エキサイトホールディングスといえば、2000年代に一世を風靡したポータルサイト「Excite(エキサイト)」の運営会社として知られている。インターネット黎明期からユーザーに親しまれてきたブランドを持ちながら、同社は現在、単なるポータルサイト運営にとどまらない、多角化された事業ポートフォリオを構築している。
2023年に東証スタンダード市場へ上場を果たしたエキサイトホールディングスは、安定的なキャッシュを生むブロードバンド事業とプラットフォーム事業を基盤に据えながら、急成長するオンライン診療支援のメディカル事業、そしてウェビナーや株主総会のDXを支援するSaaS・DX事業を育てている。まさに「稼ぎながら投資する」構造が整いつつある企業だ。
中期経営計画「EXCITE300」では、2028年3月期に売上高155億円・営業利益16億円・時価総額300億円という高い目標を掲げている。2026年3月期の売上高が約108億円に達し、前年比18.8%増という成長軌道を描いていることを踏まえると、決して絵に描いた餅ではない。転職市場において、成長期の中堅IT企業に魅力を感じるビジネスパーソンから注目が集まっている理由がここにある。
本記事では、転職エージェントの視点からエキサイトホールディングスグループの事業内容・強み・年収水準・社風・転職難易度・選考対策まで徹底的に解説する。転職を検討している方は、ぜひ最後まで読み進めてほしい。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | エキサイトホールディングス株式会社 |
| 設立 | 2018年 |
| 代表 | 代表取締役社長CEO 西條晋一 |
| 本社 | 東京都港区南麻布3丁目20番1号 |
| 資本金 | 約1,800万円 |
| 従業員数 | 連結255名程度(2025年6月末時点) |
| 上場区分 | スタンダード市場(証券コード5571) |
| 売上高 | 約107.96億円(2026年3月期連結) |
| 平均年収 | 500〜600万円程度(グループ各社による) |
| 平均年齢 | 非公開(30代中心と推定) |
| 勤続年数 | 非公開 |
| 事業内容 | プラットフォーム事業・ブロードバンド事業・メディカル事業・SaaS・DX事業 |
エキサイトホールディングスは純粋持株会社であり、傘下のエキサイト株式会社をはじめとするグループ企業がそれぞれの事業を実際に担っている。持株会社本体の単体従業員は少数だが、グループ全体では255名規模の組織として機能している。
2023年のスタンダード市場上場後、M&Aや子会社再編を積極的に進めており、2024年11月にはオンライン診療支援のONE MEDICAL株式会社を買収。グループ内の組織力強化を目的にエキサイト株式会社とiXIT株式会社を合併するなど、機動的な経営体制を構築している。本社は現在、東京都港区南麻布に構えており、近年は麻布台ヒルズエリアへのオフィス拡充も進んでいる。
主な事業内容
エキサイトホールディングスグループは、4つの事業セグメントによって収益を上げている。設立当初から存在するブロードバンドとプラットフォームの「稼ぐ既存事業」と、成長投資先であるメディカルとSaaS・DXの「育てる新規事業」という二層構造が特徴だ。それぞれの事業の内容と転職者にとっての意味を以下で詳しく見ていこう。
プラットフォーム事業
プラットフォーム事業は、カウンセリング・占い・オンライン診療・メディアなどのBtoCサービスを展開するセグメントだ。エキサイト電話占い、エキサイトお悩み相談室といったサービスが代表的で、専門家と利用者をオンラインでマッチングする仕組みを提供している。
売上構成比は全体の約30〜33%を占め、グループ内でも重要なセグメントの一つだ。リピーターの多いサブスクリプション型収益モデルを持つため、安定したキャッシュフローを生み出している。転職者の観点からは、コンテンツ・プロダクト・マーケティング領域でのキャリアを描きやすい事業領域といえる。
ブロードバンド事業
ブロードバンド事業は、ISP(インターネットサービスプロバイダ)およびMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスを提供するセグメントで、売上構成比では全体の35〜41%と最大級の規模を誇る。
