株式会社システナは、東京・汐留に本社を置くシステムインテグレーター(SIer)です。モバイル・通信・車載・金融・業務系など多様な領域において、ソフトウェア開発からIT運用・保守まで一気通貫でサービスを提供しています。従業員5,000名超の規模を持ちながら、平均年齢30.7歳という若さが特徴的な企業です。
転職市場においては「スキルを磨けるSIer」として認知度が高く、ITキャリアの起点として、またスキルアップの場として多くのエンジニア・ITプロフェッショナルが注目しています。本記事では、転職エージェントの視点からシステナの実態を詳しく解説します。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社システナ |
| 英語名 | Systena Corporation |
| 設立 | 1983年3月24日 |
| 代表者 | 三浦賢治(代表取締役社長) |
| 本社 | 東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング |
| 資本金 | 15億1,375万円 |
| 従業員数 | 4,181名(単体)、5,301名(連結)※2026年3月時点 |
| 上場区分 | 東証プライム(証券コード:2317) |
| 売上高 | 約836億円(2025年3月期・連結) |
| 平均年収 | 約474万円 |
| 平均年齢 | 30.7歳 |
| 平均勤続年数 | 6.3年 |
| 事業内容 | ソフトウェア開発・ITサービス・システムインテグレーション |
システナは1983年の創業以来、IT業界の変革とともに成長を続けてきました。2025年3月期の売上高は約836億円で、2028年3月期に向けて1,000億円超を目指す中期経営計画を推進中です。東証プライム上場企業としての信頼性と、若い組織のスピード感を兼ね備えた稀有な存在です。
汐留ビルディングの本社をはじめ、全国主要都市に事業拠点を展開し、国内外のさまざまな業種・業態の顧客に対してITサービスを提供しています。
主な事業内容
システナの事業は、モバイル・通信から車載・組込み、業務システム、ITインフラ運用まで多岐にわたります。特定業界への依存度が低く、複数の成長領域をカバーする事業ポートフォリオが同社の安定成長を支えています。
モバイル・通信システム開発
スマートフォン向けアプリケーション開発や通信キャリア向けシステム開発は、同社が最も強みを持つ領域の一つです。5G対応のネットワーク管理システム・通信設備管理システムなど、最新技術に対応したシステム開発実績が豊富にあります。モバイルファースト時代の変化をいち早く取り込み、技術力を蓄積してきた歴史が強みの基盤となっています。
車載・組込みシステム開発
自動車メーカーやサプライヤー向けの次世代カーナビ・自動運転システム・ADAS関連ソフトウェアの開発に注力しています。EV・自動運転への社会的関心の高まりとともに、同事業領域は高成長が期待される分野であり、システナにとって主要な差別化領域となっています。組込み・制御系の専門エンジニアが活躍できる環境が整っています。
業務系システム開発
金融・製造・流通・官公庁向けの基幹業務システム・クラウドシステムの開発・導入を手がけています。OCI・Azure・AWSなどのクラウドサービスを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)支援も積極展開しており、企業のデジタル変革を支援するITコンサルタントやエンジニアが必要とされています。
ITインフラ・運用サービス
ネットワーク運用・ヘルプデスク・IT資産管理・セキュリティ運用など、企業のIT基盤を支えるサービスを提供しています。顧客のIT部門の機能を代行するアウトソーシング型のビジネスも展開しており、継続的な収益をもたらす安定事業として機能しています。
AI・新技術活用サービス
AIサービス・ロボット・自動運転など先端技術を活用した次世代プロジェクトへの投資と人材育成にも積極的です。データ活用・機械学習・自然言語処理など最先端スキルを身につけたいエンジニアにとって、成長機会が豊富な環境を提供しています。
システナの強み
強み1. 多領域にわたる技術ポートフォリオ
モバイル・車載・業務系・インフラと異なる技術領域に強みを持つため、特定業界の景気変動に左右されにくい安定した収益構造を実現しています。転職者にとっては、自身の経験・スキルを活かしやすい職場が見つけやすく、キャリアチェンジの余地も大きいという利点があります。
強み2. 若い組織文化とスピードある成長環境
平均年齢30.7歳という数字は、大手SIerの中でも突出した若さです。若手が主力として活躍できる環境が整っており、早期からプロジェクトリーダーや管理職を任されるチャンスがあります。エンジニアリングマネージャーやプロジェクトマネージャーへのステップアップが比較的早い企業文化です。
