2001年に生まれた「Zoff」というブランドは、日本の眼鏡業界に価格破壊と「メガネ=ファッションアイテム」という価値観の転換をもたらしました。その運営会社・株式会社インターメスティックは、設立から30年余りでプライム上場企業へと成長し、今やメガネスーパーとの統合によって業界再編の主役になりつつあります。
転職エージェントとして多くの候補者を見てきた立場から言えば、インターメスティックは「小売・アパレル系の転職先のなかでも待遇水準が高く、成長投資の意欲が強い会社」です。全中途採用比率が7割という事実が示すとおり、社外のプロフェッショナルをどんどん迎え入れながら事業拡大を進める企業文化があります。
本稿では、そんなインターメスティックの実態を徹底的に解説します。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社インターメスティック |
| 設立 | 1993年5月20日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 上野 照博 |
| 本社所在地 | 東京都港区北青山3-6-1 オーク表参道 |
| 資本金 | 約2億2,000万円 |
| 従業員数 | 約185〜217名(本社スタッフ。店舗スタッフ含む連結は別途) |
| 上場区分 | プライム市場(証券コード(262A)) |
| 売上高 | 約501億円(2025年2月期)/グループ780億円規模(メガネスーパー統合後) |
| 平均年収 | 約708万円(日本経済新聞データ) |
| 平均年齢 | 約39.0歳 |
| 勤続年数 | 非公開(業界水準) |
| 事業内容 | アイウェア(眼鏡・サングラス・コンタクトレンズ関連)の企画・製造・販売 |
インターメスティックはアパレルSPAの手法を眼鏡業界に持ち込んだ先駆者です。商品企画・製造・物流・販売を一体で管理することでコストを抑え、デザイン性の高い商品を市場平均より低い価格で提供するビジネスモデルが確立しています。
2024年10月のプライム市場上場により、財務の透明性と調達力が飛躍的に向上しました。2025年のメガネスーパー統合もこの上場後の財務基盤強化が支えた大型M&Aであり、今後も積極的な経営投資が続く可能性があります。
主な事業内容
インターメスティックの事業は「アイウェアのSPA(製造小売)」が中核ですが、その内訳は多層的です。
Zoffブランドの展開(国内)
国内でZoffブランドとして約307店舗(2024年12月時点)を運営。モール・駅ビル・商業施設への出店が中心で、出店立地の選定力と商圏分析力が競争優位の一つです。
商品企画から店舗での販売まで一貫して手がけるSPA構造により、トレンドへの対応スピードと価格競争力が高い。定番フレームに加え、コラボレーションモデルやシーズナルデザインを投入してブランドの鮮度を保っています。
メガネスーパー統合後のグループ展開
2025年10月、ビジョナリーホールディングス(メガネスーパー)を約191億円で完全子会社化。Zoffが得意とする低〜中価格帯ファッション眼鏡と、メガネスーパーが強みを持つ高品質・高価格帯・視機能ケアという異なる顧客層をカバーする体制が整いました。
国内総店舗数は600超となり、眼鏡市場(メガネトップ)に次ぐ業界2位へ浮上。スケールメリットを活かした調達コスト削減と、異なる客層への相互送客効果が今後の業績を後押しすると期待されています。
海外展開(グローバル)
2016年に香港・シンガポールに現地法人を設立し、アジア圏を中心に19店舗を展開(2024年7月末時点)。東南アジアや東アジアでの「日本発アイウェアブランド」としての認知拡大を狙っており、グローバル展開の加速が中期的な成長戦略の柱のひとつです。
コンタクトレンズ・関連製品
眼鏡フレーム・レンズに加え、コンタクトレンズや眼鏡・コンタクトのケース等の関連製品の販売も手がけています。ビジョンケアの総合プロバイダーとしての位置づけを強化することで、顧客との接点を眼鏡の購入時だけでなく日常的なケアへと広げています。
EC・デジタル事業
公式オンラインストアと店舗を連携させたOMO(Online Merges with Offline)の推進が進んでいます。バーチャル試着ツールの整備など、デジタル技術を活用した購買体験の向上にも積極的に取り組んでいます。
インターメスティックの強み
強み1. ファッションとアイケアの両立というブランドポジション
「おしゃれな眼鏡を手ごろに」というZoffの価値提案は、国内消費者に深く根付いています。眼鏡は医療機器でありながらファッションアイテムでもあるという二面性を正面から活かした企業はZoffが日本では先駆けです。ブランド認知とロイヤルティが強固なため、新店・新商品の集客が安定しやすい構造があります。
