株式会社エル・ティー・エス(LTS)は、2002年の創業から20年以上にわたって企業の業務プロセス改善・デジタル変革を支援してきたコンサルティングファームだ。大手コンサルティングファームが「提言して終わり」になりがちなのに対し、LTSは構想フェーズから実装・定着化まで関与するスタンスが際立っている。
プライム市場上場企業として財務情報の透明性も高く、コンサルティング業界の中では「中堅実行支援型」として独自のポジションを確立している。転職検討者にとっては、「フルタイムの大手コンサルほどのブランドは要らないが、DXの現場で手を動かせる環境が欲しい」というニーズに応える選択肢となり得る。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社エル・ティー・エス |
| 設立 | 2002年3月 |
| 代表取締役社長 | 樺島 弘明 |
| 本社 | 東京都港区元赤坂1丁目3-13 関電不動産赤坂ビル |
| 資本金 | 約8億3,993万円(2025年12月末時点) |
| 従業員数 | 1,059名(2025年12月末時点) |
| 上場区分 | プライム市場(証券コード(6560)) |
| 売上高 | 約171億円(2025年12月期) |
| 平均年収 | 約671万円(2025年12月末時点) |
| 平均年齢 | 34.8歳 |
| 平均勤続年数 | 4.92年 |
| 事業内容 | DXコンサルティング、業務プロセス改善支援、ITプラットフォーム事業 |
LTSは「21世紀を代表するプロフェッショナルサービス会社」を目指す経営理念を掲げ、大手事業会社・官公庁を中心にDX・業務変革支援を提供している。グループ全体でコンサルティング機能とIT実装機能を組み合わせた体制を整えており、上場後もM&Aを活用しながら事業領域を拡大してきた。
業界分類はサービス業だが、実態はITコンサルティングに近い。競合としては大手SIerのコンサル部門やアクセンチュア系の中堅ファームが挙げられる。
主な事業内容
LTSの事業はコンサルティング事業とプラットフォーム事業の2本柱で構成されている。主軸はコンサルティング事業で、売上の大半を占める。
コンサルティング事業
大手事業会社を中心に、業務プロセスの可視化・改善・標準化から、デジタル変革(DX)の構想策定・実行支援まで幅広く手がける。特に「業務とITの両面からアプローチできる」点が他社との違いだ。製造・金融・通信・流通など幅広い業種に実績を持ち、BPR(業務プロセス再構築)やRPA導入、AI活用支援なども守備範囲に含まれる。
大手コンサルティングファームとの差別化ポイントは「実行支援まで関与すること」にある。戦略立案にとどまらず、現場への導入・定着化フェーズまでコンサルタントが関与するため、クライアントからの継続受注率が高い傾向にある。
プラットフォーム事業(アサインナビ・コンサルタントジョブ)
IT人材とプロジェクトをマッチングするプラットフォーム「アサインナビ」を運営している。大手コンサルティングファームやSIerが案件とIT人材をマッチングするBtoBプラットフォームで、登録者は3,000名超とされる。フリーランスのITコンサルタント向けには「コンサルタントジョブ」という案件紹介サービスも展開している。
プラットフォーム事業はストック型の収益源として機能しており、コンサルティング事業とのシナジー(人材確保・案件拡張)も生み出している。
グループ会社を通じたサービス拡張
グループ内にはソフトウェア開発を担う「エル・ティー・エス ソフトウェアテクノロジー」なども存在し、IT実装フェーズも内製できる体制を整えている。コンサルティングから開発・実装・定着化まで一連の流れをグループ内で完結できる点が、競合SIer系コンサルとの差別化につながっている。
エル・ティー・エスの強み
強み1. 構想から実行まで一気通貫で支援できる
戦略コンサルと違い、「提案書を作って終わり」ではなく、業務プロセスの設計・ツール選定・導入・定着化フェーズまでコンサルタントが深く関与する。これにより、クライアント企業は「提言は受けたが実行できなかった」という典型的な失敗を回避しやすくなる。転職者にとっては「机上の空論で終わらない仕事」ができる環境という意味を持つ。
強み2. 業務プロセス×ITの両方に精通した人材育成
業務改善(BPR)とIT実装の両面を理解したコンサルタントを育成する体制がある。この「業務系とIT系の橋渡し」ができる人材は市場価値が高く、LTSでのキャリアがその後の転職市場でも通用しやすい。コンサル業界から事業会社の経営企画・IT企画へのキャリアチェンジを考える人にとって有益な経験が積める。