業界最安水準の価格帯を武器に、安定したユーザー基盤を維持してきた実績がある。毎月確実に収益が入るストック型ビジネスモデルであり、グループ全体の投資余力を支えるキャッシュカウとして機能している。カスタマーサポートや通信インフラ周辺のエンジニアリング職種を希望する人材には接点を持ちやすい事業だ。
メディカル事業
メディカル事業は、エキサイトホールディングスが最も成長を期待している領域だ。2024年に買収したONE MEDICALおよびEMININALを中心に、オンライン診療のクリニック開設支援から広告・集患、予約管理、処方薬の発送に至るまで一貫したバックオフィス支援を提供している。
従来の「集患広告のみ」のビジネスモデルと異なり、診療から処方・発送まで包括的に支援することで、クリニック側の収益最大化を実現する点が強みだ。中期経営計画ではCAGR73%という野心的な成長目標を掲げており、マーケティング・医療事務・オペレーション系の人材採用が今後拡大すると予想される。
SaaS・DX事業
SaaS・DX事業は、ウェビナーや株主総会・IR説明会などのオンラインイベントの運営を一気通貫で支援するサービスを提供している。コロナ禍を機に急拡大したオンラインイベント需要をビジネス化した事業で、売上構成比は約9〜10%とまだ小さいが、中期経営計画ではCAGR29%の成長を見込んでいる。
ウェビナー配信技術とイベント運営ノウハウを組み合わせたSaaS型のサービスが中心で、エンタープライズ向けの提案営業経験を持つ人材にとってはキャリアを発揮しやすいフィールドだ。
エキサイトホールディングスの強み
強み1. 安定収益基盤と成長投資の「二層構造」
エキサイトホールディングスの最大の強みは、既存事業(ブロードバンド・プラットフォーム)が安定的に年間10億円規模の営業利益を創出しつつ、その資金を成長事業(メディカル・SaaS・DX)への投資に充てられる財務構造にある。
多くのスタートアップが「成長のために赤字を掘る」フェーズで資金調達に苦労するのとは対照的に、同社はキャッシュフローで賄いながら成長投資ができる。転職者の立場からは「大企業のリソースを持ちながらスタートアップのスピードで働ける」という珍しい環境が魅力となる。
強み2. 「エキサイト」ブランドの歴史的なユーザー基盤
日本でインターネットが普及した2000年代から蓄積されてきた「エキサイト」ブランドへの信頼は、BtoCサービスにおける集客コストの大幅な削減につながっている。検索・ニュース・占い・相談といったコンテンツ分野での認知度は、新規サービス立ち上げ時のユーザー獲得において無形資産として機能する。
転職者にとっては、ゼロからブランドを作る必要がない分、プロダクトやサービス本体の改善に集中できる環境が整っているといえる。マーケティングやプロダクト系の人材には特に恩恵が大きい強みだ。
強み3. M&Aによる事業拡張の実行力
2024年11月のONE MEDICAL買収を筆頭に、エキサイトホールディングスはM&Aを成長戦略の重要な柱に据えている。短期間での事業領域拡大と人材・ノウハウの取り込みを、中堅企業としては積極的に実行している点が際立つ。
この実行力は、経営陣の意思決定スピードとグループ内での統合能力の高さを示している。転職者の観点からは、新しい事業・領域への挑戦機会が継続的に生まれやすい職場環境であることを意味する。新規事業や事業開発に携わりたい人材にとって、成長機会は豊富だ。
強み4. オンライン診療支援領域でのポジション
日本のオンライン診療市場は規制緩和の流れの中で急速に拡大しており、エキサイトホールディングスのメディカル事業はその波に乗っている。クリニックの開設支援から患者獲得・診療・処方・発送まで一気通貫で支援するビジネスモデルは、単なる集患広告代理店とは一線を画す。
競合他社が「広告枠の提供」で止まることが多い中、エキサイトのメディカル事業は「クリニックの収益最大化パートナー」としてのポジションを確立しつつある。今後さらに規制緩和が進む日本のオンライン診療市場において、先行者優位を持っている。
強み5. 中期経営計画の明確なマイルストーン
「EXCITE300」という中期経営計画を公表していることで、社員も投資家も同じ方向を向いて動きやすい環境が整っている。2028年3月期に売上高155億円・営業利益16億円・時価総額300億円という定量目標を掲げ、各事業のCAGR目標まで開示している透明性は、転職先の将来性を判断する材料として非常に有用だ。
