日東製網株式会社は、広島県福山市を創業の地とする漁網・ネット製品の総合メーカーだ。1910年の設立から110年超の歴史を持ち、合繊製無結節網の最大手として国内市場の約半分を占める圧倒的なシェアを誇る。

東京証券取引所スタンダード市場に上場(証券コード3524)し、2026年4月期の売上高は約221億円。漁業用ネットを核に、獣害防止ネット・防球ネットなど陸上用途への事業拡張、タイ拠点を軸とした東南アジア展開など、成熟市場での競争力維持を図る戦略を展開している。

転職先としては「ニッチ業界のリーダー企業で安定したキャリアを積みたい」「水産・農業・スポーツ施設などの分野で社会貢献したい」という人材に向いている。平均年収は485〜516万円程度で製造業水準、賞与は年間5か月分程度とされ、管理職も話しやすいホワイト寄りの職場環境と評されている。

本記事では転職エージェントの視点から、日東製網の事業内容・強み・年収・働き方・転職難易度・選考対策まで詳しく解説する。

企業概要

項目内容
会社名日東製網株式会社(英文:NITTO SEIMO CO., LTD.)
設立1910年
代表者代表取締役社長 小林宏明
本社所在地東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル701号(登記上)/広島県福山市一文字町14-14(実質本社機能)
資本金13億7,882万円
従業員数単体:317名、連結:942名(2025年4月現在)
上場区分スタンダード市場(証券コード3524)
売上高単体:約170億円、連結:約221億円(2026年4月期)
平均年収485〜516万円程度
平均年齢42.3歳
平均勤続年数13.7年
事業内容漁業用・陸上用無結節網・ロープ等の製造販売、漁労機器販売、水産物仕入販売

日東製網は1925年に世界初の無結節網製造機を発明し、以来100年近くにわたって漁網業界のリーダーであり続けてきた。無結節網とは網目の結節部(結び目)をなくした製法で、従来の結節網と比較して強度が高く、魚への傷みが少ないという特性を持つ。この技術は世界16か国57特許を取得した同社の核心技術だ。

グループ14社を擁し、子会社・関連会社を通じて国内の全漁業エリアに供給ネットワークを展開している。漁業者・水産会社・漁業協同組合を主要顧客に持ちながら、近年は農業向け獣害防止ネット・スポーツ施設向け防球ネットなど陸上用途への展開を積極的に進めている。

主な事業内容

日東製網の事業は「漁業用ネット事業」「陸上用ネット事業」「漁労機器・水産物事業」の3つの柱で構成されており、漁業を核に水産業全体にサービスを提供するトータルサプライヤーとしての地位を構築している。

国内漁業の長期的な縮小トレンドという課題に直面しながら、陸上用途への拡張と海外市場の開拓で成長の持続を図っている。

漁業用ネット事業

定置網・旋網・底曳網・刺網・延縄・養殖網・海苔網と、あらゆる漁法に対応したネット製品を提供する。中でも定置網・旋網向けが主力で、国内漁業者の多くが日東製網の製品を使用していると言われる。

合繊製無結節網の特性として、同じ強度の有結節網と比べて網地が軽量で取り扱いやすく、魚体への傷みが少なく品質保全に優れる。定置網では1回の設置で何年もの耐用が求められるため、高い耐久性と信頼性が求められる。

陸上用ネット事業

漁業用ネットの技術を応用した陸上用途への多角化事業だ。農業分野では鹿・猪・猿などの獣害から農地を守る獣害防止ネット、野球場・テニスコート・サッカーグラウンドなどスポーツ施設向け防球ネット、建設工事での落下物防止ネットなど多様な用途に展開している。

国内農業の獣害被害が深刻化する中で獣害防止ネットの需要は拡大傾向にあり、漁業需要の縮小を補う成長分野として位置づけられている。グループ会社「株式会社泰東」が防虫網・防球ネット・防風ネットの製造・販売・施工を専門的に行っている。

