りそなグループは、三菱UFJ・三井住友・みずほのいわゆる「メガバンク3行」に次ぐ規模を持つ大手銀行グループであり、りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行の3行体制で首都圏および近畿圏において強固な個人・中小企業向け金融サービスを展開しています。かつて2003年に公的資金注入という危機を経験しながらも、リテール(個人・中小企業)特化という独自戦略で見事に復活を遂げた歴史は、日本の銀行業界でも特筆すべき経営転換の好例として語り継がれています。
転職市場における注目指標として、りそな銀行の平均年収は約727万円(2025年時点)、持株会社であるりそなホールディングスは約889万円とされており、メガバンクよりは低いものの、地方銀行・信用金庫を大きく上回る水準です。採用倍率はメガバンクと比較して低めと評価されており、地方銀行・保険会社・証券会社からの転職者が一定数採用されている点も特徴的です。
本記事では、転職を検討しているキャリアパーソン向けに、りそなグループの事業内容・強み・年収体系・働き方・社風・転職難易度・選考対策を、キャリアコンサルタントの視点から詳しく解説します。銀行業界への転職を考えている方、あるいはメガバンクか地方銀行かりそなかで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社りそなホールディングス |
| 英語名 | Resona Holdings, Inc. |
| 設立 | 2001年12月 |
| 代表者 | 南昌宏(代表執行役社長) |
| 本社 | 大阪府大阪市中央区備後町2丁目2番1号(大阪本社) |
| 東京本社 | 東京都江東区木場1丁目5番65号 |
| 資本金 | 50,000百万円 |
| 従業員数 | りそなグループ計 約17,909名(2025年3月) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:8308) |
| 総資産 | りそなグループ連結 約75兆円(2025年3月) |
| 平均年収 | りそな銀行:約727万円/りそなHD(持株会社):約889万円 |
| 平均年齢 | りそな銀行:39.4歳、りそなHD:40.0歳 |
| 主な事業 | 銀行業(リテール・法人)、信託業、資産運用、カード・決済 |
りそなホールディングスは2001年12月に設立された純粋持株会社で、りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行(旧近畿大阪銀行と旧関西アーバン銀行が統合)・りそなカード・りそなアセットマネジメントなどを傘下に収めます。2003年に公的資金(約1.9兆円)の注入を受けた後、国内他行に先駆けて「お客さま起点の改革」を断行し、リテール重視・信託機能活用・デジタル化を推進することで、2015年に公的資金を完済。「危機を乗り越えた銀行」として業界内での評価を大きく高めました。
グループ総資産は約75兆円規模であり、国内では三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループに次ぐ第4位の銀行グループとしての地位を占めています。首都圏(りそな銀行・埼玉りそな銀行)と近畿圏(関西みらい銀行)を主な基盤とするリテール専業型という点で、グローバル業務に比重を置くメガバンクとは明確に差別化されています。
主な事業内容
りそなグループの収益の大半は、個人顧客および中小企業を対象としたリテール金融から生み出されています。預金・融資という伝統的な銀行業務に加え、信託機能を生かした資産管理・相続サービスが独自の収益基盤を形成しています。
デジタル化投資についても業界内で先進的な評価を受けており、スマートフォンアプリ「りそなグループアプリ」を中心としたオンライン手続きの充実は、来店不要化・ペーパーレス化を着実に推進しています。
個人向けリテール金融
