ロボットの導入・運用を支援するソフトウェア「HATS(ハッツ)」を展開する株式会社キビテクは、2026年9月30日にシリーズBラウンドで約6億円の資金調達を発表し、ロボティクス業界で改めて注目を集めているスタートアップだ。東京大学の知能システム・ロボティクス研究室(JSK)出身のメンバーが2011年に創業し、以来十数年にわたりロボットの受託開発に取り組んできた経緯を持つ。

同社の主力製品HATSは、メーカーの異なる複数のロボットを一つの基盤で統合管理できる「ベンダーフリー」のロボット制御ソフトウェアで、物流倉庫の自動搬送ロボットや巡回・点検用の四足歩行ロボットなど、幅広い現場での活用を想定している。2024年3月に8.1億円の資金調達を実施して以降、一貫して「ロボット導入を誰でも扱えるようにする」という方向性で製品を磨き込んでおり、2026年9月には製品ラインナップの刷新も発表している。

転職市場においては、ロボティクス×ソフトウェアという専門性の高い領域で急成長中の非上場スタートアップという位置づけになる。上場企業のような情報開示の豊富さはないため、年収や待遇の具体的な実態は入社前にどこまで見極められるかが重要になる。

本記事では、株式会社キビテクの公式サイトおよびPR TIMESで確認できる一次情報をもとに、企業概要・事業内容・年収事情・働き方・社風・転職難易度までを、転職エージェントの視点で整理して解説する。

企業概要

項目内容
設立2011年11月
代表者代表取締役CEO 前原賢一 氏(CTO 吉海智晃 氏、創業者・CCPO 林まりか 氏)
本社所在地東京都品川区北品川五丁目7番14号 グローリア初穂御殿山101号(JR大崎駅徒歩3分)
資本金3億9,496万8,106円(2026年9月28日時点、資本準備金含む)
従業員数61名(2026年6月30日時点)
上場区分非上場(証券コードなし)
売上高非公開
平均年収非公開(推計レンジは後述)
平均年齢・勤続年数非公開
事業内容ロボット遠隔制御システムの企画・設計・開発・運用、ロボットシステムの受託開発、ロボットシステム開発コンサルティング、AI・IoTシステムの企画・設計・開発

キビテクは東京大学JSK(知能システム情報学研究室)出身のメンバーによって2011年に設立された、ロボット専業のソフトウェア企業である。創業から10年以上にわたり300件以上のロボット開発プロジェクトを受託してきた実績を土台に、近年は自社プロダクト「HATS」への展開を加速させている。

非上場企業であるため有価証券報告書のような法定開示はなく、売上高や詳細な財務情報は公表されていない。資金調達の実績(下記「主な事業内容」参照)から事業規模の拡大フェーズにあることは確認できるが、応募検討時は面談等で直近の業績・採用計画を確認することが望ましい。

主な事業内容

キビテクの事業は大きく「自社プロダクトのHATS事業」と「ロボット開発の受託・コンサルティング事業」の2本柱で構成されている。創業以来受託開発で蓄積してきたロボット制御のノウハウを自社製品に落とし込むという成長戦略を取っており、両事業は技術的に地続きになっている点が特徴だ。

対象となる業界は物流・製造・施設管理など、労働力不足が課題となっている現場が中心で、ロボット単体の性能ではなく「複数ロボットをどう統合運用するか」という運用レイヤーの課題解決を提供価値としている。

HATS(ロボット統合制御プラットフォーム)

HATSは、メーカーの異なる複数のロボットを横断して管理・制御できる「ベンダーフリー」のロボット制御ソフトウェアである。2026年9月の製品ラインナップ刷新では、群制御機能を持たない基本プランの「HATS Standard」と、複数ロボットの同時制御に対応した「HATS Pro」の2グレード体制に整理され、開発者・SIer向けには個別開発のベースとなる「HATS SDK」も用意されている。オンプレミス版とAWS上のSaaS版の両方で提供され、既存の倉庫管理システム(WMS)や製造実行システム(MES)、AIアプリケーションとの連携にも対応する。

