ダブル・スコープ株式会社(W-SCOPE Corporation)は、リチウムイオン二次電池の4大材料のひとつである「セパレータ」を製造・販売する東証プライム上場の素材メーカーです。2005年設立と比較的歴史は浅いものの、独自の高分子フィルム技術を核に急成長を遂げ、EV普及の追い風を受けて存在感を高めてきました。

主な生産拠点は韓国に置き、韓国大手電池メーカーを主要顧客に持ちます。売上構成の6割超を車載向けが占めており、電気自動車(EV)のグローバル普及と密接にリンクした事業モデルが特徴です。近年はリチウムイオン電池セパレータにとどまらず、イオン交換膜事業(BPEDモジュール等)へ多角化を進め、次の柱となる事業を育成中です。

転職市場においては、EV・蓄電池・グリーンエネルギーという成長分野に直結した技術・製造系のポジションが多く、エンジニアや素材科学系の専門人材にとって希少性の高いキャリア選択肢になりえます。製造業ならではの現場主義の文化を持ちながら、グローバル展開の実績があるため、海外とのやりとりを含む業務経験を積める環境でもあります。

企業概要

項目内容
会社名ダブル・スコープ株式会社(W-SCOPE Corporation)
設立2005年10月14日
代表者代表取締役社長 崔 元根(チェ・ウォングン)
本社所在地東京都品川区東五反田1-22-6 五反田さくらビル8階
資本金153億6,000万円(2025年時点)
従業員数1,508名(海外子会社含む、2024年1月末時点)
上場区分プライム市場(証券コード6619)
売上高約310億円程度(2025年度)
平均年収663〜697万円程度
平均年齢43.3歳
勤続年数非公開(韓国生産拠点含むグループ全体で運営)
事業内容リチウムイオン二次電池用セパレータ製造・販売、イオン交換膜事業

ダブル・スコープは日本本社が東京都品川区に置かれているものの、生産の主力は韓国子会社(W-SCOPE CHUNGJU PLANT Co., Ltd.等)が担います。東証プライム市場に上場しており、機関投資家からの注目度も高いニッチトップ型の素材メーカーです。

創業者でもある崔元根社長が陣頭指揮を執り、事業拡大を牽引してきました。技術力と製造力を軸に韓国大手電池メーカーとの取引を深め、EV普及と歩調を合わせてきた成長ストーリーが特徴的です。

主な事業内容

ダブル・スコープの事業はリチウムイオン電池用セパレータを核に据えており、近年はイオン交換膜という新領域への多角化を積極化しています。製造業でありながら技術開発への投資を継続している点が、単なる部品メーカーとは異なる顔を持たせています。

セパレータは電池の正極と負極を分離し、内部短絡を防ぎながらリチウムイオンの通過を許すという、安全性と性能の双方に関わる重要部材です。品質のわずかな差が電池全体の性能・安全性に直結するため、高い製造精度と品質管理能力が要求される市場です。

リチウムイオン二次電池用セパレータ事業

電気自動車(EV)・ハイブリッド車・電動バイクなど車載用途のリチウムイオン電池向けセパレータが主軸です。売上の6割超が車載向けであり、韓国の大手電池メーカーをはじめとする顧客と長期取引関係を構築しています。

独自の高分子フィルム技術によって薄膜かつ高強度のセパレータを実現しており、原反セパレータに水系コーティングを施す独自プロセスで安全性・性能を高めています。コーティング技術の精度がそのまま電池品質に反映されるため、歩留まり管理・プロセス制御の技術力が競争優位の源泉です。

イオン交換膜事業

セパレータで培った高分子フィルム技術を応用し、イオン交換膜の製造・販売事業を新たな収益柱として育成中です。BPEDモジュール(バイポーラ電気透析モジュール)など水処理・化学プロセス向けへの応用が広がっており、エネルギー・環境分野でのポートフォリオ拡大を目指しています。

市場規模としては既存のセパレータ事業より小さいものの、顧客・用途の多様化という観点から戦略的意義が高い事業です。特定顧客・特定市場への依存度低減にもつながります。

蓄電池・定置型向けセパレータ

車載向け一辺倒のリスクを抑えるため、定置型蓄電池(系統用・産業用)向けセパレータへの拡販も進めています。EV向けほどの大量需要はないものの、用途の多様化が進む蓄電システム市場への対応として重要な取り組みです。

