株式会社TOKYO BASEは「FROM JAPAN TO THE WORLD」を掲げ、日本製・東京発のアパレルブランドを国内外に展開するファッション企業だ。セレクトショップ「STUDIOUS」と「THE TOKYO」を旗艦に、自社ブランド「UNITED TOKYO」「PUBLIC TOKYO」「A+ TOKYO」なども運営し、国産素材・国内縫製にこだわった高付加価値商品で市場を開拓してきた。

2008年12月の設立からわずか8年余りで東証プライム上場を果たし、2025年1月期には過去最高売上を更新。インバウンド需要の取り込みや中国・米国への海外展開にも積極的で、「Made in Japan」の価値を世界へ発信するプラットフォームとして成長を続けている。

アパレル業界の中では異色ともいえる高い給与水準と実力主義の評価制度が求職者の関心を集めており、販売職からバイヤー・マーチャンダイザー・EC担当まで、ファッションとビジネスを掛け合わせたキャリアを志す人材にとって魅力的な選択肢となっている。

企業概要

項目内容
正式社名株式会社TOKYO BASE
設立2008年12月
代表取締役谷 正人(代表取締役CEO)
本社所在地東京都港区南青山3-11-13 新青山東急ビル
資本金約6億8,200万円
従業員数約380名(連結、2024年2月期)
上場区分プライム市場(証券コード3415)
売上高約201億円(2025年1月期、過去最高)
平均年収約510〜643万円程度(各種調査値)
平均年齢非公表(社員構成上20〜30代が中心)
勤続年数非公表
事業内容アパレル・ファッション雑貨の企画・製造・販売(セレクトショップ・自社ブランドの国内外展開)

TOKYO BASEの特徴は「国内ブランドのみを取り扱う」という一貫したポリシーにある。海外のラグジュアリーブランドや輸入品を並べるのではなく、東京発・日本製にこだわることで差別化を図り、国内のアパレルブランドにとっての「登竜門」的なセレクトショップとして地位を確立した。その後、自社ブランドの育成にも注力し、セレクトとオリジナルの両輪で成長を続けている。

主な事業内容

TOKYO BASEは大きく「セレクトショップ事業」と「自社ブランド事業」の2軸で構成されており、それぞれに複数のブランドを展開している。2025年1月期時点で国内外合計83店舗を運営する規模に成長した。

セレクトショップ事業(STUDIOUS・THE TOKYO)

「STUDIOUS」は国内外のトップデザイナーズブランドを集積したセレクトショップで、TOKYO BASEの創業ブランドでもある。「THE TOKYO」は比較的手に届きやすい価格帯の東京ブランドを中心に集めたコンセプトショップで、幅広い顧客層を取り込む役割を担う。どちらも「国内ブランドのみ取り扱い」という一貫したポリシーのもと、バイヤーが厳選した商品を提案する。

自社ブランド事業(UNITED TOKYO・PUBLIC TOKYO・A+ TOKYO)

「UNITED TOKYO」はALL MADE IN JAPANを掲げるオリジナルブランドで、国内製造にこだわった高品質な素材と縫製が特徴。原価率は約50%程度とされ、利益率も高い。「PUBLIC TOKYO」はより幅広い層を対象としたプライスゾーンで展開し、「A+ TOKYO」はさらにプレミアムなラインを担う。これら自社ブランドの拡大がTOKYO BASEの成長エンジンとなっている。

インバウンド・海外事業

訪日外国人(インバウンド)の旺盛な購買需要を積極的に取り込んでおり、2025年1月期の過去最高売上はインバウンドが大きく寄与した。中国(北京・上海・深圳・広州)や米国(ニューヨーク)にも出店経験を持ち、「FROM JAPAN TO THE WORLD」のビジョンを着実に体現しつつある。

EC事業

各ブランドのEC展開にも注力しており、実店舗との相乗効果を高める戦略を取っている。デジタルとリアルの融合によって顧客接点を拡大し、既存顧客のLTV向上を図っている。

TOKYO BASEの強み

強み1. 「国産ブランドのみ」という明確な差別化ポリシー

国内外のラグジュアリーブランドが並ぶ百貨店やセレクトショップが多い中、TOKYO BASEは徹底して「日本製・東京発」のブランドにこだわる。この一点集中の編集方針が「東京のリアルなファッションシーンを体感できる場所」として国内顧客はもちろん、訪日外国人からの高い支持を集めることにつながっている。転職者にとっては、このブランドアイデンティティへの共感が入社後のモチベーション維持にも直結する。