強み3. プライム上場企業としての安定性と成長性の両立
2022年にプライム市場へ移行したことで財務の透明性・ガバナンスが高まっており、中小コンサルに比べると安定性は高い。同時に売上高約171億円規模と、まだ拡張余地がある成長フェーズにあるため、若手でも事業の成長を肌で感じながら仕事ができる。
強み4. 平均年齢34.8歳という若い組織
社員の平均年齢が34.8歳と低く、30代前半で裁量を持って仕事に取り組める文化がある。大手SIerやメガコンサルに比べると意思決定が速く、提案から実行まで自分でドライブしやすい環境だ。転職者にとっては「年功序列よりも成果でポジションを上げたい」ニーズに合いやすい。
強み5. 副業・フレキシブルな働き方が許容されている
本業に支障がない範囲での副業が認められており、客先常駐でない案件ではリモートワークと出社を自由に組み合わせられる。コンサル業界の中では働き方の柔軟性が高い部類に入り、ライフスタイルの変化に対応しやすい。
強み6. アサインナビを通じた人材ネットワーク・情報収集力
プラットフォーム事業を通じてIT業界の人材・案件情報が集まる仕組みがある。これはコンサルティング事業の案件開拓・人材確保にも好影響を与えており、純粋なコンサルファームとは異なる情報資産が競争優位につながっている。
エル・ティー・エスの年収事情
LTSの平均年収は約671万円(2025年12月末時点、平均年齢34.8歳)。コンサルティング業界の中では大手外資系ファームより低いが、国内中堅コンサルの中では競争力のある水準だ。成果主義的な評価が一定程度機能しており、若手でも実績次第で早期昇給が可能とされる。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| アナリスト(入社1〜2年) | 400〜500万円程度 |
| コンサルタント | 500〜650万円程度 |
| シニアコンサルタント | 650〜800万円程度 |
| マネージャー | 800〜1,000万円程度 |
| シニアマネージャー | 950〜1,200万円程度 |
| ディレクター以上 | 1,200万円〜(推計) |
給与制度の特徴
月次給与は固定給に加え、コンサルタント職では残業代(30時間見込み)が含まれ、30時間超過分は追加支給される。シニアコンサルタント以上は管理職扱いとなり、みなし残業制が適用されるケースが多い。賞与は年2回で、業績・個人評価に連動する部分が大きい。
年収を見る際の注意点
- ポジション・グレードによって給与レンジの差が大きい。面接時に現在の格付け(グレード)を確認すべき
- シニアコンサルタント以上は管理職扱いのため、残業代が別途出ない点に注意
- 副業が認められているため、本業の収入にプラスアルファを加算できる可能性がある
- 平均勤続年数が約5年と短めであり、定着率の観点から長期的なキャリアプランを事前に確認したい
- 年収アップ目的の転職よりも「DXコンサルとしての経験値を積む」目的の方が転職後の満足度が高い傾向がある
エル・ティー・エスの働き方・福利厚生
勤務時間・休日
完全週休2日制(土日祝休み)で、年間休日は120日以上。有給休暇は調整できれば取得しやすい文化があるとされる。フレックスタイム制を採用しており、コアタイムを除いた時間帯は柔軟に調整できる。
リモートワーク
客先常駐案件を除き、出社・リモートワークは個人の都合に合わせて選択できる。コンサルティングプロジェクトの性質上、クライアント先での作業が発生するケースもあるが、社内業務はリモート対応が進んでいる。
福利厚生
- 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 交通費支給
- 賞与(年2回、業績連動)
- 各種研修制度(入社後基礎研修約2か月・職種別専門研修・Eラーニング・集合研修)
- 月次1on1・人事面談による継続的なキャリア支援
- 希望者へのメンター制度
- 副業許可(本業に支障のない範囲で)
- フレックスタイム制度
- 育児・介護休暇制度
- 退職金制度(詳細は要確認)
- 健康診断・ストレスチェック実施
注意点
残業時間の平均は月25〜30時間程度とされており、プロジェクトの繁忙期や締切前は残業が増えることがある。コンサル業界全体の傾向として、特定フェーズでの集中稼働は避けられない場合もある。
エル・ティー・エスの社風・カルチャー
一言で表すなら「実行重視の中堅コンサルファーム」
メガコンサルのような華やかさや外資系特有のドライさは薄く、「地に足ついた業務改革」を地道に支援する文化がある。クライアントの現場に深く入り込み、「ちゃんと変えた」という実感を大事にする人が多い。若手が裁量を持ちやすい半面、プロフェッショナルとしての自律性も求められる。