強み2. SPA構造による高いコスト競争力
商品企画・製造・物流・販売を一体管理するSPAモデルは、中間マージンの排除と在庫リスクのコントロールを可能にします。他の眼鏡チェーンが抱えるコスト構造上の課題を独自のバリューチェーンで克服している点が、長期的な競争優位の源泉です。
強み3. プライム上場後の財務力と成長投資余力
2024年のプライム上場により調達力が飛躍的に向上しました。2025年のメガネスーパー買収(約191億円)はその象徴で、今後もM&Aや海外投資、デジタル投資を積極展開できる財務基盤があります。
強み4. 中途採用比率7割のオープンな採用文化
全社員の7割が中途入社という数字は、外部プロフェッショナルへの高い開放性を示しています。異業種・異業界からの経験を積極的に取り込む姿勢は、多様なスキルを持つ転職者にとってチャンスの多い環境です。
強み5. M&Aによる業界再編ポジション
国内アイウェア市場は「3強(眼鏡市場・Zoff・Jins)」体制への移行が進んでいます。メガネスーパー統合でZoffグループは国内2位に立ち、今後の業界再編においても主導権を握る立場に。会社の成長を肌で感じながら仕事ができる環境は、成長意欲の高い転職者にとって魅力的です。
強み6. 健康経営優良法人の認定
2026年に健康経営優良法人として認定されており、社員の健康とウェルビーイングへの取り組みが評価されています。ライフプラン支援制度(毎月20,000円支給)や育児短時間勤務制度(子の小学校6年生まで)など、働く環境整備への姿勢が具体的な制度として現れています。
インターメスティックの年収事情
インターメスティックの平均年収は約708万円(日本経済新聞データ)で、小売・アパレル業界の平均(300〜450万円程度)を大きく上回ります。これは本社スタッフ(専門職・管理職)中心の数字であることを念頭に置く必要がありますが、同業他社との比較でも高水準です。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| 商品企画・MD(商品部) | 500〜700万円程度 |
| EC・デジタルマーケティング | 400〜750万円程度 |
| 経理・財務(本社) | 500〜700万円程度 |
| 店舗開発・出店企画 | 450〜650万円程度 |
| 人事・採用担当 | 450〜600万円程度 |
| 海外事業担当 | 500〜750万円程度 |
| 店舗マネージャー | 400〜600万円程度 |
| ITシステム・DX推進 | 500〜750万円程度 |
※上記は求人情報・口コミをもとにした推計レンジです。個別事情により異なります。
給与制度の特徴
ライフプラン支援制度として毎月20,000円が全社員に支給され、確定拠出年金(401k)への拠出も可能です。この制度は老後の資産形成支援として評価されています。さらに、全国転勤を選択しない地域限定スタッフには「キャリアサポート手当」が支給されるなど、働き方の選択に応じたきめ細かな制度設計があります。
年収を見る際の注意点
- 平均年収708万円は本社スタッフベースの数字であり、店舗スタッフ全体を含む場合は下がります
- 求人票で明示されている「経理職500〜700万円」「EC職400〜750万円」などは中途採用時の提示レンジです
- 上場後・M&A後の組織拡大期のため、制度変更が今後もある可能性があります
- 業績連動賞与の割合と変動幅は採用面接で必ず確認してください
インターメスティックの働き方・福利厚生
勤務時間・休日
本社スタッフは土日祝休みの完全週休2日制が基本。店舗スタッフはシフト制でウィークデー休みが混在します。平均残業時間は月10.2時間程度(口コミ情報)と少なめで、本社スタッフは比較的メリハリのある働き方ができる環境です。
リモートワーク
本社職種(企画・マーケティング・IT・管理部門等)では一部リモートワーク対応が整備されています。一方、店舗関連職種や現場立会いが多い職種ではオンサイト勤務が中心です。
福利厚生
- 各種社会保険完備
- ライフプラン支援制度(毎月20,000円支給・老後資産形成支援)
- 確定拠出年金(401k)
- 育児短時間勤務制度(子の小学校6年生まで)
- キャリアサポート手当(地域限定勤務・転勤なし選択者向け)
- 社員割引制度(Zoff製品)
- 各種休暇制度(産前産後・育児・介護・慶弔等)
- 健康診断・インフルエンザ予防接種補助
- 研修・スキルアップ支援制度
- 健康経営優良法人認定に基づく各種健康促進プログラム
注意点
