「ほぼ日」という社名は、「ほぼ日刊イトイ新聞」というウェブサイトの名前からきている。1998年に糸井重里が立ち上げたこのサイトは、一日も更新を欠かさず27年以上続いており、今では100万部超を誇る手帳・雑貨ブランド、動画サービス、リアルイベント、ギャラリーショップなど多様な事業の起点となっている。
株式会社ほぼ日(旧社名:株式会社東京糸井重里事務所)は、2016年に現在の社名に変更し、2017年3月にJASDAQ上場(のちにスタンダード市場へ移行)した。東京都千代田区を本拠地とし、従業員数は約150名。規模は大きくないが、独自の世界観と一貫した企業哲学が広く支持されている。
コンテンツビジネスと製品販売を組み合わせた事業モデルと、クリエイティブな働き方が両立できる職場として、編集者・ライター・デザイナー・企画職など、表現や創造に関わるキャリアを持つ転職者にとって「一度は検討したい会社」として存在感を持っている。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社ほぼ日 |
| 設立 | 1979年12月(有限会社東京糸井重里事務所として) |
| 代表取締役社長CEO | 糸井重里 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区神田錦町3丁目18番地 |
| 資本金 | 3億5,100万円(約351百万円) |
| 従業員数 | 約156名(単体) |
| 上場区分 | スタンダード市場(証券コード3560) |
| 売上高 | 約86億7,700万円(2025年8月期実績・過去最高) |
| 平均年収 | 約677万円 |
| 平均年齢 | 非公開(推定30代後半) |
| 平均勤続年数 | 非公開 |
| 事業内容 | ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営、「ほぼ日手帳」等の企画・製造・販売、動画サービス・リアルイベント・ギャラリー運営など |
2025年8月期(直近本決算)は、売上高86億7,700万円(前期比15.2%増)・経常利益6億5,100万円(同19.7%増)と、売上・利益ともに過去最高を更新した。特に海外売上比率が58.9%を超えるなど、グローバルブランドとしての成長が加速している。
なお決算期は8月末であるため、1月〜3月(新年版手帳の販売集中期)を含む上半期に利益が偏る構造を持つ。2026年8月期の会社予想は売上高95億円(前期比9.5%増)と、さらなる成長を見込んでいる。
主な事業内容
ほぼ日の事業は「コンテンツ」「プロダクト」「場づくり」の三つの軸を中心に構成されている。それぞれが独立して成立しながらも相互に連動し、「ほぼ日」というブランドのエコシステムを形成している。
単なる手帳メーカーでも、単なるウェブメディアでも、単なるイベント会社でもない。これらを統合した、体験と物と場をつなぐブランドカンパニーとしての独自の立ち位置が、ほぼ日の最大の特徴だ。
ほぼ日刊イトイ新聞(コンテンツ事業)
1998年開始のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(1101.com)」は、会社の原点であり最大のメディア基盤だ。27年以上にわたる毎日更新という圧倒的な継続性が、熱量の高い読者・ファンコミュニティを形成している。
広告収益型ではなく、このウェブサイトを通じた商品販売やイベント集客が主な収益に結びついている。コンテンツが事業の入口となり、プロダクトや体験への購買につなげるという構造は、大手メディアとはまったく異なるエコシステムだ。
ほぼ日手帳(プロダクト事業)
2001年に発売した手帳ブランド「ほぼ日手帳」は、同社売上の60%超を占める主力事業だ。累計販売数は2024年時点で1,000万部を突破し、100を超える国と地域に届いている。
アニメ・アーティスト・IPとのコラボレーションを年々拡大しており、手帳市場における独自のポジションを確立している。2026年版では「たまごっち」「ムーミン」など多様なコラボが実現している。海外売上が58%を超えるなど、単なる日本のニッチブランドではなくグローバルな文具ブランドへの進化を遂げている。
ほぼ日の學校(動画・教育事業)
「ほぼ日の學校」は、糸井重里が「校長」を務めるオンライン動画サービスだ。文化人・表現者・企業家など幅広いゲストによる学びのコンテンツを提供し、ほぼ日ファンを中心に会員を広げている。
