TIS株式会社は、TIS INTEC Group(持株会社:TIS INTEC Group株式会社、東証プライム:3626)の中核事業会社として、連結売上高5,000億円超・従業員20,000名超規模を誇る国内大手SIerのひとつです。2019年に旧TISと旧INTECが経営統合し現体制が確立されました。金融・製造・流通・公共・サービスと幅広い業種向けにITシステムの開発・運用・DX支援を提供しており、特に金融機関向けのミッションクリティカルな基幹システム開発において高い実績を積み上げてきました。

近年は従来型のSI(システムインテグレーション)という請負型ビジネスから、クラウドやSaaSを活用したサービス型・ストック収益型ビジネスへの転換を経営戦略の中核に据えています。CLIS(Cloud, Linux, IoT, Security)と称する成長重点領域への投資を加速させており、DX支援受注も拡大傾向にあります。中途採用市場においてもエンジニア・コンサルタントの需要は旺盛です。

転職市場においてTISは「大手SIerの安定感とDX成長領域への参加チャンス」という訴求で評価されることが多く、年収水準はSIer業界の中で中上位に位置します。ただし配属先事業や担当プロジェクトによって業務体験のばらつきが大きいのも事実です。本記事では転職エージェント視点から、TISの実態・強み・課題・年収・選考対策を正直に解説します。

企業概要

項目内容
会社名TIS株式会社
英語名TIS Inc.
設立1971年4月(旧TIS設立)、2019年7月現体制へ
代表者岡本安史(代表取締役社長)※時点により変更あり
本社東京都新宿区新宿二丁目1番1号 新宿三井ビルディング53F
資本金100億円(TIS INTEC Group株式会社ベース)
従業員数連結20,000名超(グループ全体)
上場区分東証プライム(持株会社:TIS INTEC Group、証券コード3626)
売上高連結5,000億円超(最新通期ベース)
平均年収単体約750〜800万円程度
平均年齢40歳前後(推計)
平均勤続年数14〜16年程度(推計)
事業内容ITシステム開発・運用・DX支援・クラウドサービス・BPO

TISは持株会社TIS INTEC Groupの傘下で、同グループには同じく大手SIerのINTEC株式会社も属します。TISは主に首都圏を中心とした金融・製造・流通・サービス業向けシステム、INTECは北陸を地盤とした地方金融機関・自治体向けシステムという形で棲み分けが行われていますが、近年はグループ全体での連携案件も増えています。

IT業界全体でのエンジニア不足を背景に、中途採用・副業・フリーランス連携など多様な人材確保策を打ち出しており、採用活動は通年で活発に行われています。

主な事業内容

TISの事業は大きく「産業向けITソリューション」と「IT基盤・クラウドサービス」の2軸で構成されています。顧客の基幹業務を支えるシステム開発・運用からクラウドへの移行支援、さらにはストック型のSaaS・PaaSビジネスまで、収益モデルの多様化を図っています。

業種別には金融・保険・証券をはじめ、製造・自動車、流通・小売、公共・ヘルスケアにまで幅広く対応しており、同一顧客とのリレーションを長期にわたって維持するエンタープライズSIの強みを持ちます。

金融DXソリューション

銀行・保険・証券・クレジットカード各社向けの基幹システム開発と運用保守が、TIS最大の収益基盤です。口座系・融資系・決済系など障害が許されないミッションクリティカルシステムで豊富な実績を持ちます。近年はキャッシュレス決済基盤やオープンバンキングAPI連携、保険DX(InsurTech)案件が急増しており、単なる開発ベンダーからDXパートナーとしての役割が強まっています。フィンテック新興企業とのアライアンス案件も積極的に受注しています。

CLIS事業(クラウド・Linux・IoT・Security)

TISが成長重点として投資する領域です。クラウド(AWS・Azure・GCP)へのシステム移行支援、コンテナ技術(Kubernetes)の活用、IoT基盤構築(製造・物流領域)、セキュリティ対策支援(SOC・SIEM・ゼロトラスト)などを横断的に提供します。SIer固有のウォーターフォール開発だけでなく、アジャイル・DevOpsを取り入れたスピーディな開発体制への転換も進んでいます。

