株式会社イードは、「すべての人に最高のユーザーエクスペリエンスを」というコンセプトのもと、デジタルメディアの運営からマーケティングリサーチ、メディアコマースまでを手がけるコンテンツマーケティングカンパニーです。

自動車・IT・ゲーム・アニメ・教育・映画など多様なジャンルの専門メディアを束ねる独自のポートフォリオを持ち、広告収益・リサーチ受託・EC支援という複数の収益源を組み合わせたビジネスモデルは、デジタルメディア業界の中で独自の存在感を放っています。

企業概要

項目内容
会社名株式会社イード(IID, Inc.)
設立2000年4月28日
代表取締役宮川 洋
本社所在地東京都中野区本町一丁目32番2号 ハーモニータワー17階
資本金5,000万円(2025年6月末時点)
従業員数連結289名(アルバイト含む、2026年3月末時点)
上場区分東証グロース市場(証券コード:6038)
売上高約60億8,400万円(2025年6月期連結)
平均年収約579万円(日経データより)
平均年齢41.8歳
事業内容デジタルメディア運営、マーケティングリサーチ、メディアコマース

同社は2015年3月に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。売上高60億円規模のデジタルメディア企業として、広告収入一辺倒にならない収益多角化の取り組みを継続しています。平均年齢41.8歳と業界内では比較的成熟した組織で、腰を据えて専門性を深めたい転職者に向いています。

主な事業内容

株式会社イードの事業は「メディア事業」「リサーチ事業」「メディアコマース事業」の3本柱で構成されています。メディアという接点で積み上げたユーザー・データ・ブランドを、リサーチとコマースに横展開するビジネス設計が同社の根幹です。

デジタルメディアの広告市場が成熟する中、コンテンツの「深さ」と「特定ジャンルへの専門性」で差別化し、広告以外の収益源を確保することが同社の持続的成長戦略の軸となっています。

メディア事業

21ジャンル・80サイト以上・月間3,000万人超のユーザーに利用されるデジタルメディア群を運営しています。主な媒体には以下があります。

  • レスポンス:国内最大級の自動車総合ニュースサイト
  • RBB TODAY:ブロードバンド・IT技術の総合ニュースサイト
  • アニメ!アニメ!:総合アニメニュースサイト
  • インサイド:ゲーム総合ニュースサイト
  • シネマカフェ:映画・セレブ情報サイト
  • リセマム:教育の総合情報サイト

各メディアはジャンル特化型の編集チームによって運営され、SEO・SNS・動画等のチャネルを活用したコンテンツ配信を行っています。

リサーチ事業

国内外でのマーケティングリサーチ・コンサルティングを手がける事業です。国内約600万人・グローバル2,000万人以上のアクセスパネルを保有し、定量・定性・海外調査などを組み合わせたワンストップのリサーチソリューションを企業に提供しています。8種の調査手法・23種の分析手法を組み合わせた高度な分析力が強みです。

メディアコマース事業

EC事業者向けのASP(Application Service Provider)システムを提供する事業です。メディアとECを融合した「コンテンツコマース」の概念に基づき、読者をそのまま購買者につなぐ仕組みを提供しています。メディアのコンテンツ資産を活用した購買誘導が差別化の源泉です。

株式会社イードの強み

強み1. 21ジャンルに及ぶ専門メディアのポートフォリオ

イードが保有する21ジャンル・80サイト以上というメディアポートフォリオは、単一メディアへの依存リスクを分散しながら各ジャンルで深い読者エンゲージメントを獲得しています。自動車(レスポンス)・IT(RBB TODAY)・アニメ(アニメ!アニメ!)など、各分野で業界内の認知度と信頼性を確立しており、特定ジャンルに精通した編集・マーケターへの採用需要が安定しています。

強み2. メディア×リサーチの相乗効果

同社の独自性は「メディアとリサーチが一体化している」点にあります。メディアで獲得したユーザー基盤をリサーチのパネルに活用し、「自動車に関心を持つ読者1万人へのアンケート」といった高精度なリサーチを自社で実施できます。広告主・クライアントにとって、メディア広告とリサーチをセットで発注できる利便性が高く、他社にない価値提案が可能です。

強み3. 600万人超のリサーチパネル資産

国内600万人・グローバル2,000万人超のリサーチパネルは、同社の長期的な事業投資の結晶です。メディア運営を通じて自然に蓄積された属性明確なユーザーデータは、精度の高いターゲティングリサーチを可能にし、リサーチ受注の競争力の源泉となっています。