強み3. 自動車×IT(コネクテッドカー・自動運転)の成長領域
モビリティ分野への注力は同社の中長期的な成長エンジンです。自動運転・EV・カーナビ関連のソフトウェア開発需要は今後も拡大が見込まれており、この分野での技術力を磨けることは転職者にとって大きな付加価値となります。
強み4. ITスキルがゼロでもスタートできる人材育成体制
採用において「現時点のITに関する知識は問わない」という姿勢を持っており、入社後の研修・OJTで技術力を育成する体制が整っています。未経験・第二新卒・異業種からのITキャリアへの転換を目指す方が参入しやすい環境です。
強み5. 東証プライム上場による信頼性と財務安定性
売上高800億円超・東証プライム上場という規模と信頼性は、大規模プロジェクトへの参入・大企業との取引関係を支える基盤になっています。財務基盤が安定しているため、雇用の安定性も高く、長期的なキャリア形成に適した環境です。
強み6. クラウド・AI・5Gなど最新技術への積極投資
OCI・Azure・AWSなどのクラウド環境でのシステム開発、AIを活用したサービス企画、5G対応通信システムなど、市場価値の高い最新技術を実業務で習得できる点は、エンジニアにとって大きな魅力です。取得した技術スキルが転職市場での市場価値向上に直結します。
システナの年収事情
システナの平均年収は約474万円(有価証券報告書ベース)です。これは業界全体の中堅SIerと比べると標準的な水準ですが、若い組織であることから経験年数に応じた成長余地は大きい状況です。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| 新卒SE・プログラマー | 330〜400万円 |
| 3〜5年目SE | 420〜520万円 |
| シニアSE・テックリード | 530〜680万円 |
| プロジェクトマネージャー | 600〜800万円 |
| PMO | 550〜720万円 |
| ITシステムコンサルタント | 600〜800万円 |
| ネットワークエンジニア | 420〜600万円 |
| 部長・マネジメント職 | 750〜1,000万円程度 |
※上記は業界水準等から推計した参考値であり、実際の待遇は個人の経験・スキルにより異なります。
給与制度の特徴
基本給にスキル・等級に応じた手当が加算される仕組みが採用されており、資格取得や技術認定によって収入を引き上げられる制度が整っています。年2回のボーナス(業績連動あり)と定期昇給が基本的な収入構造です。クラウド・AI・5Gなどの資格を持つエンジニアには資格手当が付与されるケースがあります。
年収を見る際の注意点
- 平均年齢が低いため、有価証券報告書の平均年収はやや低く見える傾向があります
- スキルアップに積極的な社員ほど昇給・昇格スピードが速い傾向があります
- プロジェクトの種類・業種によって実際の業務量・残業時間に差があります
- 取得した資格・スキルによって手当が増える仕組みを積極活用することが重要です
- 管理職への早期昇格を目指すことが年収向上の最短ルートといえます
システナの働き方・福利厚生
勤務時間・休日制度
完全週休2日制(土日祝)を基本とし、年間休日は120日以上です。フレックスタイム制が導入されており、コアタイムを設けながら柔軟な勤務時間管理が可能です。有給休暇の取得促進にも取り組んでいます。
働く場所・リモートワーク
本社(汐留)をはじめ、全国主要都市の拠点と顧客先に勤務形態が分かれます。プロジェクトの性質によって完全リモート・ハイブリッド・常駐など異なりますが、コロナ以降リモートワークの選択肢が大幅に拡大しました。自社プロジェクト中心のポジションではリモートワークがしやすい環境です。
主な福利厚生
- 各種社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 退職金制度・確定拠出年金(DC)
- 資格取得支援制度(費用補助・合格報奨金)
- 社内研修・外部研修参加支援
- フレックスタイム制度
- テレワーク・リモートワーク制度
- 住宅手当・通勤手当
- 家族手当
- 慶弔休暇・産前産後休暇・育児休業
- 介護休暇・介護休業制度
- 健康診断・メンタルヘルスサポート
- 社内公募制度(社内FA制度)
- 財形貯蓄制度
- 持株会制度
- レクリエーション施設利用補助
働き方を見る際の注意点
配属されるプロジェクトや常駐先によって、職場環境・働き方の実態が大きく異なるのがSI企業の特性です。自社開発プロジェクトか客先常駐プロジェクトかで日常の雰囲気も変わります。入社前に配属予定プロジェクトの詳細を確認し、自分の希望するワークスタイルと一致しているかを確かめることが重要です。
システナの社風・カルチャー
一言で表すなら「技術で社会を動かす・若手エネルギー型」