漁労機器・水産物事業

漁業の省力化・効率化を実現する漁労関連機械器具の商品販売を行う事業だ。ネット製品に加えて漁業者の生産性向上に貢献する機器を供給することで、顧客との関係を製品単品の売り切りから総合的なパートナーシップへと深化させる。

また水産物の仕入・販売事業も手がけており、漁業の川上(ネット・機器供給)から川下(水産物流通)まで関わるビジネスモデルを展開している。

海外事業(タイ拠点軸の東南アジア展開)

2012年にタイに現地法人を設立し、養殖業が急拡大する東南アジア市場への本格進出を果たした。タイを生産・販売の拠点としつつ、インドネシア・ベトナムなどの養殖会社との協業や輸出拡大を進めている。

単なるネット製品の輸出にとどまらず、種苗生産から飼育・流通・販売まで養殖業のトータルコーディネートに関わるビジネスモデルへの移行を目指している点がユニークだ。

日東製網株式会社の強み

強み1. 合繊製無結節網で国内シェア約50%という圧倒的な市場支配力

無結節網の製造機を世界で初めて発明し100年近く業界トップを維持している事実は、単なるシェア以上の参入障壁を意味する。製造機・製造ノウハウ・品質管理技術の蓄積が競合他社の模倣を困難にしており、顧客(漁業者・漁協)との長年にわたる信頼関係が固定客基盤を形成している。

転職者にとってこれは「競合の少ないニッチ市場の絶対的リーダーで働ける」という安定性を意味する。市場シェアの大幅喪失リスクが低いため、中長期的な雇用安定性を望む転職者に安心感を与えられる企業だ。

強み2. 110年超の技術蓄積と世界57特許が形成する技術的護城河

1910年設立・1925年の無結節網製造機発明という歴史が示す通り、技術開発への積極的な投資と特許取得で競合参入を防ぐ堀(護城河)を築いてきた。世界16か国57特許という規模の知的財産ポートフォリオは、日本国内にとどまらずグローバル市場での競争力基盤だ。

技術志向の転職者にとっては、100年の技術が凝縮された環境での専門性習得という価値がある。素材・繊維・漁業工学という専門領域での経験が体系的に積み上がる職場環境だ。

強み3. 漁網×陸上ネット×漁労機器という多角的な製品ポートフォリオ

漁業という縮小傾向にある産業だけに依存するリスクを、陸上ネット事業・漁労機器・水産物流通への多角化で軽減している。農業向け獣害防止ネット・スポーツ施設向け防球ネットは成長市場であり、コア技術(合繊製網製造)を活かした隣接市場への展開という合理的な成長戦略だ。

転職者にとっては入社後のキャリアパスが漁業用途以外にも広がりうるという柔軟性がある。製品知識・技術を軸に営業エリアや担当市場を広げていけるため、中長期的なキャリア形成の可能性がある。

強み4. タイ拠点を核とした東南アジア海外展開のポテンシャル

東南アジアは養殖業の急速な成長市場であり、水産物の食料需要増を背景に長期的な需要拡大が見込まれる。タイ法人設立で先行したことで、現地顧客・パートナーとのネットワーク構築において後発競合に対して優位性を持つ。

海外営業・海外赴任・貿易業務などの経験を積みたい転職者にとって、グローバル展開の最前線に関われる可能性がある職場だ。国際ビジネス志向のある転職者には成長機会として魅力的な側面だ。

強み5. 業界横断的な人脈と水産省・漁協との強固な取引関係

日本全国の漁業者・漁業協同組合・水産関連機関との長期的な取引関係は、新規参入者が短期間で構築することが困難な参入障壁だ。地域の漁業文化・慣習に深く根ざした信頼関係は、シェア維持の基盤となっている。

営業職として入社した場合、漁業業界全体のネットワークを構築できるという希少価値のある経験が積める。食料安保・水産業振興という政策的な支援が続く分野での働き方は、社会的使命感を持ちやすい点でも評価できる。

強み6. 平均勤続年数13.7年が示す高い職場定着率とホワイト寄り環境

平均勤続年数13.7年という高さは、職場環境・待遇・働きやすさへの高い満足度を示す実証データだ。社員口コミでも「管理職が話しやすくホワイトな職場」という評価が見られ、長期的に安心して働ける環境であることが確認できる。