再生可能エネルギーの普及に伴う蓄電需要の拡大を見据えた動きであり、中長期的な成長余地のある領域として位置づけられています。

ダブル・スコープの強み

強み1. 独自の高分子フィルム技術による差別化

リチウムイオン電池用セパレータ市場は技術ハードルが高く、参入障壁が比較的高い素材分野です。ダブル・スコープは独自の高分子フィルム製膜技術と水系コーティング技術を組み合わせることで、薄膜・高強度・高安全性を両立したセパレータを実現しています。

転職者視点では、この独自技術を持つ企業で製造・品質・研究開発に従事することで、市場価値の高い専門知識を蓄積できます。電池材料の技術者・研究者にとってはキャリア資産になりやすい職場です。

強み2. EV・蓄電池という成長市場との直結

ダブル・スコープの主力製品であるリチウムイオン電池用セパレータは、EVの普及拡大に直接依存します。世界的な脱炭素化の加速、各国のEV補助金政策、自動車メーカーのEVシフトがそのまま同社の需要拡大につながる構造です。

自動車業界よりも一段上流で時代の変化を体感できるポジションであり、長期的な成長テーマと働く場所を一致させたいキャリア志向の人には魅力的です。

強み3. 韓国大手電池メーカーとの長期取引関係

韓国系の電池大手と長年にわたる取引関係を構築しており、継続的な受注基盤を持っています。電池メーカーはサプライヤーを安易に切り替えない傾向があり、一度認定を取得した部材メーカーは安定した受注を得やすい構造です。

業務面では韓国語・英語を交えたコミュニケーションが発生するため、グローバルなやりとりを通じて語学力や国際ビジネス感覚を磨ける機会があります。

強み4. 生産拠点の韓国集中による大規模製造体制

主な生産は韓国拠点で行われており、日本の製造コストに縛られず大規模・低コスト生産を実現しています。韓国の主要電池メーカーへの地理的近さもロジスティクス面でのメリットになっています。

一方で為替リスクや地政学的リスクを伴う側面もあり、この複雑な環境でのオペレーション経験はグローバルサプライチェーン管理のスキルとして評価されます。

強み5. 次世代事業(イオン交換膜)への布石

既存のセパレータ技術を応用したイオン交換膜事業は、水処理・エネルギー分野への新たな市場開拓です。一つの中核技術から複数の応用市場へ展開する「コア技術多角化」モデルは、成長ステージを歩む企業に典型的に見られる戦略です。

新規事業の立ち上げ期に参画できるチャンスでもあり、0→1フェーズの事業開発経験を積みたい人材にとって魅力的な状況です。

強み6. 東証プライム上場による信頼性と情報開示体制

東証プライム市場上場企業としての厳格なコーポレートガバナンスと情報開示義務を持ちます。機関投資家の目が届く環境が経営の規律を担保し、財務情報の透明性も高い水準で維持されています。

転職後に企業のIR情報や業績開示を通じて、自社ビジネスの現在地を客観的に把握できる環境は、ビジネスパーソンとしての視野を広げるうえで有益です。

ダブル・スコープの年収事情

ダブル・スコープの平均年収は複数の調査データで663〜697万円程度と報告されています。製造業・素材メーカーとしては水準が高めであり、グローバル展開や上場企業としての報酬体系が反映されていると考えられます。

役職別に見ると、係長クラスで820万円前後、課長クラスで1,000万円超、部長クラスで1,200万円超という水準が推計されており、管理職への昇進ルートで年収が大きく変わる構造です。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
製造エンジニア(生産技術)450〜650万円
研究開発エンジニア500〜750万円
品質管理・品質保証450〜650万円
購買・調達450〜600万円
経理・財務450〜650万円
営業(国内・海外)500〜750万円
管理職(課長・マネージャー)800〜1,100万円

※いずれも推計値。経験・資格・役割によって変動します。

給与制度の特徴

ダブル・スコープは韓国資本の経営文化の影響もあり、成果主義的な要素を持つ評価制度が導入されていると考えられます。勤続年数だけでなく、担当する製品・工程の技術難易度や生産効率への貢献度が評価に反映される傾向があります。

