D2C(ネット通販)市場が拡大する中、「広告費を使えば使うほど赤字になる」という課題を抱える事業者は後を絶たない。そこに目を付けたのが、売れるネット広告社グループだ。同社はランディングページの改善・ネット広告のROI最大化・CRM施策の自動化を一気通貫で支援するクラウドSaaSを提供し、「D2C事業者の売上を確実に伸ばす」ことをミッションとしている。
2010年の創業以来、九州・福岡を拠点に培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウは、業界内で「最強の売れる仕組み®」として認知されてきた。その知見をSaaS化・パッケージ化することで、スケーラブルなビジネスモデルへと転換。2023年10月の東証グロース上場後は、M&Aを活用した周辺事業への拡張も積極的に進めている。
転職市場においては「デジタルマーケティング×SaaS」という成長領域への参入口として注目されており、特にD2C・EC領域の経験者やWebマーケター、エンジニアにとって魅力的なキャリア選択肢となっている。ただし会社規模はまだ連結54名程度であり、大企業的な安定を求める層には向かない点も正直に述べておく必要がある。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 売れるネット広告社グループ株式会社 |
| 設立 | 2010年1月20日 |
| 代表者 | 植木原 宗平(代表取締役社長 CEO) |
| 本社 | 福岡県福岡市早良区百道浜二丁目3番8号 |
| 東京オフィス | 東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場 20階 |
| 資本金 | 5億6,400万円 |
| 従業員数 | 連結54名・単体7名(2024年7月期) |
| 上場区分 | 東証グロース市場(証券コード:9235) |
| 売上高 | 連結15億6,754万円(前期比+107%・2024年7月期) |
| 平均年収 | 537万円 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 平均勤続年数 | 3.9年 |
| 事業内容 | D2C事業者向けダイレクトマーケティング支援クラウドサービスの提供 |
売れるネット広告社グループは、D2C(ネット通販)に特化したマーケティング支援を主軸に、近年はM&A仲介・越境EC・投資事業など周辺領域への多角化を進めている。グループとしては連結子会社7社を擁し、事業ポートフォリオを拡充中だ。
売上高の前期比107%増という数字は目を引くが、2025年7月期以降も積極的な投資フェーズが続いており、営業利益・経常利益ベースでは赤字の期もある。上場グロース企業としての「成長投資優先」フェーズにあることを踏まえて評価する必要がある。
主な事業内容
同社の事業は、D2C支援を核心に置きながら、周辺領域へと拡張する構造を持っている。転職者が入社後に関わる可能性が高い主要領域を以下に解説する。
D2Cマーケティング支援(クラウドSaaS)
「売れるD2Cつくーる」を中心としたSaaS群が主力事業だ。ランディングページ(LP)の制作・A/Bテスト・ネット広告の入稿最適化・CRMの自動化といった機能を統合したプラットフォームを提供する。単に「作って終わり」ではなく、売上KPIの改善まで伴走するのが特徴。D2C事業者にとっては広告費の無駄をなくしながら売上を伸ばせる強力なツールであり、導入企業の継続率の高さが収益安定性を支えている。
コンサルティング・マーケティング支援
ツール提供にとどまらず、ダイレクトマーケティングの専門家チームが直接クライアントの施策設計・PDCA支援を行うコンサルティングサービスも展開している。創業以来培ってきた「最強の売れる仕組み®」の知見を、専任コンサルタントが対面・オンラインで伝授する形態だ。コンサル人材は少数精鋭で、一人ひとりが幅広いクライアントを担当する。
M&A・新規事業・投資事業
「URERU TARGET 20」と呼ばれる戦略のもと、20の事業領域への展開を目指してM&Aや新規事業投資を積極化している。越境EC支援事業・M&A仲介事業・不動産関連事業など多様な領域に参入中だ。グループ子会社がこれらを担っており、本体とは別の事業体験を積むポジションも存在する。
越境EC支援事業
国内D2C市場の拡大と並行して、海外市場(特にアジア圏)へのD2C展開を支援する越境EC事業も立ち上がっている。国内で培ったマーケティングノウハウを海外で活用したい事業者向けのサービスであり、グローバル展開を経験したいマーケター・営業人材にとって興味深い領域だ。
売れるネット広告社グループの強み
強み1. 「D2C×ダイレクトマーケティング」に特化した圧倒的ナレッジ