長期雇用を前提とした転職を検討している人材にとって、定着率の高さは最も重要な指標の一つだ。「入社してみたら職場環境が悪かった」というリスクが低い職場として評価できる。

日東製網株式会社の年収事情

日東製網の平均年収は485〜516万円程度とされており、繊維・化学素材系の中小〜中堅上場企業として標準的な水準にある。賞与は年5か月分程度と比較的高い水準とされ、長期勤続による年収の安定的な積み上げが特徴だ。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
製造スタッフ(網製造・現場職)320万〜450万円
品質管理・品質保証380万〜520万円
国内営業(漁網・ネット製品)400万〜600万円
海外営業・輸出担当420万〜630万円
技術開発・製品設計400万〜580万円
生産管理・工場管理420万〜600万円
経理・管理部門380万〜560万円
係長クラス600万円程度
課長クラス780万円程度
部長クラス950万円程度

給与制度の特徴

年功と成果を組み合わせた賃金体系とみられ、近年は成果主義的な評価項目が増加傾向にあるとされる。賞与については平均5か月分程度と製造業の中では安定した水準を維持している。

営業職では家賃補助があるとの口コミもあり、住居費のサポートが実質的な処遇水準の向上に寄与している。広島・福山地区勤務の場合は都市部に比べて生活コストが低く、実質的な生活満足度は年収の数字以上になりやすい。

年収を見る際の注意点

  • 平均年収データは単体ベースのため、グループ子会社への出向・転籍時は適用される給与テーブルが異なる場合がある
  • 製造職(現場スタッフ)は総合職・営業職に比べて年収レンジが低めになる傾向がある
  • 年功制の残る組織のため、若手時代は年収が伸びにくいが中堅以降に逓増する構造とみられる
  • 国内漁業市場の縮小により業績変動リスクがあるため、ボーナスの水準は業績連動部分に注意が必要

日東製網株式会社の働き方・福利厚生

日東製網は社員口コミにおいて「ホワイトな職場」という評価が目立ち、管理職との人間関係の良好さや賞与水準の安定が高く評価されている。広島県福山市という地方都市を実質的な本拠地とする企業として、都市部の喧騒を離れた落ち着いた働き方が特徴だ。

勤務時間・休日:週休2日制を採用。製造現場は工場稼働スケジュールに基づく勤務体制だが、管理・営業部門は比較的規則的な勤務リズムが保たれやすい。

テレワーク・柔軟な働き方:漁業者・水産業者を顧客とする対面営業の性格上、営業職はテレワーク適用が限定的とみられるが、管理・企画部門での柔軟な働き方は徐々に整備されていると推察される。

住宅・生活支援

  • 営業職向け家賃補助制度
  • 社会保険完備(健康・厚生年金・雇用・労災)
  • 住宅手当(職種・条件による)
  • 財形貯蓄制度

健康・生活

  • 退職金制度
  • 育児休業・介護休業制度
  • 慶弔見舞金・弔慰金制度
  • 健康診断・各種検診補助

能力開発・キャリア支援

  • 資格取得支援制度
  • 社内研修・外部研修派遣
  • 技術研鑽への支援体制

その他

  • 親睦会・レクリエーション支援
  • 永年勤続表彰制度

注意点:漁業者との取引上、漁期・水揚げシーズンなどの繁忙期に合わせた業務量の変動がある。また、水産・漁業文化に理解のある素養が職場適合性に影響しやすい。

日東製網株式会社の社風・カルチャー

一言で表すなら「職人的なまじめさと老舗の安定感」

100年超の歴史を持つ老舗漁網メーカーとして、技術への誠実な態度と漁業者との長期的な信頼関係を大切にする文化が根付いている。大企業的な官僚主義よりも、現場に近い実務家集団としての気質が色濃い。