コンテンツ・サブスクリプションというビジネスモデルを導入しており、手帳事業に依存しない収益の多様化を担っている。「学び」という軸でのコミュニティ形成と収益化を両立させる新しい試みだ。
場づくり事業(TOBICHI・ほぼ日曜日・生活のたのしみ展)
東京・南青山の「TOBICHI」や渋谷PARCOの「ほぼ日曜日」などのリアルスペースを持ち、展示・ポップアップ・催しを定期的に開催している。毎年開催されるショッピングイベント「生活のたのしみ展」は、数日間で数万人規模の集客を誇る人気イベントに成長した。
デジタルとリアルを横断する「場づくり」は、顧客との関係性を深め、ブランドロイヤリティを高める重要な役割を果たしている。ECだけでは生まれない熱量を、リアルの体験を通じて生み出す戦略だ。
株式会社ほぼ日の強み
強み1. 27年間一日も欠かさず続けたウェブサイトが生む圧倒的なファン基盤
「ほぼ日刊イトイ新聞」は1998年から一日も更新を止めていない。この継続性そのものが競合に模倣困難な差別化要素となっている。記事・コンテンツを通じて形成された熱狂的なファンコミュニティは、プロダクトの購買・イベントへの参加・口コミ拡散の源泉となっている。
転職者の視点から見ると、既にファンが待ち構えているブランドの中で仕事ができるという希少な環境がある。発信すれば必ず反応が返ってくるという環境で、クリエイティブな仕事の手応えを感じやすい。
強み2. 手帳という「1,000万部・100か国」のグローバルブランド
「ほぼ日手帳」は単なる文具を超え、「自分の時間の使い方を大切にする」という価値観を共有するコミュニティを形成している。累計1,000万部という実績は、手帳という成熟カテゴリーにおいて異例の水準だ。
海外展開においてもブランド力を維持しており、翻訳や現地化だけでなく、コラボレーションを通じた各国向けの展開が奏功している。今後のグローバル成長においても、このブランド資産が強固な基盤となる。
強み3. コンテンツ・物・場を統合した独自のエコシステム
ウェブサイト(コンテンツ)→手帳・雑貨(プロダクト)→イベント・ギャラリー(場)という循環が、一つのブランドの中で完結している。単体の事業では難しい深い顧客体験を生み出せる点が、大手メディアや大手文具メーカーには持てない独自性だ。
このエコシステムの中で働くことは、コンテンツマーケティング・EC・イベントマーケティングが統合された複合スキルを身につける機会にもなる。
強み4. 「ほぼ日」ブランドが持つIPコラボ力
「たまごっち」「ムーミン」「ONE PIECE」など年々多様化するIPとのコラボレーション実績が示すように、ほぼ日は「コラボしたい相手」として権利者から選ばれる存在になっている。
これはブランドの信頼性と世界観の独自性が評価されている証拠だ。コラボの企画・交渉・制作のプロセスに関われる仕事は、他社では得られない希少なキャリア経験となる。
強み5. 海外売上58%超・グローバルブランドへの進化
「ほぼ日手帳」の海外展開は急速に進んでおり、2025年8月期時点で海外売上比率が58.9%に達した。日本発の文具・文化ブランドがここまで海外展開に成功している例は極めて稀だ。
グローバル展開の加速に伴い、英語対応・海外マーケティング・国際的なコラボ交渉など、グローバルなスキルを磨ける機会が社内に増加している。海外志向のある転職者にとって、意外と有力な選択肢になりうる。
強み6. 糸井重里という創業者の「哲学」が企業文化を強固にする
「やさしく、つよく、おもしろく。」という行動指針は、単なるスローガンではなく、社内の意思決定・採用・コンテンツ制作に深く浸透していると言われる。創業者の哲学が生きていることは、ブランドの一貫性を支え、長期的な顧客との信頼関係を築く根拠になっている。
株式会社ほぼ日の年収事情
ほぼ日の平均年収は約677万円と、コンテンツ・出版・小売といった業種の中では高水準だ。従業員約150名という規模で、この水準を維持していることは注目に値する。
職種・ポジション別の詳細なデータは非公開部分が多いが、転職サイトや採用情報から推計できる範囲を整理した。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| 編集・ライター | 450〜700万円 |
| 商品企画・プロダクト企画 | 500〜750万円 |
| Webエンジニア | 500〜750万円 |
