株式会社日立製作所は、1910年の創業から100年以上の歴史を持ちながら、2010年代以降の大規模な構造改革によって「重厚長大の旧財閥系メーカー」から「グローバルITサービス・社会インフラ企業」へと変貌を遂げた企業です。東証・名証プライム市場に上場する日本有数の大企業でありながら、ジョブ型雇用への移行やLumadaを核としたデジタル事業の拡大など、変革への意欲は国内製造業の中でも際立っています。

2025年3月期の連結売上高は約9.8兆円、平均年収は961万円(有価証券報告書ベース)。インフラ・エネルギー・製造・金融・公共など、社会の基盤を支える事業を幅広く手がけながら、データとデジタルで社会課題を解決する「社会イノベーション事業」を中核に据えています。

転職市場では「大企業の安定感」と「グローバルスケールでの挑戦」の両方を期待して志望する人が多い企業です。しかし実態は、部署や職種によって働き方・文化・キャリアパスが大きく異なり、入社前の企業研究の質が満足度に直結します。本記事では20年のエージェント経験を持つ視点から、同社の強み・注意点・選考対策まで詳しく解説します。

企業概要

項目内容
会社名株式会社日立製作所(Hitachi, Ltd.)
設立1920年2月1日(創業1910年)
代表者德永俊昭(執行役社長兼CEO)
本社所在地東京都千代田区丸の内1丁目6番6号
資本金4,628億1,700万円
従業員数単体:29,850名/グループ全体:約28万名(2025年3月期)
上場区分東証プライム・名証プレミア(証券コード:6501)
売上収益9兆7,834億円(2025年3月期・連結)
営業利益9,627億円(2025年3月期・連結)
平均年収961万円(2025年3月期・有価証券報告書ベース、平均年齢42.6歳)
事業内容デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズ

2025年3月期は連結売上高9.8兆円、営業利益9,627億円を達成。海外売上比率は全体の過半を超えており、グループ会社を含めると約28万人が世界50カ国以上で事業を展開するグローバル企業です。2021年に約1兆円で買収した米GlobalLogicを中心に、デジタルエンジニアリングサービスのグローバル展開を加速させています。

主な事業内容

日立製作所は「デジタルシステム&サービス(DSS)」「グリーンエナジー&モビリティ(GEM)」「コネクティブインダストリーズ(CI)」の3つのセクターで事業を展開しており、その共通基盤としてLumadaというデジタルソリューションブランドを掲げています。

Lumada(ルマーダ)

Lumadaは、日立が保有するデータ活用・AIなどの技術を体系化したソリューション・サービスのブランドです。顧客のデータからインサイトを抽出し、OT(運用技術)とIT(情報技術)を組み合わせて社会や産業の課題を解決することを目的としています。2025年時点で日立グループ全体の売上に占めるLumada関連事業の比率は拡大が続いており、2027年には売上の50%以上をLumadaが占める目標を掲げています。

クライアントは製造・流通・金融・社会インフラ・ヘルスケアなど多岐にわたり、個別のシステム構築にとどまらず、データを活用した業務改革や新しいビジネスモデルの共創まで手がけます。

デジタルシステム&サービス(DSS)

金融・公共・社会インフラ向けのITシステム、クラウドサービス、デジタルエンジニアリングを中心とするセクターです。GlobalLogicがここに属し、ソフトウェアエンジニアリングを軸としたデジタルトランスフォーメーション支援を世界規模で展開しています。国内ではメインフレームや大規模エンタープライズシステムの構築・保守を長年担ってきた実績を持ちます。

グリーンエナジー&モビリティ(GEM)

再生可能エネルギー・送配電・原子力・鉄道システムなどを手がけるセクターです。特に高電圧直流送電(HVDC)では世界トップクラスのシェアを持ち、脱炭素・エネルギー転換に貢献する事業を展開しています。英国・欧州・アジアなどで大型インフラプロジェクトを受注しており、グローバルなエネルギー課題の解決に直接関わる仕事ができます。