ロードマップが明確な企業に転職することは、個人のキャリア設計においても「会社の成長と自身の成長を重ねやすい」という意味で大きなアドバンテージになる。
強み6. フラットな組織文化とスピード感
連結255名程度の中堅規模であることから、大企業に見られるような階層的な意思決定の遅さがなく、現場のメンバーが経営陣に近い環境で仕事ができる。社内はフラットな関係性が築かれており、フレンドリーで協力的な風土があることが社員の口コミからも確認されている。
意思決定のスピードが速い組織は、成長フェーズの企業では特に重要な競争力になる。「大企業の安定」より「スピードと裁量」を求める人材にとって、魅力的な環境といえる。
エキサイトホールディングスの年収事情
エキサイトホールディングスはホールディングス企業であるため、実際の雇用と給与支払いは傘下のエキサイト株式会社や各グループ会社が担っている。グループ全体としての平均年収は500〜600万円程度とされており、エキサイト株式会社単体では平均年収584万円という数字が有価証券報告書ベースで確認されている。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| Webエンジニア(バックエンド) | 450〜700万円 |
| フロントエンドエンジニア | 400〜650万円 |
| プロダクトマネージャー | 500〜800万円 |
| データアナリスト | 450〜680万円 |
| デジタルマーケター | 400〜600万円 |
| Webディレクター | 380〜580万円 |
| 法人営業(SaaS・DX) | 400〜700万円(インセンティブ含む) |
| コーポレートスタッフ(人事・経理等) | 380〜560万円 |
※上記はグループ各社の求人情報・転職サイト掲載情報をもとにした推計であり、経験・スキル・交渉次第で変動する。
給与制度の特徴
エキサイトグループは月給制を基本とし、賞与は年2回支給される体制が標準的だ。エンジニア・プロダクト系職種については、市場競争力のある年収水準を確保する傾向が見られる。一方、コーポレートスタッフや一部の運用職種は業界水準に近い中堅レンジに収まるケースが多い。
フレックスタイム制やリモートワーク手当(月5,000円程度)を導入しており、働き方の柔軟性を給与・福利厚生と合わせて評価する候補者には魅力的な環境だ。
年収を見る際の注意点
- ホールディングスと傘下グループ会社では雇用形態・給与体系が異なる場合がある
- メディカル事業・SaaS事業は成長中のため、事業フェーズによって給与水準が変動しやすい
- 中途採用では前職年収をベースに交渉できるケースが多く、スキルと実績次第で初回提示より上を狙える余地がある
- グループ内異動が発生した場合、所属会社が変わることで待遇が変わる可能性がある
エキサイトホールディングスの働き方・福利厚生
勤務時間・休日
標準的な所定労働時間は8時間、フレックスタイム制を採用していることが多い。年間休日は120日以上で、土日祝日に加え、夏季休暇・年末年始休暇が別途設定されている。有給休暇の取得率は比較的高い傾向にあり、育休取得後の職場復帰率は100%という実績も確認されている。
リモートワーク
コロナ禍以降に整備されたリモートワーク環境が継続して活用されており、ハイブリッド勤務が基本となっている。リモートワーク手当(月5,000円程度)の支給実績もある。職種や事業部によってフルリモートと出社頻度は異なるため、選考時に確認することが望ましい。
福利厚生
- 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労働災害補償保険)
- IT系健康保険組合(IT健保)加入
- 交通費全額支給
- リモートワーク手当(月5,000円程度)
- 慶弔見舞金制度
- 育児・介護休業制度(育休復帰率100%)
- 産前産後休業制度
- 年次有給休暇(入社初日付与のケースあり)
- 夏季・年末年始休暇
- 従業員向けサービス利用優待(グループサービスの割引等)
- 各種研修・スキルアップ支援制度
- エニピル(健康管理アプリ)導入
注意点
月の平均残業時間は20時間程度とされており、プロジェクトや時期によって繁閑の差が生じる場合がある。成長期のため、事業拡大に伴う業務量増加のリスクも念頭に置いておくとよい。