| マーケティング・PR | 450〜700万円 |
| グラフィックデザイナー | 400〜650万円 |
| 経理・財務 | 500〜700万円 |
| 営業・セールス | 450〜650万円 |
| マネージャー・リーダー職 | 700〜950万円程度 |
※上記は転職サイト・採用情報等をもとにした推計であり、実際の処遇は選考状況・スキルにより異なる。
給与制度の特徴
ほぼ日の給与制度の詳細は非公開だが、上場企業として適切な賞与制度が存在すると考えられる。コンテンツ・プロダクト双方の事業が好調なため、業績連動の賞与が期待できる可能性がある。転職サイトの口コミでは、待遇は市場水準に近いという評価が見られる。
年収を見る際の注意点
- 「ほぼ日手帳」の販売期(1〜3月)に利益が集中する季節性があり、業績賞与のタイミングに影響する可能性がある
- 従業員約150名のため、職種や役職によって年収の幅が大きく変わる
- クリエイティブ職は市場に比べて年収が抑えられている場合もある。ただし「やりがい」とのトレードオフとして捉える人も多い
- 非公開の部分が多いため、選考過程で直接確認することを推奨する
- 公開されている平均年収データはサンプル数が限られる点に注意
株式会社ほぼ日の働き方・福利厚生
ほぼ日は「いい時間をつくる」という企業哲学を自社の働き方にも反映させている。クリエイティブな仕事が多い職場として、働き方の自由度が高い文化が存在する。
勤務体系
- フレックスタイム制を採用
- リモートワーク制度も整備されていると見られる
- 平均残業時間は月40時間程度とされる(転職会議の統計)
休日・休暇
- 週休2日制
- 有給消化率は年76.7%程度(転職会議の統計)
- 年次有給休暇・慶弔休暇等
主な福利厚生(確認できる範囲)
- 各種社会保険完備
- 通勤交通費支給
- フレックスタイム制度
- リモートワーク対応
- 産前産後・育児休業制度
- 服装自由(ほぼ日らしいカジュアルな環境)
- 有給消化を推奨する文化
- 社内イベントへの参加機会(ほぼ日らしいユニークな体験)
注意点
残業時間が月40時間程度という数字は、コンテンツ・イベント業界の中では平均的な水準だ。繁忙期(手帳販売時期・イベント期間)には残業が増える可能性もある。実際の勤務条件は選考過程で確認することを推奨する。
株式会社ほぼ日の社風・カルチャー
一言で表すなら「価値観が製品になっている会社」
ほぼ日のカルチャーを一言で表すなら、「価値観そのものがプロダクトになっている会社」だ。「やさしく、つよく、おもしろく。」という行動指針は、外向けのキャッチフレーズではなく、社内の意思決定・採用・コンテンツ制作の判断基準になっている。
社員の多くが「ほぼ日」という世界観に共感・愛着を持って働いており、ファンとしての視点を仕事の中に持ち込みやすい環境だ。クリエイティブな仕事に対して「何がいいのか」を自分たちで考えて決める文化が根付いている。
評価される人物像
- 「おもしろい」を追求できる人: 数字的な合理性だけでなく、コンテンツや製品の面白さ・良さを自分の言葉で語れる人が評価される
- 主体的に動き、発信できる人: 指示を待つのではなく、自分からアイデアを出し、形にする行動力が求められる
- ほぼ日の世界観に共感している人: 入社動機としてほぼ日というブランドへのリアルな愛着があることが、カルチャーフィットにつながる
- 一つのことを深く追える人: 多動よりも、一つのテーマを丁寧に深掘りし、読者・ユーザーに届けることを大切にする姿勢
表面的なイメージと実態の差
「糸井重里の会社」「自由でゆるい会社」というイメージを持って入社すると、想定外の仕事の厳しさに戸惑う可能性がある。実際には、ファンに向けた発信には「一つひとつの発信に責任を持つ」という強い意識が根付いており、クリエイティブな仕事であっても緩くはない。
また「ほぼ日手帳」という主力商品があるため、売上のプレッシャーや業務ノルマが存在する。おもしろくてビジネスも成立している会社であることを理解した上で臨むことが重要だ。
株式会社ほぼ日の転職難易度
難易度:A級(高め)
ほぼ日への転職難易度は「高め」と評価できる。採用枠が年間で限られており、応募者の中でのカルチャーフィットの評価が厳しいため、スキルだけでは通らない壁がある。