製造・サービス向けシステム

自動車・精密機器・化学・食品などの製造業向けに、生産管理・SCM・品質管理・PLM系システムを提供します。また小売・EC・物流向けのオムニチャネル基盤や需給予測・在庫最適化ソリューションも展開しており、DX文脈での引き合いが増加しています。

BPO・ITアウトソーシング

システム開発にとどまらず、業務プロセスそのものを受託するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)も提供しています。経理・人事・コールセンター業務の代行、データ入力・帳票処理のデジタル化など、顧客の業務効率化をシステムと業務両面から支援します。契約更新型の安定した収益が得られるストックビジネスとして、TISが注力する分野のひとつです。

SaaSプロダクト事業

自社開発のSaaSプロダクトの拡充も進めています。人事労務・経費精算・ワークフロー管理などの業務系SaaS、決済・ポイント管理などの金融系プラットフォームを自社ブランドで展開しています。請負型の一括開発収益からの脱却という経営方針のもと、ストック収益を生むSaaS事業の比率向上を目指しています。

TISの強み

強み1. 金融ミッションクリティカルシステムの圧倒的な実績

TISの最大の競争優位は、銀行・証券・保険・クレジットといった金融機関向けシステムで積み上げてきた50年以上の実績とノウハウです。障害が社会インフラ全体に影響しかねないミッションクリティカルシステムの開発・運用で培った品質管理・リスク管理のメソドロジーは、容易に模倣できない参入障壁となっています。転職者にとっては、金融業界の高い技術水準・セキュリティ基準に適応した開発プロセスを経験できる環境として価値があります。

強み2. TIS INTEC Groupとしての規模とリソース

グループ全体で20,000名超の技術者・コンサルタントを抱える組織規模により、大型案件の一括受注・グループ内での人材シナジーが働きます。INTECとの統合により地方金融機関・自治体案件への対応能力も強化されており、首都圏のTISと北陸・地方拠点のINTECが連携する案件が増えています。転職者にとっても、大型プロジェクトへの参画機会・複数事業への異動・グループ内転籍など、中小SIerでは得られないキャリアパスの幅が魅力です。

強み3. CLIS領域への先行投資

クラウド移行・IoT・セキュリティという成長市場への投資を早期から行ってきたことで、SIer業界の中でも技術ポートフォリオの先進性が高まっています。AWS・Azureの上位パートナー認定取得、マネージドセキュリティサービス(SOC)の自社展開など、旧来型の受託開発からの転換が着実に進んでいます。エンジニアとして入社した場合、新技術に積極的に触れられる環境は中堅SIerに比べて整っています。

強み4. キャッシュレス・フィンテックインフラの存在感

TISは日本のクレジットカード・電子マネー・QR決済インフラの裏側で重要な役割を担っています。決済処理システムの開発・運用ノウハウは業界固有の専門知識であり、フィンテック事業が拡大する中で需要が高まる希少な経験を積める職場です。スマートフォン決済やBNPL(後払い)など新型決済手段への対応案件も増えており、転職後に最先端の金融テクノロジーに関わるチャンスが存在します。

強み5. SaaSシフトと安定したストック収益基盤

SaaSプロダクトとBPOを組み合わせたストック収益型ビジネスへの移行が進んでいることは、SIer業界の構造変化に対して先行している証拠です。一括受注型の収益変動リスクを低減しながら、顧客のDX伴走パートナーとしての地位を確立しつつあります。転職者にとっても、SIに留まらずプロダクト開発・サービス設計・カスタマーサクセスなど多様なキャリアオプションが生まれている点は重要な差別化要因です。

強み6. グローバル・地方拠点の多様な勤務地

東京本社のほか、大阪・名古屋・福岡・札幌など国内主要都市に拠点を持つほか、インド・ベトナム・フィリピンなどのオフショア拠点も活用しています。転職者のライフステージや居住地に合わせた勤務地選択の幅が比較的広く、地方在住・転居なしでの就業を希望する技術者にも選択肢が生まれています。