エキサイトホールディングスの社風・カルチャー
一言で表すなら「実力者が少人数で動かす自走型」
エキサイトホールディングスグループは、255名という規模感の中で4つの事業を展開している。一人当たりのカバー範囲が広く、何でも屋的に動ける人材が重宝される環境だ。大企業のように「自分はこの業務しかやらない」というサイロ型の働き方は馴染みにくく、横断的に考えて動くことが求められる。
その分、特定の役割だけをこなすよりも「事業全体を理解しながら動ける人材」が育ちやすい土台がある。社内のコミュニケーションはフラットで、若手が経営に近い場所で意思決定に関わる機会も多い。
評価される人物像
- 事業成果に対して当事者意識を持って動ける人
- 複数の職域にまたがって横断的に考えられる人
- 変化に柔軟で、新しい事業・サービスへの適応が速い人
- 自律的に課題を発見し、解決策を提案・実行できる人
- 数字に強く、KPIベースで自分の仕事を語れる人
表面的なイメージと実態の差
「エキサイト=昔の大手ポータルサイト」というイメージで転職を考えると、実態とのギャップを感じることがある。現在のエキサイトホールディングスは、オンライン診療やSaaS事業を拡大中の成長投資フェーズにあり、「安定した大企業のルーティン業務をこなしたい」という人には合わないかもしれない。また、連結255名規模のため、「分業体制が整ったチームで専門性を深める」環境を期待すると物足りなさを感じる可能性もある。実際は「少数精鋭で事業を動かしている実感を得たい人」に向く組織だ。
エキサイトホールディングスの転職難易度
難易度:B級(中程度)
エキサイトホールディングスグループへの転職難易度は、ポジションによってB〜C級の範囲に収まる印象だ。大手IT企業と比較すると採用基準は現実的な水準にある一方、スタートアップ初期のように「学歴・経歴より熱量重視」という方針でもなく、即戦力としての経験とスキルを一定程度求める傾向がある。
255名程度のグループ規模のため、年間の採用枠は限られている。人気職種(エンジニア・PM・マーケター)ではライバルとなる候補者数が多く、書類選考での差別化が重要になる。
理由1. 即戦力性を重視した中途採用スタンス
連結255名という規模感では、時間をかけてスキルを育成するOJT体制が大企業ほど整っていないため、自分で考えて動ける即戦力型の人材が求められやすい。特に成長投資中のメディカル事業・SaaS事業では、「0→1フェーズを経験している人材」へのニーズが高い。逆に、丁寧な教育体制の中でスキルを習得したい初級者にはハードルが上がる。
理由2. ポジション数が限られているため競争率が高まりやすい
年間を通じた採用枠が限られているため、特に人気の高いエンジニア・プロダクト・マーケター系ポジションには応募が集中しやすい。書類選考・一次面接でどれだけ自身の価値を具体的に伝えられるかが合否を分けるポイントになる。
理由3. 事業理解と成長意欲のアピールが評価軸に加わる
「安定したポジションでのルーティン業務」を求めている候補者と、「成長フェーズの事業に貢献したい候補者」では、面接時の評価が大きく変わる。成長投資フェーズにある企業だけに、「なぜエキサイトホールディングスか」という志望動機の深さと、事業・市場への理解度が評価に影響する。
エキサイトホールディングスの主な募集職種
エキサイトホールディングスグループでは、事業拡大に合わせて以下のような職種で中途採用を実施することが多い。
- バックエンドエンジニア(プラットフォーム・メディカル・SaaS事業)
- フロントエンドエンジニア(各サービスのUI開発)
- プロダクトマネージャー(PM)(新規・既存サービスの開発推進)
- データアナリスト(グループ横断のデータ分析・KPI管理)
- デジタルマーケター(集患・ユーザー獲得施策)
- Webディレクター(コンテンツ・サービス運営)
- 広告運用(メディア・メディカル領域の集客)
- 法人営業(SaaS・DX事業)(ウェビナー・IR支援サービスの提案営業)
- コーポレートブランディング(IR・PR対応)
- 採用担当(グループ人材採用の戦略立案・実行)
エキサイトホールディングスに向いている人
向いているタイプ1. 成長フェーズの事業を最前線で動かしたい人
