企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社kubell(クベル) |
| 旧社名 | Chatwork株式会社(2024年6月まで) |
| 設立 | 2005年12月 |
| 代表取締役CEO | 山本 正喜 |
| 本社 | 東京都港区虎ノ門1-10-5 KDX虎ノ門一丁目ビル |
| 上場区分 | 東証グロース市場(証券コード:4448) |
| 資本金 | 非開示(有報参照) |
| 従業員数 | 連結658名・単体355名(2026年時点) |
| 売上高 | 約95億円程度(2025年12月期) |
| 平均年収 | 約759万円程度 |
| 平均年齢 | 非開示 |
| 平均勤続年数 | 非開示 |
| 事業内容 | ビジネスチャット「Chatwork」の開発・運営、BPaaSサービスの提供 |
kubellは「働くすべての人の"心の薪"をくべる存在」というコンセプトを社名に込めた企業です。2024年7月の社名変更は単なるリブランドではなく、ビジネスチャットSaaS企業から「BPaaSプラットフォーム企業」へのビジョン刷新を意味します。Chatwork自体は引き続き同社の中核プロダクトであり、登録ID数792万・利用企業43万社超という国内最大級の基盤を有しています。
売上はChatworkのARR(年間経常収益)が77億円規模(2024年末時点)で、BPaaSドメインが前年比+60.7%という急速な成長を示しています。営業利益は黒字転換しつつあるフェーズで、2025年12月期の純利益は約2億円程度と報告されています。スタートアップから成熟期SaaSへの過渡期にある企業です。
主な事業内容
kubellの事業は大きく「Chatworkドメイン(SaaS)」と「BPaaSドメイン」の2軸で構成されています。社名変更後はBPaaSドメインへの投資を積極的に行っており、中長期的にはEBITDAマージン40%を目指すとしています。
Chatwork(ビジネスチャット)
国内中小企業向けビジネスチャットのデファクトスタンダードとして、2009年のサービス開始以来の基盤を持ちます。SlackやMicrosoft Teamsが大企業・グローバル企業に強みを持つのに対し、ChatworkはIT習熟度が高くない中小企業・個人事業主層への浸透度が際立ちます。月額課金のSaaSモデルであり、ARRは77億円規模と安定した収益基盤を形成しています。
タスク管理・ファイル共有・ビデオ通話機能を統合した「オールインワン型」であることが特徴で、多ツール導入が難しい中小企業に支持される理由となっています。AIアシスタント機能の実装など、LLM活用による機能強化も進行中です。
BPaaS(業務プロセス・アズ・ア・サービス)
BPaaSとは、経理・労務・採用などのバックオフィス業務をオンラインで代行するサービスです。kubellが展開する「タクシタ」はその代表例で、中小企業が自社で抱えることが難しい専門業務をアウトソーシングできる仕組みを提供します。Chatworkユーザーベースとのシナジーを活用した展開であり、既存顧客へのアップセル効果も期待されています。BPaaSドメインは2024年に前年比60%超の急成長を遂げており、同社の中期的な収益ドライバーとなっています。
AIエージェント・新規事業
ChatworkのAIエージェント機能や、業務自動化ツールとの連携など、生成AI時代に対応した新サービスを継続投入しています。M&Aによる事業拡大も視野に入れており、プロダクトラインナップの多角化が進行中です。
株式会社kubellの強み
強み1. 国内最大の中小企業向けBtoBコミュニケーション基盤
792万IDという規模のユーザーベースは、後発競合が一朝一夕に追いつける水準ではありません。中小企業市場での知名度と信頼は15年以上の歴史によって裏打ちされており、営業コスト(CAC)を抑えながらARR成長を維持できる構造的な強みです。転職者にとっては「既に市場で認知された大きなプロダクト」に携われるという点で、ポートフォリオ価値が高いと言えます。
強み2. SaaS×BPaaSのハイブリッドモデルによる収益多様化
純粋なSaaS企業は競合激化・価格圧力に晒されやすい一方、kubellはBPaaSという「ヒトの業務代行」を組み合わせることで単価上昇と顧客の継続性(チャーン抑制)を両立しようとしています。このモデルは国内では先進的であり、業界内での差別化軸として機能しています。
強み3. 中長期的なEBITDA成長へのコミットメント
2024年12月期決算でEBITDAが前年比+18%成長し、中長期ターゲットとして「EBITDAマージン40%」を掲げています。赤字体質のスタートアップから収益性重視の経営へのシフトが明確であり、財務的な安定性を重視する転職者にとって安心材料となります。
強み4. BtoBシフトによる解約率の低さ