急成長・M&A統合の時期にある会社のため、組織変更・人員配置の変動が多い可能性があります。「会社のスピードに現場体制が追いつかない」という口コミもあるため、変化への適応力が求められる環境であることを理解したうえで入社を検討することが大切です。
インターメスティックの社風・カルチャー
一言で表すなら「ファッション感度と実行スピードが共存する成長志向の組織」
Zoffを生み出した起業家精神とアパレル・ファッション産業的なスピード感が社風の基盤にあります。意思決定が速く、新しいことへの挑戦を肯定する文化は、外から来た転職者にとっても提案を実現しやすい環境です。
一方で、急成長・M&A後の組織拡大期にあるため、ロール・プロセスの整備がまだ追いついていない部分もあります。「手を挙げれば任せてもらえる」という機会の多さは、逆に言えば「仕組みが整っていない状態で自走することが求められる」という環境でもあります。
評価される人物像
- 前向きに改善行動を取り、問題を「課題設定→実行→検証」のサイクルで動かせる人
- 部署をまたいだコミュニケーションを積極的にとれる人
- ファッション・流行・消費者トレンドへの感度が高い人
- 明るく元気で「人が好き」な人(社内外問わず)
- 成長中の企業ならではのアンビギュイティ(曖昧さ)を楽しめる人
表面的なイメージと実態の差
「Zoffといえばカジュアルでおしゃれなブランド」というイメージは正しいですが、本社の仕事は数字・交渉・オペレーション管理という側面も大きい。特にMD・EC・出店担当など事業の核心にいるポジションは、ファッション感度に加えてロジカルなビジネス思考が必要です。上場企業としてのガバナンス強化もあり、管理部門では正確さ・厳格さが求められる場面が増えています。
インターメスティックの転職難易度
難易度:B級(標準〜やや競争あり)
上場後・統合後の成長フェーズにあり、採用ニーズは旺盛です。ただし「本社採用」と「店舗採用」では求められる要件が大きく異なります。本社の専門職・管理職ポジションは即戦力性が問われる一方、店舗マネージャー候補は人物重視の採用が中心です。
理由1. 本社職種は専門スキルの即戦力性が問われる
商品企画・EC・経理・人事・IT・海外事業など本社の各職種では、同業種あるいは近接業種での実務経験が採用要件として求められます。「Zoffに入りたい」だけでは通らず、「この職種でこの成果を出してきた」という具体性が必要です。
理由2. 文化・スピード感への適応が問われる
急成長中のため、「整った環境で確実に仕事をこなしたい」人よりも「仕組みがなければ作る、変化を楽しむ」人が採用される傾向があります。前職が大企業でプロセス重視の働き方に慣れた人は、カルチャーフィットを問われることがあります。
理由3. ブランド認知による競争率の高さ
Zoffというブランドの認知度の高さから、応募者数は多い傾向があります。特に商品企画やマーケティング系のポジションは人気が高く、差別化の難しい領域です。
インターメスティックの主な募集職種
本社を中心に、事業拡大を支える多様な職種で採用が継続されています。
- アイウェア商品企画・MD(デザイン・仕入れ・商品管理)
- ECサイト管理担当(オンラインストア運営・改善)
- マーケティング戦略(ブランドマーケティング・販促)
- CRM・MA担当(顧客データ分析・販促自動化)
- 経理・財務事務(上場企業の管理体制整備)
- 採用担当(中途・新卒採用、組織拡大対応)
- 情報システム担当(社内IT・DX推進)
- 店舗開発・出店担当(立地調査・契約交渉・新規出店)
- 店舗マネージャー(スタッフマネジメント・売上管理)
- グローバルビジネス開発(海外事業推進・現地法人管理)
インターメスティックに向いている人
タイプ1. ファッション・ライフスタイルビジネスに情熱がある人
Zoffはファッションブランドとしての側面が強く、商品・店舗・コミュニケーションすべてに消費者の感性への感度が問われます。「眼鏡が好き」「ファッションが好き」という素朴な共感がある人は、仕事のモチベーションが高まりやすい環境です。
タイプ2. 成長企業のスピード感を楽しめる人
上場・M&A・海外展開という連続する変化のなかで、自分のアイデアや専門性を試したい人にとって刺激的な環境です。整った仕組みよりも、自分で作り上げるプロセスを楽しめる人が向いています。
タイプ3. 異業種からアパレル・小売へ転身したい人
中途採用比率が7割という事実が示すとおり、前職の業種を問わず採用実績があります。EC・IT・経理・マーケティングなど職種の専門性を活かして小売・アパレルに転身したい人にはチャンスが多い会社です。
タイプ4. 将来的にマネジメントへ進みたい人
組織が急拡大中のため、マネジメントポジションへのキャリアアップのスピードが速い傾向があります。「早くチームを持ちたい」という成長欲求のある人には合った環境です。