同社が10年以上にわたって蓄積してきたD2C支援のノウハウは、業界内で随一のレベルにある。ランディングページのコピー・デザイン・テスト設計・広告クリエイティブの最適化まで、D2C事業の成否を左右する要素を丸ごとカバーするナレッジを体系化している点が強みだ。転職者にとっては、この「最強の売れる仕組み®」を実務の中で習得できる環境が用意されており、マーケターとしての市場価値を大きく高められる。
強み2. SaaS型ビジネスモデルによるスケーラビリティ
コンサルティング会社でありながら、SaaSプロダクト「売れるD2Cつくーる」を持つことで、人的リソースに依存しないスケールが可能になっている。顧客が増えてもコンサル工数を比例して増やす必要がなく、利益率の改善余地が高い。転職者の視点では、「プロダクト×コンサル」両方の経験が積めるため、将来的にどちらのキャリアにも転用できるスキルセットを得られる。
強み3. 九州・福岡発の独自ポジション
D2C(ネット通販)の一大産地として知られる九州・福岡に創業の地を置き、地域のD2C事業者ネットワークを深く持っている。東京拠点の大手マーケティング会社とは異なる、地方密着型の顧客基盤と信頼関係が競合優位性となっている。転職後の営業・コンサル活動においても、この地域ネットワークが大きな武器になる。
強み4. 少数精鋭で成長できるスタートアップ文化
連結54名というコンパクトな規模ゆえ、一人ひとりが担う責任範囲が広い。代表・経営陣との距離が近く、意思決定の速さと裁量の大きさが体感できる環境だ。大企業では得られない「事業全体を俯瞰しながら動く」経験が積めるため、将来的に独立・起業・マネジメントポジションを目指すビジネスパーソンには特に魅力的な環境と言える。
強み5. M&Aによる事業多角化と「URERU TARGET 20」戦略
D2C支援一本足打法から脱却し、20事業領域への展開を目指す中長期戦略を実行中だ。このため、入社後に新規事業の立ち上げメンバーとして関わる機会が生まれやすい。新規事業や0→1フェーズでのキャリアを積みたい人材にとって、この戦略が続く間は希少なポジションが定期的に生まれる可能性がある。
強み6. 東証グロース上場企業としての信頼性
2023年10月の上場により、財務情報の透明性・ガバナンス体制・IR情報の公開という面で信頼性が担保されている。スタートアップながら「上場企業に勤める」というステータスと、大企業並みの情報開示が両立している点は、転職者が入社前に企業研究を深められる点でもメリットだ。
売れるネット広告社グループの年収事情
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| Webマーケター(新卒・第二新卒) | 350万〜450万円 |
| Webマーケター(経験3〜5年) | 450万〜600万円 |
| マーケティングコンサルタント | 500万〜700万円 |
| プロダクトマネージャー | 550万〜750万円 |
| エンジニア(フロント・バック) | 500万〜700万円 |
| 営業(インサイドセールス含む) | 400万〜600万円 |
| 管理部門(経理・人事・法務) | 380万〜530万円 |
| マネージャークラス | 650万〜900万円 |
※上記は推計レンジ。実際の年収は経験・スキル・評価によって変動する。
給与制度の特徴
平均年収は537万円(単体・2024年7月期実績)で、IT・マーケティング業界の中では中程度の水準だ。グロース上場企業のため、ストックオプション制度が設けられており、将来の株価上昇による報酬アップが期待できる要素もある。基本給+賞与+インセンティブの構成が一般的とされているが、詳細な給与テーブルは非公開のため、選考過程で確認することを推奨する。
年収を見る際の注意点
- 単体従業員7名・連結54名という規模のため、統計的サンプルが少なく、平均年収の振れ幅が大きい可能性がある
- 上場後の成長投資フェーズにあり、固定費抑制傾向が続く可能性がある
- ストックオプション等の株式報酬がある場合、現金報酬単体では他社比較で低く見える場合がある
- 職種・役割によって年収差が大きい傾向がある
- 詳細な賞与・インセンティブ設計は採用ポジションごとに異なるため、オファー時に必ず確認すること
売れるネット広告社グループの働き方・福利厚生
同社は少数精鋭の組織であり、大企業的な制度の充実よりも「裁量・スピード・成果」を重視するカルチャーが前提となっている。以下は公開情報をベースとした概要だ。
勤務時間・休日 標準的な週5日勤務・フレックス活用が基本。ただしプロジェクトや顧客対応によっては繁忙期の負荷が高くなる場合がある。年間休日120日前後(土日祝・夏季・年末年始)とされている。
