「仕事をラクに。オモシロく。」——このコンセプトを体現するrakumo株式会社は、Google Workspace連携グループウェア「rakumo」シリーズを核に、企業の業務効率化を支援するSaaS企業だ。2004年の設立から20年以上にわたって着実に事業を成長させ、現在は東証グロース市場(証券コード4060)に上場している。

Googleが提供するWorkspaceを日々の業務ツールとして使う企業は国内でも急増しているが、「せっかくGoogleを使っているのに、勤怠や経費精算は別のシステムで…」という課題を抱える企業は多い。rakumoはこの課題を解決するために生まれたプロダクトで、Googleの環境のなかでシームレスに業務アプリを使えるという独自の価値提案を持つ。

売上高約18.3億円・従業員約124名というミドルサイズ上場企業として、過度なスタートアップ的不安定さとは無縁の安定感を持ちながら、SaaS固有の成長性も兼ね備えている。本記事ではrakumoへの転職を検討する方が知っておくべき情報を丁寧に解説する。

企業概要

項目内容
正式社名rakumo株式会社
設立2004年12月
代表取締役清水孝治
本社所在地東京都千代田区麹町3-2 麹町KYビル6F
資本金約3.5億円(2025年12月期時点)
従業員数約124名(2025年時点)
上場区分東証グロース市場(証券コード4060)
売上高約18.3億円(2025年12月期推計)
経常利益約4.3億円(2025年12月期推計)
平均年収約550万円(日経電子版データ)
事業内容Google Workspace連携グループウェア「rakumo」シリーズ、SNS型日報「gamba!」、IRビデオ配信「SmartVision IR」等のSaaS事業
拠点東京(千代田区)・ベトナム

rakumo株式会社は2004年12月に設立。当初はシステム開発事業からスタートし、Google Apps(現Google Workspace)との連携プロダクト開発に特化したビジネスモデルへと転換した経緯を持つ。現在はラクモシリーズとして複数のSaaSプロダクトを展開。ベトナムに開発拠点も持ち、コスト効率の高いプロダクト開発体制を構築している。

主な事業内容

rakumoの事業の中心は「Google Workspace拡張」というコンセプトに基づくSaaSプロダクト群だ。企業がすでに使っているGoogleの環境に、業務に必要な機能をプラグインのように追加できる点が最大の差別化ポイントとなっている。

rakumoシリーズ(グループウェア連携SaaS)

主力事業。Google Workspaceと完全連携する形で、以下の業務アプリを提供している。

  • rakumoカレンダー:Googleカレンダーをベースに、会議室予約・設備予約・会社全体のスケジュール共有を強化するサービス
  • rakumo勤怠:Google Workspaceのアカウントで利用できるクラウド勤怠管理システム。打刻・残業管理・有給管理をブラウザ上で完結できる
  • rakumo経費:レシート撮影・申請・承認・仕訳連携をGoogleの環境内でシームレスに処理できる経費精算サービス
  • rakumo稟議:ペーパーレスな稟議申請・承認フローを実現するワークフローサービス

これらはバラ売り・パッケージ両対応で、中小〜中堅企業が段階的に導入しやすい設計になっている。

gamba!(SNS型日報シェアアプリ)

チームの目標・進捗・日報をSNS感覚で共有できるモバイルアプリ。マネジメント層がメンバーの状況を把握しやすくするツールで、テレワーク普及に伴うリモートマネジメント需要を取り込んでいる。

SmartVision IR(IRビデオ配信)

上場企業向けの決算説明会・IR動画の配信サービス。rakumoが自ら上場企業として培ったIR知見を活かしたサービスで、企業のIR活動のデジタル化を支援する。

ベトナム開発拠点

コスト競争力の確保と開発体制の強化を目的に、ベトナムに開発エンジニアのチームを持つ。国内エンジニアチームと連携しながら、プロダクト開発のスピードと品質を維持している。

rakumo株式会社の強み

強み1. Google Workspace特化という独自ポジション

国内のグループウェア市場にはMicrosoft Teams・Slack・kintoneなど多くのプレイヤーが存在するが、「Google Workspaceのエコシステム内に完全統合する」という設計思想を持つSaaS企業は限られる。Google Workspaceを軸に業務標準化を進める企業にとって、rakumoは「代替が効きにくい」ツールになりやすい。

転職者にとっての意味:チャーン率が低い(解約されにくい)ビジネス構造は、収益の安定性に直結する。安定した事業基盤を持つ企業は、雇用の安定性においても信頼できる。

強み2. 複数プロダクトによるクロスセル効果

rakumoシリーズはカレンダー・勤怠・経費・稟議という「企業のバックオフィス業務全般」をカバーしている。一つのプロダクトを導入した企業が、業務効率化をさらに進めるために別のrakumoプロダクトを追加導入するクロスセルが期待できる構造だ。

