株式会社東計電算は、1970年4月の創業以来50年以上にわたり、独立系SIとして業種特化の業務システム開発を手がけてきた企業です。神奈川県川崎市中原区に本社を置き、東証スタンダード市場に上場。親会社は株式会社アップワードで、グループ連携を生かしながら事業を展開しています。

IT大手と比較すると規模は中堅ですが、特定業種に深く刺さったシステム開発ノウハウと自社データセンターを持つ強みは、転職市場においても評価が高い要素です。転職を検討する際は「業種特化のスキルを磨きたいか」「大規模なプロダクト開発より安定的な受託を好むか」という観点で相性を見極めることが重要です。

企業概要

項目内容
正式社名株式会社東計電算
設立1970年4月1日
代表取締役甲田 英毅
本社所在地神奈川県川崎市中原区市ノ坪150
資本金約13億7,015万円
従業員数約820名(連結)
上場区分スタンダード市場(証券コード4746)
売上高約208億円(2024年12月期)
平均年収約580万円(有価証券報告書ベース)
平均年齢38.6歳
平均勤続年数13.0年
主な事業情報処理・ソフトウェア開発・機器販売・データセンター運営

株式会社東計電算は東証スタンダード市場に上場する独立系システムインテグレーターです。1970年代から製造業向けの業務システム開発を起点として成長し、現在では流通・公共・通販・外食など多様な業種に対応しています。

グループは東計電算を中心に子会社2社・関連会社1社で構成されており、親会社はアップワードです。設立から半世紀を超えた歴史のなかで積み上げた業種別ノウハウが、同社最大の資産といえます。

主な事業内容

東計電算の事業の柱は大きく3つに分類されます。受託開発・情報処理サービスが売上の約9割を占め、データセンター・クラウド事業と機器販売がそれを支える構造です。

業種横断で対応できる体制を持ちながら、特定業種に専任チームを配置することで「業種のスペシャリスト集団」として差別化を図っています。

ソフトウェア開発・情報処理サービス

顧客企業から受託した業務システムの設計・開発・テスト・運用保守を一貫して担います。製造業向けの生産管理や品質管理から、流通・小売向けの在庫・受発注管理、公共向けの申請処理システムまで幅広く対応しています。コンサルティングから設計・コーディング・運用監視まで自社完結するワンストップ体制が特徴で、売上構成の約91%を占める主力事業です。

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)領域も強く、顧客企業の業務プロセスそのものを受託し、ソフトウェアと運用スタッフを組み合わせて提供するモデルも展開しています。

データセンター・クラウドサービス

川崎市内に自社保有するインターネットデータセンター(IDC)を基盤に、サーバーハウジング・ホスティング・クラウドサービスを提供しています。自社センターを持つことで、セキュリティ要件の高い顧客にも対応できる点が強みです。

パブリッククラウドとの組み合わせによるハイブリッド構成の提案も行っており、クラウドシフトが進む市場環境に適応した提供メニューへと進化しています。

機器販売・その他

サーバー・ネットワーク機器・クライアント端末などのハードウェア販売や、ソフトウェアライセンス販売を行っています。リース対応も含め、顧客のITインフラ整備を総合的にサポートします。

また、オフショア開発の活用による開発コスト最適化も手がけており、海外パートナーとの協業体制でコスト競争力を維持しています。

株式会社東計電算の強み

強み1. 独立系SIとしての中立性

特定のITベンダーやメーカーと資本関係を持たない独立系SIであるため、顧客のニーズに最適な製品・技術を選定できます。特定ベンダーのソリューション販売ありきでシステムを提案する必要がなく、顧客本位の提案ができる点が信頼につながっています。転職者にとっては、特定技術スタックに縛られず幅広い技術経験を積める環境を意味します。

強み2. 50年超の業種特化ノウハウ

1970年の創業以来、製造・流通・小売・物流・公共・通販・外食など多業種の業務システムを手がけてきた実績があります。各業種の業務フロー・法規制・慣習を熟知したエンジニア・SEが在籍しており、新規顧客への提案精度が高い点が強みです。この業種ノウハウは競合他社が短期間で模倣しにくい参入障壁となっています。

強み3. 自社データセンターによる安定運用

川崎市内に自社保有するIDCは、24時間365日の安定稼働と高いセキュリティレベルを実現しています。外部センターを借用するSIに比べ、運用コストのコントロール力が高く、顧客に対して安定したSLAを提供できます。エンジニアにとっては、インフラから開発・運用まで幅広く関われる環境です。