住宅ローン・カーローン・教育ローン・フリーローンなどの個人融資と、NISA・投資信託・外貨預金・保険など資産形成・運用商品を組み合わせたライフプラン提案が中核事業です。特に住宅ローンは首都圏・近畿圏の個人顧客に対して高い実行残高を持ちます。年収・資産状況に合わせた総合的なコンサルティングアプローチで、顧客の生涯を通じたパートナーシップを構築することを目指しています。
相続・信託・資産管理
りそな銀行・埼玉りそな銀行は信託業務免許を保有しており、遺言信託・遺産整理・後見信託・不動産管理信託など、相続に関するワンストップサービスを提供できる希少な存在です。日本の高齢化・相続件数の増加とともにこの分野への需要は拡大しており、りそなグループの中核的な差別化要因となっています。グループ内にりそなアセットマネジメント(機関投資家向け資産運用)も持つことで、資産運用から相続まで一体的に対応できる体制を整えています。
法人・ビジネス金融
中小・中堅企業向けの事業性評価融資・ビジネスマッチング・事業承継コンサルティング・補助金活用支援など、顧客企業の経営課題に寄り添う「ソリューション型」アプローチを採用しています。担保・保証に依存しない事業性評価融資の推進は、地域経済を支える金融機関としての役割を体現するものです。
DX・デジタル推進
スマートフォンアプリ「りそなグループアプリ」は、UI/UXの使いやすさで銀行アプリの中でも高評価を獲得しています。振込・残高確認・口座開設のオンライン化に加え、AI審査・チャットボット・デジタル通帳など業務効率化への投資も継続しています。行内でのデジタルリテラシー向上施策も積極的で、フィンテック企業との連携も進めています。
カード・決済事業
りそなカード(グループ会社)によるクレジットカード・デビットカード・電子マネーなど、銀行口座と連携した決済サービスを展開しています。デジタル決済需要の拡大を背景に、キャッシュレス化対応のソリューション提供も強化中です。
株式会社りそなホールディングスの強み
強み1. 信託機能を持つ商業銀行という唯一無二のポジション
りそな銀行および埼玉りそな銀行は信託業務免許を保有しており、一般の商業銀行が提供できない遺言信託・遺産整理・不動産管理信託などを1社でワンストップ提供できます。信託業務は通常、信託銀行(三菱UFJ信託・三井住友信託・みずほ信託等)が専門的に手がけますが、りそなグループは商業銀行と信託銀行の両機能を持つことで、相続・資産管理分野において他の地方銀行・信用金庫には真似できない差別化を実現しています。日本社会の高齢化加速に伴い、相続件数・相続資産規模はともに増大の一途にあり、この強みは今後さらに輝きを増すものと考えられます。
強み2. 公的資金完済後の健全な財務体制と企業文化の転換
2003年の公的資金注入という「危機」は、りそなグループにとって経営文化を根本から変えるターニングポイントになりました。「お客さま起点」の改革をスローガンに、支店の役割・行員の評価軸・人事制度・業務プロセスを刷新した結果、2015年の完済達成という明確な成果に結実しました。この経験は組織内に「変わる力」を根付かせており、業界内では比較的フラットで改革志向のカルチャーが評価されています。
強み3. 首都圏・近畿圏に特化した強固な地域顧客基盤
りそな銀行(全国・主に首都圏)、埼玉りそな銀行(埼玉県特化)、関西みらい銀行(近畿圏特化)の3行体制により、日本で最も人口・経済規模の大きい2大都市圏において強固な顧客基盤を持ちます。全国に薄く展開するより、2大都市圏に絞った密度の高いリテール戦略が収益効率の高さに直結しています。
強み4. デジタル化先行による顧客利便性と業務効率の両立
「りそなグループアプリ」に代表されるデジタル投資は、顧客の来店不要化・手続き簡素化という利便性向上に加え、行内の処理自動化・事務工数削減という生産性向上にも貢献しています。従来の銀行業務が抱えていた高コスト構造の改善と、新たなデジタル顧客層の獲得を同時に実現しており、業界の中でDX先進銀行として認知されています。
強み5. 安定した収益構造と健全な自己資本比率
