スターティアホールディングス株式会社は、中小企業のITインフラを長年にわたって支えてきた企業だ。オフィスの通信回線・ネットワーク機器・クラウドサービスをワンストップで提供するITインフラ事業を核にしながら、近年はデジタルマーケティングSaaSへの転換を加速している。

1996年の設立から約30年。東証プライム市場への上場を果たし、新宿モノリスに本社を構えるグループ企業として安定した地盤を持つ。単なるインフラ販売にとどまらず、「中小企業のDXパートナー」としてのポジションを確立しつつある現在、転職先としての魅力も高まっている。

転職を検討する際に重要なのは、「なぜこのタイミングでスターティアホールディングスなのか」という問いだ。インフラの安定基盤とSaaSの成長加速という二重構造を持つ企業の実態を、本記事で詳しく解説する。

企業概要

項目内容
社名スターティアホールディングス株式会社
設立1996年2月(有限会社テレコムネットとして設立)
代表者代表取締役社長 北村健一
本社東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス19階
資本金9,000万円
従業員数1,053名(連結・臨時含む)/64名(単体)
上場区分プライム市場(証券コード3393)
売上高222億円(2025年3月期・連結)
平均年収770万円台(約751〜826万円程度)
平均年齢41.0歳程度
主な事業内容ITインフラ関連事業、DXソリューション関連事業(Cloud CIRCUS)

スターティアホールディングスは純粋持株会社として、傘下に事業会社(スターティア株式会社ほか)を持つグループ体制を採る。単体従業員は少ないが連結では1,000名超の規模感だ。

平均年収が770万円台と高い水準を示しているのは、ITインフラ営業職の成果報酬型の給与体系が寄与している側面がある。入社時の基本年収と年収増加の仕組みは職種によって異なるため、選考時に確認しておきたい。

主な事業内容

スターティアホールディングスの事業は大きく「ITインフラ関連事業」と「DXソリューション関連事業」の2本柱で構成される。前者が安定収益を担い、後者が成長をけん引する役割分担だ。

グループとしての戦略は明確で、インフラ事業の既存顧客基盤をDXソリューションへの展開に活用するクロスセル型のビジネスモデルを志向している。

ITインフラ関連事業

法人向けオフィス通信インフラをワンストップで提供するコア事業。ネットワーク回線・Wi-Fi設備・クラウドPBX(電話システム)・セキュリティ機器などをパッケージ的に販売・導入する。

東京・横浜・大阪・名古屋・福岡など主要都市に拠点を持ち、中小企業を中心とした顧客基盤を長年かけて積み上げてきた。月次課金型のサービスが多く、継続的な顧客関係から安定した収益が生まれる構造だ。スターティア女子委員会など社内文化の面でも顧客との長期関係を重視している。

DXソリューション関連事業(Cloud CIRCUS)

中小企業向けデジタルマーケティングSaaS「Cloud CIRCUS」を中心としたDX支援事業。Cloud CIRCUSはWebサイト制作・MAツール・電子ブック作成・動画配信など複数のデジタルマーケティング機能をクラウドでワンストップ提供するプラットフォームだ。

2026年時点で導入累計27,000件を超え、中小企業のデジタルマーケティング支援ツールとして存在感を高めている。全国でのTVCMも実施しており、ブランド認知の向上にも積極投資している。

電子ブック・コンテンツ関連

グループ内ではActiBook(電子ブック作成ソフト)などのコンテンツ系ツールも展開する。電子カタログ・会社案内・資料のデジタル化需要を取り込んでおり、Cloud CIRCUSのエコシステムの一部としても位置づけられている。

法人向けオフィスファシリティ支援

通信インフラにとどまらず、オフィス移転・内装・OA機器など法人向けのオフィス環境整備を総合的にサポートするサービスも展開。中小企業の「オフィス丸ごと対応」ニーズに応えるワンストップ体制が他社との差別化ポイントだ。

スターティアホールディングスの強み

強み1. 中小企業への深いリーチと長期顧客関係

30年にわたり中小企業に向き合ってきた営業体制と顧客データベースは、後発企業が容易に模倣できない資産だ。IT製品・ネットワーク・クラウドサービスのクロスセルが可能な既存顧客基盤は、DXソリューション拡大の強力な足掛かりになっている。転職者にとっては「営業の最初の1社目獲得」ではなく「既存顧客への深耕提案」という仕事ができる環境だ。