コネクティブインダストリーズ(CI)

ビルシステム(エレベーター・エスカレーター)、産業機器、半導体計測装置、ライフサイエンス機器などを担うセクターです。特に半導体の電子線寸法測定装置(CD-SEM)では世界シェア70%以上を持ち、半導体業界において事実上の不可欠な存在となっています。国内外の製造業・ヘルスケア領域のDXにも積極的に関与しています。

株式会社日立製作所の強み

強み1. 「重厚長大」から「グローバルDX企業」への転換が本物

2010年代に日立は約22の上場子会社を再編・売却し、日立化成・日立金属・日立建機・日立物流など主要事業を切り離すという大胆なポートフォリオ改革を断行しました。かつての「なんでもやる総合メーカー」から「社会イノベーション事業に集中するグローバル企業」への転身を、実際に実行しきった点が他の老舗大企業と一線を画しています。

転職者にとっての意味:単なる安定志向で入る企業ではなく、変化を経験した組織で変革の当事者として働く機会があります。前向きに変革を楽しめる人ほど、この組織の価値を引き出せます。

強み2. 社会インフラ事業という参入障壁の高さ

電力・鉄道・水処理・ヘルスケアといった社会インフラ領域は、技術力・信頼性・長期実績が求められるため、競合他社が容易に参入できません。日立はこれらの分野で100年超の実績と信頼を蓄積しており、国内外の大規模インフラプロジェクトを受注し続けています。「社会の基盤を支える仕事がしたい」という志向の人には、他社では得難いスケールの経験が積めます。

転職者にとっての意味:電力・鉄道・医療・行政などのインフラに直接関わるプロジェクトに参画でき、「自分の仕事が社会に残る」実感を持ちやすい環境です。

強み3. Lumadaを通じたOT×IT融合という独自の差別化

純粋なITサービス企業と異なり、日立はOT(Operational Technology=製造や制御の運用技術)とIT(Information Technology)の両方を持ちます。工場・電力網・鉄道などの現場知識とデジタル技術を融合する「OT×IT×プロダクト」の組み合わせは、世界でも限られた企業だけが実現できる差別化軸であり、Lumadaのグローバル展開においても中核的な競争力となっています。

転職者にとっての意味:純粋なシステムインテグレーションでは得られない、産業・インフラ領域の知識とデジタル技術の掛け合わせを習得できます。これは市場価値の高いスキルセットです。

強み4. GlobalLogic買収による本格的なグローバルエンジニアリング組織

2021年に約1兆円で買収した米GlobalLogicは、インド・欧州・米州に多数のエンジニアリング拠点を持ち、グローバルなデジタルエンジニアリングサービスを展開しています。日立がGlobalLogicを傘下に収めたことで、国内SIerの枠を超えたグローバルなソフトウェア開発・デジタルサービスの実力を備えました。

転職者にとっての意味:国内の大企業の安定感を持ちながら、グローバルなデジタルプロジェクトに関わる機会が現実的に存在します。海外駐在・グローバルプロジェクトへの参加を目指しやすい環境です。

強み5. ジョブ型雇用の先進的な導入による評価制度の透明化

日立は2020年代前半から、国内大企業の中でもいち早くジョブ型雇用(職務定義型の採用・評価制度)を導入しました。「何ができるか」に基づいた採用・評価への転換を進めており、年功序列的な横並び昇進からの脱却を明確に打ち出しています。専門性を磨いて価値を高めたい人材にとって、成果と専門性が評価されやすい仕組みが整いつつあります。

転職者にとっての意味:専門スキルを持って入社した場合、それに見合った処遇を得やすい構造になっています。ただし「ジョブ型」への移行は部署・事業によって進捗が異なるため、応募職種の実態確認が必要です。

株式会社日立製作所の年収事情

有価証券報告書(2025年3月期)によると、単体の平均年収は961万円(平均年齢42.6歳)です。2022年の897万円から3年間で約64万円の上昇となっており、ジョブ型移行と処遇改善の効果が数字に表れています。