リモートワーク 福岡本社・東京オフィスの二拠点体制のため、職種によってはリモート・ハイブリッド勤務が可能な場合がある。詳細はポジションによって異なるため、選考過程で確認が必要。
主な福利厚生
- 各種社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 交通費支給
- ストックオプション制度(上場企業)
- 書籍購入補助・学習支援
- 社内勉強会・ナレッジ共有制度
- フレックスタイム制(職種による)
- 産前産後休暇・育児休暇制度
- 健康診断・各種健康施策
- 採用情報記載の諸手当
注意点 制度の充実度よりも「成果を出す人が報われる」文化が強い。福利厚生面での大企業との差は正直あるため、安定・手厚い待遇を最優先する転職者は注意が必要だ。
売れるネット広告社グループの社風・カルチャー
一言で表すなら「実績コミット・九州スピリット」
「やると言ったら必ずやる」「売上が出ないなら意味がない」という実績コミット文化が根底にある。創業者・植木原CEOのDNA色が色濃く残り、理論より実践・会議より行動を重んじる九州スピリットが組織全体に漂っている。マーケティングノウハウも「机上の理論」ではなく「実際に売れた実績」から積み上げてきたため、「とにかく試して数字を出す」サイクルが速い。
評価される人物像
- 「なぜ売れないか」を自分で仮説立てして検証できる人
- 数字(CVR・CPO・LTV等)を徹底的に追いかけるマーケター気質の持ち主
- ロールが不明瞭な場面でも自走できる自立心のある人
- 九州出身者・地方愛着のある人も親和性が高い傾向
- スタートアップフェーズの「混沌を楽しめる」タイプ
表面的なイメージと実態の差
「D2Cマーケティング支援会社」という印象から、クリエイティブ・広告制作会社的なイメージを持つ転職者もいるが、実態はよりデータドリブン・コンサルティング志向が強い。また、九州発ベンチャーというイメージから「ゆるい社風」を期待すると外れる。社内は意外なほど数字と成果に厳しく、「売れるかどうか」が全ての判断基準となる文化だ。
売れるネット広告社グループの転職難易度
難易度:3級(中程度)
大企業ほど母集団が大きくなく、経験者採用を中心に少人数で丁寧に選考する傾向がある。一方で「実際に売上を伸ばした実績」「D2C・EC・ダイレクトマーケティングの専門性」が明確に求められるため、業界外からの転職は容易ではない。
理由1. 専門性の高さ
D2C・EC事業者向けマーケティング支援というニッチ領域の専門家集団のため、「なんとなくWebマーケができます」レベルでは通過が難しい。ランディングページ・ネット広告・CRM・LTVといったD2C固有のKPIに精通していることが選考での差分になる。
理由2. 少数採用のため競争倍率が高い
連結54名という規模のため、採用人数は各期で数名程度が多い。一つのポジションに対する書類選考・面接の精度が高く、「即戦力として成果を出せるか」が厳しく問われる。
理由3. カルチャーフィットの重視
スキル面だけでなく、「実績コミット・自走型・スピード重視」のカルチャーに馴染めるかの見極めが行われる。大企業・安定志向の方や、指示待ちスタイルの方はカルチャーミスマッチになりやすい点に注意が必要だ。
売れるネット広告社グループに向いている人
タイプ1. D2C・EC領域でマーケター力を深めたい人
LP制作・ネット広告・CRMを一気通貫で学べる環境は珍しい。「マーケターとしての引き出しを増やしたい」人には最適な学習環境だ。
タイプ2. SaaS企業での成長を実感したい人
プロダクト(SaaS)とコンサルティングの両方に携われる環境で、広いビジネス視野が身につく。プロダクトマネージャーやグロースハッカー志向の人に合っている。
タイプ3. スタートアップで裁量を持って動きたい人
代表との距離が近く、自分の意見が経営に届きやすい環境だ。「大組織の中の一歯車」ではなく、「会社を動かす一員」として働きたい人に向いている。
タイプ4. 上場グロース企業でのキャリアを積みたい人
上場後の成長フェーズに身を置きながら、IPO経験者・グロース投資家・証券会社等との接点も生まれる環境だ。将来的に経営・CFO・IRなどのキャリアを目指す人にも刺激的だ。
タイプ5. 九州・福岡で働きたい人
福岡本社があるため、Uターン・Iターン就職の選択肢としても有効だ。九州のD2C産業を支える企業として地域への貢献感も得られる。
売れるネット広告社グループに向いていない人
批判ではなくミスマッチ防止のためにお伝えする。
- タイプ:安定・大企業ブランドを重視する人 — 上場はしているが規模は小さく、大手の安定感は期待できない
- タイプ:指示を受けてから動くスタイルの人 — 自走・主体性が前提の環境のため、手取り足取りの指導体制は薄い