転職者にとっての意味:既存顧客への深耕営業(エクスパンション)がしやすい構造は、カスタマーサクセスやセールスポジションでの「成果が出やすい環境」を意味する。

強み3. 東証グロース市場上場の安定性と透明性

上場企業として財務情報・経営方針が定期的に開示されるため、転職前に会社の実態を数字で確認できる。売上高・利益率・成長率を確認してから入社判断ができる点は、ブラックボックスの多い未上場ベンチャーとは大きく異なる安心感だ。

転職者にとっての意味:投資家向けに財務情報を開示する企業は、社員に対しても一定の信頼性を持つ。急な経営悪化によるリストラリスクを客観的に評価しやすい。

強み4. ベトナム開発拠点によるコスト競争力

開発コストの最適化によって、国内SaaS競合より価格競争力のあるプロダクト提供が可能になっている。これは特に中小企業の顧客獲得において有利に働く。

転職者にとっての意味:グローバルチームでの仕事経験を積む機会があり、特にエンジニアやプロダクトマネージャーポジションではベトナムチームとの協働がキャリアの幅を広げる。

強み5. DX推進の社会的追い風

中小企業のDX化推進は政府施策としても後押しされており、クラウド業務アプリへの移行需要は継続的に高まっている。特に勤怠管理・経費精算のクラウド化は、法改正対応(電子帳簿保存法・働き方改革関連法)のニーズとも重なる。

転職者にとっての意味:市場の追い風が吹いている分野での営業・CSは、努力が成果に結びつきやすい。DX支援の実績を積むことは転職市場での市場価値向上にもつながる。

強み6. 「仕事をラクに」という普遍的なミッション

「効率化・省力化」という価値提案は時代を問わず共感を得やすく、プロダクトの社会的意義を語りやすい。「人の役に立つ仕事がしたい」という動機を持つ転職者がモチベーションを維持しやすい環境だ。

rakumo株式会社の年収事情

日経電子版データによると、rakumoの平均年収は約550万円。IT業界平均(600万円前後)をやや下回る水準だが、東京都内の上場IT企業として標準的なレンジ内に収まる。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
ソフトウェアエンジニア(中堅)500〜700万円程度
シニアエンジニア・テックリード700〜900万円程度
プロダクトマネージャー600〜800万円程度
セールス(フィールドセールス)450〜650万円程度
カスタマーサクセス450〜600万円程度
マーケティング500〜650万円程度
コーポレート(経理・人事・法務)450〜620万円程度

※上記は推計値。実際の年収は経験・スキル・職位により異なる。

給与制度の特徴

上場企業として等級制度・評価制度を整備しており、昇給・賞与は定期的な人事評価と連動する仕組みと推察される。実績として大幅昇給を打ち出しているトヨクモとは異なり、rakumoは「堅実な安定成長」型の報酬設計と言えるだろう。

年収を見る際の注意点

  • 平均年収550万円は年齢・職位の分布によって個人差が大きい
  • ベトナム拠点との協働体制があり、将来的に組織構造が変化する可能性がある
  • 年収アップを主目的に転職する場合、より高報酬のSaaS企業との比較検討が重要
  • ストックオプション等の株式報酬の有無・条件は個別に確認が必要
  • 売上高18億円規模の企業として、エンジニアの超高額報酬は難しい水準

rakumo株式会社の働き方・福利厚生

勤務時間・休日

  • 所定労働時間:フレックスタイム制(コアタイムあり)
  • 年間休日:120日以上
  • 完全週休2日制(土・日)
  • 祝日休み
  • 夏季休暇・年末年始休暇

リモートワーク

千代田区麹町の本社に加え、フレキシブルな勤務形態に対応。自社プロダクトである勤怠・経費システムを社内で使いながら、ハイブリッドワークを実践している。

主な福利厚生・制度

  • 各種社会保険完備(健康・厚生年金・雇用・労災)
  • 書籍購入補助(業務関連書籍)
  • 資格取得支援
  • 健康診断・人間ドック支援
  • 産前産後・育児休業制度
  • フレックスタイム制
  • 社員持株会
  • 交通費支給
  • テレワーク環境整備支援