強み2. Cloud CIRCUSの成長性と差別化

SaaSデジタルマーケティングツールの市場は競合も多いが、Cloud CIRCUSは「中小企業が複数のデジタルマーケティング機能をひとつのプラットフォームで使える」という使いやすさで差別化している。大手が中小企業向けに本腰を入れにくい市場を着実に取り込んでいる。

強み3. インフラの安定収益とSaaSの高成長の組み合わせ

ITインフラ事業の安定的なキャッシュフローが、SaaS事業の成長投資を下支えする構造だ。過度なリスクを取らずに新規事業を育てられる財務的な安定感は、働く人にとっても安心感につながる。景気変動に対する耐性も相対的に高い。

強み4. ワンストップ提供モデルの粘着性

通信回線からクラウドサービス・DXツールまでワンストップで提供することで、顧客の乗り換えコスト(スイッチングコスト)が高まる。解約率が低く、安定的な顧客単価の維持につながっている。顧客との長期関係を重視する営業スタイルが結果として高い顧客継続率を生む。

強み5. 東証プライム上場企業の信頼性

採用・取引・資金調達いずれの観点でもプライム市場上場は大きな強みだ。企業の透明性・ガバナンスへの要求が高まる中、取引先の中小企業からも「上場企業に任せる安心感」として評価されている。

強み6. 社内文化の人材投資

女性活躍推進(スターティア女子委員会)や選考時のフィードバック制度など、社員を大切にする文化が根付いている。選考では全面接でフィードバックが提供されるとの口コミがあり、候補者へのリスペクトが感じられる採用スタイルだ。

スターティアホールディングスの年収事情

平均年収は750万〜826万円程度と、業種(卸売業)・規模感を考慮すると比較的高い水準だ。ITインフラ営業職は成果報酬型の要素が強く、個人の結果によって収入が大きく変わる。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
ITインフラ営業(法人)490〜800万円
Cloud CIRCUS営業・カスタマーサクセス450〜700万円
Webディレクター400〜600万円
マーケティング担当430〜650万円
エンジニア(SaaS開発)480〜750万円
社内SE・インフラエンジニア450〜650万円
営業事務・カスタマーサポート350〜500万円
経営企画・コーポレート500〜750万円

給与制度の特徴

インセンティブ型の給与体系が組み込まれており、特に営業職は達成度に応じた賞与・インセンティブが大きく年収に影響する。基本年収だけを見ると中程度の水準に見える場合もあるが、業績連動部分を含めると上位層では高い年収が期待できる。

評価制度は成果ベースで、年齢や在籍年数よりも「どれだけ結果を出したか」が昇給・昇格に直結する傾向がある。入社後の年収成長が早い一方で、下限年収は想定より低いケースもあるため、オファー時に変動部分の条件を詳細に確認することを勧める。

年収を見る際の注意点

  • 公開されている「平均年収771万円」はグループ全体の営業系ハイパフォーマーを含むため、全職種・全グレードの平均ではない
  • 入社直後の年収と在籍後の年収では乖離がある可能性がある
  • 固定給と変動給の比率は職種・役職によって異なる
  • 持株会社(ホールディングス)採用か事業会社採用かで雇用条件が変わるケースがある

スターティアホールディングスの働き方・福利厚生

勤務時間・休日 所定労働時間9時〜18時(8時間)。完全週休2日制(土日)、祝日休み。有給休暇の取得はしやすい文化との口コミが多く、1週間程度の連続休暇取得も時期を選べば可能との声がある。

リモートワーク リモートへの対応はやや厳し目との口コミがある。職種・部署によって差があるが、完全リモートよりも出社を基本とする文化に近い。面接時に部署の実態を確認することを推奨する。

主な福利厚生

  • 各種社会保険完備(健康・厚生年金・雇用・労災)
  • 退職金制度
  • 財形貯蓄制度
  • 育児・介護休業制度
  • 産前産後休業制度
  • 女性活躍推進施策(スターティア女子委員会)
  • 社内コミュニケーション促進制度(懇親会補助等)
  • 資格取得支援・研修制度
  • 健康診断・定期健診補助
  • 拠点が複数あるため転勤可能性あり(要確認)

注意点 主要拠点は東京(新宿)・横浜・大阪・名古屋・福岡。勤務地の変更可能性については採用時に確認が必要だ。営業職は法人顧客への訪問が業務の中心になるため、外出・移動が多い働き方になる。

