「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」の名前を聞いたことがある人は多いだろう。これらの大衆居酒屋チェーンを全国で展開するのが、株式会社大庄だ。創業以来、手づくりの和食料理とリーズナブルな価格で幅広い世代に親しまれ、外食チェーンとして確固たる地位を築いてきた。

飲食業界は人手不足や労働環境の問題が語られることも多いが、大庄は「ハイ!よろこんで」の合言葉とともに、接客の質と従業員の定着率を重視してきた企業だ。平均勤続年数が長く、40代・50代で現役の社員も多数在籍しているのは飲食業界では珍しいことだ。飲食業界でキャリアを積みたい人にとって、安定性と規模感を兼ね備えた選択肢として注目される。

本記事では転職エージェントの視点から、株式会社大庄の事業内容・強み・年収・働き方・転職難易度まで徹底的に解説する。飲食業界への転職や大庄への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。

大庄は外食の中でも「大衆居酒屋・割烹」という特定の業態に強みを持つ企業であり、宴会・接待・日常の飲食という複数のシーンに対応できる幅広さが特徴だ。単一の専門業態に特化するのではなく、複数のブランドを持つことで顧客の多様なニーズを取り込んでいる。こうした多業態展開の中で、社員はさまざまな現場環境でのオペレーション経験を積める機会がある。

飲食業界でのキャリアを考えたとき、「大手チェーンだから安心」という印象を持ちやすい一方、「居酒屋だから激務なのでは」という不安を持つ方も多い。大庄は長年の実績を積んだ上場企業として、一定の制度整備と社員への投資を続けている。過度な不安を持つ前に、まず客観的な情報として本記事を一読してほしい。

なお大庄に転職を検討する際は、IR情報(株式会社大庄のウェブサイトで公開)にも目を通しておくことをお勧めする。上場企業として四半期ごとに業績開示が行われており、売上トレンドや経営方針を事前に把握することで、面接での企業理解の深さを示せるほか、自身のキャリア判断の材料にもなる。

企業概要

項目内容
正式社名株式会社大庄
設立1971年11月
代表者代表取締役社長 平 了壽
本社東京都大田区大森北1丁目22番1号
資本金1億円
従業員数連結約1,600名程度(非正規含むグループ全体は規模が大きい)
上場区分スタンダード市場(証券コード9979)
売上高約520億円程度(2025年8月期予想ベース)
平均年収約460〜490万円程度
平均年齢47歳台
勤続年数平均15年超
事業内容大衆居酒屋・割烹チェーン(庄や・日本海庄や・やるき茶屋等)の運営

株式会社大庄は1971年の設立以来、半世紀以上にわたって外食産業に携わってきた老舗飲食チェーンだ。東京・大田区に本社を構え、全国に「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」などの大衆居酒屋・割烹業態を展開している。コロナ禍の影響から業績を立て直し、現在も首都圏を中心に全国の主要都市で店舗運営を継続している。

業績面では、2025年8月期において売上高が520億円前後で推移しており、飲食業界の中でも一定規模の売上を維持している。外食産業における食材コストの上昇や人手不足という逆風の中でも、長年培ってきたオペレーション力と仕入れの効率化によって安定した事業基盤を維持しようとしている点が特徴だ。

なお、創業から50年以上を経た老舗チェーンとして、かつては居酒屋ブームの波にも乗り全国規模の展開を行ってきた歴史がある。コロナ禍での外食産業の打撃を受けながらも、主要業態の立て直しと店舗の選択集中によって経営体制を維持している。上場企業として四半期ごとに業績開示が行われており、転職希望者は入社前にIR情報を確認できる透明性がある点も安心材料の一つだ。

主な事業内容

株式会社大庄は飲食チェーンの運営を主軸に、複数の業態を展開している。基本的にはグループ内での各業態の多様化によって、異なる客層やシーンのニーズに応える戦略を取っている。

直営店を中心にフランチャイズ・ボランタリーチェーン(FC・VC)も組み合わせながら、全国各地に店舗網を広げてきた。以下に主な業態を紹介する。

大衆割烹「庄や」

大庄グループの看板業態である「庄や」は、手づくりの和食料理を中心に展開する大衆居酒屋・割烹だ。リーズナブルな価格でボリュームのある料理を提供し、ビジネスパーソンの宴会・接待から日常の飲み会まで幅広い用途で利用されている。「ハイ!よろこんで」の合言葉に代表されるように、接客の元気よさと活気のある雰囲気が特徴で、サラリーマンを中心とした固定客を多く持つ。首都圏および全国の主要駅周辺を中心に出店しており、チェーン全体の売上の中核を担う業態だ。