強み4. 長期安定した顧客基盤

受託開発・情報処理サービスは一度導入されると長期継続する傾向が強く、同社も設立以来の顧客企業との長期取引が多数存在しています。景気変動の影響を受けにくい安定的な収益構造は、企業の財務健全性につながり、社員にとっての雇用安定性にも直結します。

強み5. 東証上場による財務透明性と安定性

スタンダード市場上場企業として財務情報の開示義務があり、経営の透明性が担保されています。売上約208億円・純利益約53億円(2024年12月期)という実績は、IT中堅企業として健全な水準です。親会社アップワードのグループ傘下でシナジーを活かせる点も加点要素です。

強み6. 転勤なし・年間休日120日の安定就労環境

中途採用の求人で「転勤なし」「年間120日休日」を明記している点は、生活基盤を重視する転職者にとって大きな魅力です。IT業界では長時間労働・頻繁な常駐・転勤が多い現場も少なくないなかで、同社の働き方は相対的に安定寄りといえます。

株式会社東計電算の年収事情

東計電算の平均年収は有価証券報告書ベースで約580〜593万円程度とされています。IT業界の全体平均(約600万円前後)と比較するとやや控えめですが、残業時間が比較的少ない傾向があることを加味すると、実質的な時給換算では見劣りしない水準です。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
システムエンジニア(若手)350〜500万円
システムエンジニア(中堅)500〜650万円
プロジェクトリーダー580〜700万円
プロジェクトマネージャー650〜800万円
プログラマー(若手)300〜420万円
営業・企画450〜650万円
インフラエンジニア450〜620万円
管理職・部長クラス700〜950万円

給与制度の特徴

年に2回の賞与(ボーナス)があり、平均ボーナスは約95万円程度とされています。新卒の初任給は営業職で月約19.7万円(年収換算約236万円)からスタートします。年功序列と成果評価を組み合わせた制度が採られており、勤続年数とスキルアップが連動して昇給につながる傾向があります。

年収を見る際の注意点

  • 職種・部署・担当案件によって年収差が生じやすい
  • 社員クチコミによると「残業は少ない傾向だが、昇給スピードは早くない」との声もある
  • 技術スキル・資格取得(情報処理技術者試験等)が評価につながる場合が多い
  • 管理職登用後の年収ジャンプアップはあるが、道のりは長い傾向がある
  • IT業界全体での年収上昇トレンドが続いており、今後の改定に注目

株式会社東計電算の働き方・福利厚生

東計電算は「転勤なし」「年間休日120日」を前面に出した採用活動を行っており、ライフスタイルを重視する転職者にとって魅力的な条件が揃っています。

勤務時間・休日

  • 所定労働時間: 7.5〜8時間(フレックスタイム制度あり)
  • 完全週休2日制(土・日)
  • 年間休日: 約120日
  • 祝日・年末年始・夏季休暇あり

リモートワーク

  • 職種・プロジェクトによってリモート対応可能な案件もある
  • 顧客常駐案件はオンサイト対応が中心
  • ハイブリッド勤務の普及は部署・顧客状況に依存

福利厚生

  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災)
  • 退職金制度
  • 資格取得支援制度(試験費用補助・報奨金)
  • 社員研修制度(技術研修・ビジネス研修)
  • 健康診断・人間ドック補助
  • 慶弔見舞金
  • 社内公募・異動希望制度
  • 持株会
  • 各種法定外休暇

注意点 顧客常駐型のプロジェクトでは、勤務場所が顧客先となるケースも多く、川崎本社への通勤とは異なる勤務形態になることがあります。プロジェクトのフェーズ(要件定義・開発・テスト)によって繁閑差が生まれやすい点も理解しておくことが必要です。

株式会社東計電算の社風・カルチャー

一言で表すなら「堅実・専門職集団」

東計電算の社風を一言で表すなら「堅実な専門職集団」が近いといえます。スタートアップ的なスピード感や大手の派手さはなく、業種特化のシステム開発というニッチな領域を丁寧に積み上げてきた文化が根付いています。社員の平均勤続年数が13年という数字は、この堅実さを端的に示しています。

中途入社者のクチコミでは「落ち着いた雰囲気で腰を据えて仕事ができる」「業種知識が深く、専門性を高めやすい環境」という声が多く見られます。一方で「変化のスピードが遅い」「チャレンジングな新事業は少ない」という意見もあり、ダイナミックな変化を好む人には物足りなさを感じる面もあります。