「管理職が基本的に話しやすくホワイトな職場」「賞与も問題なく貰える」という社員口コミは、従業員が安心して働ける環境が整っていることを示す。一方で「仕事の内容が単調でルーチンワークが多い」という声もあり、変化とチャレンジを求める人材には物足りなさを感じる局面があることも正直に伝えておく。

評価される人物像

  • 誠実・まじめで、地道な関係構築を通じて顧客との長期的な信頼を育てられる人材
  • 水産・農業・食料産業への関心と使命感を持つ人材
  • 地方(広島・福山)でのキャリアに前向きで、生活の安定を重視する人材
  • ルーティン業務を確実にこなしながら、改善提案ができる実直な人材
  • 変化の速い業界よりも、じっくりと業界・顧客を深く理解したい人材

表面的なイメージと実態の差

「漁網メーカー」という地味なイメージがある一方で、無結節網という技術革新を世界に先駆けて実現し、100年にわたって業界リーダーを維持してきた企業だ。東南アジア養殖業への本格進出や陸上ネット事業の拡大など、変化への適応も着実に進めている。

ただし、変革のスピードは緩やかだ。「成熟産業でじっくり働きたい」という人材には安心感があるが、「急成長スタートアップのようなダイナミズムを求める」人材には物足りない職場環境かもしれない。

日東製網株式会社の転職難易度

難易度:2級(比較的入りやすいが専門知識が加点要素)

日東製網への転職は、絶対的な競争倍率は高くない。スタンダード市場上場の中堅メーカーとして安定的な就業先として評価されているものの、水産・漁業・繊維産業に特化した事業性質上、業界未経験者が核心ポジションに就くハードルは一定程度ある。

管理・事務・営業補助などのポジションであれば業界未経験からでも挑戦しやすく、技術・製品開発・専門営業ポジションは業界知識・素材技術の知見が評価される傾向がある。

理由1. 水産・漁業の専門性が即戦力評価の鍵を握る

漁網の技術的特性・漁業者ニーズ・漁業文化への理解があれば、即戦力として高い評価を受けやすい。水産関連企業・漁協・漁業機器メーカーなどでの経験者は選考で有利な立場に立てる。

ただし、「水産業界未経験だが学ぶ意欲がある」というスタンスでも採用実績がある業種であるため、業界外からの挑戦も完全に閉ざされているわけではない。

理由2. 広島・福山勤務という立地条件が応募母集団を絞る

実質的な本社機能が広島県福山市にあるため、同エリアへの転居・移住を前提とした転職者に母集団が絞られる。地方移住・Uターン転職希望者にとってはかえって競争が緩やかになる一方、都市部での勤務を前提とする転職者は選択肢が限られる。

理由3. 中期的な業界構造変化への適応力が問われる

国内漁業の縮小という構造的な課題に向き合う業界であることから、採用においても「陸上ネット事業の拡大」「海外展開への貢献」という成長戦略に貢献できる人材かどうかが重視される傾向がある。過去の実績だけでなく、成熟業界での新しい成長機会探索に対する意欲と視点が問われる。

日東製網株式会社の主な募集職種

日東製網では漁網・ネット製品の営業・製造・技術から管理部門まで幅広く中途採用を行っている。

  • 漁業用ネット・陸上用ネット製品営業(国内)
  • 海外営業・輸出担当(東南アジア向け)
  • 製品開発・材料技術職
  • 製造スタッフ・生産管理(工場)
  • 品質管理・品質保証
  • 漁労機器・省力化機器の商品企画・営業
  • 経理・財務事務
  • 総務事務
  • 情報システム担当
  • 採用担当

日東製網株式会社に向いている人

タイプ1. 水産・農業・食料産業への使命感を持つ人材

日本の食料を支える水産業のインフラを提供する仕事に誇りとやりがいを感じられる人材にフィットする。漁業者の作業を支え、食の安全保障に貢献するという社会的意義は、ものづくりの意味を大切にする人材に刺さる価値観だ。

タイプ2. 地方(広島・福山)での安定したキャリアを求める人材

福山市は新幹線駅もある中核都市であり、広島市にも近いアクセスの良さと地方都市の生活コストの低さを両立できる立地だ。上場中堅メーカーとして安定した雇用と処遇を求める人材には、選択肢として魅力的だ。

