株式会社システムリサーチ(証券コード:3771)は、1981年に愛知県名古屋市で設立された独立系SIer(システムインテグレーター)だ。製造業・流通・卸売・小売など幅広い業種の顧客に向けてソフトウェア開発・システム構築・保守運用を提供し、東証プライム市場に上場している。
特定の親会社を持たない独立系であることが最大の特徴で、顧客のニーズに応じた柔軟な提案力が強みとなっている。売上高は2026年3月期に291億円超へと拡大し、DX需要を追い風に右肩上がりの成長を続けている。
本社は名古屋市中村区に置きながら、東京・大阪などにも拠点を展開。地元東海エリアの製造業大手との取引を基盤としつつ、全国規模のビジネスを展開している点が転職市場での魅力となっている。
この記事では転職エージェント・キャリアコンサルタントの視点から、同社の事業内容・強み・年収水準・転職難易度・選考対策まで詳しく解説する。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社システムリサーチ |
| 設立 | 1981年(昭和56年)3月26日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 平山 宏 |
| 本社所在地 | 愛知県名古屋市中村区名駅南一丁目24番30号 |
| 資本金 | 5億5,015万円 |
| 従業員数 | 連結1,656名程度(2025年時点) |
| 上場区分 | プライム市場(証券コード3771) |
| 売上高 | 290億8,348万円(2026年3月期・連結) |
| 平均年収 | 約530万円(有価証券報告書ベース) |
| 平均年齢 | 約33〜34歳 |
| 平均勤続年数 | 約8.4年 |
| 事業内容 | ソフトウェア開発・SIサービス・ソフトウェアプロダクト・商品販売・Webサービス |
東海地区を地盤とする独立系ITベンダーとして、1981年の創業以来40年以上にわたって成長を続けてきた。2016年に東証一部(現プライム市場)へ市場変更を果たし、近年はDX・AI・クラウド関連の需要を捉えて増収増益を連続達成している。連結売上高は2026年3月期に前年比12%超の成長を記録するなど、中堅SIerとして存在感を高めている。
主な事業内容
システムリサーチの事業はソフトウェア関連事業の単一セグメントで構成されている。サービスの性質ごとに以下のカテゴリに整理できる。
SIサービス事業
顧客企業の課題を分析し、要件定義から設計・開発・テスト・導入・保守運用まで一気通貫でシステムを構築する。自動車・機械・食品・物流など幅広い製造業・非製造業の顧客を持つ。システムの規模は数百万円の中小案件から数億円の大型案件まで幅広く、長期保守契約も多い。
独立系であることから特定のメーカーやプラットフォームに縛られず、顧客の環境に最適な技術選択ができる点が同社の差別化ポイントとなっている。
ソフトウェア開発事業
受託開発型のSIサービスと異なり、顧客の開発チームに技術者を派遣・常駐させる形でシステム開発に参画するケースも多い。特に大手製造業の社内SE機能を補完する役割を担っており、長期の契約関係を築きやすい。
組込・制御系、Webオープン系、基幹系など多様な技術領域をカバーし、技術者のスキル幅が広いことが特徴だ。
ソフトウェアプロダクト事業
自社開発のパッケージソフトウェアを提供する事業。物流・小売・製造などの特定業種向けに特化したソリューションを自社ブランドで展開することで、ライセンス収益という安定した収益基盤を確保している。
EC・Webサービス事業
ECサイト構築支援・Webサイト運営・デジタルマーケティング支援などを提供する。中堅・中小企業のデジタル化需要を取り込み、IT投資規模が小さい顧客層への入口としても機能している。
DX・AI関連事業
近年注力を強めている領域。AI・RPA・クラウドマイグレーションなどのDX推進支援を提供し、既存顧客のデジタル変革を技術面から支援する。売上拡大ペースが最も速い分野であり、今後の成長エンジンと位置づけられている。
システムリサーチの強み
強み1. 独立系ゆえの顧客業種の幅広さ
特定の親会社・系列を持たない独立系SIerであるため、日立・NTT・富士通系のベンダーとは異なり、特定グループ企業に縛られない顧客獲得ができる。自動車・機械・食品・物流・金融・流通など多業種の顧客に対して最適な提案ができ、エンジニアは複数業種のプロジェクトを経験できる。転職者にとっては、入社後のキャリアの幅広さにつながる強みだ。
強み2. 東海地区トップクラスの独立系IT企業としての地盤