強み2. セレクトとオリジナルの相乗効果

STUDIOUS・THE TOKYOのセレクトショップ事業で培った商品目利き力と顧客基盤を土台に、UNITED TOKYO・PUBLIC TOKYOなどの自社ブランドを育成するという垂直展開がTOKYO BASEのビジネスモデルの核心だ。セレクトショップで得た感度の高い顧客が自社ブランドにも流れ、自社ブランドの高い利益率が会社全体の収益性を底上げする好循環が生まれている。

強み3. インバウンド需要への対応力

「Made in Japan」への世界的な評価の高まりと訪日外国人数の増加を追い風に、TOKYO BASEのブランドはインバウンド需要の受け皿として機能している。店頭スタッフの語学対応力や商品ラインナップの選定においてもインバウンドを意識した戦略を取っており、国内小売業の中でも差別化できている点は注目に値する。

強み4. 成果主義に基づく高い給与水準

アパレル業界は一般的に給与水準が低いとされるが、TOKYO BASEは販売職でも成果に応じた報酬が反映される仕組みを採用しており、業界平均を大幅に上回る給与水準を実現している。これが「ファッションが好きで、かつ高収入を目指したい」という人材の獲得・定着につながっており、能力ある人材が集まりやすい環境を形成している。

強み5. 東証プライム上場企業としての信頼性と情報開示

2017年に東証(当時:東京証券取引所)に上場し、現在はプライム市場に上場する企業として高い情報開示基準をクリアしている。財務の透明性が高く、中期経営計画も公開しているため、転職先を選ぶ際に企業の将来像を把握しやすい。中途採用者にとっては「どこへ向かう会社なのかが見えやすい」という安心感がある。

強み6. 若手にも裁量が与えられる組織風土

比較的若い会社であり、年功序列的な慣習が薄い。店長・エリアマネージャーへの昇進が速い事例も多く、「早期にキャリアを積み上げたい」という意欲ある人材には好環境だ。本社スタッフ職においても、プロジェクト単位で若手が主体的に動ける場面が多いという声がある。

TOKYO BASEの年収事情

TOKYO BASEの年収は、アパレル業界の中では突出して高い水準にある。日本経済新聞のデータでは平均年収643万円程度、各種口コミサイトでは500万円台という数値も見られるが、これは役職・職種・勤続年数によってかなり分散するためだ。販売職でも実績次第で高い報酬が期待できる点が他のアパレル企業との大きな違いだ。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
販売スタッフ(エントリー)300〜450万円程度
店長450〜650万円程度
エリアマネージャー550〜750万円程度
バイヤー・MD500〜700万円程度
EC・デジタルマーケティング400〜650万円程度
経営企画・コーポレート500〜800万円程度
ブランドマネージャー600〜900万円程度

給与制度の特徴

基本給は固定で設定されているが、インセンティブ制度が充実しており、個人・店舗の売上実績に応じて変動報酬が加算される仕組みだ。特に販売職においては売上への貢献度が報酬に直結する構造になっており、実力ある社員が高収入を得やすい環境となっている。一方、本社スタッフ職では評価基準の定量性が課題として挙がることもある。なお、退職金制度は設けていないとの口コミ情報もあり、入社前に確認が必要だ。

年収を見る際の注意点

  • 口コミサイトの年収データは回答者属性に偏りがある場合が多い。公式の有価証券報告書の数値も合わせて確認すること
  • みなし残業(固定残業代)が含まれている場合があり、実際の時給換算額は額面より低くなるケースがある
  • 販売職はインセンティブ込みの年収と、基本給のみの年収で大きく差が出る
  • 役職・店舗規模・担当ブランドによって年収レンジが異なるため、選考時に個別に確認することを推奨する

TOKYO BASEの働き方・福利厚生

勤務時間・休日

小売業・アパレル業の特性上、店舗勤務は土日祝の出勤が基本となる。週休2日制だが、シフト制のため曜日は固定されない。本社スタッフは比較的フレキシブルな勤務体制が導入されている部署もある。

リモートワーク

店舗販売職はリモート勤務の性質上ほぼ非対応。本社部門では職種・業務内容によって一部在宅勤務が可能な場合もあるが、基本は出社が前提となっていることが多い。

主な福利厚生・制度

  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 社員割引制度(自社商品を社員価格で購入可能)
  • 住宅手当(対象エリア・条件あり)
  • 引越し支援・転勤者向け寮制度
  • 有給休暇取得推奨
  • 育児・介護休業制度
  • 研修・スキルアップ支援
  • インセンティブ・表彰制度
  • 社内公募・異動制度
  • 海外出張・海外研修の機会(海外事業拡大に伴い増加傾向)

