「株式会社ヘンリーって実際どうなの?」——転職を検討するなかで、そう感じてこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。クラウドネイティブ型の病院向け基幹システム「Henry」を開発する同社は、2026年5月にシリーズCで30億円を調達し、累計調達額は約57億円に達した注目の医療スタートアップです。
電子カルテ・オーダリング・レセコン(診療報酬請求)を一体化したSaaSを、主に中小病院向けに提供しています。デジタル庁の標準型電子カルテ開発事業のワーキンググループにも参画するなど、政策の追い風を受ける成長領域に身を置いています。設立は2018年、従業員数はSTARTUP DB掲載で約300名(2026年7月時点)まで拡大してきました。
一方で、非上場企業ゆえに売上・損益は非公開であり、収益化の状況は外部から確認できません。電子カルテ市場は富士通・NECといった資本力を持つ大手が近接領域で展開する競争環境にあります。転職先として検討するなら、こうした構造も知っておきたいところです。
この記事では、良い面だけでなく気になる点も一次情報ベースで正直に扱います。プレスリリースや業界解説記事など、確認できた事実をもとに、評判・年収・働き方・転職難易度をフラットに整理していきます。
企業概要
まずは株式会社ヘンリーの基本情報を整理します。同社は非上場のため、売上高や平均年収などの数値は公開されていません。この点はあらかじめご了承ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ヘンリー(旧社名:株式会社B&W) |
| 設立 | 2018年5月14日 |
| 代表者 | 代表取締役CEO:逆瀬川光人 |
| 本社所在地 | 東京都新宿区四谷坂町10-10 NOW/HERE新宿四谷 3001(※シリーズCプレスでは品川区東五反田との記載あり・移転の可能性) |
| 資本金 | 1億円 |
| 従業員数 | 約300名(2026年7月時点・STARTUP DB掲載/情報源により幅あり) |
| 上場区分 | 非上場 |
| 売上高 | 非公開 |
| 平均年収 | 非公開 |
| 平均年齢 | 非公開 |
| 平均勤続年数 | 非公開 |
| 主な事業 | クラウド型病院向け基幹システム「Henry」の開発・提供 |
補足として、社名の「ヘンリー」は、赤十字の父であり第1回ノーベル平和賞を受賞したジャン・アンリ・デュナンに由来するとされています。旧社名「B&W」は、共同創業者2名(代表取締役CEO 逆瀬川光人氏、取締役CCO 林太郎氏)の頭文字から取られていました。取締役CSOには萩原学氏が名を連ねています。
従業員数については情報源による乖離が大きい点に注意が必要です。STARTUP DBでは約300名(2026年7月時点)とされる一方、doda掲載では139名、Geekly Reviewでは75名という記載も見られます。いずれも三次情報のため、正確な人数は非公開と捉えるのが妥当でしょう。シリーズAプレスリリース時点(2022年6月)では26名(エンジニア15名・ビジネス9名)でした。
主な事業内容
株式会社ヘンリーの事業は、病院向けクラウド型基幹システム「Henry」を軸に構成されています。従来オンプレミス型が主流だった医療システム領域に、クラウドネイティブなアプローチで参入している点が特徴です。
クラウド型病院基幹システム「Henry」
主力プロダクトは、電子カルテ・オーダリング・レセコン(診療報酬請求)を一体化したSaaS「Henry」です。従来は別々のシステムを組み合わせる必要があった機能を統合し、クラウド上で提供します。クリニック向けの販売は2021年3月、病院向けサービスは2023年2月に開始されました。シリーズB時点(2025年7月)では50を超える医療機関で稼働しているとされています。
医事BPO(診療報酬請求業務の外部化)
システム提供に加え、医事BPO(Business Process Outsourcing)として、診療報酬請求・レセプト業務の外部化を支援する付加事業も展開しています。医療機関のバックオフィス負担を軽減する狙いがあると考えられます。
コンサルティング
医療機関の業務プロセス改善や、システム導入にあたっての支援を行うコンサルティング領域も事業に含まれています。単なるシステム販売にとどまらず、導入前後の伴走を含めたサービス提供を志向していることがうかがえます。
AI機能の開発
音声入力によるカルテ自動生成など、AI機能の開発も進めていると報じられています。医療現場の入力負担を軽減する方向性であり、今後のプロダクト強化の一つの軸になり得る領域です。
株式会社ヘンリーの強み