名古屋を本拠地とする独立系SIerとして、東海地区における認知度・実績は群を抜いている。トヨタ自動車系のサプライヤー企業や地場の中堅製造業との長年の取引関係は、新規参入が難しい堅固な競争優位となっている。地元志向の技術者にとって「東京のIT企業に行かずに高水準のキャリアを積める場所」としての訴求力がある。
強み3. 高い社員定着率と手厚い育成体制
社員定着率90%超を維持していることは、同規模のSIerとしては顕著だ。みなし残業制度を採用せず残業代を全額支給する給与体系、OJTトレーナー制度による丁寧な新人育成、定期的な上司との1on1面談など、定着率を高める施策が実際に機能している。転職者にとって「入社後に放置されるリスク」が低い点は大きな安心材料だ。
強み4. 安定した成長軌道とDX投資の加速
2026年3月期の売上高は前年比12%増という二桁成長を記録した。これは市場全体のDX投資拡大を着実に取り込んでいることを示す。増収増益を継続しながらDX・AI領域への人材投資・技術投資を加速しており、技術者の成長機会が継続的に生まれる環境にある。安定と成長の両立という観点で、転職先として魅力的なポジションを維持している。
強み5. 東証プライム上場という信頼性と待遇の裏付け
東証プライム市場上場は、財務健全性・コーポレートガバナンスの基準を満たしていることの証明だ。会社として適切な情報開示義務を負うため、求人票に書かれた待遇と実態が乖離しにくい。賞与実績5.1か月分という水準は、上場企業として株主に対しても説明できる形で経営成果を社員に還元していることを示している。
強み6. 多様な技術領域での経験が積める環境
製造業向け組込・制御系から、WebオープンなEコマース系まで、技術スタックの幅が広い。エンジニアとしてのキャリアにおいて特定技術への偏りを避けたい人、もしくは特定業種に深く刺さりたい人の両方に対応できる案件ポートフォリオを持っている。また、AIやRPAなどの新技術案件も増加中であり、技術者として常に新しい挑戦ができる環境が整いつつある。
システムリサーチの年収事情
独立系SIerとしては標準的な水準で、有価証券報告書に基づく平均年収は530万円前後と報告されている。年功序列的な賃金体系を維持しつつも、スキルや成果を反映した昇給の仕組みを採り入れている。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| ITシステムエンジニア(入社3年以内) | 350〜430万円 |
| ITシステムエンジニア(中堅・5〜8年) | 450〜580万円 |
| プロジェクトリーダー | 550〜680万円 |
| プロジェクトマネージャー | 650〜800万円 |
| 技術系マネージャー・部長職 | 750〜950万円 |
| 営業・ソリューション営業 | 400〜600万円 |
| バックオフィス(人事・総務・経理) | 350〜520万円 |
給与制度の特徴
みなし残業制度(固定残業代)を採用せず、実際の残業時間に応じた残業代を全額支給する方式を採っている。IT業界では固定残業代制度を採用する企業も多い中、この点は透明性が高く評価されている。賞与は年2回支給で、過去の実績は年間5.1か月分程度とされている。
年収を見る際の注意点
- 首都圏の大手SIerと比較すると年収水準はやや低め。ただし名古屋の物価・生活費水準を考慮すると実質的な豊かさは大差ない場合も多い
- 年齢別の年収伸長は緩やか。30代後半〜40代でマネジメントポジションに就けるかどうかで収入格差が生まれる
- プロジェクトリーダー・マネージャーへの昇格タイミングが年収の転換点になる傾向がある
- 技術力よりもリーダーシップ・マネジメント志向の人の方が年収上昇が早い
システムリサーチの働き方・福利厚生
同社は「ワーク・ライフ・バランス推進企業」として認定を受けており、就業環境の整備に力を入れている。
勤務時間・休日 標準的な週5日勤務で、年間休日はおおむね120〜125日程度。有給休暇取得については積極的な取得を推奨する文化が根付いている。
リモートワーク コロナ禍以降、在宅勤務制度が整備された。ただし常駐型の顧客プロジェクトに配属された場合は顧客先ルールに依存するため、案件・プロジェクトによって状況は大きく異なる点に注意が必要だ。
福利厚生
- 各種社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 通勤交通費全額支給
- 退職金制度
- OJTトレーナー制度(新入社員・中途入社者向けの育成サポート)
- 定期的な上司との面談制度
- 資格取得支援・技術研修制度
- 社員旅行・社内イベント
- 健康診断・インフルエンザ予防接種補助
- 財形貯蓄制度
- 育児休業・介護休業制度