注意点

退職金制度がない点(口コミ情報)は事前確認が必要。また、アパレル企業の特性上、トレンドへの対応やシーズン切り替え時期など繁忙期の業務量増加は避けられない。自己研鑽として服飾の知識・感度を維持するコストも一定程度必要となる。

TOKYO BASEの社風・カルチャー

一言で表すなら「自責・こだわり・正直さ」

TOKYO BASEのコアバリューは「自責・頑固・正直」とされており、これは創業者の谷正人CEOが体現するカルチャーにそのまま反映されている。他責にせず自分の裁量で動き、妥協せず結果にこだわり続け、売上数字に対して正直であることを求める文化だ。「ファッションが好き」というだけでなく、「ビジネスとして数字にコミットできるか」が問われる職場環境だ。

評価される人物像

  • 売上目標に対して自分なりの仮説を立てて実行できる人
  • ファッションへの深い知識と発信力(SNS含む)を持つ人
  • 結果が出ないときにも原因分析を自分ごととして捉えられる人
  • 顧客との長期的な関係構築を大切にできる人
  • 会社のミッション「FROM JAPAN TO THE WORLD」に本気で共感できる人

表面的なイメージと実態の差

「オシャレな会社に勤めたい」という動機だけで入社すると、数字へのコミットと自己責任の重さに戸惑う可能性がある。表面上はスタイリッシュな職場環境だが、実態は「数字で語る」カルチャーが強い実力主義の現場だ。また、経営陣との距離が近い分、会社の方針転換のスピードが速く、変化への適応力が必要になる場面も多い。

TOKYO BASEの転職難易度

難易度:B級(中程度)

TOKYO BASEへの転職難易度は業界未経験では「やや難しい」、アパレル経験者であれば「標準的」という評価だ。採用に際しては学歴よりも「ファッション感度と実績」を重視する傾向が強い。

ただし、本社職(マーチャンダイジング・EC・経営企画など)は採用枠が限られており、経験・スキルの要件が厳しくなる。販売職は比較的間口が広いが、試用期間中の成果評価が厳しいため、実力のない人材はふるいにかけられる。

理由1. ファッション感度と実績の重視

採用選考では学歴フィルターよりも「この人はTOKYO BASEのブランドを体現できるか」という視点が重視される。自身のファッション観を言語化でき、過去の接客・販売・ビジネス実績を具体的に語れる候補者が評価される。

理由2. 本社職は倍率が高い

バイヤー・MD・EC・PRなどの本社職は採用数が少なく、倍率が高い。特にMD・バイヤーは国内外のブランドとの交渉経験や市場分析能力が必要で、即戦力として活躍できる人材でなければ採用は難しい。

理由3. カルチャーフィットが鍵

「自責・頑固・正直」のコアバリューへの共感が採用可否に大きく影響する。面接では「なぜTOKYO BASEか」を深掘りされるため、競合他社との差異を理解した上で志望動機を構築できないと通過しにくい。

TOKYO BASEの主な募集職種

TOKYO BASEでは小売業・アパレル業に関わる幅広い職種で採用が行われている。販売・サービス系職種を中心に、本社での企画・管理系職種も定期的に募集がある。

TOKYO BASEに向いている人

タイプ1. ファッションとビジネスを両立させたい人

「オシャレが好き」というだけでなく、「服を売って数字を伸ばすことに快感を覚える」タイプの人材はTOKYO BASEで力を発揮しやすい。ファッションへの情熱とビジネス感覚が両立していることが重要だ。

タイプ2. 実力主義・成果主義の環境を好む人

年功序列ではなく、成果次第で早期昇格・収入アップが実現できる環境を求める人に向いている。自分の努力と結果が報酬に直結するシステムに魅力を感じる人は活躍しやすい。

タイプ3. 「Made in Japan」の価値を世界に発信したい人

単にアパレルが好きというだけでなく、日本のものづくりや東京のファッションシーンを世界へ発信することへの強い共感がある人は、仕事への動機が持続しやすい。

タイプ4. 変化の速い環境でスピード感を持って働きたい人

経営陣との距離が近く、意思決定のスピードが速い組織だ。変化をポジティブに捉え、素早く対応できる適応力がある人には向いている。

TOKYO BASEに向いていない人

ミスマッチを防ぐために、以下のタイプには事前の再考を勧める。

  • タイプ: 安定した昇給・年功序列を求める人。成果主義が強いため、結果を出せない期間の収入増加は期待しにくい
  • タイプ: 退職金・充実した手当を重視する人。退職金制度がない可能性があるため、老後の資産形成は自己責任で対処する必要がある
  • タイプ: 土日祝の休みが必須の人。店舗勤務はシフト制で土日出勤が基本となる
  • タイプ: ファッションへの関心が薄い人。商品・ブランドへの理解と愛着が業務のベースになるため、関心がないと続けにくい