BtoB SaaS、特に中小企業向けのコミュニケーションツールは一度導入されると業務フローに組み込まれ、解約されにくいという特性があります。チャーンレートの低さはARRの安定性に直結し、事業の予測可能性を高めます。エンジニアや営業担当が安定した事業基盤の上でキャリアを積めることを意味します。
強み5. 社名変更・ビジョン刷新による組織モメンタム
2024年の社名変更は単なるブランド刷新に留まらず、「BPaaSプラットフォームへの進化」という全社的な方向転換を示します。新しいチャレンジへの意欲がある人材にとって、組織のモメンタムが高い状態で入社できるタイミングとも言えます。
強み6. スタートアップ出身者・プロダクト志向人材の集積
創業来のプロダクトファーストなカルチャーが残っており、ビジネスチャットというプロダクト自体への愛着・哲学を持つメンバーが多いとされます。プロダクトに深く関わりたいエンジニア・デザイナー・PdMにとって魅力的な職場環境です。
株式会社kubellの年収事情
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| ソフトウェアエンジニア(中堅) | 650〜800万円程度 |
| シニアエンジニア・テックリード | 800〜1,000万円程度 |
| プロダクトマネージャー | 700〜900万円程度 |
| 営業(インサイドセールス〜フィールド) | 450〜650万円程度 |
| カスタマーサクセス | 400〜600万円程度 |
| マーケティング | 500〜700万円程度 |
| コーポレート(経理・HR等) | 500〜700万円程度 |
| BPaaSオペレーション | 350〜500万円程度 |
※上記は公開情報・口コミサイト・同規模SaaS企業の相場を元にした推計です。個人差・グレードにより大きく異なります。
給与制度の特徴
kubellは東証グロース上場のSaaS企業として、市場水準に近い給与体系を取ることを基本としていると考えられます。有価証券報告書ベースの平均年収は約759万円程度(連結ベース)であり、IT業界全般の平均と比較してやや高めの水準です。ストックオプション制度があり、入社のタイミングや役職によってはIPO後のアップサイドも見込める可能性がありますが、既にグロース市場上場済みのため初期ストックオプションのインパクトは限定的です。
年収を見る際の注意点
- 平均年収は連結ベースと単体ベースで数字が異なる場合があります。BPaaSの業務スタッフ(比較的年収が低い層)が多く含まれる場合、平均を下げる可能性があります
- 職種によって年収帯の幅が大きく、特にエンジニア上位層と一般スタッフの乖離が存在します
- グロース市場上場企業のため株価変動に応じてストックオプションの価値が大きく変化します
- BPaaSオペレーション職(代行業務担当)は比較的年収が低い傾向があります
- 外部からの中途入社の場合、スキルとグレードの交渉余地があることが多いです
株式会社kubellの働き方・福利厚生
kubellはビジネスチャット企業としての特性上、リモートワーク・非同期コミュニケーションを文化として内包しています。新型コロナウイルス禍以前からリモートワーク親和性が高く、現在もフレキシブルな働き方が維持されているとされます。
主な福利厚生・制度(推定・口コミ情報含む)
- リモートワーク制度(フル・ハイブリッドいずれも対応可)
- フレックスタイム制(コアタイムあり)
- 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険(完備)
- 住宅手当または家賃補助(制度の有無は職種・等級により異なる)
- 育児・介護休業制度
- 副業・兼業可(規定の範囲内)
- 社員研修・学習支援制度
- ストックオプション(役職・入社時期による)
- 社員向けChatworkプレミアムプラン提供
- オフィス環境(虎ノ門エリア・WeWork系共有オフィスを活用)
注意点: 福利厚生の詳細は採用ポジション・雇用形態によって異なります。入社前の確認が必須です。BPaaSオペレーション部門はSaaS部門と異なる待遇体系の可能性があります。
株式会社kubellの社風・カルチャー
一言で表すなら「中小企業DXの伝道師」
創業以来のDNA として「中小企業が使えるシンプルなツールを作る」という哲学があります。大企業向けの複雑なエンタープライズソリューションではなく、ITに不慣れな中小企業でも使いこなせることを優先してきた姿勢は、プロダクトの思想にもチームの働き方にも色濃く反映されています。
社名の「kubell(くべる)」には「働く人の心に薪をくべる(燃やす)」という意味が込められており、社員のモチベーションや成長を重視する姿勢が見て取れます。CEO山本正喜氏は創業者としてプロダクト開発の現場を熟知しており、エンジニア・プロダクト職出身者からの信頼が厚いとされます。
評価される人物像
