ユーラシア旅行社とは
ユーラシア旅行社は1986年に設立された、海外ツアー専門の独立系旅行会社です。「自然と人間と文明を見つめる旅」というコンセプトのもと、世界170カ国以上を対象としたツアーを企画・販売しています。東証スタンダード市場に上場しており、財務的には無借金経営を維持する堅実な経営基盤を持ちます。
大手旅行会社のような規模はありませんが、添乗員同行型のツアーを自社一貫体制で提供するというビジネスモデルの特殊性と、熟年富裕層に根付いた高いリピート率が競争優位の源泉となっています。旅行好きが集まる少数精鋭の職場として、業界内で一定の知名度を誇ります。
なお「ユーラシア旅行社」という社名ですが、同名・類似名の旅行会社が他にも存在するため、転職活動の際は証券コード9376の「株式会社ユーラシア旅行社」であることを確認した上で応募してください。公式サイトURLはhttps://www.eurasia.co.jp/ です。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社ユーラシア旅行社 |
| 英語社名 | Eurasia Travel Co., Ltd. |
| 設立 | 1986年2月13日 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区平河町2-7-4 砂防会館別館 |
| 代表者 | 代表取締役社長 井上 利男 |
| 資本金 | 3億1,200万円 |
| 従業員数(単体) | 47名(平均年齢39.3歳・平均勤続年数14.0年) |
| 従業員数(連結) | 93名 |
| 上場市場 | 東証スタンダード市場(証券コード:9376) |
| 決算期 | 9月期 |
| 営業収益(2025年9月期) | 約47億8,700万円 |
| 営業利益(2025年9月期) | 約1億1,500万円 |
| 公式サイト | https://www.eurasia.co.jp/ |
主な事業内容
海外ツアーの企画・販売
ユーラシア旅行社のビジネスの中核は、添乗員同行型の海外ツアーの企画・販売です。ヨーロッパ・アジア・アフリカ・中南米・中東・中央アジアなど、世界170カ国以上を網羅したラインアップを持ちます。「観光第一主義」と呼ばれる方針のもと、土産物店への立ち寄りを一切なくし、観光に特化したコース設計が特徴です。
個人・グループ旅行の手配
ツアーへの参加が難しい顧客向けに、個人・グループ向けの旅行手配も行っています。目的地や旅行スタイルに応じた完全カスタマイズのサービスで、富裕層顧客の多様なニーズに対応します。
添乗サービス
自社の社員添乗員がすべてのツアーに同行します。外部の添乗員に委託せず、企画を熟知した社員が現地でも顧客をサポートする体制が、高い満足度と口コミによるリピーターを生み出しています。
辺境・秘境ルートの開発
南極・北極・パプアニューギニア・チベット・中央アジアのシルクロードなど、大手旅行会社が企画しにくい辺境地帯への専門ルート開発を継続的に行っています。この専門性が同社の差別化ポイントであり、特定ジャンルの旅行ファンから厚い支持を集めています。
ユーラシア旅行社の強み
1. 自社一貫体制による品質の徹底管理
企画・営業・仕入・手配・添乗をすべて自社社員が担います。外注を一切使わないことで、品質管理のレベルが高く、顧客クレームへの迅速な対応が可能です。業務の全工程を自社で完結させる体制は、旅行業界全体でも珍しい形態です。
2. 大手が参入しにくい辺境・秘境ルートへの特化
採算効率を重視する大手旅行会社では企画が難しい辺境ルートを継続的に開発しています。「世界最高峰の探検旅行」を追求することで、価格競争に巻き込まれない独自ポジションを確立しています。
3. 高単価・高付加価値モデルで価格競争を回避
主要ターゲットは高所得の熟年富裕層です。安売り競争から距離を置き、旅行の質と内容で勝負するビジネスモデルは、利益率の安定に寄与しています。平均旅行単価は大手ツアーと比較してもかなり高めに設定されています。