働き方の注意点

124名規模の上場企業として、過度なスタートアップ的ハードワークとは一線を画した働き方ができる環境が整っている一方、SaaSビジネス特有のカスタマーサクセスやサポート業務では、顧客対応のタイムラインによって繁忙期が生じる場合がある。自社のプロダクト(勤怠・経費)を自ら使って働くことで、プロダクト品質の改善実感を日常業務の中で得やすい環境でもある。

rakumo株式会社の社風・カルチャー

一言で表すなら「Googleエコシステムの専門家集団」

rakumoのカルチャーは「Googleの良さを最大限に引き出すことへのこだわり」に根ざしている。Google WorkspaceのAPIや設計思想を深く理解したうえでプロダクトを作るという専門性のある仕事への誇りが、チームのアイデンティティを形成している。

千代田区麹町というロケーションもあって、オフィス環境は整っており、程よいプロフェッショナリズムと働きやすさが共存している印象だ。

評価される人物像

  • Google Workspaceやクラウドツールへの親和性が高い人
  • 地道にプロダクトを改善し続けることにやりがいを感じる人
  • 中小企業のユーザー視点で「使いやすさ」にこだわれる人
  • チームワークを大切にしながら自律的に行動できる人
  • プロダクトの細部を大切にするエンジニアリング・デザインへの姿勢がある人

表面的なイメージと実態の差

「小さな会社だからゆるい」というイメージは禁物で、上場企業として投資家・顧客・社員への責任を果たすプロフェッショナルな仕事文化がある。一方で「大企業のような激しい縦割り・ポリティクス」とも無縁で、自分の仕事の全体像が見えやすい適度な規模感が魅力だ。

rakumo株式会社の転職難易度

難易度:2級(やや易しめ)

全5段階の2級。ベンチャーほどの高倍率ではなく、適切なスキルと経験があれば選考を突破しやすい環境だ。ただし上場企業として最低限の実務スキルと企業理解は求められる。

124名規模の上場企業として、年間採用人数は限定的ではあるが、選考の厳しさはスタートアップ型の一発勝負というよりも、「適性を丁寧に見る」タイプだ。特定のプロダクト知識よりも、Googleツールへの親和性・業務改善への興味・チームフィットが重視される傾向がある。

理由1. 採用の間口が比較的広い

IT業界全般の経験者であれば、特定のSaaS経験がなくてもGoogleツールへの親和性が高ければ評価されやすい。ポテンシャル採用の余地もあり、第二新卒〜若手の転職にも間口が開いている。

理由2. 専門的なGoogle Workspace知識は希少価値になる

一方で、Google Workspaceの管理経験・API開発経験などを持つ候補者は競合と大きく差別化できる。希少な専門性を持つ候補者は選考でかなり有利になる。

理由3. カルチャーフィットを重視する選考

技術・営業スキルだけでなく、「仕事をラクにするプロダクトを作る」というミッションへの共感、チームワーク重視のカルチャーとのフィット感が採用判断に影響する。自分本位な仕事スタイルより、チームや顧客のために動けるかどうかが問われる。

rakumo株式会社に向いている人

タイプ1. GoogleツールをフルにつかいこなしたいITプロフェッショナル

GmailやGoogleカレンダー、スプレッドシートを日常的に使い、「もっと業務に活かせるはず」と感じているビジネスパーソンにとって、rakumoは仕事そのものがGoogleの世界の探求になる。

タイプ2. 安定した上場企業でSaaS経験を積みたい人

スタートアップのリスクは避けたいが、大企業の硬直性も嫌だという方に、rakumoの規模感と上場企業としての安定性は適度なバランスを提供する。

タイプ3. 中小企業のDX支援にやりがいを感じる人

大企業向けの大規模システム導入ではなく、中小・中堅企業の日常業務を「ラクに」するソリューションを届けることに意義を感じる人には、ユーザーとの距離感が近いrakumoの仕事スタイルがフィットする。

タイプ4. ワークライフバランスを大切にしながらIT業界で働きたい人

過度な残業文化や激務体制を避けながら、プロとして成長したい人に向いている。上場IT企業としての安定した働き方と、SaaS業界での実務経験の両立が期待できる。

タイプ5. ベトナム拠点との協働でグローバル経験を積みたい人

エンジニア・PMポジションでは、ベトナム開発チームとの英語でのコミュニケーションが発生することがある。国際的な開発環境での経験を積みたい人にとってはプラスのポイントだ。