「日本海庄や」

「日本海庄や」は庄やの姉妹業態であり、主に日本海や北陸の新鮮な魚介類を使った料理を提供する。庄やよりも魚介メニューの豊富さが特徴で、鮮魚の品質にこだわったラインナップが差別化ポイントだ。「本格的な海鮮料理をリーズナブルに」というコンセプトのもと、庄やとは異なる顧客層を取り込むことで、グループ全体の収益の裾野を広げている。

「やるき茶屋」

「やるき茶屋」は大庄グループが展開する大衆居酒屋チェーンのひとつで、大衆的な和食と豊富なドリンクメニューを組み合わせた業態だ。気軽に立ち寄れる雰囲気と手頃な価格が特徴で、サラリーマンや近隣住民が日常的に利用しやすい店舗設計が特徴とされている。庄やとは異なるブランドコンセプトで、店舗の立地や顧客層に応じて両業態を使い分けている。

その他業態・M&Aによる多様化

大庄は積極的なM&Aを通じて業態の多様化にも取り組んできた。飲食業界全体のトレンドに合わせた新業態の開発や、既存店の業態変更による収益改善も続けている。既存店においては、創作料理メニューの拡充や内装リニューアルなどの投資も継続しており、時代に合わせた店舗づくりを進めている。食材のトレーサビリティや衛生管理の水準向上など、時代のニーズに対応したオペレーションの進化にも継続的に取り組んでおり、現場での実務を通じて最新の外食オペレーションを学べる環境が整っている。

株式会社大庄の強み

強み1. 半世紀以上の歴史と全国ブランド力

株式会社大庄は1971年の設立以来、「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」というブランドを通じて全国の消費者に親しまれてきた。50年超の歴史は、飲食チェーンとしての信頼性とブランド認知度の高さを示している。特に「庄や」は、ビジネスパーソンの宴会や慰労会の場として長年定番の選択肢として認知されており、一定の固定客を確保している。転職者にとっては、認知度の高いブランドの一員として働けるという安心感がある。

強み2. 長期雇用・定着率の高さ(飲食業界では異例)

飲食業界は一般的に離職率が高い業界として知られているが、大庄では平均勤続年数が15年超、平均年齢が47歳台という数字が示すように、長期にわたって勤続する社員が多い。40代・50代の社員が現役で活躍しており、定年後も嘱託社員として65歳まで勤務する人が多いという。飲食業界に転職を考える際、長く働き続けられる環境かどうかは重要な判断基準のひとつだ。この点において大庄は業界内でも際立った特徴を持っている。

強み3. 東証スタンダード上場による経営の透明性・安定性

大庄は東証スタンダード市場に上場しており、財務情報や経営情報が定期的に開示されている。上場企業であることは、経営の透明性と一定の財務健全性を担保するものであり、転職者にとって「ブラック企業リスクを回避したい」という不安を和らげる要素にもなる。飲食業界にはオーナー企業が多い中で、上場企業という立場は福利厚生や就業規則の整備面でも一定の水準を期待できる。

強み4. 業態の多様性とM&A戦略による成長

大庄グループは「庄や」単一業態への依存を避け、「日本海庄や」「やるき茶屋」などの複数業態を展開することで収益の分散化を図っている。また、積極的なM&Aによって業態の幅を広げてきた実績がある。これは飲食チェーンとしての事業継続性を高める戦略であり、転職者にとっては「異なる業態での経験を積める可能性」や「事業拡大局面でのポジション創出」という観点からも評価できる点だ。

強み5. 飲食オペレーションの効率化・ノウハウの蓄積

50年以上にわたる飲食チェーン運営の中で、大庄は仕入れ・製造・接客・管理に至るまでのオペレーションノウハウを蓄積してきた。特に大量仕入れによるコスト管理と、標準化されたレシピ・接客マナーの徹底は、大手飲食チェーンとしての競争優位のひとつだ。このオペレーション力は、入社後に現場でマネジメントを担う社員にとって、外食産業での確かな実務スキルを習得できる環境として機能している。