公的資金完済後も健全な財務基盤を維持し、自己資本比率は国際基準を大きく上回る水準を保っています。リテール中心の事業モデルは海外リスク・市場リスクの暴露が少なく、景気後退局面でも収益が比較的安定しやすい特性があります。配当方針も明確に打ち出しており、株主・投資家からの信頼も高い状況です。
強み6. グループ内でのキャリア多様性
りそな銀行(全国型)・埼玉りそな銀行(地域特化型)・関西みらい銀行(地域特化型)という異なる性格を持つ銀行に加え、りそなアセットマネジメント・りそなカードなどのグループ会社への異動機会もあります。銀行内でも店頭・法人・相続・デジタル・本部企画など多様なフィールドがあり、長期的なキャリア形成がしやすい環境です。
株式会社りそなホールディングスの年収事情
りそな銀行の平均年収は約727万円(平均年齢39.4歳)、持株会社のりそなホールディングスは約889万円とされています。地方銀行の平均年収(概ね450〜600万円程度)と比較すると明確に高水準にあり、メガバンク(800〜1,000万円超)と地方銀行の中間に位置する水準です。
職種別の想定年収レンジ
| 職種・役職 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| 総合職(入行3年目・20代前半) | 350〜450万円 |
| 総合職(係長相当・20代後半) | 500〜600万円 |
| 総合職(課長代理相当・30代前半) | 650〜720万円 |
| 課長相当(30代後半〜40代) | 800〜1,000万円 |
| 支店長・部長相当 | 1,000〜1,300万円 |
| 本部企画職・専門職 | 650〜900万円 |
| 一般職・エリア総合職 | 300〜450万円 |
| 相続・信託コンサルタント | 600〜800万円 |
| デジタル・DX専門職(中途採用) | 700〜1,100万円 |
給与制度の特徴
基本給は職位・等級制度に基づき、年次昇給と職位昇格により上昇します。賞与は年2回(6月・12月)の支給が基本で、業績連動要素を含みますが、リテール特化の安定収益基盤により大幅な変動は少ない傾向にあります。ただし、管理職以降は成果評価の比重が高まり、支店・部門の業績が個人評価に反映される仕組みが強まります。
中途採用者の場合、前職給与・年齢・スキルを考慮した個別の処遇設定が行われることが多く、「一律の初任給スタート」ではなく実力・経験相応の水準が提示されるケースが増えています。特にデジタル・DX人材・信託専門家・M&Aアドバイザーなどの専門職は、一般的な総合職よりも高めの処遇が設定されることがあります。
年収を見る際の注意点
- 「りそなホールディングス(持株会社)」の年収と「りそな銀行」の年収は別物であり、持株会社は管理職・専門職が中心のため数値が高くなりやすい
- 一般職・エリア総合職は総合職と別体系で、年収水準は総合職より低い
- 支店配属の場合と本部配属の場合でも業務内容・キャリアアップ速度が異なる
- 残業代の有無が実収入に大きく影響するケースがある(特に若手の管理職昇格前)
- 転勤の有無(全国型か地域限定型か)は生活コストにも影響するため、実質的な生活水準で比較することが重要
株式会社りそなホールディングスの働き方・福利厚生
勤務時間・休日制度
- 所定労働時間:1日7時間45分(フレックスタイム制対象部門あり)
- 完全週休2日制(土日祝)
- 年間休日:約123日
- 有給休暇取得率:約77.6%(業界平均を上回る水準)
- 月間平均残業時間:約25.7時間(本部職・専門職)
- 窓口業務職種は店舗の営業時間に合わせた勤務シフトあり
働く場所・リモートワーク
本部スタッフ職を中心にテレワーク・在宅勤務制度が整備されており、ハイブリッド型の働き方が定着しつつあります。ただし、店頭・窓口業務や法人・個人営業の現場担当は対面顧客対応が中心のため、完全リモートワークとはなりません。フレックスタイム制の対象職種・部門も拡大しており、コアタイム設定のない部門では比較的柔軟な勤務時間管理が可能です。
主な福利厚生