海外(韓国)拠点での勤務やプロジェクト対応が発生する場合は、追加の手当や処遇加算が設定されるケースがある点も念頭に置く必要があります。

年収を見る際の注意点

  • 平均年収はグループ全体の計算方法によってデータソースごとに差異が生じる。663万〜697万円は一つの目安として参照する
  • 韓国拠点勤務が発生する職種では、海外赴任手当・生活費補助の有無が実質的な収入に大きく影響する
  • 製造業の中では比較的年収が高い一方、管理職への昇進ルートによって年収水準は大きく変わる
  • 事業環境(EVシフトの速度・電池市場の需給)が業績に直結するため、賞与の変動幅は一定程度ある

ダブル・スコープの働き方・福利厚生

ダブル・スコープは製造業・素材メーカーとしての現場主義的な文化を持ちながら、東証プライム上場企業として基本的な労働環境の整備が進んでいます。本社は東京都品川区に置かれており、ホワイトカラー職の働き方は都内オフィスでの勤務が中心です。

一方、主力事業を担う製造・技術職は韓国拠点または国内の研究開発拠点で働く形態となる場合があり、職種によって働き方に大きな差があります。

勤務時間・休日

  • 完全週休2日制(土日祝日休み)が基本
  • 製造ラインによっては交替勤務・休日出勤の可能性もある
  • 年次有給休暇・夏季休暇・年末年始休暇あり

リモートワーク

製造・品質管理職はラインに付随する業務が多く、リモートワークの適用は限定的と考えられます。本社管理部門(経理・経営企画・IR等)ではある程度のリモート対応が可能な環境が整備されつつあります。

福利厚生(確認できた範囲)

  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労働者災害補償保険)
  • 各種手当(通勤交通費・役職手当・時間外手当等)
  • 海外勤務(韓国拠点)の場合は海外赴任手当・住宅補助の仕組みあり
  • 退職金制度(詳細は入社時確認推奨)
  • 研究開発・製造拠点での設備投資を継続しており、最新設備での業務経験が可能
  • 東証プライム上場企業としての福利厚生制度整備
  • グループ全体でのキャリア機会(韓国・日本間の異動・出張)
  • 語学研修支援(グローバル展開の実態に応じた語学サポート)
  • 健康診断・産業医体制の整備

注意点

  • 韓国拠点勤務となる場合は生活環境・家族への影響を事前に確認することが重要
  • 製造ラインに関わる職種は現場勤務が基本であり、フレキシブルな時間管理は難しい場合がある
  • 事業拡大フェーズにあるため、業務負荷が高まる局面も想定される

ダブル・スコープの社風・カルチャー

一言で表すなら「現場技術主義×グローバル志向」

韓国系創業者が率いる会社であり、製造現場の技術力を最重視する文化が根付いています。役員・経営陣と現場の距離が比較的近く、技術的な実力が直接評価されやすい環境があります。本社機能は東京都心に置かれていますが、実態的には韓国生産拠点と一体運営されており、グローバル感覚を持つことが日常業務でも求められます。

社内では日本語・韓国語が混在するコミュニケーション環境があり、多様なバックグラウンドの人材が共存しています。ただし、製造業的なトップダウン意思決定の傾向が強く、大規模なボトムアップ型イノベーションよりも、経営方針に沿った迅速な実行力が重視されます。

評価される人物像

  • 技術的課題を自ら特定し、解決策を提案できる自立型エンジニア
  • 韓国語・英語を使ったグローバルなやりとりに積極的に関われる人
  • 製造現場の改善活動(QCD改善)に執念を持って取り組める人
  • 数字(製品歩留まり・コスト・品質指標)への感度が高い人
  • 新規事業・多角化事業の立ち上げを楽しめる前向きな姿勢を持つ人

表面的なイメージと実態の差

「EV・蓄電池」というトレンドワードで注目が集まる企業ですが、実態は素材製造業の地道な現場改善と工程管理が業務の中心です。先端テクノロジーを扱いながらも、日々の業務は量産ラインの品質維持・コスト削減・顧客対応という製造業の基本に根ざしています。スタートアップ的なアジャイルな環境を期待すると、ギャップを感じる可能性があります。

ダブル・スコープの転職難易度

難易度:B級(業界・職種経験者優遇。専門知識が実質必須)

ダブル・スコープへの転職は、一般的な中途採用ポジションよりも専門性の要求水準が高く、化学・材料・電池分野の業務経験や学術的バックグラウンドが実質的に求められます。電池材料未経験の異業種からの転職は、ポジションによっては相当難しいと考えておく必要があります。

一方、電気自動車・蓄電池・電池材料系のスペシャリストは業界全体で需要が高い希少人材であり、その分野の実績がある人には積極的にアプローチしてくれる可能性もあります。