TOKYO BASEの選考対策

選考戦略1. 「FROM JAPAN TO THE WORLD」への深い共感を言語化する

TOKYO BASEを志望する際の最大のポイントは、ビジョンへの本物の共感を示せるかどうかだ。「なぜ海外ブランドではなく国産ブランドにこだわるのか」「日本のファッションが世界に通用すると思う理由は何か」を自分の言葉で語れるように準備しておくこと。抽象的な「ファッションが好き」ではなく、具体的なブランドや商品を例に挙げながら熱意を伝えることが重要だ。

選考戦略2. 販売実績・接客成果を数字で示す

アパレル経験者であれば、前職での担当売場の売上推移・顧客リピート率・新規顧客獲得数など、定量的な成果を整理して面接に臨むこと。TOKYO BASEは「数字で語る」カルチャーが強いため、成果を具体的な数値で示せる候補者が高く評価される。

選考戦略3. TOKYO BASEの各ブランドを実際に体験する

可能であれば面接前にSTUDIOUS・UNITED TOKYO・PUBLIC TOKYO等の店舗を実際に訪問し、接客スタッフとの会話や商品ラインナップを体感すること。どのブランドが自分のキャリアプランに合うかを具体的に説明できると、志望度の高さが伝わりやすくなる。

選考戦略4. 自責思考を示すエピソードを準備する

「自責・頑固・正直」のコアバリューに合致するエピソードを事前に準備しておく。たとえば「目標を達成できなかったとき、自分のどの行動が原因だったと分析したか」「周囲の意見に流されずにこだわり続けた経験」「数字に正直に向き合った経験」などが評価されやすい。

選考戦略5. ファッション感度をSNSや実績で示す

TOKYO BASEでは、候補者のファッションセンスや発信力も選考の参考にする場合がある。自身のSNSやポートフォリオがある場合は積極的にアピールしてよい。服装そのものもスタイルをしっかり考えて面接に臨むこと。

選考戦略6. 中途採用は通年採用のケースが多い

新卒採用は別として、中途採用はポジションが空いたタイミングでの採用が多い。転職サイト・公式採用ページへの定期的なチェックや、転職エージェント経由での情報収集が有効だ。

TOKYO BASEへの転職で評価されやすい経験

  • アパレル・ファッション業界での販売・接客経験(ブランドセレクトショップ・百貨店アパレル等)
  • 店舗管理・店長経験(売上管理・スタッフ育成・在庫管理)
  • バイヤー・マーチャンダイザーとしての商品選定・発注経験
  • EC運営・デジタルマーケティング経験(特に自社EC運用)
  • SNSを活用したファッションコンテンツの発信実績
  • 数値目標の達成経験(前職での売上目標達成率・伸長率等)
  • 外国語スキル(英語・中国語)を活かした接客・取引先交渉経験
  • 在庫管理・VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)経験
  • ブランドプロモーション・PR活動の経験
  • 製品知識・素材知識(特に日本製ファブリックへの深い理解)
  • 顧客CRM・リピーター管理の経験
  • 海外展開に関わるオペレーション経験(越境EC・海外店舗)
  • コーポレートブランディング・採用広報経験(本社職志望の場合)

特に評価されやすいのは「販売実績を数字で語れるアパレル経験者」と「EC×ファッションの両方を理解するデジタル人材」だ。

まとめ

TOKYO BASEは「日本製のファッションで世界と戦う」というビジョンを本気で追いかけている数少ないアパレル企業だ。国産ブランドへのこだわり・成果主義の評価制度・業界水準を大幅に上回る給与というユニークな特徴を持ち、インバウンドの追い風も受けて2025年1月期に過去最高売上を更新した。

転職エージェントの視点で言えば、TOKYO BASEは「ファッションが好きで、かつビジネス的な結果にもこだわれる人材」にとって非常にフィットする環境だ。逆に、ファッションへの情熱よりも安定・待遇を優先する人材には向かない可能性が高い。

選考では「FROM JAPAN TO THE WORLD」への共感と自責思考の証明が鍵となる。事前に店舗を体感し、ブランドアイデンティティを自分の言葉で語れる状態で面接に臨むことが合格への近道だ。成果主義のカルチャーに乗れる人材にとっては、アパレル業界でトップクラスの年収と急速なキャリア形成が実現できる場所として、十分に検討に値する選択肢だ。

参考リンク