システナの社風を一言で表すなら「若い熱量で社会インフラを動かす技術集団」です。平均年齢30.7歳という若さが組織全体に活気をもたらしており、新技術への好奇心とプロジェクト達成への意欲が高い社員が多い環境です。
「日本のあしたにエナジーを!」というビジョンが社内に浸透しており、ITを通じて社会に貢献する使命感が組織文化の根底にあります。自動車・通信・金融という社会インフラに直結するシステムを開発することへの誇りが、社員のモチベーションの源泉となっています。
評価される人物像
- 技術への強い好奇心と継続的な自己学習意欲を持つ方
- チームでの協働を大切にしながら自発的に行動できる方
- 顧客の課題を技術で解決することに喜びを感じられる方
- 早期から責任ある役割を担いたいという向上心がある方
- 多様なプロジェクトに柔軟に適応できるアジリティを持つ方
表面的なイメージと実態の差
「SIerは長時間残業が多い」というイメージを持たれがちですが、システナはプロジェクト管理の改善とリモートワーク推進に継続的に取り組んでおり、ワークライフバランスの向上に力を入れています。また、「大企業=停滞した組織」というイメージとは異なり、若い平均年齢が示すように挑戦的な雰囲気があります。一方で、プロジェクトや常駐先による環境差はあるため、職場選びには注意が必要です。
システナの転職難易度
難易度:中級〜中下級(ITスキル・経験があれば比較的入りやすい)
システナへの転職難易度は全体として「中程度」です。大手SIer(NTTデータ・NRI等)と比べると敷居は低く、ITエンジニアとしての基礎スキルと学習意欲があれば挑戦しやすい環境です。また、IT未経験の方向けのキャリア採用枠もあり、入り口の幅広さが同社の魅力の一つです。
採用は「技術スキル」よりも「成長意欲・プロアクティブさ・協調性」を重視する傾向があり、スキルは入社後に習得させる意欲がある企業文化です。ただし、シニアSE・PM・ITコンサルタントなど即戦力枠では実務経験・実績が必要となります。
理由1. IT未経験歓迎枠が多い
公式採用サイトには「現時点のITに関する知識は問わない」という記載があり、育成型採用に積極的です。異業種からITキャリアへの転換を目指す方にとって、入りやすい大手企業の一つです。
理由2. 職種・プロジェクトの多様性が選考の鍵
同社が手がける領域は非常に広いため、自分のスキル・経験に合った職種・プロジェクトへの志望を明確にすることが合否を大きく左右します。「モバイル」「車載」「業務系」「インフラ」のどの領域を志望するかを事前に整理することが重要です。
理由3. 成長意欲・エンジニアとしてのマインドセット重視
技術スキルよりも「学び続ける姿勢」「チームへの貢献意識」「顧客への価値提供へのコミットメント」を重視する採用傾向があります。スキルは採用後にサポートするという企業文化が反映されています。
システナの主な募集職種
システナでは以下の職種を中心に中途採用を行っています。
- Web・オープン系SE:業務システム・Webサービスの設計・開発・テスト業務
- バックエンドエンジニア:サーバーサイドAPIやマイクロサービス開発
- フロントエンドエンジニア:WebアプリのUI実装・フレームワーク活用開発
- 組込・制御系SE:車載・IoT向け組込みソフトウェアの設計・開発
- ネットワークエンジニア:5G・通信インフラ設計・ネットワーク構築・運用
- Web・オープン系プロジェクトマネージャー:開発プロジェクトの計画・進捗・品質管理
- PMO:プロジェクト統括・管理支援・標準化推進
- ITシステムコンサルタント:DX推進支援・要件定義・ITアーキテクチャ提案
- データエンジニア:データ基盤構築・ETL・クラウドデータ処理
- 採用担当:中途・新卒採用業務全般(人事部門)
※掲載情報は変動します。最新の募集状況は公式採用サイトでご確認ください。
システナに向いている人
1. ITスキルをスピーディーに身につけたい人
研修体制が整っており、業務を通じた技術習得のスピードが速い環境です。「とにかく技術を磨きたい」というエンジニア志向の強い方に向いています。
2. 若い組織で早期に活躍したい人
平均年齢30.7歳という若い組織文化の中で、早期からリーダー・マネージャーへのキャリアアップを目指す方に適しています。能力次第で早期昇格の機会が得やすい環境です。
3. モバイル・車載・DXなど成長領域に関わりたい人
5G・自動運転・AIなど社会的注目度の高いプロジェクトに携わりたい方にとって、関連プロジェクトへの参画機会が豊富にあります。最先端分野でキャリアを築きたい方に向いています。
4. 安定した大手ITでITキャリアを始めたい人
東証プライム上場の安定した大手企業でありながら、未経験・第二新卒からのIT参入を受け入れる体制があります。大手の安心感とIT成長業界の魅力を両立できる入口として選択肢になります。