大庄で培われる飲食現場のオペレーション経験は、個人の市場価値という観点でも意義がある。大手チェーンでの店長経験・原価管理経験は、飲食業界内の転職においても「即戦力人材」として評価されやすいキャリアの核心となる。長く勤めるほど積み上がるノウハウは、外食産業全体で通用する財産だ。

株式会社大庄の年収事情

飲食業界の年収は一般的に低めに語られることが多いが、大庄の場合は上場企業としての給与水準の整備と長期雇用の積み重ねにより、業界内では比較的安定した年収水準にある。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
ホールスタッフ(正社員)280〜350万円程度
キッチンスタッフ(正社員)280〜370万円程度
店長・店長候補400〜550万円程度
エリアマネージャー500〜650万円程度
本部スタッフ(管理・営業)350〜500万円程度
部長クラス600〜800万円程度

※上記はあくまで参考値であり、勤続年数・実績・勤務地によって異なる。

給与制度の特徴

大庄の給与制度は、基本給に加えて役職手当・深夜手当・賞与が組み合わさる形が一般的だ。飲食業の性質上、夜間帯の勤務が多いため深夜手当が収入の一部を構成することもある。賞与は業績連動の要素があるものの、長期在籍者ほど安定した水準が期待できる傾向がある。なお、平均年収は460〜490万円程度とされており、飲食業界の中では一定の水準といえる。

年収を見る際の注意点

  • 入社初期のスタッフ職では年収が低めになる傾向があり、店長昇格後に大きく上昇するケースが多い
  • 深夜手当や残業手当によって実質的な手取りが変わるため、基本給だけで比較しないことが重要
  • エリアマネージャーや本部職に至るには相応の現場経験が必要であり、昇進スピードは個人の実力と店舗の状況に依存する
  • 飲食業界では別途食事補助や社員割引などの現物給与が実生活のコスト削減に貢献することもある
  • 勤続年数が長いほど年収水準が上がる傾向にあるため、長期在籍者の平均年収は参考にする場合注意が必要

株式会社大庄の働き方・福利厚生

飲食業界で働く上での懸念点として挙げられることの多い残業・休日の問題について、大庄の状況を整理する。

勤務時間・残業 飲食チェーン勤務のため店舗運営時間に合わせたシフト制が基本だ。正社員の場合、月間の残業時間は20時間以内を目標としている旨が採用情報にも示されている。ただし店舗状況や繁忙期によって変動があるため、一律に低残業とは言い切れない点も念頭に置いておきたい。

休日・有給 年間休日は123日程度が目安とされており、飲食業界の中ではしっかりした休暇制度といえる。また、飲食業にもかかわらず毎年8連休(もしくは4連休を2回)を取得できる制度が整備されているのは特筆に値する。シフト制のため土日の休みが固定されないこともあるが、希望休の取得しやすさについては現場によって異なる。

主な福利厚生(10項目以上)

  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 退職金制度
  • 社員食事割引・社員価格での店舗利用
  • 制服貸与
  • 定期健康診断
  • 慶弔見舞金
  • 嘱託社員制度(定年後65歳まで継続勤務が可能)
  • 育児・介護休業制度
  • 各種研修・OJT制度
  • 店舗外勤務(本部異動)への道筋

働き方の注意点 飲食業の性質上、週末・祝日・年末年始の繁忙期は出勤が求められることが多い。また、店長以上になると店舗全体の管理責任を担うため、部下育成や売上管理など業務の幅が広がる一方で負担も増す。勤務地については配属店舗によって異なり、転居を伴う異動が発生する場合もある。転職の際は勤務地の希望を採用担当者に正直に伝え、入社後のギャップを事前に防ぐことが大切だ。特に首都圏への集中希望や、地方への転居不可という制約がある場合は、早い段階で確認しておく必要がある。

株式会社大庄の社風・カルチャー

一言で表すなら「活気・継続・チームワーク」

「ハイ!よろこんで」の合言葉が体現するように、大庄の職場文化は明るい接客と元気のよさを重視する体育会系的な側面がある。同時に、長期在籍者が多い企業文化からは、古参社員のノウハウが脈々と引き継がれるファミリー的な雰囲気も感じられる。