評価される人物像

東計電算で評価されやすいのは、特定業種への興味関心が高く、長期的に顧客との関係を深められるタイプです。顧客業務を深く理解した上で最適なシステム提案をする「業種スペシャリスト」としての姿勢が求められます。また、技術力の継続的な向上(資格取得・自己学習)に積極的なエンジニアが評価される傾向があります。

表面的なイメージと実態の差

「中小SIっぽい地味な会社」というイメージを持たれやすいですが、上場企業として財務基盤はしっかりしており、顧客は大手製造業・流通業が多い点で実態はしっかりした基盤を持つ企業です。また「技術力が低そう」というイメージと裏腹に、業種特化の深いシステム設計スキルを持つエンジニアが多数在籍しています。

株式会社東計電算の転職難易度

難易度:B級(普通〜やや易しめ)

東計電算はIT業界の中ではエントリーハードルが比較的低めの企業といえます。有名メガベンチャーやコンサルファームほどの高度なスクリーニングはなく、基礎的なIT知識と業種への関心があれば選考チャンスが生まれます。ただし、採用人数は限られており、競争倍率は一定程度存在します。

中途採用では未経験から採用実績もある一方、即戦力になれる開発経験者や業種業務知識のある人材は優先的に評価されます。スタンダード市場上場企業として財務が安定していることから、転職者にとっての人気は安定して高めです。

理由1. 独立系SIとしての採用基準の間口の広さ

特定メーカー系列ではないため、特定言語・ツールへの縛りがなく、様々な技術バックグラウンドを持つエンジニアが活躍できます。「業種知識+IT基礎力」があれば、必ずしも特定の技術スタックが必須でないポジションも多くあります。

理由2. 安定志向の採用文化

平均勤続年数13年が示すように、一度入ると長く在籍する社員が多いため、欠員補充型の採用が多く、大量採用は少ない傾向があります。採用枠が限られるため、応募タイミングが重要です。

理由3. 業種ドメイン知識の重視

製造業・流通業などの業務経験や知識がある転職者は特に歓迎されます。プログラミングスキルだけでなく、業種の業務フローを理解して顧客と対話できる人材を求めているため、異業種でも「業種業務経験者」は強いアドバンテージを持ちます。

株式会社東計電算の主な募集職種

東計電算では、システム開発・運用に関わる幅広い職種を継続的に採用しています。以下の職種が主な募集ラインです。

株式会社東計電算に向いている人

タイプ1. 特定業種を深掘りしたい人

製造・流通・物流・公共など特定業種への興味関心が高く、その業種に特化したシステム開発を長期的に手がけたい人に向いています。業種のスペシャリストとして認められるキャリアを積みたい方に最適です。

タイプ2. 安定した就労環境を重視する人

転勤なし・年間休日120日・平均勤続13年という安定した環境は、生活基盤を大切にしながらキャリアを積みたい方に向いています。結婚・育児などのライフイベントを視野に入れた転職軸がある方にも適しています。

タイプ3. 受託開発でスキルを積みたい人

自社サービス開発より、様々な顧客の課題を解決するシステム開発を通じて幅広い業務知識・技術力を伸ばしたい人に向いています。多業種対応のプロジェクトを経験することで、SI系エンジニアとしての市場価値を高められます。

タイプ4. 地に足のついたIT企業でキャリアを積みたい人

スタートアップの不安定さや大企業の官僚的な文化を避け、堅実な中堅IT企業でじっくりキャリアを形成したいと考えている人に向いています。地方出身者で関東圏への転職を考える場合にも、川崎本社勤務の選択肢として検討できます。

株式会社東計電算に向いていない人

批判ではなくミスマッチ防止のためにお伝えします。東計電算の環境や文化がすべての転職者に合うわけではありません。

  • タイプ:スピード感のある事業開発がしたい人:スタートアップや自社サービス企業のようなアジャイルな事業展開を求める場合はミスマッチになりやすい
  • タイプ:高収入を最優先したい人:平均年収580万円台はIT業界全体の水準より若干低め。年収を最大化したい場合は大手コンサルや外資系に比べ伸びが限られる
  • タイプ:最新技術・トレンド技術を追いたい人:顧客の業種システムはレガシーな環境が多く、最新フレームワーク・AI技術を積極的に使いたい場合は物足りないことがある
  • タイプ:頻繁な挑戦や組織変革を好む人:変化のペースがゆっくりしており、大きな戦略転換や新事業への参画機会は多くない
  • タイプ:フルリモート勤務を希望する人:顧客常駐型の案件が多く、完全リモートを希望する場合は案件やポジションが限られる可能性がある