株式会社ヘンリーが成長領域で存在感を高めている背景には、いくつかの強みがあります。ここでは公開情報から確認できる範囲で整理します。
強み1. クラウドネイティブ型という設計思想
医療システム領域では従来オンプレミス型が主流でしたが、同社はクラウドネイティブ型として「Henry」を設計しています。電子カルテ・オーダリング・レセコンを一体で提供するアーキテクチャは、複数システムの連携に伴う複雑さを抑える方向性を持っています。
強み2. 中小病院という明確なターゲット設定
同社はまず100床前後の中小病院を主要ターゲットとして展開してきました。200床未満の病院における電子カルテ導入率は48.8%とされ、政府が2030年までに普及率約100%を目標に掲げるなか、伸びしろの大きい市場に狙いを定めている点は戦略上の強みといえます。
強み3. 競合比で抑えた価格設定
報道によれば「Henry」の価格は年間500万〜1,000万円程度で、競合比5〜7割水準とされています。導入コストが課題になりやすい中小病院に対し、価格面での訴求力を持たせている点は、ターゲット市場との相性が良い設計です。
強み4. 累計約57億円という資金調達力
2022年のシリーズA(7.3億円)、2025年のシリーズB(10億円)、2026年のシリーズC(30億円)と、着実に大型調達を重ね、累計約57億円に達しています。グロービス・キャピタル・パートナーズが複数ラウンドでリードを務めるなど、有力VCから継続的な支持を得ている点は、開発体制の拡充余地を示しています。
強み5. デジタル庁の政策事業への参画
デジタル庁「標準型電子カルテ開発事業プロダクトワーキンググループ」に参画しています。国が主導する電子カルテ普及政策の議論に関与できる立場は、市場動向への感度や標準仕様への対応力という点で意味を持ちます。
強み6. 制度対応というハードルへの正面からの取り組み
診療報酬制度は要件が通常の10〜20倍・約1700ページに及ぶ文書があり、2年ごとの改定対応が必要とされる領域です。この構造的に難易度の高い制度対応に正面から取り組んでいること自体が、参入障壁の高い市場での競争力になり得ます(この点は「気になる点」でも触れます)。
株式会社ヘンリーの年収事情
株式会社ヘンリーは非上場であり、目論見書もないため、平均年収は公開されていません。ここで示す数値は、公開されている個別事例と一般的なスタートアップの傾向をふまえた推計であり、実際の提示額を保証するものではない点にご注意ください。
職種別の想定年収レンジ(推計)
以下はあくまで推計であり、公式に公表された数値ではありません。実際の年収は経験・スキル・役割によって大きく変動します。
| 職種 | 想定年収レンジ(推計) | 備考 |
|---|---|---|
| エンジニア(メンバー〜リード) | 550万〜900万円程度 | スタートアップの技術職水準からの推計 |
| ビジネス職・営業 | 450万〜700万円程度 | 下記の口コミ事例を参考に推計 |
| コンサル・カスタマーサクセス | 500万〜750万円程度 | 役割・経験による変動大 |
| 管理部門・コーポレート | 450万〜700万円程度 | 職種・経験による変動大 |
給与制度
口コミサイトに掲載されている個別事例としては、営業職・30代で月給31万円(月45時間分の固定残業代込み)・年収500万円・年間賞与125万円という記載が確認できます(エン カイシャの評判・匿名1件の事例)。ただしこれは匿名の単一事例であり、全社の傾向を示すものではありません。固定残業代が含まれる給与体系である可能性がうかがえる点は、応募時に確認しておきたいポイントです。
注意点
年収については、口コミサイトごとに数値の幅が大きく、信頼できる一次情報がほとんど存在しないのが実情です。IndeedやdodaなどのW求人媒体にも給与情報の掲載はありますが、いずれも三次情報のため、鵜呑みにするのは避けたほうが賢明です。正確な条件は、選考プロセスのなかでオファー面談時に直接確認することをおすすめします。スタートアップの場合、ストックオプション(SO)が報酬に含まれるケースもあるため、その有無や条件も合わせて確認すると全体像がつかめます。
20〜30代のキャリア相談(無料)→株式会社ヘンリーの働き方・福利厚生
働き方や福利厚生についても、公開情報が限られています。ここでは確認できた範囲で正直に整理し、不明な点は不明と明記します。
勤務時間・残業
前述の口コミ事例では、月45時間分の固定残業代が給与に含まれるとの記載がありました。固定残業代の設定がある場合、その時間を超えた分の扱いや、実際の残業実態については、選考時に確認しておくとよいでしょう。全社的な残業時間の平均値などは公開されていません。