TISの年収事情

TISの年収水準は、大手SIerの中では中上位に位置します。有価証券報告書ベースの単体平均年収は750〜800万円前後とされており、IT業界全体の平均と比較すると高い水準です。ただしグレード・職種・事業部・担当プロジェクトによって実態には大きな幅があります。中途採用の場合は前職年収・スキルレベルを考慮したオファーが提示されますが、大幅な年収アップを期待するケースでは期待値調整が必要な場合もあります。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
ITエンジニア(SE)入社3〜5年500〜650万円
プロジェクトリーダー・上位SE650〜800万円
プロジェクトマネージャー800〜1,000万円
ITコンサルタント750〜1,000万円
クラウドアーキテクト・セキュリティスペシャリスト700〜950万円
営業(ITソリューション)600〜800万円
SaaSプロダクトマネージャー700〜950万円
コーポレート(経理・人事・法務)550〜750万円

※上記は目安であり、グレード・評価・在籍年数により変動します。

給与制度の特徴

TISでは職種・グレード別の評価制度を採用しており、年次昇給に加えて成果・スキルに応じた昇格・昇給の仕組みが整備されています。賞与は業績連動で年2回(夏・冬)支給されるのが基本で、好業績の年は賞与の上乗せが期待できます。エキスパート職(プロフェッショナル職)というコースでは高い専門スキルを評価する独自グレードも設けられており、管理職以外のルートで高年収を目指す道も存在します。

SIer業界では一般的に年功序列的な傾向が残りやすいですが、TISはSaaS事業拡大やCLIS強化に伴い、スキルベースの評価・報酬体系への移行を進めているとされています。中途入社の場合も、前職スキルや即戦力性に応じてグレード設定が行われます。

年収を見る際の注意点

  • 単体平均年収は管理職・上位グレードも含む全社平均のため、入社直後の実態とは乖離がある
  • 金融DX・クラウド・セキュリティ等の需要が高い専門職では市場価値連動の高いオファーが出るケースあり
  • 同じSEでも金融系プロジェクト担当と公共系プロジェクト担当では経験価値の面で差が生じることがある
  • 残業時間・手当の扱いは事業部・プロジェクトフェーズによって大きく異なる
  • インフレ・エンジニア不足を受けた賃上げの動きがあり、最新の求人票・選考過程での確認が重要

TISの働き方・福利厚生

勤務時間・休日制度

フレックスタイム制(コアタイムあり)が全社的に導入されており、業務の性質上ある程度の自律的な時間管理が可能です。年間休日は125日前後で、土日祝・夏季休暇・年末年始休暇に加え、有給休暇の取得促進が行われています。ただし金融機関の基幹系プロジェクトや繁忙期(年度末・リリース直前)には残業が集中する傾向があり、プロジェクト単位での労働環境のばらつきが指摘されています。

働く場所・リモートワーク

コロナ禍を経て在宅勤務制度が定着し、現在も職種・プロジェクトによってリモートワークが活用されています。顧客常駐型のプロジェクトではオンサイト出勤が求められる場合がありますが、内部SE・開発専門職・コーポレート職ではハイブリッド勤務が一般的です。サテライトオフィスや地方拠点での就業も選択できるポジションが一定数存在しており、柔軟な働き方の選択肢が広がっています。

主な福利厚生

  • 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険(各種社会保険完備)
  • 企業年金(確定給付・確定拠出年金制度)
  • 退職金制度
  • 財形貯蓄制度
  • 社員持株会
  • 各種慶弔見舞金
  • 育児休業・育児短時間勤務制度(男性取得率向上施策あり)
  • 介護休業制度
  • 健康診断・人間ドック補助
  • 従業員向けEAP(メンタルヘルス相談窓口)
  • 研修・資格取得支援制度(ITベンダー資格・情報処理技術者試験等の受験料補助)
  • 自己啓発支援(eラーニング・外部セミナー補助)
  • 社内公募制度・副業許容(一部条件あり)