4. 高いリピート率と口コミによる安定した顧客基盤
「観光第一主義」の徹底と専門的な添乗サービスが口コミで広がり、熟年旅行者のリピート率が高水準で推移しています。リピーター顧客が多いため、広告費に頼らず安定的に売上を確保できる構造になっています。
5. 無借金経営による財務の健全性
有利子負債がゼロの無借金経営を維持しており、財務基盤が極めて健全です。コロナ禍のような業界全体に打撃を与えるリスクイベントに対しても、倒産リスクが低いという安心感があります。
6. 少数精鋭組織による社員一人ひとりの成長機会
単体従業員47名という少数精鋭体制のため、若手社員でも早い段階から重要な業務を任されます。ツアー企画・営業・現地手配・添乗のすべてを経験できる環境は、旅行業界でのキャリア形成を加速させます。
同業他社との比較
ユーラシア旅行社を転職先として検討する際、同じ旅行業界の他社との違いを把握しておくことが重要です。
| 比較軸 | ユーラシア旅行社 | 大手旅行会社(JTB等) | 中堅・専門旅行会社 |
|---|---|---|---|
| 従業員規模 | 単体47名(超小規模) | 数千〜数万名 | 数百〜数千名 |
| 平均年収 | 約549万円 | 約550〜700万円 | 約400〜550万円 |
| 特化領域 | 海外辺境・秘境ツアー | 国内外全般 | 特定地域・テーマ |
| 添乗体制 | 全員が添乗可能な多能工 | 専任添乗員+専門部署 | 様々 |
| 価格競争 | 高付加価値・非競争 | 大量販売・価格競争 | 中間 |
| キャリアの幅 | 全業務を経験できる | 分業が進んでいる | 中間 |
| 昇進速度 | ポストが少なく遅め | 評価制度が整備されやすい | 様々 |
ユーラシア旅行社は大手に比べると組織規模・知名度は小さい一方、「旅行のプロとして深く広く経験を積める」という点では他社にはない強みがあります。特に辺境・秘境ルートへの専門性は、旅行業界でも希少なキャリアとなり得ます。
ユーラシア旅行社の年収事情
平均年収
ユーラシア旅行社の平均年収はOpenWorkの掲載データによると約549万円(平均年齢40.1歳)です。有価証券報告書ベースでは538〜586万円の範囲で推移しており、旅行業界全体の平均年収(350〜400万円)と比較するとやや高い水準にあります。
職種・役職別の年収目安
| 職種・役職 | 年収目安 |
|---|---|
| 入社1〜3年目(営業・企画) | 約300〜350万円 |
| 添乗員(中堅) | 約380〜450万円 |
| 営業・企画(30代) | 約500〜580万円 |
| チームリーダー・主任クラス | 約580〜650万円 |
| 部長職 | 約800万円以上 |
注意点
口コミでは「役職がつくまでは収入がきつい」「住宅手当がない」といった声も見受けられます。賞与については業績連動の要素が大きく、コロナ禍のような業績悪化時には大幅に減少した実績があります。役職昇進前の段階では、業界平均を若干上回る程度にとどまる可能性があることを念頭に置いてください。
ユーラシア旅行社の働き方・福利厚生
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勤務時間 | フレックスタイム制(コアタイムあり)・添乗中は変動あり |
| 残業時間 | 月平均47〜48時間(添乗業務期間は大幅増の可能性あり) |
| 有給休暇 | 取得率約43〜46%(業界平均をやや下回る) |
| 社員旅行割引 | 世界170カ国以上のツアーを社員割引価格で利用可能 |
| 賞与 | 年2回(業績連動あり) |
| 退職金制度 | あり |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労働災害保険 |
| 研修制度 | 入社後OJT・旅行業務取扱管理者資格取得支援 |
| 語学支援 | 英語・その他語学学習の支援あり |
| 海外出張・添乗 | 年間を通じて海外への出張・添乗業務あり |