インターメスティックに向いていない人
ミスマッチを防ぐため、率直に整理します。
- タイプ:安定・予測可能な環境を求める人 — 成長・M&A・組織変更が続く環境のため、安定した固定した役割を求める人には向きません
- タイプ:BtoB・製造業・重厚長大産業経験者で小売を敬遠する人 — 消費者との距離が近いBtoCのリズム(季節・トレンド・感性重視)は、製造業等の文化とは大きく異なります
- タイプ:大企業の整備されたプロセスが前提の人 — 仕組みがまだ成熟していない部分も多く、曖昧さへの耐性と自走力が求められます
- タイプ:完全リモート・フルフレキシブルを求める人 — 店舗オペレーションと密接に連動するため、一定程度のオフィス出社や現場対応は避けられません
インターメスティックの選考対策
選考対策1. Zoffブランドへのリアルな共感を示す
「なぜZoffか」という問いに対して、表面的な「おしゃれが好き」よりも深い共感・分析が求められます。実際に店舗に行き、商品を購入し、競合(Jins・眼鏡市場等)と比較してZoffの強み・改善点を自分の言葉で語れるようにしておくと説得力が増します。
選考対策2. 即戦力の具体的な成果を数字で語る
「前職でどんな成果を出したか」を定量的に語れることが求められます。「売上〇%改善」「顧客獲得コストを〇%削減」「採用応募数を〇件増やした」など、数値で示せるエピソードを複数用意してください。
選考対策3. 変化・スピードへの適応力を示すエピソードを準備する
急成長・M&A後の組織にいるため、候補者が「変化を前向きに楽しめるか」は採用側の重要な見立て項目です。前職で環境変化・組織再編・新規事業等に対応した経験とその成果を語れると有効です。
選考対策4. 面接は「和やかだが本質を見る」構造に備える
口コミによれば面接は比較的和やかな雰囲気で進む傾向がある。ただし、コンピテンシー(具体的な過去行動)ベースの問いで本質的な力を見る構造が採用されているため、表面的な受け答えではなく、行動とその背景・思考プロセスを丁寧に話せる準備が必要です。
選考対策5. 上場後の財務・ガバナンス強化への理解を示す
2024年のプライム上場後、管理部門(経理・内部統制・法務等)の強化が求められています。こうした職種への応募では、上場企業の開示・内部統制要件への理解や経験があることを積極的にアピールしてください。
選考対策6. グローバル志向・英語力はオプションで有効
海外事業担当の職種では英語力必須ですが、他の職種でもグローバル展開への関心・英語力(TOEIC600点以上程度)を持つ候補者は一定の加点要素になります。海外事業拡大フェーズのため、将来的なグローバル展開への貢献意欲を示すと好印象です。
インターメスティックへの転職で評価されやすい経験
- アパレル・小売・ライフスタイル系企業でのMD・商品企画経験
- EC・オンラインストアの運営・改善・成長施策の実行経験
- CRM・顧客データ分析・MA(マーケティングオートメーション)の実務経験
- 上場企業での経理・財務・内部統制の実務経験
- 採用・HRBPとしての組織拡大期のオペレーション構築経験
- 店舗ビジネスのオペレーション管理・店舗開発の経験
- グローバル(特にアジア圏)でのビジネス経験・英語力
- IT・基幹システム導入・DX推進の経験
- 消費財・FMCG・サービス業でのマーケティング戦略立案・実行経験
- M&A後の統合(PMI)プロジェクト経験
- デジタル広告・SNSマーケティングの運用・分析経験
- 顧客ロイヤルティプログラム(ポイント・会員制度)の設計・運営経験
特に評価されやすいのは、EC・デジタルマーケティング・CRM領域での成長施策の実行経験を持つ人材と、上場企業の管理体制整備を経験した経理・財務・内部統制のプロフェッショナルです。
まとめ
株式会社インターメスティックは、Zoffブランドを擁するアイウェアSPA企業として日本の眼鏡市場に革命を起こし、今はプライム上場・メガネスーパー統合・海外展開という三つの大きな変化を同時に進めている成長期の会社です。
平均年収708万円という小売・アパレル業界では高水準の待遇、中途採用比率7割という開放的な採用方針、そして月10.2時間程度の残業時間という働きやすさを組み合わせると、「成長できる環境を高い待遇で」という転職者の要望に応えられる数少ない小売・アパレル系企業の一つです。
転職先として検討する際は、「ファッション・消費者への熱量があるか」と「成長中の組織の曖昧さを前向きに楽しめるか」という2点が最大の適合判断軸です。BtoC・ファッション・成長企業という三つのキーワードが心躍るなら、ぜひ情報収集を深めることをお勧めします。