- タイプ:マーケティング全般を幅広くやりたい人(D2C外) — D2C・EC領域に特化しており、BtoB・ブランドマーケ等は主業ではない
- タイプ:現時点で高年収を最優先する人 — 平均年収537万円と業界中程度。給与水準が最優先の場合は候補を広げることを推奨する
- タイプ:大企業的な制度・福利厚生を求める人 — 充実した福利厚生より「仕事の面白さ・裁量」を重視する文化のため、制度面に不満を感じる可能性がある
売れるネット広告社グループの選考対策
選考1. D2C・EC領域の専門知識のインプット
面接前に「D2Cとは何か」「ランディングページ最適化の基本」「ネット広告のROI改善手法」「LTV・CPO・CVRの意味と改善施策」を体系的に押さえておきたい。同社のサービスページ・採用情報・公開コンテンツを読み込んでおくと面接での受け答えに深みが出る。
選考2. 「売上を伸ばした実績」の具体的準備
職務経歴書・面接では、「施策→数値結果→学び」のサイクルを具体的に語れることが重要だ。「CVRを〇%改善した」「CPOを〇円削減した」など、数字で語れる実績を複数用意しておこう。定性的なエピソードだけでは評価されにくい。
選考3. 「なぜ売れるネット広告社グループか」の深掘り
「なぜ大手ではなくグロースベンチャーを選ぶのか」「なぜD2C支援なのか」という問いへの答えを事前に深めておこう。「成長したい」「裁量が欲しい」だけでは弱い。「D2C市場の◯◯という課題に対して、御社のアプローチが最も有効だと考えた」という論理構造が説得力を持つ。
選考4. 自走力・主体性をエピソードで示す
「上司に言われずに自分から始めた施策」「課題を自分で見つけて解決した経験」を面接で話せるよう準備する。「誰かに頼まれたから動いた」ではなく、「自分で気づいて動いた」経験が評価される。
選考5. 企業文化・価値観との共鳴を示す
「最強の売れる仕組み®」というコンセプトへの共感・「実績コミット」カルチャーへの親和性を自分の言葉で語れるよう準備する。「御社のどこに惹かれたか」を言語化しておくことで、カルチャーフィットの見極めに対応しやすくなる。
選考6. グロース上場企業への理解を深める
上場後の成長戦略「URERU TARGET 20」や、直近の決算情報・プレスリリースを事前に読んでおくことで、「事業の今後」についての対話が深まる。「中長期でどう成長していくか」についての自分なりの見解を持って面接に臨むと、真剣な入社意欲が伝わりやすい。
売れるネット広告社グループへの転職で評価されやすい経験
- D2C・ネット通販事業のマーケティング実務経験(LP・広告・CRM)
- ランディングページのA/Bテスト設計・改善の実績
- ネット広告(Meta・Google等)の運用・最適化経験
- CVR・CPO・LTV・ROAS等のD2C固有KPIを追いかけた実績
- 数字を根拠にした施策立案・PDCA実行の経験
- SaaSプロダクトの営業・導入支援・カスタマーサクセス経験
- Webエンジニア(フロントエンド・バックエンド・インフラ)
- スタートアップ・ベンチャー企業での事業立ち上げ経験
- 越境EC・海外マーケティング経験
- M&A・事業投資・PMI関連の業務経験
- コンサルティングファーム・マーケティング会社でのクライアント支援経験
- データ分析・BI活用によるマーケティング改善の実績
- 採用・組織づくりの経験(少数精鋭組織での人材育成)
- グロース上場企業でのIR・経営管理経験
特に評価されやすいのは、「D2C・EC事業者の売上向上に直接貢献した具体的な数値実績」を持ち、「なぜその施策が効いたか」を論理的に説明できる実践型マーケターだ。
まとめ
売れるネット広告社グループは、D2C×ダイレクトマーケティング支援というニッチ領域で独自の強みを築いた東証グロース上場企業だ。九州・福岡発のベンチャーが東京市場でも存在感を示し、連結売上高の前年比107%超という急成長は、その事業モデルの有効性を証明している。
転職候補として検討する際のポイントは「専門性と裁量のトレードオフ」にある。D2C・EC・ダイレクトマーケティング領域の専門家としてのキャリアを積みたい人、SaaS×コンサルの両方を経験したい人、スタートアップで成長実感を得たい人にとっては、非常に魅力的な環境が整っている。一方で、規模・安定性・給与水準を重視する場合は、同業他社との比較検討を丁寧に行う必要がある。
「最強の売れる仕組み®」を実際に使いこなすプロフェッショナルになりたい人にとって、この会社は一つの選択肢にとどまらず、キャリアの転換点になり得る場所だ。転職を検討する際は、まず同社の公開コンテンツ・IR情報に目を通し、「この会社の方向性に自分が共鳴できるか」を確認してから選考にエントリーすることをお勧めする。