- 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険(法定福利)
- 企業年金制度(確定給付型・確定拠出型)
- 住宅手当・家賃補助制度(勤務地や居住地条件により支給)
- 財形貯蓄制度
- 社員持株会制度
- グループ各社の金融サービス優待(融資金利優遇など)
- 健康診断・人間ドック費用補助
- 育児休業・介護休業制度(法定以上の取得実績あり)
- 育児短時間勤務制度(子どもが小学校を卒業するまで取得可能な制度)
- 研修制度(外部研修・ビジネススクール派遣・語学学習支援)
- 自己啓発支援(資格取得費用補助・勉強会参加支援)
- リゾートホテル・保養所の利用補助
- グループ優待サービス(カード・保険・資産運用の優遇条件)
働き方を見る際の注意点
リテール銀行という業態上、顧客対応や審査・手続き業務が多く、繁忙期(相続・年末年始・税務申告期など)は業務量が増加します。支店配属の若手は窓口・渉外営業の現場経験が必須となりますが、これがのちのコンサルティング能力・提案力の基盤になるという評価も根強いです。本部への異動機会は成果・評価次第で開かれており、将来的なキャリアの幅を広げる土台となります。
株式会社りそなホールディングスの社風・カルチャー
一言で表すなら「変革継続型のリテール銀行」
2003年の危機を経て「常に変わり続ける」ことを組織として求められてきたりそなグループは、他の大手銀行と比較して改革志向・顧客視点重視のカルチャーが根付いているとされています。管理職も含めた評価が顧客満足・数値成果の両面で行われ、年功序列一辺倒ではなく成果主義的な側面も持ちます。ただし、銀行業界全体の慣習(稟議・コンプライアンス・書面手続き)は依然残っており、「完全なフラット組織」とは言えないのが実態です。
銀行業界の中では比較的オープンで風通しの良い文化があるとされ、若手からの改善提案が上に届きやすい環境を目指しています。デジタル化推進の現場でも、現場行員の声を反映したアプリ改善が実際に行われた事例があり、「現場を大切にする」姿勢は一定評価されています。
評価される人物像
- 顧客との長期的な信頼関係を重視し、数字だけでなくライフイベントを含む総合提案ができる人
- コンプライアンス・リスク管理への強い意識を持ちながら、営業成果もしっかり出せる両立型
- 変化を前向きに受け入れ、新しい制度・ツール・業務プロセスへの適応力が高い人
- チームワークを大切にしながら、自ら課題を設定して主体的に動ける人
- 相続・資産運用・DXなど専門領域への探求心と学習継続意欲がある人
表面的なイメージと実態の差
「公的資金注入の銀行」という過去のイメージを持つ人も少なくありませんが、実態としては財務的に健全化が完了しており、現在の企業文化・待遇・業務内容においてそのイメージは当てはまりません。一方で、「メガバンクより自由・革新的」というイメージが先行しすぎる場合もあり、銀行業務の基本的な制約(コンプライアンス重視・書面主義・階層的意思決定)は他行と同様に存在します。転職前にはOB訪問・求人票の詳細確認でギャップを埋めておくことが重要です。
株式会社りそなホールディングスの転職難易度
難易度:B級(やや高め)
メガバンクの採用難易度がA〜S級とすれば、りそなグループはBランクに位置する「やや高め」の水準です。地方銀行・信用金庫と比較すると倍率は高いものの、金融業界全体の中ではエントリー可能な大手として位置づけられます。推定採用倍率は中途採用で10〜15倍程度とされており、書類選考通過後の複数回面接を含む選考プロセスをクリアする必要があります。
理由1. リテール特化の専門性が求められる
単なる「銀行経験者」ではなく、個人向け資産運用・相続・住宅ローンといったリテール領域の実務経験や、対顧客コンサルティング能力が評価されます。地方銀行・証券会社・保険会社・信託銀行などの経験者は比較的評価されやすい一方、無関係な業界からのキャリアチェンジは難易度が上がります。
理由2. コンプライアンス・ガバナンスへの高い感度が必須