リモートワーク
リモートワークの可否や頻度について、公開された明確な情報は確認できませんでした。医療システムというプロダクトの性質上、開発職とビジネス職で働き方が異なる可能性もあります。この点は面接や面談時の確認事項となります。
福利厚生
具体的な福利厚生制度の詳細についても、公開情報からは十分に確認できませんでした。スタートアップとして各種制度を整備している可能性はありますが、確定的な情報がないため、ここでは「不明」とせざるを得ません。
注意点
働き方・福利厚生に関しては、口コミの蓄積が全体的に少ない点に留意が必要です。OpenWorkでは回答者数0人・全項目スコア「--」(評価データ蓄積なし)、転職会議では16件(うち採用口コミ12件で就労口コミは少数)、エン カイシャの評判では4件(スコア3.5/5.0)という状況です。つまり、外部の口コミから労働環境を推し量ることは現時点では難しく、実態は選考過程での対話を通じて確かめる姿勢が求められます。
株式会社ヘンリーの社風・カルチャー
社風・カルチャーについても、公開情報が限られるため断定は避けつつ、事業の性質から読み取れる傾向を整理します。
一言で表すなら
「制度の壁に正面から挑む、ミッションドリブンな医療スタートアップ」といえそうです。診療報酬制度という難易度の高い領域に、クラウドネイティブという新しいアプローチで挑む姿勢からは、社会課題解決を志向するカルチャーがうかがえます。社名がノーベル平和賞受賞者に由来する点も、そうした志向性を象徴しています。
評価される人物像
制度対応という複雑で変化の多い要件に向き合う事業であることから、「複雑さを厭わず粘り強く取り組める人」「変化する制度・仕様に継続的にキャッチアップできる人」が活躍しやすいと考えられます。急成長フェーズのスタートアップとして、自律的に動ける人材が求められる傾向もあるでしょう。
表面的なイメージと実態の差
「医療×スタートアップ」と聞くと華やかな印象を持つ方もいるかもしれませんが、実態は診療報酬制度への地道な対応が事業の根幹にあります。約1700ページの文書や2年ごとの制度改定への対応など、堅実で継続的な作業が事業を支えています。派手さよりも、社会インフラを支える着実さを面白いと感じられるかどうかが、ミスマッチを避ける鍵になりそうです。
株式会社ヘンリーの気になる点・入社前に知っておきたいこと(事実ベース)
ここからは、良い面だけでなくネガティブに見え得る点も正直に扱います。取り上げるのは、一次情報や公開された解説記事で裏取りできた事実のみです。憶測や誹謗は含めず、中立的な表現で整理します。
大手ベンダーが近接領域を握る競争環境
電子カルテ市場では、一定規模以上の病院向けで富士通が約3割のシェアでトップとされ、クリニック向けクラウド型ではエムスリーが上位に位置づけられていると報じられています。資本力・販売網を持つ大手が近接領域で展開するなかでの差別化は、後発クラウド型ベンダーに共通する競争環境上の論点といえます(出典: ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/347214)。
売上・損益・黒字化時期が非開示
同社はシリーズCラウンドで総額30億円を調達し、累計調達額は約57億円に達したと公表しています。一方で売上・損益・黒字化時期に関する数値はプレスリリース等で開示されておらず(非上場のため開示義務なし)、収益化の状況は外部から確認できません(出典: PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000102549.html)。
中規模病院対応は強化フェーズにある
シリーズCの資金用途として、現在の慢性期〜回復期・小規模病院に加え「中規模病院(200〜500床)や包括期市場への対応を加速」する方針が開示されており、中規模病院対応はこの時点で強化フェーズと位置づけられています。導入実績はシリーズB時点で「50を超える医療機関」と公表されている一方、中規模病院での稼働実績は個別に開示されていません(出典: PR TIMES シリーズC https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000102549.html)。
政策推進は機会であると同時に採択競争の側面も
同社はデジタル庁の標準型電子カルテ開発事業のプロダクトワーキンググループ(PWG)に参画していると公表しています。また2025年12月に成立した改正医療法等では、2030年12月末までに電子カルテ普及率約100%とする目標が示されています。標準仕様への適合や採択をめぐっては大手を含む複数事業者が関与する領域であり、政策推進は市場拡大の機会である一方で仕様適合・採択競争の側面も併存します(出典: PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000102549.html)。