利用シーンとしては、物流・製造拠点における自律搬送ロボットとWMSを連携させた自動入出庫や、危険区域における四足歩行ロボットによる自律巡回・点検などが想定されている。ロボットが現場で一時的に停止・迷子になった際に、オペレーターが遠隔から介助する「遠隔支援」の仕組みを持つことも特徴の一つだ。

ロボット受託開発・コンサルティング

自社プロダクトに先立つキビテクの主軸事業であり、クライアント企業のロボット導入計画の策定から、ハードウェア選定、ソフトウェア開発、現場導入後の運用改善までを一貫して支援する。東大JSK出身エンジニアを中心とした技術力を背景に、特定のロボットメーカーに依存しないシステムインテグレーションを強みとしている。

受託開発で得られた知見がHATSの機能開発に反映される循環があり、エンジニアにとっては「個別プロジェクトの深い技術課題」と「プロダクトへの横展開」の両方に関われる点が、同業他社との違いになり得る。

AI・IoTシステム開発

ロボット単体の制御に加えて、センサーデータの収集・解析など、AI・IoT領域のシステム開発も事業として掲げている。ロボットから得られるデータをどう活用するかという、ハードウェアとソフトウェアの境界領域を手掛けている点も、同社の技術領域の広さを示している。

株式会社キビテクの強み

強み1. 東大JSK研究室出身の技術的バックグラウンド

創業メンバーが東京大学の知能システム情報学研究室(JSK)出身であることは、キビテクの技術的信頼性の土台になっている。ロボット工学の専門性を核とした組織であるため、ロボティクス領域でのキャリアを志向するエンジニアにとっては、専門性の高い同僚と働ける環境が期待できる。

強み2. 300件超の受託開発実績に基づく現場知見

10年以上にわたり300件以上のロボット開発プロジェクトを手掛けてきた実績は、特定の技術や業界に偏らない幅広い現場知見の蓄積を意味する。自社プロダクトのHATSも、この受託開発の中で得られた「ロボット導入現場で本当に困ること」への解決策として設計されている点が特徴だ。転職者にとっては、机上の技術検証だけでなく実際の現場課題に触れられる経験値を積みやすい環境といえる。

強み3. ベンダーフリーという製品ポジショニング

特定のロボットメーカーに依存しない「ベンダーフリー」を掲げる点は、ロボット導入を検討する企業側の「特定メーカーに縛られたくない」というニーズに応える差別化要素になっている。エンジニアとしても、単一メーカーの製品知識に閉じず、複数のロボット・システムを横断的に扱うスキルが身につきやすい。

強み4. 継続的な資金調達によるプロダクト投資

2024年3月の8.1億円の資金調達、2026年9月のシリーズBでの約6億円の資金調達と、JICベンチャー・グロース・インベストメンツや住友商事グループのCVCなど複数の有力投資家から継続的に資金を確保できている点は、プロダクト開発・人材採用への投資余力があることを示す。スタートアップとして事業が順調に拡大フェーズにあることの裏付けといえる。

強み5. 多様性の高い組織構成

公式サイトによれば、従業員の約4割が外国籍であり、新卒から70歳を超える社員まで幅広い年齢層が在籍している。英語・日本語双方の学習支援制度があることも含め、多国籍なメンバーと協働する経験を積みたい人には魅力的な環境になり得る。

強み6. リモート中心の柔軟な働き方

公式サイトでは「メンバーの約85%がリモートを中心とした働き方」としており、出社・リモートを選択できる柔軟性がある。居住地にとらわれずに専門性を活かしたい転職者にとっては、働き方の自由度の高さがメリットになる。

株式会社キビテクの年収事情

キビテクは非上場企業であり、有価証券報告書や統合報告書のような法定開示文書を持たないため、平均年収・給与テーブルといった具体的な数値は公式に公表されていない。以下の職種別レンジは、同社の公開情報からではなく、東京のロボティクス・SaaS系スタートアップ全般の市場相場をもとにした推計値であり、キビテク固有の実額ではない点に留意してほしい。