働き方を見る際の注意点

TISの働き方は事業部・プロジェクトによって体験が大きく異なります。金融系基幹システムの運用保守では安定稼働優先のシフト体制となるケースがある一方、新規DXプロジェクトでは顧客との協創型のアジャイル開発が進んでいます。選考過程で具体的な配属先・プロジェクト環境について積極的に確認することを推奨します。

TISの社風・カルチャー

一言で表すなら「堅実な技術組織が変革期を迎えている」

TISは長年の金融システム開発で培った「品質を守る・絶対に止めない」という職人的な技術文化が根底にあります。安定・信頼・確実性を重視する姿勢は組織の強みである一方、変化への対応スピードや自由度という面ではスタートアップやメガベンチャーと一線を画します。2019年のINTECとの統合を経て組織規模が拡大した結果、社内の意思決定ルートが多層化している面もあります。

一方でSaaS事業・CLIS事業を牽引している部門では、アジャイルなプロダクト開発・スタートアップとの協業・新技術への積極的な挑戦が推奨されており、同じ社内でも部門によってカルチャーの差が顕著です。保守的な面と革新的な面が混在している「変革期の大手SIer」という表現が最も実態に近いと言えるでしょう。

評価される人物像

TISで評価されやすいのは、「技術力と顧客折衝力を兼ね備えた人材」です。純粋な技術志向だけでなく、顧客のビジネス課題を理解し、それをシステムの要件に変換できるビジネスコミュニケーション能力が重視されます。また、大規模プロジェクトの中で自らの役割を定義してアウトプットを出せる自律性、ドキュメンテーション・品質管理などの丁寧な仕事ぶりも評価される傾向があります。SaaS・クラウド事業では顧客視点のプロダクト思考を持つ人材が歓迎されています。

表面的なイメージと実態の差

「大手SIer=残業が多い・古い体質」というイメージを持つ求職者は少なくありませんが、TISの実態はプロジェクト・部門によって大きく異なります。クラウド移行・DX推進部門ではアジャイル開発・リモート中心の新しい働き方が定着しています。逆に「最先端技術の会社」というイメージで入社した場合、金融基幹系のウォーターフォール開発・大規模運用保守の担当となりギャップを感じるケースもあります。配属希望は積極的に伝えることが重要です。

TISの転職難易度

難易度:B〜A級(準難関)

大手SIerとして安定した知名度と待遇から志望者が集まりますが、NTTデータや富士通・日立と比較すると入社難易度はやや低めで、IT・SE経験があれば選考チャンスは十分にある「準難関」という位置づけです。中途採用では即戦力性が重視され、エンジニア・コンサルタントともに通年で採用活動が行われています。

選考ではスキルの即戦力性(プロジェクト経験・技術スタック)と、TISの方向性(DX・クラウド・サービス化)へのフィットが評価されます。論理的な自己表現能力・課題解決のアプローチを具体的なエピソードで語れるかどうかも重要な評価軸です。

理由1. 中途採用の通年実施と積極的な人材獲得姿勢

エンジニア不足・DX需要の拡大を背景に、TISは中途採用を年間を通じて積極的に行っています。金融DX・クラウド・セキュリティ・プロダクトマネジメントなどの専門職では採用枠が設けられており、スキルが明確にマッチする候補者はスムーズに選考が進む傾向があります。

理由2. スキルマッチング重視の中途選考

TISの中途選考では、新卒採用とは異なり「即戦力として何ができるか」が核心的な評価軸です。面接ではプロジェクト経験・技術スタック・成果の具体的な説明が求められ、汎用的な自己PRよりも技術力と課題解決能力の具体性が評価されます。ポテンシャル重視ではなく経験マッチングが主軸のため、準備した内容がそのまま選考結果に直結します。

理由3. 部門・ポジションによる難易度の差

同じTISでも、金融DX戦略ポジションやCLIS技術スペシャリストポジションは競争率が高い一方、大阪・名古屋・福岡などの地方拠点での開発・運用職ではより採用機会が広がる場合があります。希望するポジション・地域を明確にした上で求人に応募することで、選考チャンスを最大化できます。