5. 多様な業界・プロジェクトを経験したい人
金融・製造・通信・公共など幅広い業界のプロジェクトに携わることができます。特定業界に固執せず、ITスキルを多様な業界で磨きたい方に最適な環境です。
システナに向いていない人
批判ではなく、ミスマッチ防止のために正直にお伝えします。
- 自社プロダクト開発にこだわる人: SIerであるため、基本的には顧客のためのシステム開発が中心です。自社オリジナルプロダクトを企画・開発したいという志向が強い方には物足りなさを感じる場合があります
- 年収の高さを最優先に転職を考えている人: 平均年収474万円は大手SIer上位と比べると控えめです。年収最大化を第一優先とする方には他の選択肢を検討する余地があります
- 客先常駐を避けたい人: プロジェクト内容によっては客先常駐形態になる場合があります。常駐勤務に強い抵抗がある方は入社前に配属方針の確認が必要です
- ニッチな専門特化型キャリアを積みたい人: 幅広い領域をカバーする企業であるため、特定領域のディープな専門家を目指す場合は、より特化した企業のほうが向いていることがあります
システナの選考対策
1. IT領域への志望動機と学習意欲を明確に示す
「なぜIT業界か」「なぜシステナか」を自分の経験・価値観と結びつけて語ることが最重要です。未経験者であれば、自己学習の取り組み(プログラミング勉強・資格取得など)を具体的に示しましょう。
2. チームへの貢献姿勢を具体的なエピソードで示す
プロジェクトでのチームワーク・協力経験・困難を乗り越えた経験などを具体的に語れる準備をしましょう。技術スキルよりも人間力・チーム力を評価する傾向があります。
3. 志望するIT領域・プロジェクト種別を明確化する
「モバイル」「車載」「業務系」「インフラ」など、自分が関わりたい領域を明確に持っておくことで、面接での具体的な対話が生まれます。志望領域の業界トレンドを事前に勉強しておくと好印象です。
4. 資格・スキルの取得・学習状況を整理する
基本情報技術者・応用情報技術者・AWS認定・Azure認定・CCNA など、IT系の資格取得状況や学習中の内容を整理して伝えましょう。努力の証として評価されます。
5. 「成長したいという意欲」を全体に一貫させる
面接全体を通じて「学び続ける姿勢」「チャレンジングな姿勢」が伝わるように心がけましょう。システナは成長意欲のある人材を育てることに積極的な企業です。
6. キャリアプランの方向性を整理しておく
「5年後・10年後にどのようなエンジニア・ITプロフェッショナルになりたいか」というビジョンを持っておくと、面接での深い対話につながります。PM・テックリード・コンサルタントなど、目指す方向性を明確にしておきましょう。
システナへの転職で評価されやすい経験
- システム開発(Web・業務系・組込み等)の実務経験
- 通信・モバイル・スマートフォン関連のシステム開発経験
- 車載・制御システムの開発経験(C/C++・組込みOS等)
- クラウド(AWS・Azure・GCP・OCI)を活用した開発・設計経験
- プロジェクトマネージャー・テックリードとしての案件管理経験
- IT系資格の保有(基本情報・応用情報・AWS・Azure・CCNAなど)
- ネットワーク設計・構築・運用の実務経験
- AI・機械学習・データ分析の実装経験
- 顧客折衝・要件定義・システム提案の実務経験
- アジャイル・スクラム開発手法での実働経験
- コードレビュー・設計レビューの推進経験
- DX推進・ITコンサルティングの支援経験
- ヘルプデスク・ITサポートの業務経験
特に評価されやすいのは、通信・モバイル・車載分野での開発実務経験と、クラウドサービスを活用したシステム構築スキルを持つ方です。同社の主力事業への即戦力として高く評価されます。また、ITスキルが未発達でも「技術習得への強い意欲と素直さ」がある方は入社後の成長が見込まれるとして歓迎されます。
まとめ
株式会社システナは、モバイル・車載・業務系・インフラと幅広い領域をカバーするSIerとして、日本のIT社会を支える重要な役割を担っています。売上高836億円・東証プライム上場の安定した財務基盤と、平均年齢30.7歳という若い組織文化が共存する稀有な環境が最大の魅力です。
年収水準は大手SIer上位と比較すると控えめですが、スキルアップ・早期昇格・多様なプロジェクト経験という「成長資産」を築けることが同社の最大の付加価値です。IT未経験・第二新卒からのキャリアスタートにも適しており、入社後の教育体制も整っています。
自動運転・5G・AIなど社会的に重要な最先端テクノロジープロジェクトに関われる機会があり、「社会インフラを技術で動かしたい」という志向を持つITエンジニアにとって、システナは非常に充実したキャリアステージを提供してくれる企業です。IT業界でのキャリアを本気で考えている方は、ぜひ検討リストに加えてみてください。