評価される人物像
- 業務プロセスへの関心が高く、「なぜこの業務はこうなっているのか」を掘り下げられる人
- IT知識と業務知識を組み合わせて考えられる人
- クライアントの現場で信頼関係を築きながら変革をドライブできる人
- 提案よりも「やり切ること」にこだわりを持つ人
- 自律的にキャリアを設計し、成長機会を自分で掴みに行く人
表面的なイメージと実態の差
「プライム上場のコンサル会社」という印象から大手コンサルと同等のブランド力を期待すると乖離がある。クライアントの規模はtier1の大手事業会社が多いが、プロジェクト単価・ブランド認知は大手外資系コンサルに及ばない。一方で、「実行まで関与できる」「若手でも主体的に動ける」という点は転職者の口コミで高評価を得ている。
エル・ティー・エスの転職難易度
難易度:B級(中難度)
コンサルティング業界全体の中では大手外資系(マッキンゼー・BCG等)より入りやすいが、実務能力・論理的思考・コミュニケーション能力の審査は厳しい。新卒での採用倍率は11.3倍程度とされており、中途採用でも競争は一定程度あると考えた方がよい。
中途採用では「即戦力としての業務改革経験」「ITプロジェクトの推進経験」「クライアントワーク経験」が評価される。未経験からの転職は難しいが、事業会社での業務改善経験やITプロジェクト参画経験があれば門戸は開かれる。
理由1. 業務×ITの両方を語れる人材が少ない
コンサルティング会社であるためロジカルシンキング・コミュニケーション力は必須で、加えて業務プロセスとITシステムの両方を理解している人材が求められる。業務SE・IT企画・業務改善担当などのバックグラウンドは評価されやすい。
理由2. 年間採用人数に一定の枠があり、即戦力要件が高い
年間70名超の採用を目指しているとされるが、プロジェクトニーズに合った即戦力を重視する傾向がある。求人は継続的に出ているが、「何でもできる」より「特定領域で深い経験がある」人材が優先されやすい。
理由3. 選考プロセスで実務能力を問うケースが多い
面接では過去のプロジェクト経験・業務改善への取り組みが詳しく問われる。ケース面接を行う場合もあり、コンサルとしての問題解決アプローチが見られる。準備不足での挑戦は通過率が下がる。
エル・ティー・エスの主な募集職種
LTSでは以下の職種を中心に採用が行われている。DXコンサルティングの中核を担う職種と、プラットフォーム事業を支える職種の両面で採用が進む。
- BPR・業務改善コンサルタント
- ITシステムコンサルタント
- プロジェクトマネージャー(PM)
- PMO
- データアナリスト
- 社内SE
- 経営企画
- マーケティング戦略
- アサインナビ事業担当(プラットフォーム運営・事業企画)
- DXコンサルタント(製造・金融・流通各業種)
エル・ティー・エスに向いている人
タイプ1. 「提案で終わり」に物足りなさを感じている人
大手コンサルやSIerで「報告書を作ったが現場は何も変わらなかった」という経験をした人。LTSは実行支援フェーズまで入る文化があるため、変革の手触り感を求めている人に向いている。
タイプ2. 業務とITの橋渡し役になりたい人
業務部門出身でITプロジェクトに携わってきた人、あるいはSE出身で業務改革に興味を持つ人。LTSはその橋渡し役を専門とする会社であり、自分の経験を最大限活かしやすい環境だ。
タイプ3. 成長フェーズの会社でキャリアを伸ばしたい人
売上約171億円・1,000名規模の成長途上の会社で、ポジションの空きが生まれやすい。若手のうちからマネジメント経験を積みたい人にとって机上の机が早く回ってくるポテンシャルがある。
タイプ4. 副業・複業を組み合わせたい人
副業が認められている環境のため、フリーランスコンサルとのポートフォリオ型キャリアを模索している人にも合いやすい。アサインナビを通じたネットワーク形成にも活用できる。
タイプ5. DXコンサル経験を名刺に刻んでおきたい人
次のキャリア(事業会社の経営企画・IT企画・CTO補佐等)に向けたステップとしてLTSを位置づけるケースも多い。在籍期間は平均5年程度と短めだが、その間に積んだ経験は市場価値向上につながりやすい。
エル・ティー・エスに向いていない人
批判ではなく、入社後のミスマッチを防ぐために記す。
- タイプ:ブランド志向型 — 大手コンサル(MBB・Big4等)のブランド力を求めている場合、LTSは別方向のポジショニングのため期待値のズレが生じやすい
- タイプ:高年収最優先型 — 大手外資コンサルと比較すると年収水準は低い。600〜700万円台から大きく超えるには相当の年数・実績が必要