直近の平均年収推移

年度平均年収
2022年3月期897万円
2023年3月期916万円
2024年3月期936万円
2025年3月期961万円

※有価証券報告書(単体)ベース

職種別の想定年収レンジ

職種例想定年収目安
システムエンジニア(若手〜中堅)500万〜750万円
システムエンジニア(マネージャー)750万〜1,050万円
研究開発・技術職550万〜850万円
プロジェクトマネージャー800万〜1,200万円
営業・ソリューション営業600万〜900万円
コーポレート(経理・法務・人事)550万〜850万円
グローバルポジション(海外赴任含む)900万〜1,500万円以上

※公開求人・採用情報・口コミ情報をもとにした参考値です。実際の年収はグレード・職種・部署・評価によって異なります。

給与制度の特徴

ジョブ型雇用の導入に伴い、職務グレードに基づく月額基本給と業績連動のボーナス(年2回)で構成されています。従来の年功序列的な一律昇給から、職務と成果に応じた差別化された報酬体系へ移行中です。

「マイ・ベネフィット」制度では、年間約11.3万円相当のポイントが付与され、育児・介護・自己啓発・旅行などに柔軟に活用できます。

年収を見る際の注意点

  • 961万円は単体の平均であり、平均年齢42.6歳と比較的高いことを考慮する必要があります。若手・中堅層の年収はこれより低い水準です
  • 部署・事業領域によって給与水準は異なり、DSSやGEM系の海外関連ポジションは高く、国内コーポレート系は相対的に低めの傾向があります
  • ジョブ型移行は進んでいますが、全部署で一律に反映されているわけではなく、旧来型の評価が残る部署もあります
  • 住宅手当は独身30歳まで・既婚40歳まで支給される年齢制限があり、40代以降は手当が減少します

株式会社日立製作所の働き方・福利厚生

勤務時間・休日

  • 所定労働時間: フレックスタイム制(コアタイムあり)
  • 年間休日: 120〜125日(土日祝日+夏期・年末年始休暇)
  • 有給休暇: 初年度より付与。取得義務化(年15日以上)の運用あり

リモートワーク・働き方

  • 新型コロナ禍以降、本社・オフィス部門では週3〜4日のリモートワークが定着している部署も多数
  • 業務内容(現場対応・製造・インフラ保守など)によっては出社が前提のポジションも存在
  • フレックスタイム制の活用が広まっており、育児・介護中の社員も活用しやすい制度設計

主な福利厚生

項目内容
住宅手当独身30歳まで月最大5万円、既婚40歳まで月最大7万円(条件あり)
マイ・ベネフィット年間約11.3万円相当のポイントで福利厚生を自由選択
育児支援育児休暇・復帰制度、事業場内保育施設あり(一部拠点)
介護支援介護休業・介護短時間勤務制度
健康管理健康診断・人間ドック・産業医・メンタルヘルス相談窓口
自己啓発支援社内研修・資格取得支援・書籍購入補助(マイ・ベネフィット活用)
社員食堂主要拠点に設置(バランスドメニュー・補助あり)
持株会奨励金制度あり

働き方を見る際の注意点

OpenWork等の口コミを見ると、「部署によって働き方の差が非常に大きい」という声が多く見られます。デジタル系・コーポレート部門は残業が少なくリモートも活用されている一方、SIer系の現場対応職・インフラ保守・大型プロジェクトのSEは深夜残業・休日対応が発生するケースも少なくありません。

「日立に入れば安定してワークライフバランスが整う」という期待は、配属先・部署によっては外れる可能性があります。入社前に志望する部署の実態を転職エージェントや現職社員経由で確認することを強くお勧めします。

株式会社日立製作所の社風・カルチャー

根底にある三つの精神

日立の企業文化の根底には、「和・誠・開拓者精神」という創業以来の三つの精神が流れています。「和」は協調・チームワーク、「誠」は誠実・真摯な仕事ぶり、「開拓者精神」は挑戦と革新への姿勢を表しています。100年以上この価値観を継承してきた組織であり、協力・誠実・チームプレーを重視する文化は今も色濃く残っています。