理由1. 高い専門知識ハードル

リチウムイオン電池セパレータの製造は、高分子化学・フィルム加工・コーティング技術・品質管理が交差する専門領域です。化学・材料工学・電気化学に関する知識がないと、業務への貢献が難しいポジションが多くなります。大学院で関連分野を専攻した人材や、電池・部材メーカーでの実務経験者が優先されます。

理由2. グローバル対応能力の要求

韓国生産拠点・韓国顧客との連携が業務の一部に組み込まれているため、韓国語または英語での業務対応が求められる場面が頻繁にあります。語学力がゼロという状態では、社内コミュニケーションで苦労するポジションも多く存在します。

理由3. 採用枠の限定性

東証プライム上場企業ではあるものの、従業員規模(連結1,500名程度)から見ると大企業というよりは中堅〜中規模の製造業です。年間の中途採用枠自体が限られており、公開求人の数も多くはありません。転職サイトの求人が少ない時期でも、専門エージェント経由で非公開求人を紹介してもらえるケースがあります。

ダブル・スコープの主な募集職種

ダブル・スコープは製造・技術系を中心に採用が行われる傾向にあります。本社管理部門でも一定の採用ニーズがあります。

  • 研究開発エンジニア(セパレータ・イオン交換膜の材料・プロセス開発)
  • 生産技術エンジニア(韓国拠点含む製造工程の最適化・設備導入)
  • 品質管理・品質保証エンジニア(製品の品質規格管理・顧客クレーム対応)
  • 購買・調達担当(原材料の調達・サプライヤー管理)
  • 経理・財務事務(本社管理部門)
  • 経営企画(経営戦略・事業計画立案)
  • IR担当(投資家・株主向け情報開示・説明会対応)
  • 海外営業・技術営業(韓国・アジア系電池メーカーへの提案・サポート)
  • 知的財産(特許出願・管理)

ダブル・スコープに向いている人

タイプ1. 電池・エネルギー素材でキャリアを深めたい専門家

化学・材料・電気化学のバックグラウンドを持ち、リチウムイオン電池という成長領域で腕を磨きたいエンジニア・研究者には非常にフィットする環境です。業界でも数少ないセパレータ専業に近い会社で働くことで、ニッチな領域での専門家としての希少価値を高めることができます。

タイプ2. グローバルな業務環境を求める人

韓国拠点との連携が日常的に発生する環境で、海外メーカーとのやりとりを通じてグローバルビジネスを体験したい人に向いています。韓国語を学ぶ意欲がある人は特に歓迎されやすいポジションがあります。

タイプ3. 成長フェーズの中堅企業でスピード感を求める人

大手完成品メーカーのような組織の重さがなく、意思決定が比較的速い環境を好む人には合いやすい職場です。新規事業(イオン交換膜)を含め、事業拡大フェーズにあるため、成長途上の会社で自らの仕事が会社の業績に直結する感覚を持ちたい人に適しています。

タイプ4. EV・脱炭素という社会的意義を感じながら働きたい人

製品がEVの普及・二酸化炭素排出削減に貢献するという明確なサステナビリティストーリーを持つことを、仕事の動機づけの一つにできる人にとっては、働きがいを感じやすい環境です。

タイプ5. 製造現場に軸足を置いてキャリアを積みたい人

研究・設計だけでなく、量産ラインでの品質改善・生産技術・工程管理に実務的に関わりながら製造スキルを積み上げたい人に向いています。現場主義の文化があるため、ものづくりの現場から仕事を積み上げることを厭わない人が伸びやすいです。

ダブル・スコープに向いていない人

批判ではなく、ミスマッチ防止のために整理します。

  • タイプ:汎用的なコンサル・IT志向の人 — 製造業の現場改善・材料科学への関心が薄い人には業務内容がマッチしにくい
  • タイプ:大企業の安定・ブランドを重視する人 — 中堅規模の専業メーカーであり、大手総合化学メーカーや大手完成車メーカーに比べてネームバリューは限定的
  • タイプ:完全リモートワーク志向の人 — 製造・技術系の主力ポジションは現場勤務が必須であり、フルリモートは難しい
  • タイプ:海外(韓国)出張・赴任に強い抵抗がある人 — 主力生産拠点の関係上、海外対応が避けられないポジションが多い
  • タイプ:短期で大規模な組織管理経験を積みたい人 — 従業員規模が限られており、大組織のマネジメント経験を積む機会は比較的少ない