強み4. 上場企業としての信頼性と安定性

東証グロース市場への上場は、デジタルメディア業界においては決して当たり前ではありません。IR・コンプライアンス・開示の仕組みが整備されており、独立系メディア企業と比較して組織・制度面での安定感があります。売上高60億円規模の上場企業という立場は、大手企業との取引・採用においてもブランド価値として機能します。

強み5. 「ユーザーエクスペリエンス」を軸にした経営哲学

「すべての人に最高のユーザーエクスペリエンスを」というコンセプトは、単なるスローガンではなく、リサーチ・UI/UX・コンテンツ設計の各場面に落とし込まれています。読者・ユーザーの体験を起点にした意思決定文化があり、ビジネスの本質から考えるキャリアを志向する人材にとって働きがいを感じやすい環境です。

強み6. 国内外のリサーチ対応力

グローバル2,000万人超のパネルと海外リサーチのネットワークを持つことで、グローバル企業のマーケティング課題にも対応できます。自動車・IT分野のグローバルクライアントとの取引実績があり、海外案件への関与を希望するリサーチ職には希少な機会が得られます。

株式会社イードの年収事情

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
メディア編集者・ライター350〜550万円
デジタルマーケター400〜600万円
マーケティングリサーチャー450〜650万円
営業・アカウント営業400〜620万円
プロダクトマネージャー500〜750万円
エンジニア(Webシステム)450〜700万円
管理部門(人事・経理)380〜560万円
マネージャー・部門長600〜900万円

※上記は公開情報・口コミデータ等をもとにした推計レンジです。実際の年収は経験・スキル・評価等により異なります。

給与制度の特徴

日本経済新聞のデータでは平均年収579万円と報告されており、デジタルメディア業界の中では比較的しっかりとした水準です。フレックス制度を導入しており、住宅補助(月2万円)や資格取得支援など福利厚生も標準的に整っています。定期昇給とボーナス制度があり、成果に応じた評価も反映される体系とされています。

年収を見る際の注意点

  • 平均年収579万円は有価証券報告書ベースの単体推計。口コミサイトでは411万円〜586万円と幅がある
  • 編集・ライター職は年収レンジが広く、実力・経験により大きく差が出る
  • 平均年齢41.8歳であることを踏まえると、入社初期の年収は相場より低い可能性もある
  • 裁量労働制・フレックス導入部門では固定残業代の有無を確認すること
  • リサーチ職は案件規模・クライアント属性によって評価への反映度が変わる

株式会社イードの働き方・福利厚生

株式会社イードはフレックスタイム制(コアタイムなし)を導入しており、自律的な時間管理が可能な環境です。テレワーク制度も整備されており、メディア編集・リサーチ職を中心にリモートワーク比率が高い部門があります。

勤務時間・休日

  • フレックスタイム制(コアタイムなし)
  • 週休2日制(土・日)、祝日
  • 年間休日:120日程度
  • 夏季・年末年始休暇あり

リモートワーク・働き方

  • ハイブリッド勤務(部門・職種により異なる)
  • 編集・リサーチ職はリモート比率高め
  • 営業職は顧客訪問に応じた出社あり

主な福利厚生

  • 各種社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 交通費支給
  • 住宅補助(月2万円)
  • 定期昇給・ボーナス制度
  • 有給休暇(法定付与)
  • 育児休業・介護休業制度
  • 産前産後休業
  • 資格取得支援制度
  • 健康診断(年1回)
  • インフルエンザ予防接種
  • 慶弔見舞金制度
  • 社員懇親イベント支援

注意点

グロース市場上場の独立系デジタルメディア企業であるため、大企業グループ系の会社と比べると福利厚生の手厚さには違いがあります。住宅補助の2万円は首都圏の家賃水準からすると補助額として大きくないため、生活コストとの兼ね合いを事前に確認することが重要です。

株式会社イードの社風・カルチャー

一言で表すなら「ジャンル職人が集まる専門家集団」

イードのカルチャーを一言で表すと「ジャンル職人が集まる専門家集団」です。自動車・IT・アニメ・ゲームなど各分野に強い情熱とプロ意識を持つ人材が集まり、それぞれのジャンルメディアを深掘りし続けています。大企業のように組織論や出世競争が前面に出るよりも、「良いコンテンツを届けたい」「読者に価値ある情報を提供したい」という職人的動機が根底にある文化です。