注意点 常駐型プロジェクトでは顧客先の職場環境・ルールに依存する部分が大きい。配属プロジェクトによって残業時間や働き方の柔軟性が変わるため、面接時に自分が希望するプロジェクトタイプ・環境について具体的に確認することを強く推奨する。
システムリサーチの社風・カルチャー
一言で表すなら「堅実・地道・顧客密着」
派手さやスタートアップ的な文化ではなく、東海地区の製造業ととも40年以上歩んできた堅実な組織文化が根底にある。社員の多くは名古屋・東海エリア出身者で、安定志向・地元定着志向のエンジニアが多い傾向がある。
顧客との長期的な信頼関係を重視する文化が強く、短期的な売上より顧客満足を優先する姿勢が組織全体に染み渡っている。その結果として高い定着率と安定した受注関係が維持されている。
評価される人物像
- 顧客の業務課題を深く理解しようとする姿勢がある人
- 長期的な視点でキャリアを積み、専門性を深められる人
- チームワークを重視し、周囲と協力しながら仕事を進められる人
- 名古屋・東海エリアを軸に長く働くことを望んでいる人
表面的なイメージと実態の差
「名古屋の中堅SIer」というと地味に見られがちだが、東証プライム上場で291億円規模の売上を持つれっきとした中堅企業だ。また「製造業向け」というイメージから技術が古いと思われることがあるが、近年はAI・クラウド・RPAなどのモダン技術への投資を積極化しており、技術スタックの近代化が進んでいる。
システムリサーチの転職難易度
難易度:B級(中程度)
東証プライム上場の独立系SIerとして応募者は一定数いるが、採用枠もある程度あり、明確なスキルを持つ経験者には比較的通過しやすい選考だ。
新卒採用では大学・大学院の情報系・理工系出身者が中心だが、中途採用ではIT経験者であれば文理問わず採用実績がある。
理由1. スキル・経験が明確に問われる
システム開発の実務経験、使用技術・言語、担当プロジェクトの規模と役割など、具体的なスキルセットが選考の主軸となる。抽象的な「成長意欲」よりも、「何ができるか・何をやってきたか」を問われる。
理由2. 顧客業種との親和性も加点要素
製造業・流通業など同社の主要顧客と同業種・同業界でのシステム開発経験は大きなアドバンテージになる。同じ技術スキルでも業種知識があるほうが選考で有利に働く傾向がある。
理由3. マネジメント経験者はより高評価
プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャー経験者は採用の優先度が高い。複数名のチームをまとめてプロジェクトを完遂させた経験があれば、面接での説得力が増す。
システムリサーチの主な募集職種
独立系SIerとして、技術系を中心に幅広い職種を採用している。
- バックエンドエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- Web・オープン系SE
- Web・オープン系プロジェクトマネージャー
- Web・オープン系プロジェクトリーダー
- 組込・制御系SE
- 組込・制御系プロジェクトマネージャー
- 社内SE
- 情報システム担当
- ITインフラエンジニア
- データエンジニア
- ソリューション営業
- 経営企画
システムリサーチに向いている人
タイプ1. 名古屋・東海エリアでキャリアを築きたい人
首都圏に出ずに、地元東海エリアで東証プライム上場企業のエンジニアとして安定したキャリアを積みたい人に最適だ。地場企業との関係が深いため、地域密着型のキャリアを望む人のニーズに応えられる。
タイプ2. 製造業・産業系のIT経験を活かしたい人
自動車・機械・食品など製造業のシステム開発経験を持つ人は、同社の顧客基盤と親和性が高い。既存経験を即戦力として活かしながら新しい技術にも挑戦できる環境が整っている。
タイプ3. 独立系ならではの幅広い業種経験を望む人
特定の系列・グループ会社に縛られず、多様な業種のプロジェクトを経験したい人にとって、独立系SIerは最適な選択肢だ。顧客業種が分散しているため、特定業種の景気変動に左右されにくいというメリットもある。
タイプ4. 長期安定キャリアを重視する人
高い定着率・手厚い育成体制・みなし残業なしの給与体系は、「一社でじっくりキャリアを積みたい」という志向の人に合っている。派手な成長よりも着実な昇格・昇給を好む人に向いている。
タイプ5. 技術からマネジメントへのキャリアパスを描く人
エンジニアとしてキャリアをスタートし、徐々にプロジェクトリーダー・マネージャーへと成長していくキャリアパスが明確に用意されている。技術一本よりもマネジメントも経験したいという人には、成長しやすい環境だ。
システムリサーチに向いていない人
