタルサイネージまたはPOS/ECR分野での実務経験があり、業績回復フェーズに貢献できる即戦力の営業・技術人材」です。 現在の厳しい事業環境を理解したうえで「だからこそ自分が貢献できる」という前向きな動機を持って応募できる人材が高く評価されます。
まとめ
TBグループは、LED大型ビジョン・デジタルサイネージという成長分野と、POS/ECRという既存産業の2つの事業を持つスタンダード市場上場企業です。1946年創業の老舗ブランドと、屋外デジタルサイネージ業界シェアトップクラスという実績が同社の最大の強みです。
現在は営業赤字が続くという厳しい局面にありますが、LED&ECO事業の黒字転換は回復への光明を示しています。転職者にとっては「業績回復フェーズで大きな仕事ができる可能性」と「業績不確実性のリスク」の両面を冷静に見極めることが重要です。
コンパクトな組織での裁量の大きさ、デジタルサイネージ市場の成長トレンドへの乗り方、都心(文京区)立地という条件を魅力と感じる転職者には、検討に値する企業といえます。特に「課題のある企業を自分の力で立て直したい」という成長志向の強い人材には、やりがいのある環境となる可能性があります。
転職を検討する際は、最新の決算情報をIRサイトで確認し、事業の見通しについて面接の場で直接確認することをお勧めします。自分のキャリアの方向性とTBグループの事業特性が合致するかどうかを十分に検討した上で、前向きな判断をしてください。