一方で、知名度があるわりに競合応募者の質が特定の指向に絞られる(クリエイティブ系・文化系志向の転職者が中心)ため、ターゲットを絞った応募の多い会社でもある。自分がほぼ日の世界観に合っていることを明確に示せれば、評価されやすい側面もある。
理由1. 採用人数が限られ、タイミングが重要
150名規模の会社のため年間採用数は少数であり、ポジションが開いているタイミングに乗ることが大前提だ。公式採用ページ・転職エージェント経由で情報を継続的にウォッチすることが不可欠だ。
理由2. カルチャーフィットの評価が厳格
スキルや経歴だけでなく、「ほぼ日という世界観に本当に共感しているか」「自分の言葉で語れるか」という面が厳しく評価される。表面的なファンアピールでは通らず、実際に手帳を使っている・コンテンツを読んでいる・イベントに参加しているといった具体的な体験が説得力を持つ。
理由3. 職種の専門性に加えてクリエイティブ感覚が必要
編集・企画・デザインなどクリエイティブ職は特に、専門スキルに加えて「ほぼ日らしい目線」が求められる。単にスキルの高いライターやデザイナーではなく、ほぼ日の視点でコンテンツや製品を捉えられるかが問われる。
株式会社ほぼ日の主な募集職種
ほぼ日は少人数の組織のため、常時すべての職種を募集しているわけではない。欠員補充・事業拡大のタイミングで採用が動く。公式採用ページでの定期確認が有効だ。
- ライター・編集者(ほぼ日刊イトイ新聞のコンテンツ制作)
- 商品企画・プロダクト企画(ほぼ日手帳・新プロダクトの企画)
- グラフィックデザイナー(手帳・雑貨・サイトのビジュアルデザイン)
- Webデザイナー(ウェブサイトのデザイン・UX)
- フロントエンドエンジニア(ウェブサービス・ECサイト開発)
- 広報・PR担当(ほぼ日ブランドのPR・メディア対応)
- マーケティング戦略(手帳販売戦略・海外展開マーケティング)
- 経理・財務事務(上場企業の財務・決算対応)
- 販売・プロモーション担当(リアルイベント・ECの販促)
株式会社ほぼ日に向いている人
タイプ1. ほぼ日の世界観にリアルに共感している人
手帳を使い続けている・1101.comを日常的に読んでいる・生活のたのしみ展に行ったことがあるなど、ほぼ日という存在を「仕事の外」でも好きな人。愛着のある場所で働くことに最もフィットしやすいのがこのタイプだ。
タイプ2. コンテンツと物とリアルを横断したい表現者
純粋なウェブメディア・純粋な出版・純粋な雑貨メーカーではなく、コンテンツ×プロダクト×体験という掛け合わせの中で仕事をしたい人。自分のクリエイティブが複数の形で届く環境を求めている人に向いている。
タイプ3. 数字とクリエイティブの両立ができる人
上場企業として業績責任を持ちながら、おもしろいコンテンツや製品を生み出す姿勢が求められる。「ビジネスにもなっているおもしろいもの」を追求できる人材が、長期的に活躍できる環境だ。
タイプ4. グローバルにブランドを広げたい人
海外売上比率が58%を超えた今、グローバルな視点でブランドを育てる仕事が増えている。英語力や海外文化への感度を持ち、国際的なコラボ・マーケティングに関わりたい人にとって適したフェーズにある。
タイプ5. 大企業の垣根を超えた「自分で作る」経験を積みたい人
大企業的な分業体制を離れ、企画から完成・発信まで一人で関わる経験を積みたい人。ほぼ日では少人数ゆえに担当領域が広く、「自分が作った」という達成感を得やすい環境がある。
株式会社ほぼ日に向いていない人
批判ではなくミスマッチを防ぐために、向いていない人の特徴を整理する。
- タイプ:年収・昇進を最優先に考える人 — ほぼ日はクリエイティブな環境が魅力の会社であり、短期間での年収の大幅アップや急速な昇進を主目的に考える場合は他社の方が合っている
- タイプ:ほぼ日のコンテンツに関心がない人 — 「働く場所としてはどこでもいい」という姿勢では、カルチャーフィットの選考を通過しにくい。ブランドへの共感がない状態での入社は定着率も低くなる可能性がある
- タイプ:大規模組織のリソースを活かしたい人 — 150名規模では、大企業のような潤沢な予算・専門チーム・大量の採用リソースは期待できない。少ない人数で広い守備範囲を担うことへの覚悟が必要だ
- タイプ:ITや最先端技術の最前線で働きたいエンジニア — ほぼ日の技術投資は事業支援が中心であり、最先端の技術スタックを積極的に採用する環境ではない
- タイプ:残業ゼロを絶対条件とする人 — 月40時間程度の残業が報告されており、特にイベント・手帳販売の繁忙期には増加する可能性がある