rakumo株式会社に向いていない人

批判ではなく、ミスマッチを防ぐための視点として記載する。

  • タイプ:高年収を最優先する人 — 平均年収約550万円は、高報酬SaaS企業と比べると見劣りする。年収アップを最優先とする場合はより報酬水準の高い企業を検討すべきだ
  • タイプ:急成長の爆速スタートアップ体験を求める人 — 124名・18億円規模の成熟度では、0→1フェーズのスタートアップ的なスリルは感じにくい。急成長のダイナミズムを求める人には物足りない可能性がある
  • タイプ:Googleエコシステムへの関心が薄い人 — プロダクトがGoogle Workspaceとの連携に深く根ざしているため、Googleのサービス群への親和性が低い人はプロダクトの本質的な価値を理解しにくい
  • タイプ:大規模プロジェクト管理経験を積みたい人 — 中小・中堅企業向けプロダクトのため、数百人規模のエンタープライズ案件を仕切る経験は積みにくい
  • タイプ:強い上昇志向でポジションを急いで上げたい人 — 安定した組織構造の分、ポジション昇格のスピードは大手と大差ない可能性がある

rakumo株式会社の選考対策

選考対策1. rakumoプロダクトを実際に試す

rakumoのWebサイトでは無料トライアルや資料ダウンロードが可能だ。実際にプロダクトを使ってみて、UI/UXの特徴・使いやすさの印象・改善できそうな点などを自分の言葉で語れるよう準備しておく。

選考対策2. Google Workspaceの活用経験を整理する

前職でGmailやGoogleカレンダー・スプレッドシートをどのように業務に活用したか、具体的なエピソードを準備する。Googleのサービスをただ使っていたのではなく、「業務改善のためにどう工夫したか」という視点が評価されやすい。

選考対策3. 中小企業のDX支援への関心を言語化する

「なぜrakumoで働きたいのか」の答えを、中小・中堅企業の業務改善支援というテーマと自分の経験・価値観を結びつける形で準備する。企業規模や業界が異なる前職経験も、「ユーザーの業務をラクにした」エピソードとして活かせる。

選考対策4. SaaSビジネスの基本知識を押さえる

カスタマーサクセス・ARR・チャーン率・クロスセルなどのSaaS用語と概念を理解しておく。rakumoのビジネスモデル(サブスクリプション型・月額課金)についても事前に理解しておくと面接で話が深まりやすい。

選考対策5. チームワーク重視のエピソードを準備する

rakumoの社風はチームワークと協調性を重視する傾向がある。過去の業務でチームとして課題を解決したエピソード、他部署と連携して成果を出した経験などを具体的に語れるよう整理しておく。

選考対策6. 職務経歴書では改善・効率化の実績を強調する

「仕事をラクにするプロダクトを作る会社」に対して、過去のキャリアで「業務を改善・効率化した実績」を数値とともに記載することが効果的だ。どんな職種であっても「ラクにした」経験はrakumoのミッションと共鳴しやすい。

rakumo株式会社への転職で評価されやすい経験

  • Google Workspace(Gmail/カレンダー/スプレッドシート)の管理・活用経験
  • SaaSプロダクトの営業・カスタマーサクセス経験
  • 中小・中堅企業向けITサービスの導入支援・コンサル経験
  • 勤怠管理・経費精算・稟議システムの導入・運用経験
  • BtoBのインサイドセールス・フィールドセールス経験
  • クラウドサービスのサポートデスク・カスタマーサポート経験
  • グループウェア(kintone・Microsoft 365・Slack等)の活用・管理経験
  • スクラム・アジャイル開発でのWebアプリケーション開発経験
  • Google Workspace APIを活用したシステム開発経験
  • 業務改善・DXプロジェクトのリード経験
  • ベトナム等オフショアチームとの協働開発経験
  • SaaS事業でのKPI(ARR・NRR)管理・改善経験

特に評価されやすいのは、Google Workspace関連の実務経験と「業務を効率化した実績」を数値で語れる組み合わせだ。Googleエコシステムへの深い理解は、他の候補者と大きな差別化になる希少な強みとなる。

まとめ

rakumo株式会社は、Google Workspace連携グループウェアというニッチだが成長性のある市場を押さえた、安定した東証グロース上場SaaS企業だ。売上高約18.3億円・従業員約124名という規模感は、大企業の安定性とスタートアップの身軽さを適度に兼ね備えている。

平均年収約550万円はIT業界トップクラスとは言えないが、ワークライフバランスの確保・上場企業としての安定性・Googleエコシステム専門家としての市場価値蓄積を総合的に評価すると、十分な魅力がある転職先だ。

転職難易度は2級(やや易しめ)で、Googleツールへの親和性・業務改善への興味・チームワーク重視のカルチャーフィットを押さえれば選考突破の可能性は十分ある。「中小企業のDXを支援したい」「Googleの世界を仕事の軸にしたい」「安定した環境でプロとして成長したい」——そんな転職者にとって、rakumoは真剣に検討する価値のある選択肢だ。