変革期に生まれた新旧カルチャーの混在

2010年代の大規模改革、そしてジョブ型雇用への転換により、日立は「変わろうとしている」組織です。しかし組織規模が大きいため、変革の進み具合は部署・事業・世代によって大きく異なります。

  • 変革が進んでいる部署: DSS系・Lumada推進部門・グローバルポジション・新規デジタル事業
  • 旧来型文化が根強い部署: 大手顧客向けSI保守・製造技術職・一部コーポレート部門

これは「日立はかたい大企業だ」とも「先進的なグローバル企業だ」とも評される理由であり、入社前にどの部署・チームに入るかを見極めることが非常に重要です。

評価される人物像

  • 大局を見ながら自分の職務を深く掘り下げられる人
  • 社会的意義のある仕事に誇りを持ち、長期視点でキャリアを積める人
  • チームや組織との協調を大切にしながら、自分の意見も論理的に伝えられる人
  • グローバル環境に抵抗なく、英語や多文化コミュニケーションに挑戦できる人

表面的なイメージと実態の差

「日立に入れば安定した大企業でゆったり働ける」というイメージで入社すると、実態にギャップを感じる可能性があります。近年は成果責任が明確になりつつあり、「ジョブ型」の名のもとで「何ができるか」を問われる場面が増えています。一方で規模の大きさゆえに、意思決定のスピードに物足りなさを感じるという声も根強く存在します。

「社会インフラという重厚なテーマに、デジタルという新しい武器で挑みたい」という志向の人が最も活躍しやすい環境です。

株式会社日立製作所の転職難易度

難易度:高(中途採用はSクラス)

理由1. 書類選考・面接の通過倍率が高い

中途採用の応募倍率は30倍程度とされており、書類選考通過率は3〜5%と言われています。「日本を代表するグローバル大企業」というブランドは転職市場でも際立っており、特にデジタル・エンジニアリング系の求人には競合が集まりやすい状況です。一方で2026年度新卒採用計画が1,100名と大規模化しており、中途採用の門戸も以前より広がりつつあります。

理由2. 職種・事業領域への専門性と実績の明確さが求められる

ジョブ型採用が進んでいるため、「何でもできます」という採用ではなく、「○○の専門性を持ち、○○という実績を出してきた人材を○○のポジションに採用する」という採用スタイルが主流です。職務経歴書で具体的な技術スキル・プロジェクト規模・成果数値を示せない候補者は書類段階で落ちる可能性が高いです。

理由3. 「なぜ日立か」という志望動機の説得力

規模・安定・年収だけを理由にした志望動機は、面接で容易に見抜かれます。日立が手がける事業領域(社会インフラ・エネルギー転換・Lumada・グローバル展開)への理解と、「自分の専門性がこの会社でどう活かせるか」「この会社でなければできないことは何か」を論理的・具体的に語れる準備が必要です。

株式会社日立製作所に向いている人

1. 社会インフラ・エネルギー・公共事業に関わる仕事で社会貢献したい人

「電力・鉄道・水処理・医療・行政など、社会を支える事業に携わりたい」という志向の人には、日立の規模と事業領域は他社で得難い環境を提供します。自分の仕事が社会に残るという実感を持ちながら働きたい人に向いています。

2. OT×ITの掛け合わせでDXに挑戦したい人

純粋なITコンサル・SIでは得られない、製造・エネルギー・インフラの現場知識とデジタル技術の融合に挑戦したい人には理想的なフィールドです。「工場や電力網をどうデジタル化するか」という問いに真正面から取り組める稀有な環境です。

3. グローバルなキャリアを日本の大企業ベースで積みたい人

GlobalLogicや海外グループ会社を通じたグローバルプロジェクト、海外赴任の機会があります。「外資系ほど不安定ではなく、日系大企業のセーフティネットを持ちながらグローバルで活躍したい」という人に向いています。