添乗業務期間中は土日祝関係なく勤務となるため、規則的なオン・オフを重視する方には注意が必要です。一方で「日常的に世界を飛び回れる職場」として、旅行好きには大きな魅力となる環境です。
ユーラシア旅行社の社風・カルチャー
ユーラシア旅行社は少数精鋭の組織であることから、社員同士の距離が近く、チームワークを重視する文化があります。「旅行が好きすぎて入社した」という社員が多く、旅行への情熱で結束したコミュニティ的な職場環境が形成されています。
OpenWorkの総合スコアは2.94/5で、士気3.1・相互尊重3.2・風通し2.8という評価です。「昭和的な社風が残っている」「トップダウン気味」といった指摘がある一方、「少人数ゆえに経営判断が早い」「専門性が身につく」と評価する声もあります。
平均勤続年数14.0年という数字が示すように、長期的に会社にコミットするメンバーが多く、腰を据えて旅行の専門家としてキャリアを構築できる環境です。ただし、組織が小さいため昇進のポストが少なく、キャリアの天井を感じる社員もいるようです。
ユーラシア旅行社の転職難易度
難易度:B級(やや難しい)
年間採用枠が数名程度と非常に少なく、ポジションが空くタイミングが不定期なため、募集が出た際の競争倍率は高めです。ただし、大手企業ほどの学歴フィルターや厳格な選考プロセスはなく、「旅行業界での実務経験」と「旅行への本物の情熱」を持つ方であれば十分に勝負できます。
旅行業務取扱管理者(総合)の資格保有者や、添乗業務経験者は特に評価されます。海外生活経験・語学力(英語以外も含む)・特定の地域への深い知見がある場合は、差別化ポイントになります。採用担当者は「一緒に旅を愛せる仲間」を探しているため、面接での旅行に対する情熱の伝え方が合否に大きく影響します。
ユーラシア旅行社に向いている人
- 旅行が心から好きで、仕事と趣味を一致させたい方
- 世界の辺境・秘境に知的好奇心がある方
- 少人数チームで幅広い業務を裁量持ってこなせる方
- 国内外の出張・添乗業務を厭わない方
- 旅行業務取扱管理者資格(総合)を保有、または取得意欲のある方
- 語学力(英語・その他)を活かして海外と繋がりたい方
- 長期的に旅行のプロとして専門性を高めたい方
ユーラシア旅行社に向いていない人
- 規則的な土日休み・安定した残業時間を求める方
- 大きな組織でチームを率いる管理職キャリアを目指す方
- 給与の急速な上昇を優先する方(入社初期は収入がやや低め)
- 国内業務中心で海外に関わりたくない方
- 旅行業界に特別な思い入れがなく、安定収入を第一に考える方
ユーラシア旅行社の選考対策
1. 旅行経験と深い興味を具体的に語る
面接での最重要ポイントは「旅行への本物の情熱」の伝達です。これまでの旅行経験・特に印象に残った国や地域・旅先で感じた文化的発見などを、具体的かつ熱量を持って語れるよう準備してください。「すごく旅行が好きです」という言葉より、「○○という国の△△という経験が私の価値観を変えた」という具体性ある語りが評価されます。
2. 旅行業務取扱管理者資格の取得・アピール
旅行業法上の必須資格である旅行業務取扱管理者(総合)を保有していると、即戦力としての評価が高まります。未取得の場合も「入社後に取得する強い意欲がある」ことを明確に示すことが大切です。
3. 語学力・海外対応力のアピール
英語はもちろん、フランス語・スペイン語・ロシア語・中国語などのニーズも高い環境です。特定の地域・言語に特化した専門性があれば、ポジション獲得の大きな武器になります。
4. 一貫体制・高品質添乗への共感を示す
「土産物店立ち寄りなし・観光集中型」という同社のポリシーへの深い共感を示してください。「なぜ大手旅行会社ではなくユーラシア旅行社なのか」という志望理由に、このポリシーへの共鳴を組み込むと説得力が増します。
5. 辺境・秘境への専門知識をアピール
同社のツアーラインアップをよく研究し、「自分が特に興味を持つ地域とその理由」を語れるようにしてください。辺境旅行に関する知識やその地域の文化・歴史への深い理解は大きなアドバンテージです。