職種別の想定年収レンジ(市場推計)

職種想定年収レンジ(推計)
ロボット制御エンジニア(若手〜中堅)450万円〜650万円程度と推計
ロボット制御エンジニア(シニア)650万円〜950万円程度と推計
ソフトウェアエンジニア(Webアプリ・SaaS)500万円〜800万円程度と推計
AI・機械学習エンジニア600万円〜900万円程度と推計
SIer向けテクニカルセールス・導入支援450万円〜700万円程度と推計
プロジェクトマネージャー600万円〜900万円程度と推計
コーポレート(管理部門)400万円〜650万円程度と推計

給与制度の特徴

公式サイト・公開資料からは、給与テーブルや評価制度の詳細は確認できていない。採用情報ページでは試用期間(3カ月、本採用と同条件)や社会保険完備、通勤手当(上限あり)といった基本的な待遇項目が示されているのみで、昇給・ボーナスの頻度や基準は非公開である。

年収を見る際の注意点

  • 平均年収は同社から公表されておらず、上表はあくまで市場相場に基づく推計である点を前提に見てほしい
  • 非上場スタートアップであるため、現金報酬に加えてストックオプション等のインセンティブ制度の有無・条件は選考過程で必ず確認すべきである
  • 資金調達が続いているとはいえ、上場企業と比較すると業績変動やラウンド間の資金繰りが処遇に影響する可能性があることは念頭に置く必要がある
  • 提示年収は経験・専門性(特にロボット工学・制御系の実務経験)によって幅が大きく変わりやすい領域である
  • 入社前の年収交渉では、現職の年収だけでなく保有スキルの専門性(ROS等のロボット制御フレームワーク経験など)を具体的に伝えることが重要になる
20〜30代のキャリア相談(無料)→

株式会社キビテクの働き方・福利厚生

公式サイトの採用情報によれば、キビテクの標準的な勤務時間は9:00〜18:00(休憩1時間を含む8時間勤務)とされている。休日は完全週休2日制に加え、祝日、夏季休暇3日、年末年始休暇(12/28〜1/3)が設けられている。

リモートワーク

「メンバーの約85%がリモートを中心とした働き方」としており、オフィス(JR大崎駅徒歩3分)への出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドな体制を取っている。完全リモートを前提とした制度ではなく、必要に応じてオフィスでの協働も発生する運用とされている。

福利厚生・その他制度(公式サイト記載分)

  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 通勤手当(上限あり)
  • 有給休暇
  • 慶弔休暇
  • 完全週休2日制
  • 夏季休暇(3日)
  • 年末年始休暇(12/28〜1/3)
  • 試用期間3カ月(本採用と同条件)
  • 定年70歳・再雇用制度あり
  • 英語・日本語の学習サポート制度
  • フラットな組織構造(職位に関わらないコミュニケーション文化)

注意点

住宅手当・退職金制度・育児/介護関連の休暇制度・資格取得支援などの有無は、公式サイトの採用情報からは確認できなかった。福利厚生の詳細は選考過程・内定時の条件提示で必ず確認することを推奨する。

株式会社キビテクの社風・カルチャー

一言で表すなら「多国籍でフラットなロボット専門集団」

公式サイトの情報からは、ロボティクスという専門性の高い技術領域に、多国籍なメンバーが対等な立場で向き合う組織文化がうかがえる。社名の由来を「心の機微(きび)」に置いているとされ、便利さだけでなく人の感情面での幸福を技術で実現するという方向性を打ち出している点も特徴的だ。

従業員の約4割が外国籍であり、新卒から70歳を超える社員まで年齢層も幅広い。こうした多様性を前提にした組織運営は、単一的な価値観に染まりにくい反面、コミュニケーションスタイルの違いに対する柔軟さが求められる環境ともいえる。