大庄は単純な大企業的な縦割り組織ではなく、現場主体のオペレーションが中心のため、店舗内では店長を中心としたチームワークが非常に重要だ。パートやアルバイトを含む多様なスタッフをまとめながら、売上目標の達成と接客品質の維持を両立させていく力が求められる。

評価される人物像

大庄で評価される人物像は、まず「現場を愛せる人」だ。飲食の仕事は華やかさよりも地道な積み重ねが多く、毎日の清掃・仕込み・接客・締め作業を丁寧にこなす継続力が基盤となる。また、スタッフへの声かけやモチベーション管理が自然にできるリーダー資質も評価に直結する。数字意識(原価率管理・売上目標管理)と現場力を両立できる人材が特に昇格しやすい環境だ。

また、「お客さまに喜んでもらうことに徹底的にこだわれる人」という姿勢も、大庄では高く評価される要素だ。居酒屋は食事だけでなく「場の雰囲気・空気感・スタッフとの会話」も含めた総体的な体験を提供する業態であり、細部まで気を配れる人が長く活躍できる職場だ。「また来たい」と思わせる接客ができる人材は、店舗の売上に直結する実績として評価される。

表面的なイメージと実態の差

「居酒屋チェーン=激務・低賃金」という先入観を持って大庄を見ると、実際の平均勤続年数15年超という事実に驚く転職者も多い。一方で、接客業・深夜勤務・繁忙期の体力的負担は実態として存在しており、体力面での適性は重要だ。「老舗の安定感」を求めて入社する方の中には、変化や新規施策が思ったより動きにくいという印象を持つケースもある。飲食業の「現場第一主義」の文化に対して前向きに向き合えるかどうかが、入社後の満足度を左右する。

株式会社大庄の転職難易度

難易度:普通〜やや易しい(業界経験者なら比較的入りやすい)

大庄は業界未経験・ブランク不問で採用を行っており、接客・販売経験があれば応募の間口は広い。飲食業界の大手チェーンの中では採用枠が継続的に存在するため、転職難易度は他の大手より相対的に低めとみてよい。一方で、本部系職種や管理職のポジションは社内昇格が優先されるため、外部からの中途採用でのポジション確保は容易ではない。

選考プロセスは書類審査→面接(1〜2回程度)という比較的シンプルな構成であることが多い。面接では「なぜ飲食業か」「なぜ大庄か」「これまでの現場での実績」という定番の質問に対して、具体的なエピソードを用意することが最も重要だ。学歴・資格よりも現場経験と熱意が問われる採用スタイルのため、準備を丁寧に行えばチャンスは大きい。

理由1. 現場ポジションの採用間口が広い

飲食チェーンとして安定的な採用活動を行っており、ホールスタッフ・キッチンスタッフ・店長候補などのポジションは定期的に採用が発生する。特に飲食業界での現場経験者であれば、スムーズに選考が進むケースが多い。接客業や小売業の経験者も歓迎されることがある。

理由2. 本部・マネジメント職は社内登用が中心

エリアマネージャーや本部機能(人事・経理・マーケティング等)の中途採用は限定的であり、多くの場合は現場での実績を積んだ社内人材が登用される。本部職を目指すのであれば、まず現場から入社してキャリアを積む前提での転職計画を立てる必要がある。

理由3. 選考は実務力・現場適性を重視

面接では過去の飲食・接客経験の具体的なエピソードが重視される傾向があり、「どんな店舗環境でどのような工夫をして結果を出したか」を具体的に語れる準備が重要だ。学歴よりも実務適性と熱意が重視される選考スタイルのため、しっかりした準備があれば比較的通過しやすい。

株式会社大庄に向いている人

1. 飲食業界での長期キャリアを築きたい人

一つの企業で腰を据えてキャリアを積みたい人にとって、平均勤続年数15年超という大庄の実績は魅力的だ。店舗スタッフから店長、エリアマネージャーへと段階的に成長できる環境が整っている。飲食の世界でプロフェッショナルとして確立したい人に向いている。

2. 体力・元気に自信があり接客が好きな人

居酒屋・割烹という業態は、夜間帯・繁忙期の体力勝負の側面が強い。食事提供から接客・片付けまで身体を動かすことが多く、元気に働ける方が活躍しやすい。「お客さまに喜ばれることが好き」という接客志向の強い人は職場環境とマッチしやすい。