4. 専門スキルを持ち、ジョブ型で処遇されたいエキスパート

エンジニア・研究者・コンサルタントなど、明確な専門スキルを持ち、それを評価されたい人には、ジョブ型採用の枠組みが合っています。年功序列ではなく職務と成果で報酬が決まる仕組みへの移行が進んでいます。

5. 長期的なキャリアビジョンを持って腰を据えて働きたい人

日立の主要事業は短期プロジェクトより長期継続型の社会インフラ・ソリューション事業が中心です。「5年・10年スパンで一つの事業・技術・顧客に深く関わりたい」という人は、大規模インフラプロジェクトやLumada事業の推進で長期的な達成感を得やすいでしょう。

株式会社日立製作所に向いていない人

向いていない人を正直に書くのは、ミスマッチを防ぐためです。入社後に後悔しないための情報として受け取ってください。

  • 意思決定のスピード感を最優先にしたい人: 日本の大企業として組織の階層が存在し、意思決定に時間がかかるケースが多いです。スタートアップのような速さを期待するとギャップを感じます
  • 「安定・ゆったり」だけを求める人: ジョブ型移行・Lumada推進・グローバル展開と、変革圧力がかかり続けている組織です。変化への適応を拒む人は評価が下がりやすくなっています
  • 特定の技術・スキルに絞らず「なんでもやります」というスタンスの人: ジョブ型採用が主流になる中、自分の専門性を明確に示せない人材は採用面・昇進面で不利です
  • 部署や配属先を深く調べずに入社したい人: 同じ日立でも部署によって文化・働き方・将来性が大きく異なります。「日立ブランド」だけで決断すると配属後に大きなギャップが生じる可能性があります
  • 純粋なスタートアップ文化・ベンチャースピリットを求める人: 100年企業として積み上げたプロセスや制度が存在します。それを「しがらみ」と感じる人には重く感じることがあります

株式会社日立製作所の選考対策

1. 志望ポジションに対応する専門スキルと実績を数値で整理する

ジョブ型採用では「あなたはこのポジションで何ができるか」が最初の問いです。職務経歴書には担当プロジェクトの規模(予算・チーム人数・期間)、技術スタック、課題と解決策、定量的な成果(コスト削減率・稼働率・売上貢献額など)を具体的に記載してください。「経験があります」という記述では通過しません。

2. 日立の事業・戦略を深く理解した上で志望動機を構築する

「大企業で安定して働きたい」「年収を上げたい」という動機は面接で必ず見抜かれます。日立のIR資料・中期経営計画・Lumada戦略・サステナビリティレポートを読み込み、「なぜ今の日立なのか」「どのセクター・事業領域に関わりたいのか」「自分の経験がどの課題解決に貢献できるのか」を具体的に語れるよう準備してください。

3. OT・インフラ・社会課題への理解を深める

日立が手がける事業は電力・鉄道・水処理・医療・製造など、社会インフラ領域が多い。純粋なITバックグラウンドの人が応募する場合、「なぜソフトウェアだけでなくインフラ・製造現場の課題に取り組みたいのか」を明確に語れる必要があります。逆に現場経験を持つエンジニア・技術者は、「デジタルとどう掛け合わせたいか」を語れると評価が高まります。

4. グローバルコミュニケーション能力を示す準備をする

海外売上比率が高く、GlobalLogicとの協働も増えている現在、英語力・多文化適応力は多くのポジションで問われます。TOEICスコアよりも「英語で実際にどんな仕事をしてきたか」という実績が評価されます。英文メール・国際会議・外国人チームとの協業経験があれば、具体的に語れるよう整理してください。

5. 「社会的課題への貢献」という動機を自分の経験と結びつける

日立の採用担当・面接官が評価するのは、「この仕事を通じて社会をよくしたい」という内発的な動機です。「自分のスキルを活かして人々の暮らしを支える事業に関わりたい」という志を、過去の具体的な経験エピソードと結びつけて語ってください。「儲かる仕事」「大企業ブランド」という動機を前面に出すと評価が下がります。