評価される人物像

公式サイトの採用情報では、ロボット工学や多様な技術分野への「知的好奇心」と、現実の課題解決への「コミットメント」を持つ人材を求めているとされている。特定の技術スタックに固執せず、現場課題に合わせて技術を使い分ける姿勢が評価されやすいと推測される。

表面的なイメージと実態の差

「ロボットスタートアップ」という響きからハードウェア寄りの職種を想像しやすいが、キビテクの事業の中心はロボット制御・統合管理のソフトウェアであり、同社が募集しているのも主にロボットエンジニア・Webエンジニアである。ハードウェア設計そのものを担いたい人にとっては、想定していた業務内容とのギャップが生じる可能性があるため、応募前に具体的な担当業務を確認しておくことが望ましい。

株式会社キビテクの転職難易度

難易度:B級

キビテクは従業員61名規模(2026年6月末時点)の非上場スタートアップであり、大量採用を行う大企業とは異なり、職種ごとの採用人数自体が限定的である。ロボット制御・ソフトウェア開発という専門性の高い技術領域を扱うため、関連する実務経験や技術スタックへの理解が選考において重視されやすいと考えられる。

一方で、知名度の高い大手ロボティクス企業や上場企業と比較すると応募者数の規模は小さいとみられ、技術的なマッチ度が合えば、企業規模を理由とした門前払いのリスクは相対的に低いと考えられる。難易度を一概に「非常に高い」「簡単」と断定できるだけの公開選考データ(倍率等)は確認できていないため、あくまで企業規模・事業特性からの推測であることを明記しておく。

理由1. 専門性の高い技術領域であること

ロボット制御・AI・IoTという専門領域を扱うため、ロボット工学やROSなどの制御フレームワーク、組み込み・制御ソフトウェアの実務経験があるかどうかが選考の重要な軸になりやすい。未経験からの応募は、職種によってハードルが上がる可能性がある。

理由2. 採用人数の規模が限定的

従業員61名という組織規模を踏まえると、各職種での同時採用人数は多くないとみられる。募集ポジションと自身の経験・志向の一致度が、選考通過の重要な要素になる。

理由3. 事業フェーズに合わせた人材像が求められる

シリーズBまで資金調達が進んだ成長フェーズのスタートアップであるため、プロダクトのスケールを見据えた組織体制強化を目的とした採用が中心になっていると考えられる。単に技術力があるだけでなく、変化の速い環境への適応力も重視されやすい。

20〜30代のキャリア相談(無料)→

株式会社キビテクに向いている人

ロボット制御・組み込み領域の専門性を伸ばしたい人

東大JSK出身エンジニアを中心とした専門性の高い組織で、ロボット制御という領域に深く関わりたい人材には適した環境である。

多国籍な環境でのコミュニケーションに抵抗がない人

従業員の約4割が外国籍という環境のため、英語でのコミュニケーションや文化的な多様性を前向きに受け止められる人に向いている。

リモートを中心とした働き方を望む人

メンバーの約85%がリモート中心という働き方のため、場所にとらわれない柔軟な勤務形態を希望する人にはマッチしやすい。

受託開発と自社プロダクト開発の両方に関わりたい人

ロボット受託開発で得た知見を自社プロダクトのHATSに反映するサイクルに関心があり、特定プロジェクトだけでなく製品戦略にも関与したい人には向いている。

株式会社キビテクに向いていない人

以下は批判ではなく、入社後のミスマッチを防ぐための客観的な情報として記載する。

  • タイプ: 大手上場企業のような充実した福利厚生・制度の網羅性を重視する人(住宅手当・退職金等の制度有無が公式情報で確認できていないため)
  • タイプ: ハードウェア設計そのものを主業務として担いたい人(同社の事業はロボット制御・統合管理のソフトウェア中心であるため)
  • タイプ: 完全固定の処遇テーブルや年功的な昇給制度を重視する人(非上場スタートアップのため給与制度の詳細が非公開)
  • タイプ: 対面でのオフィスコミュニケーションを中心に働きたい人(リモート中心の働き方が前提のため)
  • タイプ: 安定志向が強く、資金調達に依存する事業成長フェーズのリスクを避けたい人