業界解説でのシェア上位ベンダーには未登場
業界解説記事では、電子カルテ市場のシェアを富士通・NEC・ソフトウェアサービスの3社で約70%が占めるとされています。同記事に同社への言及はなく、シェア上位ベンダーとしては登場していません(出典: open-insight.net https://open-insight.net/blog/medical-care/electronic-medical-record-maker-guide-2025/)。
制度対応が開発リソース上の負荷になりうる
同社は、医療システム開発について「向き合った要件は通常の10〜20倍」と述べ、2年に一度の診療報酬制度改定への即時対応や、制度を網羅した約1700ページに及ぶ文書への継続対応が必要であると自ら説明しています。制度対応が開発リソース上の負荷となりうることは、同社自身が開示する課題です(出典: Kepple https://kepple.co.jp/articles/ihqft8yjx_n3)。
サポート対応時間(記載時点の情報)
第三者の解説記事(2023年時点)では、同社サポートは「平日土日問わず朝9時から夕方6時まで対応」と紹介されています。24時間稼働する医療現場における夜間・休日帯の対応範囲は、この記載時点の情報にもとづく確認事項です(現在の体制は変更の可能性があるため要確認/出典: Clius https://clius.jp/mag/2023/03/09/clinic-karte-henry/)。
いずれも、企業の将来性を否定するものではなく、成長フェーズのスタートアップに共通する構造的な論点です。事実として把握したうえで、自分がその環境をどう捉えるかを考える材料にしていただければと思います。
株式会社ヘンリーの転職難易度
難易度:A級(高め)
株式会社ヘンリーへの転職難易度は、高めと考えられます。有力VCから累計約57億円を調達し、急成長する注目スタートアップであること、そして医療という専門性の高いドメインを扱うことから、求められる水準は総じて高いと見るのが妥当です。以下、理由を整理します。
理由1. 専門性の高いドメイン知識が求められる
診療報酬制度という、要件が通常の10〜20倍・約1700ページの文書があるとされる複雑な領域を扱います。エンジニアであれ、ビジネス職であれ、医療・制度への理解、あるいはそれを学ぶ意欲と地力が問われる可能性が高いでしょう。
理由2. 急成長スタートアップとしての即戦力志向
従業員数が数年で26名から約300名規模へと拡大するなかで、各ポジションには自律的に成果を出せる即戦力が求められる傾向があります。組織が整い切っていないフェーズでも動ける柔軟性が評価されやすいと考えられます。
理由3. 有力VCの支援を受ける注目企業ゆえの応募競争
グロービスやAngel Bridge、Coral Capitalといった著名投資家が名を連ねる企業であり、医療スタートアップとしての注目度は高いといえます。魅力的なポジションには応募が集まりやすく、選考における相対的なハードルも上がりやすい環境です。
20〜30代のキャリア相談(無料)→株式会社ヘンリーに向いている人
以下のような志向・経験を持つ方は、株式会社ヘンリーとの相性が良い可能性があります。
- 医療という社会インフラの課題解決に、本気で取り組みたいと考えている人
- 診療報酬制度のような複雑で難易度の高い領域を、面白いと感じられる人
- 急成長フェーズのスタートアップで、裁量を持って自律的に働きたい人
- クラウドネイティブなプロダクト開発に、技術的な関心を持てるエンジニア
- 制度改定など、変化し続ける要件に継続的にキャッチアップできる人
- 派手さよりも、社会を支える着実な仕事に価値を見出せる人
株式会社ヘンリーに向いていない人
以下は批判ではなく、あくまでミスマッチを防ぐための整理です。当てはまる項目が多い場合、入社後にギャップを感じる可能性があります。
- 安定した環境を最優先するタイプ:非上場・成長フェーズのため、大企業のような制度の完成度や安定性を求める方には物足りない可能性があります。
- 明確な数値情報を重視するタイプ:売上・損益・平均年収などが非公開のため、事前に定量的な情報を十分に得たうえで判断したい方には不透明に感じられるかもしれません。
- 制度対応のような地道な作業を避けたいタイプ:診療報酬制度への継続的な対応が事業の根幹にあるため、複雑で細かい要件と向き合うことにストレスを感じる方には合いにくいでしょう。