オンライン診療やSaaS・DXといった拡大中の事業に携わり、「自分がサービスを育てた」という実感を得たい人には打ってつけの環境だ。既存の大きな枠組みの中でのオペレーション改善より、まだ形になっていない事業の骨格を作ることに興奮を感じる人が向いている。
向いているタイプ2. 少数精鋭で幅広い業務を担いたい人
255名規模のグループで4事業を展開するということは、一人の担当範囲が広いことを意味する。専門性を深めながらも、隣の領域にも踏み込んでいける柔軟性を持ち、T字型のキャリアを目指す人には良い環境だ。
向いているタイプ3. 健康・医療とITの掛け算に関心がある人
メディカル事業は今後も同社の成長エンジンになると見込まれる。オンライン診療・ヘルスケアIT分野への関心があり、「医療とデジタルが交差するところで仕事をしたい」という動機がある人は、事業成長とともにキャリアを広げていける。
向いているタイプ4. 上場企業のガバナンスとスタートアップのスピードを両立させたい人
東証スタンダード上場企業としての開示義務やコーポレートガバナンスの枠組みを経験しつつ、スタートアップ的なスピード感の中で仕事をしたい人にはユニークなポジションだ。大企業の硬直性とスタートアップのリスクの中間点に位置する環境として、キャリアの踊り場に魅力を感じる人も多い。
向いているタイプ5. ブランド力のある会社でBtoCサービスを磨きたい人
「エキサイト」というブランド認知度を背景に、マーケティング・プロダクト・コンテンツを磨きたい人にも向いている。新規ユーザー獲得のためのゼロベースのブランド構築は不要で、既存の資産を活用しながらサービス品質を高めることに集中できる。
エキサイトホールディングスに向いていない人
批判ではなく、ミスマッチ防止のために正直に記載する。以下のいずれかに強く当てはまる場合は、転職後のギャップが大きくなる可能性がある。
- タイプ:手厚い教育・研修体制を期待する人。 255名規模のグループでは大企業のような体系的な新入社員研修や専任トレーナー制度は整っていない。自律的に学び、実務の中でスキルを伸ばしていくスタンスが求められる。
- タイプ:決まったルーティン業務を長期間こなしたい人。 M&Aや組織再編が積極的に行われる環境のため、業務範囲や役割が変わることへの柔軟性が必要。変化の少ない安定した職場を望む人には窮屈に映ることがある。
- タイプ:大企業の充実した福利厚生・高待遇を最優先にする人。 大手IT企業と比べると、福利厚生の項目数や給与水準の天井には差がある。給与・福利厚生の最大化を最優先にするなら、他の選択肢と慎重に比較することが必要だ。
- タイプ:専門特化した深いチームで分業して仕事をしたい人。 人数が少ない分、同じ専門職が多数在籍してピアレビューしながら技術を磨くような環境は難しい。専門家コミュニティの充実を期待するなら、大規模なIT企業の方が適しているかもしれない。
- タイプ:IPOを目指すスタートアップの高リスク・高リターンを求める人。 すでに上場済みのため、ストックオプションで一攫千金というシナリオは基本的にない。未上場スタートアップ特有のキャピタルゲインへの期待がある人とは志向性がずれる。
エキサイトホールディングスの選考対策
選考戦略1. 「なぜエキサイトホールディングスか」を事業理解で語る
エキサイトホールディングスの面接で必ず問われるのが志望動機の深さだ。「エキサイトというブランドが好き」「安定した上場企業で働きたい」という表層的な理由では差別化が難しい。中期経営計画「EXCITE300」の内容を理解した上で、「オンライン診療市場の成長機会にどう貢献できるか」「SaaS・DX事業の拡大フェーズで自分の経験がどう活きるか」という具体的な接点を語ることが評価につながる。
選考戦略2. 数字で語れるエピソードを3つ以上準備する
「売上を○○%向上させた」「プロジェクトのコストを○○万円削減した」「ユーザー数を○○名増やした」といった定量実績は、中途採用面接での説得力を大幅に高める。特に事業規模が手頃なため、自分の仕事が組織全体に与えたインパクトを数字で示しやすいバックグラウンドを持つ候補者が有利になる。
選考戦略3. 自律的に動いた経験を具体的に伝える
エキサイトホールディングスのカルチャーはフラット・自走型だ。「上司の指示を丁寧に実行した経験」より「課題を自分で発見し、解決策を提案・実行して成果を出した経験」を前面に出すことが効果的だ。STAR法(Situation・Task・Action・Result)を使って整理しておくとよい。