株式会社キビテクの選考対策

戦略1. ロボット工学・制御系の実務経験を具体的に語る

選考では、ROSなどのロボット制御フレームワークの経験、組み込みソフトウェア開発経験、過去に関わったロボット関連プロジェクトの技術的な難易度や解決したボトルネックを具体的に説明できるよう準備しておくことが重要である。

戦略2. HATSのプロダクトを理解した上で志望理由を組み立てる

公式サイトで公開されているHATS Standard/Pro/SDKの違いや、物流・製造・点検といった利用シーン、ベンダーフリーという製品思想を理解した上で、自身の経験がどこに活かせるかを具体的に語れると説得力が増す。

戦略3. 多国籍・フラットな組織文化への適応力を示す

従業員の多様性が高い組織であるため、過去に多国籍チームや異なる職種間での協働経験があれば、その経験を交えて柔軟な対応力をアピールすることが有効である。

戦略4. 受託開発的な「現場課題への向き合い方」を伝える

同社の事業の根幹には300件超の受託開発実績がある。技術力だけでなく、クライアント・現場の課題に向き合い、解決策を形にしてきた経験があれば積極的に伝えたい。

株式会社キビテクへの転職で評価されやすい経験

  • ROS/ROS2などロボット制御フレームワークの実務経験
  • 組み込みソフトウェア・制御システムの開発経験
  • 自律移動ロボット(AGV/AMR)や四足歩行ロボット等の開発・導入経験
  • 倉庫管理システム(WMS)・製造実行システム(MES)等とのシステム連携経験
  • AWS等クラウド環境でのSaaSプロダクト開発経験
  • AI・機械学習を用いたセンサーデータ解析経験
  • 複数ベンダー・複数システムを統合するシステムインテグレーション経験
  • スタートアップでのプロダクト開発・グロース経験
  • 英語での業務コミュニケーション能力
  • 顧客折衝を含むテクニカルセールス・導入支援経験
  • 物流・製造・施設管理業界における現場課題の理解
  • 新規事業・新規プロダクトの立ち上げ経験
  • リモート環境でのプロジェクトマネジメント経験
  • 技術的な意思決定を自律的に行ってきた経験

特に評価されやすいのは、ロボット制御フレームワークの実務経験と、現場の課題を技術で解決してきた具体的なプロジェクト経験である。

20〜30代のキャリア相談(無料)→

株式会社キビテクのよくある質問

転職検討者から疑問の多いポイントを、本記事で確認した一次情報の範囲でQ&A形式にまとめた。

Q1. 株式会社キビテクはどんな会社ですか?

東京大学の知能システム情報学研究室(JSK)出身のメンバーが2011年に創業し、10年以上にわたりロボットの受託開発に取り組んできたソフトウェア企業である。近年は自社プロダクト「HATS」を軸に、ベンダーフリーのロボット統合制御プラットフォームを展開するスタートアップへと重心を移している。従業員61名(2026年6月末時点)の非上場企業で、証券コードは持たない。

Q2. 年収はどのくらいですか?

公式には非公開である。有価証券報告書のような法定開示義務がない非上場企業のため、平均年収や給与テーブルは公表されていない。本記事で示した職種別レンジは、ロボティクス・SaaS系スタートアップの市場相場から推計した参考値であり、キビテク固有の実額ではない点に注意してほしい。具体的な提示額は選考過程での条件提示を確認する必要がある。

Q3. リモートワークは可能ですか?

公式サイトによれば、メンバーの約85%がリモートを中心とした働き方をしているとされ、出社とリモートを組み合わせたハイブリッドな体制が取られている。完全リモート前提の制度ではなく、必要に応じてオフィス(JR大崎駅徒歩3分)での協働も発生する運用である。

Q4. 転職難易度はどのくらいですか?