ダブル・スコープの選考対策

選考1. 素材・電池材料への理解と志望動機の深化

「EVに興味がある」という表層的な動機では他候補者との差別化が難しいです。セパレータがなぜ電池性能・安全性に重要なのか、ダブル・スコープの技術的ポジションと競合との違いは何かを説明できるレベルまで業界理解を深めておくことが重要です。会社の中期経営計画やIR資料(w-scope.co.jp)には業界認識と自社戦略が詳細に記されており、必読です。

選考2. 技術的バックグラウンドの明確な言語化

エンジニア・研究職での応募の場合、自身の技術スタック(取り扱った材料・プロセス・測定手法)と、それがダブル・スコープの業務にどう活かせるかを具体的に説明できるよう準備します。論文・特許経験がある場合はその内容と貢献度を整理しておくと有効です。

選考3. グローバル対応・語学力のアピール

韓国語または英語でのビジネスコミュニケーション経験がある場合は積極的にアピールしてください。語学力ゼロでも入社できるポジションはありますが、韓国拠点と関わる職種では語学力が実際の業務推進力に直結します。

選考4. 現場改善・数値改善の実績を整理する

製造・品質・生産技術での応募では「何を・どのように改善し・どれだけ成果を出したか」を定量的に語れる準備が必須です。歩留まり改善率・コスト削減額・不良率の低減幅などを具体的に示すことで、現場力を数字で証明できます。

選考5. 新規事業(イオン交換膜)への関心表明

単なる転職ではなく「次のステージの事業に参画したい」という志向を持っていることを示すと、前向きな評価につながります。イオン交換膜の用途・市場・技術背景を事前に調べておくことで、「現状を理解した上で成長フェーズに貢献したい」という意欲が伝わります。

選考6. 中長期のキャリアビジョンの整合性

短期的な転職理由だけでなく「3〜5年後にダブル・スコープで何を実現したいか」を語れる状態で面接に臨むことが重要です。EV関連の成長市場にいる同社では、技術者・専門職として長期的に専門性を磨くというビジョンが求められます。

ダブル・スコープへの転職で評価されやすい経験

  • 高分子・フィルム・コーティング材料の研究開発経験
  • リチウムイオン電池・電池材料(正極材・負極材・電解液・セパレータ)分野での業務経験
  • 化学メーカー・フィルムメーカーでの製造プロセス管理経験
  • 韓国語・英語を使ったメーカーとの技術的コミュニケーション経験
  • 生産ラインの品質改善・歩留まり向上の実績
  • 車載部品・電池部材の品質保証・IATF/TS品質規格対応経験
  • 量産工場での生産技術立ち上げ・改善プロジェクト経験
  • 購買・調達での原材料サプライヤー管理・コスト削減実績
  • 東証プライム上場企業でのIR・投資家対応業務経験
  • 新規事業部門での市場調査・事業計画立案経験
  • 理工系大学院(化学・材料工学・電気化学)での研究経験
  • グローバル製造業での海外サプライヤー・顧客折衝経験
  • 工程改善(PDCA・5S・カイゼン)を推進したマネジメント経験

特に評価されやすいのは、電池材料・高分子フィルム分野での研究開発または製造経験と、韓国語・英語によるグローバル業務対応実績の組み合わせです。

まとめ

ダブル・スコープは、電気自動車・蓄電池という時代の最前線にある成長市場で事業を展開する東証プライム上場の素材専業メーカーです。リチウムイオン電池セパレータという参入障壁の高いニッチ市場で独自技術を持ち、韓国大手電池メーカーとの長期取引関係に裏打ちされた受注基盤を構築しています。

平均年収663〜697万円という水準は製造業のなかでは高水準であり、専門性の高い技術者・エンジニアにとっては報酬面でも魅力があります。一方で、採用のターゲットは明確に絞られており、電池材料・高分子化学・製造技術の専門知識がない候補者には難度が高い選考が続く可能性があります。

「EVの普及を素材の側から支えたい」「製造業でグローバルな経験を積みながら専門性を磨きたい」という志向を持つエンジニア・研究者には、まず自社技術との重なりをIR資料で確認してから選考に進むことをすすめます。転職エージェントに相談し、非公開求人の動向も踏まえたうえで戦略的にアプローチすることが、内定獲得への近道になります。

参考リンク