平均年齢41.8歳と成熟した組織であり、落ち着いたコミュニケーション環境があります。ベンチャー的なスピード感よりも、品質と専門性を重視する社風が強い印象です。

評価される人物像

  • 担当ジャンル(自動車・IT・アニメ等)に対する深い知識と継続的な関心を持つ人
  • ユーザー視点でコンテンツ・サービスの品質を改善し続ける姿勢を持つ人
  • リサーチデータを読み解き、クライアントに示唆を提供できる思考力を持つ人
  • 専門性を磨くことに価値を置き、長期的に同じ領域を深掘りしたい人

表面的なイメージと実態の差

「デジタルメディア企業だからキラキラしたオフィスでトレンドを追う仕事」というイメージを持つ人もいますが、実態はジャンルごとの深い取材・分析・リサーチ対応が中心です。トレンドを追うよりも「そのジャンルの本質を理解してユーザーに届ける」という地道な専門職の性格が強く、即席のキャリアチェンジより着実に専門性を積みたい人に向く組織です。

株式会社イードの転職難易度

難易度:2〜3級(5段階中)

中途採用に積極的な企業で、担当ジャンルの知識や編集・マーケティング・リサーチの実務経験があれば選考に乗りやすい水準です。特定ジャンルへの深い関心と実務経験の組み合わせが重要です。

理由1. ジャンル専門性が重視される

「自動車が好きで業界知識がある」「ITメディアで編集経験がある」など、担当ジャンルへの専門性・親和性が選考で重視されます。広く浅い経験よりも、一つの領域を深掘りしてきたキャリアが評価されやすい傾向です。

理由2. 中途採用は実務経験ベース

新卒採用と異なり、中途採用は即戦力を求める傾向があります。編集職であれば記事執筆・編集の実績、リサーチ職であれば調査設計・レポート作成の経験が問われます。ポテンシャル採用の枠は限定的で、未経験からの転職は難易度が高めです。

理由3. 上場企業ゆえの選考プロセスの丁寧さ

上場企業として採用プロセスに一定の厳格さがあります。書類・面接・場合によっては実技課題も含む複数段階の選考が行われます。準備不足では通過できないため、企業研究と職務経歴書の作り込みが重要です。

株式会社イードに向いている人

タイプ1:特定ジャンルに情熱を持つメディア人

「自動車が好きで記事を書き続けたい」「ITトレンドを追い続けるのが楽しい」「アニメ・ゲームを仕事にしたい」という人にとって、国内有数の専門メディアで働けるイードは理想的な環境です。趣味と仕事を重ねたい人に特に向いています。

タイプ2:データと編集の両方を活かしたいマーケター

メディアのコンテンツ経験とリサーチ・データ分析のスキルを組み合わせたいマーケターには、メディア事業とリサーチ事業が共存するイードは希少なフィールドです。デジタルマーケティングの幅を広げたい人にフィットします。

タイプ3:専門性を長期で磨きたい腰の重い転職者

転職ジョブホッピングより「1つの会社・領域で深く働く」ことを志向する人に向いています。平均年齢41.8歳という成熟した組織は、腰を据えてキャリアを積みたい人に安心感を与えます。

タイプ4:上場企業の安定感とメディアの自由度を両立したい人

大企業グループ系の重さは嫌だが、個人運営のメディアよりは安定した環境で働きたいという人に向いています。上場企業としての制度・コンプライアンス体制と、独立系メディアのクリエイティブな自由度が共存しています。

タイプ5:グローバルリサーチへの関与を希望するリサーチャー

グローバル2,000万人超のリサーチパネルを活用した海外案件への関与を希望するリサーチャーには、国内のリサーチ会社では得られない国際的な調査経験が積めます。

株式会社イードに向いていない人

批判ではなくミスマッチ防止のため、以下に当てはまる方は入社後にギャップを感じる可能性があります。

  • タイプ:高速でキャリアをステップアップしたい人 — 平均年齢41.8歳の成熟した組織は昇進スピードが速くない可能性があり、急速な昇格を望む場合はミスマッチになりやすい
  • タイプ:担当ジャンルに特段の関心がない人 — 専門ジャンルへの情熱が文化の根底にあるため、「どのジャンルでもよい」という姿勢では活躍しにくい
  • タイプ:華やかなブランド・大手の知名度を求める人 — グロース市場上場の独立系企業であり、大手メディアグループほどの対外的なブランド認知はない
  • タイプ:収入の急速な引き上げを期待する人 — 成熟した組織であるため、短期での大幅な昇給は限定的。高年収を最優先にするなら他の選択肢との比較が必要
  • タイプ:完全リモートを絶対条件にする人 — 職種によっては出社・対面対応が発生するため、完全リモートが必須の場合は確認が必要