銀行業という高度規制業界の特性上、過去の法令違反・コンプライアンス問題は採用の大きな障壁となります。信頼性・誠実さの証明が選考全体を通じて重視されており、自己PRや過去の実績においても「顧客本位」を体現するエピソードが効果的です。
理由3. 専門職採用枠は競争が激化
デジタル・DX人材・システムエンジニア・データアナリスト・信託専門家・M&A・財務コンサルタントなど、専門職ポジションは業界横断で優秀人材が競合するため難易度が高まっています。スキルの具体性・実績の定量化が重要な選考ポイントになります。
株式会社りそなホールディングスに向いている人
1. リテール金融でキャリアを深めたい人
個人向け金融・資産運用・相続・住宅ローンといったリテール業務を長期的に極めたい人にとって、りそなグループは国内最高水準の学習・実践環境を持ちます。グループ内の信託機能・資産運用機能を活用したコンサルティング力は、他社では得られないユニークな強みとなります。
2. 地方銀行・信用金庫からステップアップしたい人
現在地方銀行や信用金庫で勤務しており、より規模の大きな顧客・高度な金融ソリューションを扱う場を求めている人に向いています。リテール業務の経験値をそのまま活かしながら、より大きなステージで活躍できます。
3. デジタル・DXで金融業を変えたい人
フィンテック・システム・データ分析などのスキルを銀行業に応用したい人にとって、DX先進企業としてのりそなグループは恵まれた環境です。アプリ開発・AI審査・業務自動化など、具体的な変革プロジェクトに携われる機会があります。
4. ワークライフバランスと待遇水準のバランスを求める人
メガバンクのように全国・海外転勤が多い環境よりも、ある程度生活圏を安定させながら良好な待遇を得たい人に向いています。有給取得率・残業時間ともに大手銀行の中では相対的に良好な水準にあります。
5. 社会課題(相続・高齢化)に向き合う仕事をしたい人
相続・終活・資産継承という日本社会の重要課題に、金融の専門家として向き合いたい人にとって、信託機能を持つりそなグループは最適な職場の一つです。顧客の人生の重要な局面に関わるやりがいは他業界では得難いものがあります。
株式会社りそなホールディングスに向いていない人
批判ではなく、ミスマッチを防ぐための参考情報としてご覧ください。
- グローバル志向が強い人: りそなグループの主戦場は国内リテールです。海外での大型案件・グローバルなキャリアを求める場合はメガバンクや外資系金融の方が適しています
- 投資銀行・マーケット業務を志向する人: 法人M&A・デリバティブ・グローバルマーケット業務はりそなグループの主力ではありません。この分野は外資系IB・メガバンク投資銀行部門が適しています
- 完全なフラット・スタートアップ文化を求める人: 銀行業界の規制・コンプライアンス・階層的意思決定プロセスは他行と同様に存在します。完全に自由な裁量環境を求める人には向きません
- 短期で大幅な年収アップを求める人: 大手銀行の給与体系は年功的な部分も残っており、成果による急激な年収上昇は限定的です
- 転勤・異動を全く避けたい人: 総合職は広域異動の可能性があります(エリア総合職制度利用で範囲を限定できる場合あり)
株式会社りそなホールディングスの選考対策
1. 「リテール特化」の企業戦略を徹底理解する
りそなグループがメガバンクと「あえて違う方向に進んだ」理由と結果を、自分の言葉で説明できるよう準備してください。2003年の公的資金注入→リテール特化→公的資金完済→DX推進という流れを理解した上で、「なぜりそなを選んだのか」を論理的に説明できることが最低限の準備です。面接官はこの質問で「当社をどこまで理解しているか」を見極めます。
2. 金融業での顧客対応・提案実績を定量化する
「顧客の課題を解決した経験」「資産運用・融資・保険等の提案実績」「顧客から信頼を得た具体的なエピソード」を数字(件数・金額・期間・顧客満足度等)で具体的に語れるよう準備してください。特に相続・信託・資産運用分野の実務経験があれば積極的にアピールしてください。
3. コンプライアンス・法令遵守の姿勢を示す