株式会社東計電算の選考対策

戦略1. 業種知識への関心を具体的に示す

東計電算が最も評価するのは「業種業務への理解・関心」です。自分がどの業種に関わりたいか、なぜその業種のシステム開発がしたいかを、自分の職歴・経験と紐づけて語れるよう準備しましょう。漠然とした「IT全般に興味」より、「製造業の生産管理を改善するシステムを手がけたい」という具体性が評価されます。

戦略2. 長期就業意向を明確に伝える

平均勤続13年という文化を考えると、採用側は「長く働いてくれるか」を重視する傾向があります。転職理由を語る際は、同社でのキャリアビジョンを中長期で描けていることを伝えることが重要です。「数年で外に出たい」という印象を与えると評価が下がりやすくなります。

戦略3. 基礎的な技術力を確実にアピール

難易度は比較的低めですが、システム開発の基礎知識は必須です。使用経験のある言語・フレームワーク・開発手法(ウォーターフォール・アジャイル等)について、具体的なプロジェクト経験とともに説明できるよう整理しておきましょう。資格(基本情報技術者・応用情報技術者等)があれば積極的にアピールします。

戦略4. 安定就労志向を軸に動機を整理する

「転勤なし・安定企業・業種スキル習得」という軸で転職動機を整理することで、企業の求める人物像とのマッチングを示しやすくなります。ただし「安定しているから」だけでは印象が弱く、「この業種のシステム開発でキャリアを深めたいから」という内発的動機を添えることが大切です。

戦略5. 顧客折衝経験を整理する

システムエンジニアプロジェクトマネージャーポジションでは、顧客との要件定義・折衝経験が重要視されます。技術力だけでなく、「顧客の業務をヒアリングして、課題を整理してシステムに落とし込んだ経験」を具体的な事例で語れるよう準備しましょう。

戦略6. 複数のポジションへの柔軟性を見せる

SE・PM・インフラ・BPOなど、同社内では多岐にわたるポジションがあります。第一希望のポジション以外でも活躍できる柔軟性を示すと採用側に好印象です。特に未経験分野への好奇心や学習意欲を具体的に示せると強みになります。

株式会社東計電算への転職で評価されやすい経験

  • 製造業・流通業・小売業・物流業での業務システムの設計・開発経験
  • 顧客の業務要件をヒアリングし、システム仕様に落とし込んだ経験
  • ウォーターフォール型の開発プロジェクトでの上流工程(要件定義・基本設計)の担当経験
  • Java・C#・Python・VB.NETなどの業務系開発言語の実務経験
  • データベース(Oracle・SQL Server・MySQL等)の設計・開発・チューニング経験
  • Linux/Windowsサーバーの構築・運用・保守経験
  • プロジェクトリーダーとしてのチームマネジメント・進捗管理経験
  • 顧客常駐型プロジェクトでのコミュニケーション・折衝経験
  • 情報処理技術者試験(基本・応用・高度)の資格保有
  • BPO(業務プロセスアウトソーシング)業務の設計・運用経験
  • 業種特化の業務知識(製造業の生産管理・受発注・品質管理等)
  • オフショアチームとの協業・コミュニケーション経験
  • インフラ(ネットワーク・サーバー)設計・構築の実務経験

特に評価されやすいのは、製造業や流通業の基幹システム開発の上流工程経験と、業種の業務フロー理解を持ち合わせたSE・PLの経験です。

まとめ

株式会社東計電算は、1970年創業の独立系システムインテグレーターとして半世紀以上の実績を誇る、堅実なIT中堅企業です。製造・流通・公共など業種特化の受託開発と自社データセンター運営を軸に、安定した収益基盤を持ち、東証スタンダード市場に上場しています。

転職先として見た場合、平均年収580万円台・平均勤続13年・年間休日120日・転勤なしという条件は、IT業界の中では安定寄りの環境です。派手な成長ベンチャーではなく、腰を据えて業種専門性を磨きたいエンジニア・SE・PMにとって、長期的なキャリア構築の場として適しています。

一方で、年収の急速な上昇や最新技術への積極的な投資を求める方には、やや保守的に映る側面もあります。転職を検討する際は「業種スペシャリストとして深みを追うキャリア」と「最先端技術を追うキャリア」のどちらを優先するかを軸に、自分の志向と照らし合わせることが重要です。

東計電算での経験は、顧客業種の深い理解と受託開発のプロジェクトマネジメント力を磨く場として価値があります。転職エージェントとして見ても、「安定した中堅SIで業種専門性を積みたい」という軸を持つ方への推薦先として、十分に検討に値する企業です。