- 中小企業の課題解決に使命感を持てる人
- スピードを重視しながらも品質を落とさない実行力がある人
- Chatworkという既存プロダクトへの敬意と改善意欲を両立できる人
- 非同期コミュニケーションを好み、ドキュメントで考えを整理できる人
- BPaaSという新たなビジネスモデルに対して好奇心を持てる人
表面的なイメージと実態の差
「ベンチャー感が強い」というイメージを持つ人もいますが、上場企業としてのガバナンス整備が進んでおり、経営の透明性・安定性は高まっています。一方で、BPaaSという新領域への挑戦は継続中であり、変化への適応力が求められる環境でもあります。口コミサイト上では「自律的に動ける人には向いている」という声が多い傾向があります。
株式会社kubellの転職難易度
難易度:B級(中程度)
東証グロース上場企業として知名度・競争倍率ともに中程度の水準と考えられます。プロダクト開発系ポジションは高い専門性が求められる一方、BPaaSオペレーション系は未経験可のポジションも存在します。
エンジニア・PdM・マーケターなど専門職においては、SaaS・BtoBビジネスの経験が選考の鍵を握ります。大手企業のような硬直した選考プロセスではなく、カルチャーフィットと実力の両方を重視する傾向があります。
理由1. SaaS業界経験者が優遇される
BtoBのSaaS企業特有の指標(ARR・チャーン・NRR等)を理解している候補者は評価されやすい傾向があります。大企業出身でもSaaS事業に関わった経験があれば評価対象になります。
理由2. 中小企業市場への共感が問われる
kubellの強みは中小企業向けの市場に特化していることにあります。エンタープライズ案件しか経験がない場合、カルチャーフィットの観点で懸念を持たれる可能性があります。
理由3. BPaaSドメインは成長中のため採用意欲が高い
新しいBPaaSドメインの拡大に伴い、オペレーション・カスタマーサクセス系のポジションは比較的採用ハードルが低い傾向があります。業界未経験でも意欲と基礎的なコミュニケーション能力があれば検討余地があります。
株式会社kubellに向いている人
タイプ1. 中小企業DXに使命感を持てる人
大企業や官公庁向けではなく、個人事業主から中小企業を対象とした事業に意義を感じられる人が最もフィットします。「日本の中小企業の生産性を上げたい」という動機が明確な候補者は選考でも好印象を持たれます。
タイプ2. プロダクト成長フェーズを楽しめる人
Chatworkは成熟しつつあるプロダクトですが、AI機能やBPaaS連携などの新機能開発が活発です。「完成されたものを守る」よりも「成長するプロダクトに貢献する」ことに喜びを感じる人に向いています。
タイプ3. 非同期・リモート文化に適応できる人
ビジネスチャット企業として非同期コミュニケーション文化が根付いています。対面での密なコミュニケーションを好む人よりも、テキストで思考を整理し、自律的に動ける人が活躍しやすい環境です。
タイプ4. スタートアップと大企業の中間を求める人
上場済みでガバナンスが整っているが、まだ成長フェーズのスピード感もある「中間地帯」を求める転職者にとって、kubellは良い選択肢です。大企業の安定性は望まないが、小規模ベンチャーのリスクも取りたくない人に適しています。
タイプ5. BtoBサービスのスケールを体験したい人
792万IDという規模のユーザーを持つプロダクトは、中規模スタートアップでは体験できない規模のデータ・課題・学びを提供します。スケールしたプロダクト開発・マーケティングを経験したいエンジニア・マーケターに向いています。
株式会社kubellに向いていない人
批判ではなくミスマッチ防止のため、率直に記載します。
タイプ:ミスマッチになりやすいケース
- 大手SIer・銀行系ITのような安定した受託開発・保守運用を求める人
- エンタープライズ営業(大企業相手の商談)を主な仕事にしたい人
- 株価・ストックオプションで大きなアップサイドを最優先する人(グロース市場上場済みのため初期段階のオプション旨みは限定的)
- 変化のスピードよりも組織の安定・予測可能なキャリアパスを重視する人
- BPaaSオペレーション業務(定型的な代行業務)ではなくコンサルティング色の強い仕事を求める人
株式会社kubellの選考対策
選考対策1. Chatworkプロダクトを実際に使い込む
選考前にChatworkの無料プランを使い、どのような機能があり、どのような課題があるかを自分の言葉で語れるようにしておくことが最低限の準備です。「使ったことがない」は致命的な印象を与えます。
選考対策2. 中小企業DXへの具体的な関心を言語化する
なぜ大企業向けではなく中小企業市場なのか、という問いに対して自分の経験や価値観に基づいた答えを用意してください。「転職市場での知名度が高いから」という表面的な理由では弱く、業界の課題・社会的意義への理解が問われます。
選考対策3. SaaS指標の基礎理解を示す