銀行業の性質上、選考ではコンプライアンスへの態度・倫理観を重視する質問が必ず含まれます。「ルールを守るのは当然」という姿勢にとどまらず、「顧客にとって本当に良いことを考えて行動する」というフィデューシャリー(受託者責任)的な考え方を具体的なエピソードで示せると評価が上がります。
4. DXへの関心と実務経験をアピールする
りそなグループはDXを重要経営課題として位置付けています。IT・デジタル・データ活用の経験があれば積極的に語りましょう。「今の業務をどうデジタル化できるか」という視点で具体的なアイデアや過去の取り組みを語ることで、前向きな変革マインドを印象付けることができます。
5. 「なぜりそなか」の解像度を高める
「大手銀行だから」「安定しているから」ではなく、「信託機能を活かしたリテール金融のビジネスモデル」「DX先進企業としての取り組み」「2003年以降の組織変革カルチャー」など、りそなグループ固有の要素に言及した志望理由を準備してください。他行にも通じる志望動機はマイナス評価につながります。
6. 面接での長期キャリアビジョンを整理する
「5〜10年でどのようなキャリアを歩みたいか」「りそなグループで達成したいことは何か」について具体的なビジョンを持って面接に臨んでください。リテール金融のプロとして成長したい意欲、相続・信託分野への挑戦意欲、DX推進への貢献意欲など、りそなグループで実現できるキャリアストーリーを語ることが重要です。
株式会社りそなホールディングスへの転職で評価されやすい経験
- 地方銀行・信用金庫・信託銀行での個人向け融資・資産運用・相続業務の実務経験
- 保険会社での個人顧客向け保険提案・ライフプランコンサルティングの実績
- 証券会社での投資信託・株式・債券の個人向け販売・ポートフォリオ提案経験
- 住宅ローン・不動産関連の金融商品販売・審査業務の経験
- 財務・経理の専門知識を持ち、SME(中小企業)支援に携わった経験
- フィンテック・IT企業での金融システム開発・運用経験
- AI・データサイエンス・データエンジニアリングのスキルと金融業への応用実績
- プロジェクトマネジメント経験(特にDX・システム刷新プロジェクト)
- 社内業務改善・デジタル化推進・ペーパーレス化の主導経験
- FP(ファイナンシャルプランナー)1〜2級・証券外務員・宅地建物取引士などの資格保有
- 法律・税務(司法書士・税理士)の知識を活かした相続・事業承継支援経験
- コンプライアンス・内部監査・リスク管理の専門業務経験
- 英語・中国語など語学スキルを活かした外国人顧客・多文化対応の実績
特に評価されやすいのは、地方銀行・証券・保険で個人向けコンサルティング実績を積み上げ、相続・資産運用・住宅ローンのいずれかに強みを持ち、さらにデジタル活用や業務改善への前向きな姿勢を持つ人材です。
まとめ
りそなグループは「リテール特化の大手銀行」という国内でも希少なポジションを確立しており、個人・中小企業向け金融サービスを極めたいキャリアパーソンにとって理想的な環境の一つです。信託機能・DX推進・相続コンサルティングといった固有の強みは、他の大手銀行では得られないユニークな専門性を培う機会を提供してくれます。
年収水準はメガバンクには届かないものの、地方銀行を大きく上回り、ワークライフバランスも銀行業界の中では良好な水準にあります。転職難易度はBランクと決して低くはありませんが、リテール金融・保険・証券の経験者であれば十分に挑戦できる現実的な目標です。
採用選考においては「企業理解の深さ」「顧客対応実績の具体性」「コンプライアンス意識」が合否を分けるポイントになります。OB・OG訪問や公式の説明会への参加を通じて、りそなグループならではのカルチャー・業務の実態を事前に把握してから選考に挑むことを強くお勧めします。
転職を考えている方にとって、りそなグループは「大手銀行でキャリアを積みながら、適度なワークライフバランスも実現したい」というニーズに応える、数少ない選択肢の一つです。業界研究・企業研究を十分に重ねた上で、自信を持って挑戦してください。