スターティアホールディングスの社風・カルチャー

一言で表すなら「中小企業の課題に正面から向き合う現場主義」

大企業への法人営業や最先端テック企業とは異なり、「中小企業の経営者・担当者が日々直面する課題を一緒に解決する」という地に足のついた仕事文化がある。スタッフ間は比較的フラットで、年齢・役職に関係なく意見交換できる雰囲気との口コミが多い。

評価される人物像

  • 数値目標に真剣に向き合い、達成に向けて主体的に動ける人
  • 中小企業の経営課題を理解し、長期の顧客関係を大切にできる人
  • ITインフラからDXまで幅広いソリューションをキャッチアップできる学習意欲がある人
  • 変化に柔軟で「新しいサービス・ツール」を取り入れながら提案できる人

表面的なイメージと実態の差

「ITインフラ会社」というイメージからはハードなBtoB営業を連想しがちだが、Cloud CIRCUSをはじめとするSaaS事業の拡大によって、マーケター・Webディレクター・エンジニアなど多様な職種の人材が増えている。一方で、ITインフラ営業職は依然として業績連動色が強く、「稼ぎたい人向け」の側面もある。入社後に担当する事業・職種によって体感が大きく変わるため、事前に確認しておくことが重要だ。

スターティアホールディングスの転職難易度

難易度:B級(やや高め〜標準)

全体的な採用難易度は標準〜やや高め。学歴よりも実力・経験・意欲を重視する採用文化で、業界未経験でも熱意と論理的な志望動機があれば通過できる。ただし最終面接が社長との直接面談であるため、ビジョンへの共感と論理的な志望動機の構築が必須だ。

理由1. 選考ステップが3段階で密度が高い

一次面接はグループディスカッション(オンライン)、二次面接は2対1の個別面接(オンライン)、最終面接は社長との1対1面接という構成だ。全ての面接でフィードバックがあるとの口コミが多く、候補者にとって丁寧な選考プロセスといえる。一方で、最終まで3ステップを経る分、選考期間が長くなる。

理由2. 志望動機の「なぜスターティアか」に深さが求められる

ITインフラ・SaaS・DXという複数の事業軸があるため、「なぜこの会社のどの事業に関わりたいか」が問われる。ITインフラ営業とCloud CIRCUSでは仕事の内容・カルチャーが異なるため、志望する事業・職種を明確にして選考に臨む必要がある。

理由3. 成果志向の文化への適合が問われる

選考では「目標達成に向けてどう動くか」という具体的な思考・行動パターンが評価される。前職の成果を数値・事実で語れる準備が必須で、抽象的な「頑張ります」では評価されにくい。

スターティアホールディングスの主な募集職種

スターティアホールディングスはITインフラ・SaaS・コーポレートの3領域で幅広く採用を行っている。

スターティアホールディングスに向いている人

1. 中小企業の経営課題に関心がある人

大企業向けの大型案件よりも、オーナー経営者や中小企業の担当者と深く向き合いながら課題解決するのが好きな人に向いている。「取引先の社長に感謝される」仕事のやりがいを重視する人は文化的フィット感が高い。

2. インフラ×DXの両領域でキャリアを磨きたい人

ITインフラとSaaSの両方を扱える環境は珍しい。ハードウェア・通信から始まりSaaSプロダクトのCSMへとキャリアを広げるといった展開も可能だ。

3. 実力主義の環境で高い収入を目指したい人

成果連動型の報酬体系のもと、早期に高い年収を実現したい人には向いている環境だ。20代〜30代での高年収実現を目指す人の入社事例もある。

4. チームでのフラットな意見交換を好む人

役職や年齢に関係なく意見を言い合える文化が評価されている。縦型の組織よりも横のつながりを重視する人に合っている。

5. 変化の多い事業環境を楽しめる人

Cloud CIRCUSをはじめとしてプロダクトや営業戦略が継続的に進化する環境だ。変化を楽しみながら新しいことへのキャッチアップが得意な人に向いている。

スターティアホールディングスに向いていない人

批判ではなくミスマッチ防止のために、以下のタイプには慎重な検討を勧める。

  • タイプ:完全リモートが必須の人 — 出社中心の文化がベースであり、フルリモートは現状難しい。
  • タイプ:大企業ブランド・安定給与を最優先する人 — 成果連動型の給与体系のため、基本給+安定昇給を求める人とは相性が合わない可能性がある。
  • タイプ:超大手や外資系企業と同等のリソース・ブランドを期待する人 — 中堅企業であり、大規模マーケティング予算や人員リソースは限られている。
  • タイプ:中小企業向けビジネスに関心が持てない人 — ターゲット顧客が中小企業に特化しているため、大企業エンタープライズ案件を担いたい人とは方向性が合わない。
  • タイプ:専門特化した技術領域のみを深めたい人 — 特定技術の深耕よりも幅広いソリューション対応が求められるため、超専門特化型の技術職を求める人には窮屈に感じられる可能性がある。