批判ではなくミスマッチ防止のために書く。以下に当てはまる人は選考前に慎重に検討を。
- タイプ:高速な年収成長を求める人 — 年収上昇のペースは緩やかで、外資系IT企業や急成長スタートアップと比較すると見劣りする
- タイプ:最先端技術に特化したキャリアを積みたい人 — DX投資は増えているが、基本はレガシー技術との共存環境。常に最新技術に触れる保証はない
- タイプ:フルリモート・場所を選ばない働き方を望む人 — 顧客先常駐型プロジェクトが一定数あり、完全フルリモートは難しいケースも多い
- タイプ:東京・大都市圏での仕事を望む人 — 名古屋本社の企業であり、東京拠点もあるが主力業務は東海エリア中心
- タイプ:事業会社側でユーザー系のキャリアを積みたい人 — SIer(ベンダー側)の仕事は事業会社の社内SE業務とは文化が異なる
システムリサーチの選考対策
1. プロジェクト経験を「規模・役割・成果」で整理する
「どんなシステムを・何人のチームで・どの役割で・どんな成果を出したか」を具体的に語れるよう準備する。使用言語・フレームワーク・インフラ構成など技術的な詳細も事前に整理しておく。
2. 顧客業種への理解と関心を示す
製造業・流通業など、同社が得意とする顧客業種への興味・関心を示せると有利だ。「なぜその業種のシステム開発に携わりたいか」を自分の言葉で話せるように準備する。
3. なぜ独立系・なぜシステムリサーチかを言語化する
大手ベンダーや系列SIerではなく「独立系」を選ぶ理由、さらに「なぜシステムリサーチか」を論理的に説明できるようにしておく。「名古屋で長く働きたい」「顧客との距離が近い開発がしたい」など具体的な動機が評価される。
4. 技術スキルの深さと広さを両立させたアピール
SIerは特定技術への深い専門性とともに、プロジェクトを進める上での幅広い視野も求められる。「この技術は深く、他の領域も対応できる」というT字型の人材像を示せると選考で差別化できる。
5. 長期的な成長ビジョンを語る
採用担当者は「入ってすぐ転職する人」ではなく、長期的に成長してくれる人材を求めている。「5年後・10年後にどんなエンジニア・マネージャーになりたいか」という中長期のキャリアビジョンを準備する。
6. 面接では技術面接と人物面接の両方を想定する
技術的な質問(過去のプロジェクト詳細・技術の説明等)と、人柄・志向を問う質問の両方が出る。技術力だけでなく「チームで協力して仕事ができる人かどうか」も重視される。穏やかで協調性のある印象を与えることも重要だ。
システムリサーチへの転職で評価されやすい経験
- 製造業・物流・流通・小売向けシステムの開発・保守経験
- Java・Python・C/C++などの主要言語での実務経験
- クラウド(AWS・Azure・GCP)を活用したシステム構築経験
- 組込・制御系システムの開発経験(自動車・機械系は特に評価)
- プロジェクトリーダーとして複数名のチームをマネジメントした経験
- 要件定義・基本設計から担当したシステム開発経験
- AI・機械学習・RPAを活用したシステム構築の実務経験
- ERPパッケージ(SAP・Oracle等)の導入・カスタマイズ経験
- 顧客折衝・提案・ヒアリングの実務経験
- アジャイル・スクラム開発の実践経験
- 情報処理技術者試験(応用情報・高度区分)の取得
- 複数フェーズにわたる長期プロジェクトの全体把握経験
- 顧客のシステム移行(オンプレ→クラウド等)の支援経験
特に評価されやすいのは、製造業向け基幹系システムのプロジェクトリーダー経験と、顧客との上流工程(要件定義・提案)を担当した実績だ。 技術力に加えて顧客コミュニケーション能力と業種理解を持つ人材は、同社での即戦力として非常に高く評価される。
まとめ
株式会社システムリサーチは、愛知県名古屋市を本拠地とする東証プライム上場の独立系SIerだ。製造業を中心とした幅広い顧客基盤を持ち、特定の系列・親会社に縛られない柔軟な提案力が強みとなっている。
転職市場での魅力は「名古屋で東証プライム上場企業のキャリアを積める」「定着率90%超の安定環境」「みなし残業なしの透明な給与体系」の3点に集約される。年収水準は首都圏大手比で高くはないが、東海エリアの生活コストを考慮すれば実質的な満足度は高い水準にある。
成長性の面でも、DX・AI投資の加速により売上は2026年3月期に前年比12%増と二桁成長を達成。東海地区の製造業DX需要を背景に、今後も安定した成長が期待できる。
地元東海エリアで長期的なIT技術者キャリアを描きたい人、製造業向けシステム開発の経験を活かしたい人、独立系SIerならではの幅広い業種経験を積みたい人に特にお勧めできる転職先だ。