株式会社ほぼ日の選考対策
選考戦略1. ほぼ日のコンテンツを「使い込んでいる」実体験を持つ
面接の前に、手帳を実際に1年以上使っている・1101.comを日常的に読んでいる・生活のたのしみ展に参加したことがある、などの実体験を持てているかが大きな差になる。「ほぼ日を外から眺めていた人」ではなく「ほぼ日と一緒に生きてきた人」という印象を持ってもらうことが重要だ。
選考戦略2. 「おもしろいと思うコンテンツ」を自分の言葉で語れる準備をする
ほぼ日の面接では、「最近の記事で印象に残ったものは?」「手帳をどう使っていますか?」といった質問が想定される。自分なりの視点で、ほぼ日のコンテンツや製品の何が好きかを語れるよう準備しておくことが不可欠だ。
選考戦略3. クリエイティブの実績を「届く形」で提示する
ライター・デザイナー・編集者などのクリエイティブ職では、過去の成果物を見せることが最も説得力を持つ。ポートフォリオ・記事サンプル・デザインファイルを丁寧に整理し、「自分のクリエイティブがどう人に届いたか」を示せる状態を整えておきたい。
選考戦略4. ビジネス貢献の意識も合わせて示す
「クリエイティブが好き」だけでは不十分で、上場企業として売上・利益に貢献する意識も必要だ。過去の職歴において「おもしろいアウトプットと事業成果の両立」を示せるエピソードを用意しておくと、カルチャーフィットとビジネス力の双方を評価してもらいやすい。
選考戦略5. 海外展開や新事業への関心を具体的に示す
海外比率58%超という現在のフェーズにおいて、グローバルな視点・英語力・海外文化への感度を示せると差別化になる。「ほぼ日手帳の海外でのファンコミュニティに関わりたい」「グローバルなコラボ企画を動かしたい」という具体的な意欲を持っている場合は積極的にアピールしたい。
選考戦略6. 「長く、深く関わる」姿勢を伝える
ほぼ日はファンとの長期的な関係を大切にする会社だ。採用においても同様に、一緒に長く働ける人材かどうかが問われる。「短期的に経験を積んで転職」という姿勢ではなく、ほぼ日という場所で深く関わり続けたいという意思を、具体的な言葉で伝えることが重要だ。
株式会社ほぼ日への転職で評価されやすい経験
- ウェブメディア・出版・コンテンツ業界での編集・ライティング経験
- 文具・雑貨・アパレルなどライフスタイル系ブランドでの商品企画経験
- アート・デザイン分野でのブランディング・ビジュアルデザイン経験
- ECサイトの運営・商品ページ制作・購買体験設計の経験
- イベント・展示・ポップアップの企画・運営経験
- 海外向けのマーケティング・PR・ブランド展開の経験(英語力を伴うもの)
- IPコラボレーション・版権ライセンス交渉の経験
- 動画・音声コンテンツの企画・制作経験
- SNSを活用したコミュニティ運営・ファンベース形成の経験
- UX/UIデザイン・アプリ開発に関わるエンジニアリング経験
- 上場企業での経理・財務・IR対応の経験
- 教育・ラーニングコンテンツの企画・制作経験
特に評価されやすいのは、コンテンツ制作とプロダクトの両方に関わった経験を持つ「編集×商品企画」のキャリアと、英語力を活かしてブランドのグローバル展開を担えるマーケティング・PR人材だ。
まとめ
株式会社ほぼ日は、「ほぼ日手帳」という日本発のグローバルブランドと「ほぼ日刊イトイ新聞」という27年継続するウェブメディアを持つ、唯一無二の企業だ。売上高86億円超・海外比率58%超という成長軌道にある一方、「やさしく、つよく、おもしろく。」という価値観を中心に据えた企業哲学が、ブランドの一貫性を支えている。
転職者にとっては、規模感(150名の上場企業)と仕事の幅(コンテンツ・物・場をすべて内包)と平均年収(約677万円)という条件が、クリエイティブ系のキャリアを持つ人材にとってかなり魅力的な選択肢になる。「編集・デザイン・企画の仕事で上場企業水準の給与を得たい」という要望に正面から応えうる数少ない会社の一つだ。
難易度は高いが、「ほぼ日が好き」という実体験に根ざした動機があり、スキルと成果を具体的に示せる人材であれば、チャンスは十分にある。ほぼ日はスキルだけでなく、人柄と世界観への共感を重視するからこそ、合う人材には想像以上に居心地のよい職場になりうる。
ほぼ日への転職を考えるなら、まず手帳を使いながら1101.comを読み続けることから始めてほしい。その先に、自分の転職のストーリーが見えてくるはずだ。