タイプ3. 海外志向・東南アジアビジネスに挑戦したい人材

タイを拠点とした東南アジア展開は現在進行形であり、海外赴任・海外営業への関与を通じてグローバルビジネスの実践経験を積みたい人材にとって面白い機会がある。大手企業では埋もれてしまうような規模の企業で海外事業の中核を担える可能性がある。

タイプ4. 平均勤続年数の長い安定した職場環境を重視する人材

13.7年という高い平均勤続年数は、職場への満足度と定着率の高さを示す。「転職を繰り返すのではなく、一つの会社で腰を落ち着けて専門性を磨きたい」という人材に向いている職場環境だ。

タイプ5. ニッチ業界のリーダー企業で強みを活かしたい人材

国内市場シェア約50%という圧倒的なポジションを持つ企業は、業界の中心に立つプライドと安定感を持つ。「メジャーな大企業より、ある業界・分野では誰もが知るリーダー企業で働きたい」という転職者に向いている。

日東製網株式会社に向いていない人

批判ではなくミスマッチ防止のために記載する。

  • タイプ:大都市でのライフスタイルを維持したい人材 東京都港区に登記上の本社はあるが実質的な業務拠点は広島県福山市のため、都市生活志向の強い転職者にはミスマッチが生じやすい
  • タイプ:ハイペースな成長・変革を求める人材 100年超の老舗企業として安定志向の文化が根付いており、急速な変革・高速な意思決定を求める転職者には文化的な摩擦が生じやすい
  • タイプ:IT・テック・デジタル業界での経験を活かしたい人材 素材・製造業の業界であり、最先端のデジタルサービス・SaaSなどの領域とは事業ベクトルが大きく異なる
  • タイプ:高年収(700万円超)をすぐに実現したい人材 平均年収485〜516万円の水準は製造業として標準的だが、転職直後から高い報酬を求める転職者には期待値のギャップが生じる
  • タイプ:多様な事業・新規プロジェクトを次々と経験したい人材 主要事業の成熟と安定が特徴の企業のため、刺激的な新規事業立ち上げを頻繁に経験したい人材には物足りない場合がある

日東製網株式会社の選考対策

選考対策1. 水産・食料産業への関心と社会的使命感を丁寧に伝える

「なぜ漁網メーカーなのか」という問いに対して、水産業の社会的重要性・食料安保・漁業者を支えることへの共感を具体的に伝えることが重要だ。表面的な志望動機ではなく、自分がどのように水産業・食料産業に関心を持つようになったかというストーリーを準備する。

「日東製網の製品が日本の食を支えている」という意識を言語化し、業界の特殊性を理解した上での入社意欲を示すことが好印象につながる。

選考対策2. 「福山で長期的に働く」という意欲と生活設計を明確にする

実質本社が広島県福山市にある以上、「なぜ福山で働くのか」「長期的に在籍する意欲があるか」が選考の重要ポイントとなる。平均勤続年数13.7年という高さが示すように、長期在籍を前提とした採用文化があるため、「数年で辞めるかもしれない」という印象を与えないことが重要だ。

Uターン・Iターン転職の場合は地元とのつながりや家族の所在など、定着を裏付けるライフプランを具体的に示すと説得力が増す。

選考対策3. 業界知識・製品知識の事前勉強を徹底する

漁網の種類(定置網・旋網・養殖網・海苔網など)、無結節網と有結節網の違い、漁業の基本的な流れ、近年の水産業の課題(漁業者の高齢化・漁獲量の減少・資源管理など)について最低限の知識を入社前に習得する。

「自社製品への理解があり、業界を勉強している」という姿勢は、どの業種でも評価されるが、専門性の高い製造業では特に重要な加点要素だ。日東製網の公式サイトで製品ラインナップと海外展開の状況を把握しておく。