株式会社イードの選考対策

1. 担当ジャンルのメディアを徹底的に読み込む

応募職種に関連するイードのメディア(レスポンス・RBB TODAY・アニメ!アニメ!等)を事前に読み込み、「この媒体の読者に向けた価値提案」を自分の言葉で語れる準備をしてください。面接で「最近の記事で印象的だったものは?」と聞かれる可能性があり、具体的な記事名・内容を挙げられると高評価です。

2. 職務経歴書で専門性と実績を明確化する

編集職であれば担当してきた記事ジャンル・PV実績・SEOの知識、リサーチ職であれば調査設計経験・分析手法・レポート作成実績を具体的に記述してください。イードは「その人が何をできるか」を実績ベースで評価する傾向があります。

3. ユーザーエクスペリエンス視点を取り入れる

「ユーザーエクスペリエンス」を企業コンセプトとして掲げる会社であるため、自分の仕事経験を「ユーザー・読者にどう価値を届けたか」という視点で語れると共鳴しやすいです。コンテンツの質やリサーチの精度をどうユーザー体験に落とし込むかを意識した回答準備が有効です。

4. リサーチ職はデータ分析・統計の基礎知識を整理する

リサーチ事業への応募は、調査設計・データ集計・統計的分析の基礎を求められます。過去に実施した調査の目的・設計・分析・提言のプロセスを整理し、面接で説明できるよう準備してください。

5. 「なぜデジタルメディア×リサーチか」を言語化する

単純に「メディアに関わりたい」ではなく、「なぜイードのようにメディアとリサーチを融合させた会社で働きたいか」を明確に語れると選考での印象が高まります。他のメディア企業・リサーチ会社と比べたイードの固有の魅力を自分の言葉で語ることが重要です。

6. グロース企業ならではの柔軟性を示す

上場企業の安定性と独立系企業の柔軟性を持つイードでは、制度を守りながら自ら改善提案もできる人材が評価されます。「既存の仕組みに沿いながら改善した経験」「新しい取り組みを導入した経験」を準備してください。

株式会社イードへの転職で評価されやすい経験

  • デジタルメディア・Web媒体での記事編集・ライティング経験(特に自動車・IT・エンタメ分野)
  • SEO・コンテンツマーケティングの実務経験(PV成長・検索流入改善の実績)
  • マーケティングリサーチ・消費者調査の設計・分析経験
  • 定量調査(ウェブアンケート)・定性調査(インタビュー・グループインタビュー)の実施経験
  • 広告営業・デジタル広告アカウント営業の経験(メディア媒体営業経験者尤歓迎)
  • ECサイト・メディアコマース関連のプロジェクト経験
  • データ分析ツール(SPSS・R・Python等)の使用経験
  • SNS・動画チャネルを活用したコンテンツ流通の経験
  • UX/UIリサーチ・ユーザビリティテストの実施経験
  • 海外市場向けリサーチ・グローバルマーケティングの経験
  • 上場企業での経営企画・IR・コンプライアンス関連業務経験
  • コンテンツSEOツール・アクセス解析ツール(Google Analytics等)の運用実績

特に評価されやすいのは「担当ジャンルへの深い専門知識と、コンテンツをユーザーに届けるための戦略思考を兼ね備えた人材」です。ジャンルへの情熱と実務の数値実績をセットで示せると選考を有利に進められます。

まとめ

株式会社イードは、21ジャンル・80サイト以上・月間3,000万人超を誇る独立系デジタルメディア企業です。単なる広告メディアにとどまらず、リサーチ・コマースへの事業展開により、コンテンツとデータを掛け合わせた独自のビジネスモデルを築いています。

転職先としての魅力は「特定ジャンルへの専門性を長期で磨ける」「メディア×リサーチという希少な職域がある」「上場企業の制度安定性と独立系の自由度が共存している」という3点に集約されます。平均年齢41.8歳・平均年収579万円という数字は、腰を据えて専門性を積みたい転職者に安心感を与えます。

一方で、急速なキャリアアップや高年収を最優先にする方には向かない面もあります。スタートアップ的な急成長よりも、ジャンル専門性とユーザーへの価値提供を軸にした着実なキャリアを志向する方に強く推奨できる企業です。

イードへの転職を検討する際は、「自分がどのジャンルで専門性を深めたいか」「メディア×リサーチのどちらを主軸にするか」を明確にしてから応募することが第一歩です。エージェントとして関わる場合も、担当ジャンルへの情熱の有無と専門実績の深さを確認した上でご紹介することをお勧めします。