- 役割が明確に定義された環境を求めるタイプ:成長フェーズゆえに業務範囲が流動的な場面もあり、きっちり線引きされた役割を望む方にはミスマッチが起きやすいです。
- 短期的な華やかさを期待するタイプ:医療インフラを支える事業は、成果が見えるまでに時間がかかる面もあります。即座の達成感を重視する方には向かない場面があります。
株式会社ヘンリーの選考対策
選考にあたっては、以下のポイントを意識すると、企業理解の深さや適性を効果的に伝えやすくなります。
対策1. 事業ドメインへの理解を深めておく
電子カルテ・レセコン一体型SaaSという事業内容や、中小病院というターゲット、そして診療報酬制度という領域の難しさを理解しておきましょう。「なぜ医療なのか」「なぜこの会社なのか」を自分の言葉で語れると説得力が増します。
対策2. ミッションへの共感を具体的に語る
社名の由来や、医療の社会課題解決というミッションに対して、なぜ自分が共感するのかを具体的なエピソードとともに準備しておくとよいでしょう。抽象的な共感ではなく、自分の経験と結びつけて語ることが重要です。
対策3. 変化への適応力を示すエピソードを用意する
急成長フェーズのスタートアップでは、状況の変化に柔軟に対応した経験が評価されやすい傾向があります。不確実な環境で自ら課題を見つけ、動いた経験を整理しておきましょう。
対策4. 複雑な要件と向き合った経験を棚卸しする
制度対応のような複雑で継続的な作業と向き合う事業です。過去に複雑な要件・制約のなかで成果を出した経験があれば、具体的に語れるよう準備しておくと相性の良さを示せます。
対策5. 条件面は選考過程で丁寧に確認する
年収・働き方・福利厚生などの公開情報が限られるため、疑問点は選考過程やオファー面談で丁寧に確認しましょう。固定残業代の扱いやストックオプションの有無など、納得して入社するための確認は遠慮なく行うことをおすすめします。
株式会社ヘンリーへの転職で評価されやすい経験
以下のような経験・スキルは、株式会社ヘンリーの選考で評価されやすいと考えられます。
- 医療・ヘルスケア業界での勤務経験(医療機関・医療系企業など)
- 診療報酬・レセプト業務・医事に関する実務知識
- クラウドネイティブなSaaSプロダクトの開発経験
- BtoB SaaSの導入支援・カスタマーサクセスの経験
- 複雑な業務要件を整理し、システムに落とし込んだ経験
- 法規制・制度変更への対応が必要な業界での実務経験
- スタートアップや急成長企業での勤務経験
- 病院・医療機関を顧客とした法人営業の経験
- 業務プロセス改善・BPOに関する知見
- 有形無形の制約が多い環境でプロダクトを前進させた経験
- 多職種(医師・看護師・事務など)との調整・協働経験
- AI・音声認識など先端技術の実装・活用経験
- 非構造的な課題に対して自律的に取り組んだ経験
特に評価されやすいのは、医療ドメインの知識と、複雑な要件を粘り強くプロダクトに落とし込む力を兼ね備えた経験です。 制度という難易度の高い領域に挑む同社にとって、専門性と実行力の両方を示せる人材は魅力的に映るでしょう。
20〜30代のキャリア相談(無料)→まとめ
株式会社ヘンリーは、クラウドネイティブ型の病院向け基幹システム「Henry」を開発する、注目の医療スタートアップです。電子カルテ・オーダリング・レセコンを一体化したSaaSを中小病院向けに展開し、2026年5月のシリーズCで30億円を調達、累計調達額は約57億円に達しました。デジタル庁の政策事業にも参画し、電子カルテ普及という社会的な追い風のなかで成長を続けています。
一方で、非上場ゆえに売上・損益・平均年収は非公開であり、収益化の状況は外部から確認できません。電子カルテ市場は富士通・NEC・ソフトウェアサービスといった大手が約7割のシェアを握るとされ、近接領域での差別化は競争環境上の論点です。中規模病院対応は強化フェーズにあり、制度対応が開発リソース上の負荷になりうることも同社自身が開示しています。これらは成長フェーズのスタートアップに共通する構造的な論点として、冷静に受け止めておきたいところです。
とはいえ、診療報酬制度という難易度の高い領域に、クラウドという新しいアプローチで正面から挑む姿勢は、社会課題解決に本気で取り組みたい人にとって大きな魅力になり得ます。有力VCの継続的な支援を受けながら、着実に事業を拡大してきた実績も、企業としての推進力を示しています。
転職を検討する際は、良い面と気になる点の両方をふまえたうえで、「自分がこの環境で力を発揮できるか」「ミッションに心から共感できるか」を軸に判断することをおすすめします。公開情報が限られる部分は、選考過程での対話を通じて丁寧に確認し、納得のいく意思決定につなげていただければ幸いです。