3. 安定した大手チェーンで働きたい人

小規模の個人飲食店には敬遠感があり、組織的なサポート・研修・制度が整った環境を求めている人には大庄のような大手チェーンが向いている。東証スタンダード上場という透明性と、長年の経営実績に基づく安定感は大きな魅力だ。

4. チームをまとめるリーダーシップを発揮したい人

店長・エリアマネージャーのポジションでは、パートやアルバイトを含むチーム全体を動かすマネジメント力が問われる。「自分がチームを引っ張りたい」「人の成長を支援したい」という人にとって、現場リーダーとしての経験を積める環境が整っている。

5. 食・料理に情熱を持つ人

大庄は「手づくりの和食料理」にこだわりを持つ企業だ。料理の品質向上やメニュー開発に関わりたいというモチベーションを持つ人は、現場での経験を通じてその方向にキャリアを展開できる可能性がある。食が好きという根本的な動機は、長期在籍の原動力にもなりえる。

株式会社大庄に向いていない人

批判ではなくミスマッチ防止のために整理する。以下のタイプの方には入社後のギャップが生じやすいため、事前に確認してほしい。

  • タイプ1:夜間・週末勤務が難しい人: 飲食業の性質上、夕方から夜間・週末に稼働する時間が多い。家族の都合や生活リズムから土日固定休・日中勤務を希望する人には向いていない
  • タイプ2:デスクワーク中心のキャリアを志向する人: 大庄の主力は現場オペレーションであり、本部勤務に至るには長期の現場経験が必要。最初からオフィスワーク中心を望む場合は別の環境が適している
  • タイプ3:早期にマネジメント職や高年収を希望する人: 昇格は現場での実績と時間の積み重ねが基本であり、入社数年で大きな役職や年収ジャンプを期待すると現実とのギャップが生じやすい
  • タイプ4:体力的な負担を避けたい人: 立ち仕事・重い荷物の搬入・繁忙期の連続勤務など、飲食現場特有の身体的負担がある。体力面での不安がある場合は慎重に検討したい
  • タイプ5:スタートアップ的な環境・裁量を求める人: 歴史のある大手チェーンとして、既存のオペレーション・ルールが確立されており、個人の自由裁量で新しいことを試みる機会は限られる。変化志向・起業志向の強い人には窮屈に感じる可能性がある

株式会社大庄の選考対策

1. 飲食・接客経験を具体的に棚卸しする

大庄の選考では、過去の飲食業・接客業での具体的なエピソードが最も重視される。「何人のチームをどのように動かして、どんな成果を出したか」「繁忙期にどのような工夫をしたか」といった具体性のある話が評価される。過去の職歴から実績を掘り起こし、数値で語れる準備をしておくとよい。

2. 大庄の業態・ブランドへの理解を深める

「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」それぞれの業態の違いや、大庄グループの歴史・コンセプトを事前に調べておくことは必須だ。できれば実際に店舗を訪れて食事をし、接客の雰囲気・店舗の空気感を体感しておくと面接でのリアリティが増す。「なぜ他の飲食チェーンではなく大庄なのか」という問いに対して、体験に基づく答えを用意しておきたい。

3. 長期的なキャリアビジョンを明確に伝える

長期雇用を重視する文化の大庄では、「腰を据えて取り組む覚悟があるか」が選考で問われる。「5年後・10年後にどのようなポジションを目指したいか」「店長・エリアマネージャーを経てどのようなキャリアを描くか」というビジョンをしっかり伝えられるように準備してほしい。単に「安定した職場が欲しい」という動機だけでは響きにくい。大庄の現場で「自分はこう貢献したい・こう成長したい」という具体的なビジョンと、長期在籍への意思を組み合わせて語れる準備をしてほしい。

4. 体力・体調管理への意識をアピールする

飲食現場は体力が資本だ。健康管理への意識や体力に関する具体的なエピソード(スポーツ経験・体力を維持するための取り組み等)を自己PRに盛り込むと、現場での活躍イメージを面接官に持ってもらいやすい。採用担当者は「この人は繁忙期のピーク業務に耐えられるか」という視点で候補者を見ている。元気よく明るく面接に臨むだけでも、体力・エネルギーを印象付ける効果がある。