TISに向いている人

1. 金融システムや大規模エンタープライズ開発に興味があるエンジニア

銀行・証券・保険など金融機関の基幹システムに携わりたい、または大企業向けの複雑なシステムを深く理解したいエンジニアにとって、TISは最良の舞台のひとつです。業界知識と技術力の両方を磨ける環境が整っています。

2. クラウド・セキュリティ・DXの最前線で働きたいエンジニア

CLIS事業でクラウドアーキテクト・セキュリティエンジニアとして活躍したい人、顧客のDX伴走を担うコンサルタントとしてキャリアを積みたい人には、TISの成長領域が大きなチャンスになります。

3. 大手の安定基盤でキャリアを長期形成したい人

大手SIerならではの安定した雇用・充実した福利厚生・研修制度を活かしながら長期的なIT専門職キャリアを築きたい人に適しています。子育て・介護等のライフイベントがあっても継続しやすい制度が整っています。

4. SaaS・プロダクト開発に関わりたいビジネス系人材

TISのSaaSプロダクト拡充に伴い、プロダクトマネージャー・マーケター・カスタマーサクセスなどの役割も増えています。ITバックグラウンドを持ちながらビジネス職でキャリアを広げたい人にも選択肢が生まれています。

5. グループ内の多様な事業でキャリアを展開したい人

TIS INTEC Groupには複数の専門事業会社があり、グループ間での異動・出向によって幅広いIT分野の経験を積むことができます。一社に留まらず複数の事業環境を経験したい人にも向いています。

TISに向いていない人

批判ではなく、ミスマッチ防止のための情報として参考にしてください。

  • タイプ1:純粋なプロダクト志向の人: 自社プロダクトを0→1で作り上げることを最優先にしたい人には、顧客向けSIが主体であるTISの仕事スタイルに物足りなさを感じることがあります。
  • タイプ2:意思決定スピードを重視する人: 大規模組織のため稟議・承認フローが多層化しており、スタートアップのような即断即決文化とは異なります。
  • タイプ3:顧客常駐を避けたい人: プロジェクトによっては顧客先常駐が発生します。常に自社オフィス勤務を希望する場合は配属環境の確認が必要です。
  • タイプ4:最先端技術だけを追い求めたい人: 大規模レガシーシステムの運用・保守案件も存在し、必ずしも最新技術に触れられる保証はありません。
  • タイプ5:短期間で大幅な年収アップを狙いたい人: 大手SIer特有の安定した給与体系はあるものの、スタートアップ・コンサルほどの短期急成長は期待しにくい面があります。

TISの選考対策

1. 自分の技術スタックとプロジェクト経験を整理する

TISの中途選考はスキルマッチングが重視されます。使用言語・フレームワーク・クラウドプラットフォーム・プロジェクト規模・担当役割(SE・PL・PM等)を具体的に棚卸しし、面接で即座に説明できる状態にしておきましょう。特にJava・Python・SQL・AWSなどの主要技術スタックについては深掘り質問に備えた準備が不可欠です。

2. TISの事業戦略・注力領域をリサーチする

TISが「SIからサービス型ビジネスへ転換中」という事業戦略の文脈を理解した上で、「自分がどの領域に貢献できるか」を志望動機に落とし込むことが重要です。金融DX・CLIS・SaaS事業のいずれに興味があるかを明確にし、具体的な経験とのリンクを作っておきましょう。

3. 金融業界・顧客業種の基礎知識を習得する

金融系ポジションを希望する場合、銀行・証券・保険の基本的なビジネス知識(勘定系・チャネル系の概念、規制対応の基本など)を事前に習得しておくことで、面接での説得力が増します。未経験でも「学習への意欲と基礎知識の事前習得」をアピールできます。