6. 面接は複数回・技術面接が含まれることを想定する

選考フローは書類選考→Web適性検査→面接(2〜3回)が標準です。技術職の場合は技術面接が含まれることがあり、専門的な問いに答える準備が必要です。最終面接では部門長・事業リーダークラスが面接官になるケースが多く、「なぜうちの事業なのか」という本質的な問いが飛んできます。準備不足で臨むと、いくら実績があっても落ちることがあります。

株式会社日立製作所への転職で評価されやすい経験

  • 大規模ITインフラ・エンタープライズシステムの設計・構築・運用経験
  • OT(制御技術)とITを掛け合わせた製造・インフラ系DXの推進経験
  • Lumadaに関連するデータ活用・AI・IoTソリューションの実務経験
  • 電力・鉄道・水処理・ヘルスケア・公共インフラ向けシステム構築経験
  • グローバルプロジェクト・海外チームとの協働・英語での業務推進経験
  • 大規模プロジェクトマネジメント(数十名規模・数億円以上のプロジェクト)
  • クラウド(AWS・Azure・GCP)を活用したエンタープライズシステムの移行・構築
  • デジタルエンジニアリング・組み込み系ソフトウェア開発経験
  • コンサルティングファームでのIT戦略・DX推進プロジェクト経験
  • 半導体・精密機器・計測装置の設計・開発・品質保証経験
  • 再生可能エネルギー・送配電・電力系統の技術・営業経験
  • 研究開発(AI・機械学習・量子コンピューティング・材料科学など)
  • 海外拠点・グローバル顧客向け営業・ソリューション提案経験
  • 業務改革・ERP導入・SCM・SAPなどのエンタープライズソフトウェア導入経験

特に評価されやすいのは「OT・インフラ・製造の現場知識を持ちながら、データ・デジタル技術でその課題を解決した実績」です。純粋なITバックグラウンドより、現場課題を知った上でのデジタル活用経験を持つ人材が、Lumada推進という観点でも高い価値を持っています。

まとめ

株式会社日立製作所は、100年超の歴史を持ちながら、2010年代の大規模構造改革とジョブ型雇用の導入、Lumadaというデジタル戦略の推進によって、「旧財閥系製造業」から「グローバルITサービス・社会インフラ企業」への転換を現実に進めている企業です。連結売上高9.8兆円、平均年収961万円(2025年3月期)、グループ従業員約28万名という規模は、日本企業の中で際立った存在感を持っています。

一方で、組織の大きさゆえに部署・事業・世代によってカルチャーや働き方の差が大きく、「日立に入れば安定・快適」という単純な期待は入社後のミスマッチにつながるリスクがあります。転職を検討する場合は、志望するセクター・部署の実態をエージェントや現職社員経由でしっかり確認した上で選考に臨むことが重要です。

社会インフラ・エネルギー・製造のDXという巨大なテーマに、デジタルと専門技術を持って貢献したい人にとって、株式会社日立製作所は日本でも有数の魅力的な選択肢になるでしょう。


参照した主な情報源

  • 株式会社日立製作所 公式サイト・IR情報(hitachi.co.jp / hitachi.com)
  • 2025年3月期 連結決算概要・有価証券報告書(hitachi.co.jp/IR)
  • 日立製作所 採用サイト(hitachi.co.jp/recruit)
  • 日本経済新聞 企業情報・平均年収データ(nikkei.com)
  • IRBANK 日立製作所(6501)年収・業績データ(irbank.net)
  • OpenWork 日立製作所 社員クチコミ(openwork.jp)
  • エン カイシャの評判 日立製作所(en-hyouban.com)
  • talentsquare 日立製作所転職難易度記事
  • sincereed-agent 日立製作所年収・転職難易度解説
  • assign-inc ASSIGNメディア 日立製作所平均年収解説