ARR・MRR・チャーンレート・NRR・CAC/LTVといったSaaSビジネスの基本指標を理解していることを示せると、ビジネス職・エンジニア問わず評価されます。IR資料やkubellの決算説明資料を事前に読み込んでおくことを推奨します。
選考対策4. BPaaSという新事業への関心を示す
現状ではBPaaSはまだ成長途上の事業です。「不確定要素があっても新しいビジネスモデルの構築に関わりたい」という姿勢を示すことが評価につながります。過去に新規事業や新機能立ち上げに関わった経験があれば積極的にアピールしてください。
選考対策5. 非同期コミュニケーション能力をアピールする
書類・メール・Slack等でのコミュニケーション能力がそのまま仕事のパフォーマンスに直結する会社です。選考の書類やメールの品質自体が選考材料になっている可能性があります。丁寧で明確なコミュニケーションを心がけてください。
選考対策6. カルチャーデックやnoteを読む
CEO山本正喜氏はnoteで経営・プロダクトに関する考えを積極的に発信しています。社名変更の背景・BPaaSの意義・会社のビジョンについて読み込んでおくことで、面接での会話の質が大きく上がります。
株式会社kubellへの転職で評価されやすい経験
- BtoB SaaS企業でのプロダクト開発経験(エンジニア・PdM問わず)
- 中小企業向けビジネスの営業・マーケティング経験
- ARR/MRR・チャーンなどSaaS指標を意識した業務経験
- カスタマーサクセスでの顧客支援・解約防止経験
- インサイドセールス・デジタル営業の経験
- バックオフィス業務(経理・労務・採用)のBPO/アウトソーシング経験
- 生成AI・LLMを活用したプロダクト開発経験
- データドリブンな意思決定(SQL・BIツール活用等)の経験
- スタートアップ・グロースフェーズのベンチャーでの業務経験
- リモートワーク・非同期環境でのチームマネジメント経験
- 新機能立ち上げ・グロースハックの経験
- 中小企業向けITサービスの導入支援・コンサルティング経験
「特に評価されやすいのは、BtoBのSaaSプロダクトを通じて中小企業の課題を解決してきた実績であり、単なる技術スキルよりも"中小企業への共感"と"プロダクト成長へのコミット"を証明できる経験が差別化要因になります。」
転職を検討する前に確認したいこと
同社への転職を検討する際は、求人情報だけで判断せず、次の観点を自分なりに整理しておくことをおすすめします。特に成長フェーズや研究開発フェーズの企業では、事業の段階によって求められる人材像や働き方が大きく変わるためです。
- 直近の決算・IR資料で、売上や損益、手元資金の状況がどのフェーズにあるかを把握する
- 自分が担当する予定の職種やチームが、事業のどこに位置づけられるのかを確認する
- 入社後に伸ばせるスキルと、自身の中長期のキャリアプランが重なっているかを見極める
- 給与・評価制度の設計思想や、成長段階ならではの働き方への納得感を確認する
- 面接やカジュアル面談を通じて、経営陣や現場メンバーの価値観に共感できるかを確かめる
- ストックオプションや業績連動賞与など、フェーズ特有の報酬設計の有無と条件を確認する
こうした点を事前に整理しておくことで、入社後のミスマッチを防ぎ、長く活躍できる可能性が高まります。
本記事とあわせて公式サイトやIR資料の最新情報を確認し、ご自身のキャリアプランに照らして総合的に判断してください。
まとめ
株式会社kubellは、旧Chatwork時代から積み上げてきた国内最大の中小企業向けBtoBコミュニケーション基盤を持ちながら、BPaaSという新たな価値軸へのピボットを進めている会社です。792万IDという規模の既存プロダクトと、急成長中の新事業が共存する独自のフェーズにあります。
転職先として考えると、「中小企業のデジタル化に貢献したい」「成長中のSaaSプロダクトに深く関わりたい」「スタートアップの熱量と上場企業の安定感を両立したい」という人に特に適した環境と言えます。一方で、大企業的な安定感や硬直したキャリアパスを求める人、あるいはエンタープライズ一択の人には向いていないかもしれません。
年収水準はIT業界の中で競争力ある水準(平均759万円程度)を維持しており、プロダクト・エンジニア系のポジションであれば市場価値に見合った処遇が期待できます。BPaaSという新事業がスケールすれば、長期的な事業基盤の安定と働きがいの両立が可能な環境になる可能性があります。
キャリアインサイトでは転職検討者に対して、実際に選考を受ける前にChatworkを使い込み、IR資料を読み、CEOのnoteを確認するという3点を必ず勧めています。情報収集の質が選考通過率を大きく左右する会社です。kubellへの転職を検討している方は、まず公式IRページ・採用ページから最新情報を確認し、転職エージェントを通じて現場の声を収集することをお勧めします。