選考戦略4. 複数事業への理解と横断的な視野を示す
プラットフォーム・ブロードバンド・メディカル・SaaS・DXという4事業がある中で、自分のスキルが「この事業だけでなく、隣の事業にも活かせる」という横断性を示すと印象が良くなる。事前にグループの事業構造を把握した上で、「将来的にはこの領域にも関わっていきたい」という積極的な姿勢を伝えると良い。
選考戦略5. 職種ポートフォリオの最新情報をこまめに確認する
採用枠が限られているため、募集ポジションの変動が速い。転職サイト複数(Green・doda・Wantedly等)で同時に最新の求人をウォッチし、タイミングを逃さないことが重要だ。また、Wantedlyのような採用SNSでは、社員との非公式なコンタクトが選考前の情報収集に役立つことがある。
選考戦略6. 成長中の市場への知識と好奇心を示す
オンライン診療・ヘルスケアIT・SaaS・ウェビナー市場のトレンドについて、自分なりの見解を持って面接に臨む候補者は評価されやすい。「業界全体がどう動いているか」「エキサイトホールディングスはどのポジションを取ろうとしているか」という俯瞰的な視点を持っていることを示すと、「事業を一緒に育てられる人材」として評価される可能性が高まる。
エキサイトホールディングスへの転職で評価されやすい経験
- BtoCサービスのユーザー数・売上を伸ばした実績(マーケティング・プロダクト問わず)
- オンライン診療・ヘルスケアIT・医療DX関連の業務経験
- SaaSプロダクトの導入・展開・カスタマーサクセスの経験
- ISPやMVNOなど通信サービスのオペレーション・エンジニアリング経験
- プラットフォーム型マッチングサービスの企画・開発・運用経験
- スタートアップや中堅IT企業でのゼロイチのプロダクト立ち上げ経験
- データ分析・KPI設計・ABテスト運用による事業改善の実績
- ウェビナー・オンラインイベント運営や法人向けSaaS営業の経験
- M&A後の組織統合(PMI)や事業統合プロジェクトへの参画経験
- 少人数チームでマルチタスクをこなしながら成果を出した経験
- 事業計画の立案・KPI管理・経営報告資料の作成経験
- エンタープライズ向けの提案営業(SaaS・IT領域)の実績
- デジタル広告運用(Google・Meta等)での集客最適化の実績
- エンジニアリングマネジメントや採用・組織づくりへの参画経験
特に評価されやすいのは、オンライン診療・ヘルスケアIT領域での事業経験者と、少人数チームでゼロイチのプロダクト立ち上げを経験したエンジニア・PMだ。 これらのバックグラウンドは、同社が最優先で成長を加速させたいメディカル事業・SaaS事業において即戦力として機能するため、書類選考から面接まで一貫して有利に働くことが多い。
まとめ
エキサイトホールディングスは、ポータルサイト時代の「エキサイト」ブランドを継承しながら、オンライン診療支援・SaaS・DXという成長領域に軸足を移しつつある中堅ITホールディングスだ。安定収益基盤(ブロードバンド・プラットフォーム)と成長投資先(メディカル・SaaS・DX)の二層構造が機能しており、「稼ぎながら投資する」財務体質は同規模の企業の中でも際立った強みといえる。
2026年3月期に売上高約108億円・前年比18.8%増を達成し、中期経営計画「EXCITE300」の目標(2028年3月期売上高155億円)に向かって着実に歩を進めている。M&Aによる事業拡張の実行力も示されており、今後もグループの事業領域が広がる可能性が高い。
転職先としては、「成長フェーズの事業に関わりたい」「少人数で裁量を持って仕事をしたい」「医療×ITの最前線にいたい」というニーズに合った環境だ。大企業の安定感を求める人や、分業体制の中で深い専門性を磨きたい人とは方向性が異なるため、自身のキャリア志向と照らし合わせて検討してほしい。
エキサイトホールディングスへの転職は、「ブランド認知度のある安定企業で、スタートアップのようなスピード感を持って働く」という、なかなか得がたい組み合わせを実現できる可能性がある。ぜひ選考に臨む際は、本記事で紹介した事業理解・志望動機の整理・数字での実績棚卸しを徹底した上で、自信を持って臨んでほしい。