本記事では「B級」として整理した。従業員61名規模の非上場スタートアップであり、職種ごとの採用人数が限定的であること、ロボット制御・ソフトウェア開発という専門性の高い技術領域を扱うことが主な理由である。ただし公開されている選考倍率等のデータは確認できておらず、あくまで企業規模・事業特性からの推測である点は留意してほしい。

Q5. 未経験でも応募できますか?

職種によって難易度は異なる。ロボット制御・組み込みソフトウェアに関わる職種では、ROSなどの制御フレームワークや実務経験が重視されやすいと考えられるため、未経験からの応募はハードルが上がる可能性がある。一方でコーポレート部門やテクニカルセールスなど、必ずしもロボット制御の実務経験を前提としない職種も募集対象になり得るため、募集要項を個別に確認することが望ましい。

Q6. 資金調達の状況はどうなっていますか?

公表されている範囲では、2024年3月に8.1億円の資金調達を実施し、2026年9月30日にはシリーズBラウンドとして約6億円の資金調達を発表している。住友商事グループのCVCやJICベンチャー・グロース・インベストメンツなど複数の投資家が参加しており、プロダクト開発・人材採用への投資が継続している状況がうかがえる。

Q7. 選考ではどのような準備をすればよいですか?

前述の「選考対策」で整理した通り、ロボット工学・制御系の実務経験を具体的に語れるようにしておくこと、HATSの製品ラインナップ(HATS Standard/Pro/SDK)や利用シーンを理解した上で志望理由を組み立てることが有効と考えられる。加えて、従業員の約4割が外国籍という多国籍な組織であることを踏まえ、多様なメンバーとの協働経験があれば具体的な事例として準備しておくとよい。

株式会社キビテクの採用プロセス・選考フロー

公式サイトの採用情報からは、選考フローの詳細な段階数や各選考にかかる期間は明記されていない。ただし試用期間が3カ月(本採用と同条件)と設定されていることから、入社後も一定の見極め期間を設けた採用プロセスであることがうかがえる。

応募前に確認しておきたいこと

  • 募集中の具体的な職種・ポジション(ロボット制御エンジニアかWebエンジニアか、受託開発かHATS開発かなど)
  • 出社・リモートの比率や、所属チームにおける実際の働き方
  • ストックオプション等のインセンティブ制度の有無・条件
  • 評価制度・昇給の頻度や基準

選考で伝えるとよいこと

専門性の高い技術領域を扱う組織であるため、ロボット制御・組み込みソフトウェアの実務経験や、過去に関わったプロジェクトで解決してきた技術的課題を具体的に伝えることが選考通過の鍵になると考えられる。あわせて、多国籍・フラットな組織文化への適応力や、受託開発で培われた「現場課題への向き合い方」を示せると、同社が重視する人物像とのマッチ度を伝えやすい。

まとめ

株式会社キビテクは、東京大学JSK研究室出身のメンバーが2011年に創業し、10年以上の受託開発実績を土台にロボット統合制御プラットフォーム「HATS」を展開する非上場スタートアップである。2024年3月の8.1億円、2026年9月のシリーズBでの約6億円と継続的に資金調達を重ねており、ロボティクス業界での成長フェーズにある企業といえる。

一方で非上場企業であるため、年収・売上高などの具体的な数値の多くは非公開であり、本記事で紹介した年収レンジも市場相場に基づく推計に過ぎない点は、応募を検討する上で必ず認識しておくべきである。福利厚生の制度面についても、公式サイトで確認できる情報は限られており、具体的な処遇条件は選考過程でのすり合わせが欠かせない。

ロボット制御という専門性の高い技術領域に関わりたい人、多国籍かつリモート中心の柔軟な環境で働きたい人にとっては、相性の良い選択肢になり得る。一方で、制度の網羅性や処遇の安定性を重視する人は、面談等で納得できるまで条件を確認することをおすすめしたい。

転職は「有名だから」「資金調達したから」で決めるものではなく、自身のキャリアの方向性と企業の事業フェーズが合っているかどうかが何より重要である。気になる点があれば、選考の早い段階で率直に質問し、納得感を持った上でキャリアの一歩を選んでほしい。