- タイプ:指示待ち志向型 — 自律的にタスクを進め、クライアントへの提案も自分で考えることが求められる。「言われたことをこなす」スタイルとは相性が悪い
- タイプ:長期安定志向型 — 平均勤続5年程度であることからも、在籍し続ける文化よりも「スキルを積んで次へ」という文化が強い。長く1社に勤めることを重視する人には合わないかもしれない
- タイプ:IT実装一本型 — 業務改革への関心が薄く、コーディングや開発に特化したい人は別のSI・開発会社の方が向いている
エル・ティー・エスの選考対策
対策1. 業務改善・BPR経験を具体的に語れるよう整理する
LTSが最も評価するのは「業務プロセスを変えた経験」だ。過去に携わった業務改善プロジェクトについて、「課題→アプローチ→施策→成果」の流れで語れるように整理しておくこと。定量的な成果(稼働削減率・コスト改善額等)があると説得力が増す。
対策2. コンサルとしての問題解決アプローチを練習する
ケース面接を実施するケースがある。「ある企業の物流コストを下げるには?」等のビジネス課題を構造的に分解し、施策を提案する練習が有効だ。MECE(漏れなくダブりなく)な整理と、仮説思考のアプローチを意識する。
対策3. LTSのサービス・競合を事前に理解する
公式サイト(lt-s.jp)でサービスラインを確認し、「LTSがなぜ他のコンサルと違うのか」を自分の言葉で説明できるようにしておく。競合(アクセンチュア・デロイト・ベリングポイント等)との差をどう見るかを問われる場合もある。
対策4. 業務×ITの両面を語れるエピソードを用意する
LTSのポジショニングは「業務とITの橋渡し」だ。自分がどのように業務部門とIT部門を連携させた経験があるか、あるいはIT知識を使って業務課題を解決した経験があるかを、具体的なエピソードとして準備する。
対策5. 「なぜLTSか」の答えを具体的に作る
「なぜ大手コンサルではなくLTSなのか?」という質問はほぼ確実に来る。「実行まで関与できる環境」「特定業種でのDX実績」「プラットフォーム事業との組み合わせ」など、LTSの固有の特徴と自分のやりたいことを結びつけた回答を準備する。
対策6. 勤続年数・将来像を正直に話せるようにする
平均勤続年数が約5年であるため、「5年後・10年後のキャリアをどう考えているか」は面接で問われやすい。LTSでのキャリアをどう活かして次のステップに進むか、あるいはLTSに腰を据えてマネジャー・ディレクターを目指すのか、自分の考えを整理しておく。
エル・ティー・エスへの転職で評価されやすい経験
- 事業会社での業務プロセス改善・BPR推進経験
- RPA・AI・ERP導入プロジェクトの推進経験(PMまたはPMO)
- コンサルティングファームでのプロジェクト経験(業種問わず)
- IT部門での社内システム導入・刷新プロジェクト経験
- 大手SIerでのシステム設計・導入経験(業務側の理解があること)
- アジャイル・スクラム開発手法の実践経験
- データ分析・BI活用を通じた業務改善経験
- クライアントワーク経験(提案書作成・議事録・ファシリテーション)
- プロジェクトのスコープ管理・リスク管理経験
- 業務フロー図・業務要件定義書の作成経験
- 外部ベンダーやITシステム会社との折衝・調整経験
- 部門横断型プロジェクトのリード経験
- Salesforce・SAP・ServiceNow等の主要パッケージへの知見
特に評価されやすいのは「業務プロセスの上流(要件定義・業務設計)とIT実装の両方に関与した経験を持ち、クライアントや関係者を動かした実績がある人材」だ。
まとめ
株式会社エル・ティー・エス(LTS)は、DXコンサルティング×プラットフォーム事業という二本柱でプライム市場に上場した成長企業だ。大手外資コンサルと比べるとブランド・年収では劣るが、「実行まで関与できる」「若手でも裁量がある」「副業可能」という点で、特定の転職者ニーズに強くフィットする選択肢となっている。
転職を検討する際は、「DX・業務改革のコンサルとして実績を積みたいか」「次のキャリアの踏み台としてLTSの経験を使うか、腰を据えてディレクタークラスを目指すか」というキャリア軸を明確にした上で判断することが重要だ。年収より経験・成長環境を優先できる人にとっては、市場価値を高める場所として機能しやすい。
選考対策においては、過去の業務改善・ITプロジェクト経験を具体的なエピソードに落とし込み、「なぜLTSか」を自分の言葉で語れるかが分かれ目となる。コンサルファームとしての問題解決アプローチのトレーニングもあわせて行うことで、通過率が高まる。