選考対策4. 長期雇用のコミットメントと安定した職業人生を描く

「前職の経験を3〜5年で活かし、その後は〇〇の分野でキャリアを発展させたい」という具体的な中長期キャリアプランを伝える。「早い昇進・高年収よりも確実なスキルの習得と安定した職業人生」を求める姿勢は日東製網の文化と親和性が高い。

過去の職歴の定着年数と離職理由を誠実に語り、「また短期で辞めるのでは」という懸念を払拭することが重要だ。

選考対策5. 海外志向・陸上ネット事業の成長に貢献する意欲を示す

タイ拠点を核とした東南アジア展開や、農業向け獣害防止ネット・スポーツ施設向け防球ネットという成長分野への貢献意欲をアピールする。「漁網だけでなく新しい用途・市場への展開を一緒に担いたい」という姿勢は、成長戦略と一致した前向きな志望動機として受け止められやすい。

英語力・海外経験・農業業界経験などを持つ転職者は積極的にアピールしてほしい。

選考対策6. 実直さ・誠実さというキャラクターを面接でも体現する

社員口コミから見えるカルチャーは「まじめ・誠実・地道」という言葉で表現できる。面接でも奇をてらった自己アピールより、自分の経験をありのままに語り、困難に対してどう誠実に向き合ったかという具体エピソードを語ることが評価につながる。

「こんな成果を出しました」という数字だけでなく、「このような困難に対してこう考え、チームと連携してこう解決しました」という過程の誠実さを伝えることが文化フィット感の証明になる。

日東製網株式会社への転職で評価されやすい経験

  • 水産業・漁業協同組合・漁業機器メーカーでの営業・技術実務経験
  • 漁網・ロープ・繊維製品・合繊素材の製造・品質管理経験
  • 食料産業(水産加工・農業)への法人営業・ルートセールス経験
  • 東南アジア(タイ・インドネシア・ベトナム等)での海外営業・海外赴任経験
  • 農業向け資材(農業ネット・防虫ネット・獣害対策製品)の営業・企画経験
  • スポーツ施設・建設資材・防護ネット関連の営業・施工管理経験
  • 繊維・化学素材メーカーでの技術開発・材料研究の実務経験
  • 生産管理・工場改善(カイゼン・QCD改善)の実績
  • 輸出入・国際貿易実務(貿易書類・通関・海上輸送の知識)
  • 中小企業への法人営業で顧客との長期的な信頼関係を構築した経験
  • 経理・財務・総務などのバックオフィス管理実務経験
  • 情報システム・IT基盤整備の実務経験(DX推進に向けた貢献が期待される)
  • 漁業関連資格・水産系の大学・学部での専門教育背景

特に評価されやすいのは、水産業・漁業業界での実務経験と顧客ネットワークを持つ営業職経験者、および東南アジア市場での海外展開経験を持つ国際ビジネス人材だ。

まとめ

日東製網は、漁網という地味に見えながらも日本の食を支える重要なインフラ製品を提供する、合繊製無結節網の国内最大手メーカーだ。1910年設立・1925年の無結節網製造機発明という100年超の歴史が示す技術的蓄積と、国内シェア約50%という市場支配力は、他社が簡単には追いつけない強みだ。

平均年収485〜516万円という水準は大企業の華やかさはないものの、平均勤続年数13.7年・ホワイト寄りの職場評価・賞与年5か月程度という安定した処遇が、長期キャリアを重視する転職者に支持される理由だ。

タイ拠点を核とした東南アジア展開と、農業向け獣害防止ネット・スポーツ施設向け防球ネットという陸上ネット事業の拡大は、国内漁業市場の縮小という課題に対する合理的な成長戦略として評価できる。変化のスピードは速くないが、着実に未来への手を打ち続ける企業体力がある。

「水産業・食料産業への使命感」「広島・福山という地方での安定したキャリア」「ニッチ業界のリーダー企業で専門性を磨く」──これらのキーワードが自分の転職軸と一致するなら、日東製網は正面から検討する価値のある転職先だ。腰を据えて長期的に信頼を積み上げていく働き方に共鳴できる方には、ぜひ一度エージェントを通じて詳細情報を確認してほしい。