スターティアホールディングスの選考対策

1. Cloud CIRCUSを実際に触って理解する

DXソリューション関連のポジションを狙う場合、Cloud CIRCUSの実際の機能・UI・競合優位を事前に把握しておく。公式サイトの製品情報を読み込み、「どの機能が中小企業のどの課題を解決するか」を自分の言葉で説明できるようにする。

2. 前職の成果を数値で語る準備をする

面接では定量的な成果実績が問われる。「売上○%増」「案件数○件達成」「顧客満足度スコア○点」など、具体的な数字を用意する。成果だけでなく「その結果に向けてどういうプロセスで動いたか」も説明できると評価が高い。

3. 「なぜ中小企業向けビジネスか」を深掘りする

大企業の法人営業経験がある候補者は「なぜ中小企業向けのスターティアを選んだのか」を問われやすい。中小企業の課題への共感、オーナー社長と直接向き合う仕事のやりがいなど、ポジティブな動機を論理的に語れるよう準備する。

4. グループディスカッション(一次面接)に備える

一次面接はグループディスカッション形式。自分の意見を論理的に述べる力だけでなく、チームの議論を前進させる貢献ができるかが見られる。「まとめる役」「アイデアを出す役」いずれでも、議論への積極参加と相手への傾聴が評価ポイントだ。

5. 社長面接(最終)への対策を念入りに

最終面接が代表取締役との直接面談であるため、会社のビジョン・事業戦略への理解と、自分がどのように貢献したいかを経営目線で語れる準備が必要だ。中期経営計画や決算資料を公式IRページから確認しておくと説得力が増す。

6. 配属先・担当事業の確認を忘れない

ITインフラ事業とDXソリューション事業では職種・カルチャー・仕事の進め方が異なる。どちらの事業・部門への配属を想定しているかを選考の早い段階で確認しておくことで、ミスマッチを防ぎ、具体的な志望動機を作りやすくなる。

スターティアホールディングスへの転職で評価されやすい経験

  • 中小企業向けの法人営業経験(IT製品・通信・クラウドサービス問わず)
  • SaaS・クラウドサービスのカスタマーサクセス・導入支援の実績
  • Webサイト制作・デジタルマーケティング施策の企画・運営経験
  • 通信・ネットワーク機器の販売・導入・設計経験
  • ソリューション提案型営業(ニーズ発掘からクロージングまで)の実績
  • Webディレクターとしての案件管理・クライアント折衝経験
  • CRM・MAツールの操作・導入・活用支援経験
  • バックエンド・フロントエンド開発(SaaS製品開発チームへの参加実績)
  • DXプロジェクト推進(中小企業・現場へのIT導入支援)
  • 目標数値の達成経験(具体的な数字での説明が可能なもの)
  • 複数サービスをワンストップで提案するコンサルティング営業の経験

特に評価されやすいのは「中小企業の担当者・経営者と信頼関係を築きながら課題解決できる営業力」と「SaaS・デジタルツールの導入支援ができる実務スキル」を兼ね備えた人材。この2つを持つ人材は採用優先度が高い。

まとめ

スターティアホールディングスは、中小企業ITインフラの安定事業とCloud CIRCUSに代表するDXソリューションの成長事業を両立する、プライム上場の実力派中堅企業だ。平均年収770万円台は業種平均を上回り、成果連動型報酬のもとで高い年収を実現しやすい環境だ。

選考はグループディスカッション〜社長面接の3段階と密度が高いが、全面接でフィードバックがある透明な採用文化は、候補者にとってもプラスになる。「中小企業に真正面から向き合いたい」「SaaSビジネスでスキルを磨きたい」という具体的な動機を持つ人には、評価されやすい会社だといえる。

転職の際は「ITインフラ事業かDXソリューション事業か」「営業職かエンジニア・マーケター職か」を事前に明確にして選考に臨むことが、ミスマッチを防ぐうえで最も重要なポイントになる。

参考リンク