5. リーダーシップ・コミュニケーション力を示す

チームをまとめてきた経験は大庄の採用で高く評価される。後輩指導・部下育成・パートスタッフとのコミュニケーションに関する具体的なエピソードを複数用意しておくとよい。リーダーシップといっても、チームの士気を高めたり、困ったスタッフをフォローした経験など「現場型のリーダー経験」が特に響く。飲食店ではパート・アルバイトの定着が重要課題であり、離職率低下に貢献したエピソードや、スタッフのモチベーションを引き出すために工夫したエピソードは特に刺さりやすい。

6. 志望動機を「なぜ飲食業か」と「なぜ大庄か」の2層で構成する

飲食業界全体への志望理由と、その中でも大庄を選ぶ理由を明確に区別して整理する必要がある。「食が好き・人と接することが好き」という動機だけでは薄い。「大庄のブランド・カルチャー・規模感に共感した理由」と「自分のスキルがどう活かせるか」を組み合わせた志望動機を準備することが合格への近道だ。また、上場企業としての安定感・長期雇用実績に魅力を感じたという志望理由は現実的で採用担当者に刺さりやすい。「長く働きたいから大庄を選んだ」という動機は、大庄の社風とマッチする誠実な理由として受け入れられやすいことを覚えておいてほしい。

株式会社大庄への転職で評価されやすい経験

  • 飲食チェーンでの店舗スタッフ・店長経験(業態・規模は問わない)
  • 居酒屋・割烹・和食系レストランでの調理・ホールの実務経験
  • パート・アルバイトを含むスタッフのシフト管理・育成経験
  • 売上管理・原価率管理・在庫管理などの数字を意識した現場運営経験
  • 複数店舗を管理するエリアマネージャー的な業務経験
  • 接客・販売業(飲食以外でも小売・ホテル等)での顧客対応経験
  • 食品・飲料業界でのルート営業・バイヤー経験
  • 衛生管理・食品安全に関する資格・知識(食品衛生責任者等)
  • 採用・教育研修に関わった経験(本部スタッフポジション志望の場合)
  • フランチャイズ加盟店での勤務経験(FC展開の理解につながる)
  • 繁忙期・年末年始など高稼働環境での業務継続経験
  • チームの雰囲気改善や離職率低下に貢献したエピソード
  • 外国語対応・インバウンド接客の経験(訪日客対応が求められる店舗向け)

特に評価されやすいのは、飲食チェーンでの店長以上の経験を持ち、原価管理・スタッフ育成・売上目標達成の三拍子を実績として語れる人材だ。

まとめ

株式会社大庄は「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」を中心に全国で展開する老舗外食チェーンであり、半世紀以上の歴史と東証スタンダード上場企業としての安定感を持つ。飲食業界の中でも平均勤続年数15年超という定着率の高さは、企業文化と働き方の両面で一定の評価ができる根拠となる。

転職の観点からは、現場系の採用間口は広く、飲食・接客経験者であれば比較的入りやすい企業だ。店長候補や現場マネージャーを目指す方のエントリーポジションとしては魅力的だ。一方で、本部系・マネジメント上位職は社内昇格が中心のため、外部からの中途採用による即座の高ポジション着任は難しい側面もある。

平均年収は460〜490万円程度と飲食業界の中では比較的安定しており、退職金・嘱託制度など長期就業を支える制度も整っている。繁忙期の体力的負担や夜間シフトという飲食業の特性は覚悟の上で、「この企業で長く働く」という意思を持って入社できる方に向いている職場だといえる。

キャリアエージェントの視点で言えば、大庄は「現場でしっかりマネジメント力を磨きたい人」「飲食業界の大手で定年まで腰を据えたい人」「チームリーダーとして活躍の場を広げたい人」に一押しできる企業の一つだ。大手チェーンの実績と安定の土台を借りながら、自分自身の現場人材としての価値を積み上げていきたい方には、ぜひ選択肢の上位に入れてほしい企業だ。

大庄への転職を検討する方には、まず実際に「庄や」「日本海庄や」などの店舗を訪れて食事をしてみることをお勧めする。お客として体験した接客・料理・雰囲気が、自分の「ここで働きたい」という気持ちを高めるかどうか—それが転職の最初の判断基準になるはずだ。

転職は情報収集と自己分析、そして現場体験の三つが揃ったとき、最も良い判断ができる。大庄という企業を十分に知った上で「ここで働きたい」と感じた方は、ぜひ前向きに選考へ進んでほしい。