6. 長期的なコミットメントを明確に伝える
平均勤続年数14.0年というデータが示すように、同社は長期的に会社に貢献できる人材を重視します。「5年・10年のキャリアビジョン」を同社のビジネスモデルに照らして語れるよう準備しておきましょう。
ユーラシア旅行社への転職で評価されやすい経験
- 旅行会社での添乗業務経験(国内・海外問わず)
- 旅行業務取扱管理者(総合)資格の保有
- 海外旅行・長期海外滞在の豊富な経験
- 英語による現地コーディネート・交渉の経験
- フランス語・スペイン語・ロシア語・中国語など英語以外の語学力
- 特定地域(中央アジア・アフリカ・南米・中東等)への深い知識
- ツアー企画・コンテンツ開発の実務経験
- 富裕層・高齢者向けのサービス・接客経験
- 海外ホテル・現地ランドオペレーターとの仕入れ交渉経験
- 旅行商品のマーケティング・プロモーション経験
- トラブルシューティング(現地でのイレギュラー対応)の実績
まとめ
ユーラシア旅行社は「旅行業界でプロとして生きたい」という強い志を持つ人材にとって、非常に魅力的な職場です。少数精鋭の組織で企画から添乗まで一気通貫の仕事ができる環境は、旅行業界全体でも希少です。
平均年収は旅行業界の中ではやや高水準の549万円ですが、入社初期は抑えめであること・住宅手当がないこと・残業が多い傾向にあることは事前に把握しておく必要があります。採用枠が少なく求人が出るタイミングを逃さないことが転職成功の鍵となるため、旅行業界専門の転職エージェントに登録し、情報収集を並行して進めることをおすすめします。
転職エージェントが見るポイント
転職エージェントの視点から、ユーラシア旅行社を特に推薦したいのは以下のような求職者です。
ベストマッチ層
- 旅行会社や航空会社での添乗・手配業務を5年以上経験し「本当に好きな旅行の仕事」を改めて追求したい人
- 大手旅行会社の画一的なツアー企画に限界を感じ、より深みのある旅行を作りたいと考えている人
- 旅行業務取扱管理者(総合)を保有し、国内外の多様な経験を持つ30代前後の専門職
注意が必要な層
- 年収を最優先に転職先を選びたい人(旅行業界内での相対的な高さはあるが、他業種と比べると低め)
- 残業が少なく規則的な生活リズムを求める人
- 将来的に管理職として大きなチームを率いたい人(組織が小さいため昇進ポストに限りがある)
採用情報の追い方
ユーラシア旅行社の中途採用はdoda・マイナビ転職・旅行業界専門サイトに定期的に掲載されます。求人が出るタイミングは不定期なため、アラート設定をしておくことを強くおすすめします。また、旅行業界専門のヘッドハンターからのオファーで採用が決まるケースも一定数あるため、ビズリーチなどのスカウトサービスへの登録も有効です。
2027年度採用から変わること
同社は2027年度新卒採用から3コース制(総合職・専任職・海外専任添乗員)を導入すると公表しています。総合職は従来の全業務を横断して担う多能工型、専任職はバックオフィス・営業特化型、海外専任添乗員コースは添乗のプロとして特化するキャリアです。この3コース制の導入は中途採用にも影響を及ぼす可能性があり、採用のポジション設計が今後変わることが予想されます。転職を検討中の方は最新の採用情報を必ず確認してください。
財務・業績の安定性について
2026年9月期の業績予想では、創業40周年に向けた販促費増加により営業利益は一時的な減益見込みですが、売上自体は増収基調を維持しています。無借金経営の財務基盤と、旅行需要の回復トレンドを背景に、中長期的な事業継続性は高いと評価できます。旅行業界は外部環境(感染症・地政学リスク等)に業績が左右されやすい性質がある点は念頭に置いておく必要がありますが、財務の健全性が高いことでショックへの耐性は相対的に強いといえます。
「世界中を舞台に、本物の旅を届けたい」という情熱がある方にとって、ユーラシア旅行社は理想的なキャリアの場になり得ます。