4. 課題解決型のエピソードを準備する

「困難なプロジェクト状況でどう対処したか」「顧客の要件変化にどう柔軟に対応したか」といった課題解決型の具体的エピソードは、TISの面接で高く評価されます。STAR法(状況・課題・行動・結果)を使って複数のエピソードを準備してください。

5. DX・クラウド領域の資格・スキルを事前に取得する

AWS認定資格・情報処理技術者試験(応用情報・データベーススペシャリスト等)・Salesforce認定・Azure資格などは、TIS選考での強力なアピール材料になります。資格取得中であっても「取得予定」として述べることで前向きな姿勢を示せます。

6. 長期的なキャリアビジョンを明確に語る

TISは大手SIerとして長期雇用を想定しているため、「TISでどのようなキャリアを築きたいか」という5〜10年の展望を語れることが重要です。「金融DXのプロとして成長し、PMとしてプロジェクトを束ねたい」「クラウドアーキテクトとして顧客のDX伴走をしたい」など、具体的なビジョンを持って面接に臨みましょう。

TISへの転職で評価されやすい経験

  • Java・Python・C#等による大規模エンタープライズシステムの開発経験
  • 銀行・証券・保険・クレジット業界のITシステム開発・運用保守経験
  • AWS・Azure・GCPのクラウドアーキテクチャ設計・移行支援経験
  • Kubernetes・Docker等コンテナ技術を活用した開発・運用経験
  • セキュリティ設計・SOC・SIEM・ゼロトラスト実装経験
  • PL・PM経験(10名以上のチームマネジメント・予算・スケジュール管理)
  • アジャイル・スクラム開発のファシリテーション・チーム運営経験
  • 顧客折衝・要件定義・提案書作成の経験(ITコンサルティング経験)
  • 決済・フィンテック・キャッシュレスシステムの開発・運用経験
  • SaaS・PaaS型プロダクトの開発・プロダクトマネジメント経験
  • BPO・アウトソーシングの業務設計・プロセス改善経験
  • 製造業・SCM・PLM系システムの開発・要件定義経験
  • DevOps・CI/CDパイプライン構築・運用自動化の経験
  • 情報処理技術者試験(上位区分)・AWS認定・Azure認定等の資格保有
  • グローバル案件でのオフショア開発管理・英語コミュニケーション経験

特に評価されやすいのは、金融系ミッションクリティカルシステムの開発経験とクラウド(AWS・Azure)のアーキテクト経験を組み合わせて持つエンジニアです。 金融DXという最大の需要領域において、業界知識と最新クラウド技術の両方を持つ人材は非常に希少であり、即戦力としてのオファーが出やすい状況です。

まとめ

TIS株式会社は「大手SIerとしての安定基盤」と「SIからサービス型ビジネスへの変革期」というふたつの顔を持つ企業です。金融ミッションクリティカルシステムで築き上げた技術的信頼性と、CLIS・DX・SaaS事業という成長分野への積極投資が共存しており、どちらの側面にフィットする人材かによって入社後の体験は大きく異なります。

転職エージェントの視点でお伝えすると、TISは「技術力を持ちながら大手の安定感の中でキャリアを深めたい」「金融・製造・流通の基幹システムに深く関わりたい」「クラウド・セキュリティの専門家としてエンタープライズ案件で力を発揮したい」というエンジニアにとって、非常に魅力的な選択肢です。一方、スタートアップ的なスピード感やプロダクト開発のみを追求したい方には、事前に配属事業部の確認を強くお勧めします。

年収水準・福利厚生・働き方の整備という面では業界標準以上のレベルを維持しており、特に育児・介護などのライフイベントを抱えながらIT専門職キャリアを継続したい方にとって働きやすい環境が整っています。選考では「TISで実現したいキャリアの具体性」と「即戦力としてのスキルの明確な説明」が合否を分けます。

TISへの転職を検討している方は、まず自分の技術スタックとプロジェクト経験を整理し、TISの注力事業(金融DX・CLIS・SaaS)のどこに貢献できるかを明確にした上で応募することをお勧めします。大手SIerの変革の現場に参加するチャンスとして、積極的に選考へのチャレンジを検討してみてください。