共同ピーアール株式会社は、1964年創業・PR会社として国内初の株式上場(2005年、旧ジャスダック)を果たした独立系の総合PR会社です。電通・博報堂といった大手広告代理店グループに属さず、純粋なPR専業会社として60年超の歴史を持つ点が最大の特徴です。

本社を東京・銀座に置きながら、大阪・名古屋・福岡などに拠点を持ち、メディアリレーションズを中心にデジタルPR・危機管理広報・インフルエンサーマーケティング・AI活用型PRソリューションまでを一手に担います。

2024年12月期は全セグメントで過去最高を更新し、「AIで勝つPR会社」を標榜して次の100億円規模への構想を打ち出しています。「PR・広報領域で長くキャリアを積みたい」「独立系の専業PR会社でプロフェッショナルを目指したい」と考える方にとって、同社は国内屈指の選択肢です。本記事では人材エージェントの視点から、同社の実態と選考対策を詳しく解説します。

企業概要

項目内容
会社名共同ピーアール株式会社
設立1964年11月14日
代表取締役社長石栗 正崇
本社所在地東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア10F
資本金約5億5,578万円
従業員数230名(グループ連結)
上場区分東証スタンダード市場(証券コード:2436)
事業内容PR事業・インフルエンサーマーケティング事業・AI・ビッグデータソリューション事業
平均年収約483〜585万円(各媒体推計値の中央値)
グループ会社共同ピーアール Ring、VAZ(インフルエンサーマーケティング)、その他

同社はPR専業会社として創業し、現在はグループ内に「共同ピーアール Ring」(SaaS型メディアマッチング事業)、「VAZ」(インフルエンサーマーケティング)を抱える持株会社型の構造を持ちます。転職先として検討する際は、どのグループ会社・どの事業セグメントへの応募なのかを最初に確認することが重要です。

主な事業内容

共同ピーアールの事業は大きく3つのセグメントに分かれています。それぞれに独立した収益モデルを持ちながら、「情報を正しく・効果的に届ける」という共通軸が貫かれています。

1. PR事業(売上の約74%)

グループ売上の中核をなすセグメントです。クライアントは上場企業・行政機関・スタートアップまで多岐にわたり、以下のようなサービスを提供しています。

メディアリレーションズ: テレビ・新聞・ウェブメディア等、報道関係者との関係構築を通じたパブリシティ支援が主力です。60年超で積み上げた記者・編集者とのネットワークは同社最大の無形資産であり、競合との差別化要因です。

記者発表・プレスリリース支援: 新商品・サービス発表、記者会見の企画・運営から、プレスリリースの執筆・配信まで一気通貫で対応します。

危機管理広報: 製品問題・不祥事・自然災害時のコミュニケーション支援。事前のリスクシミュレーションから、有事の対応フロー設計まで行います。

デジタル統合PR: SNS運用コンサルティング・オウンドメディア構築・データ分析を組み合わせた「リアルとデジタルのハイブリッドPR」を提供。「Kyodo PR Connect」ではメディアと企業をオンラインで繋ぐプラットフォームも運営しています。

2. インフルエンサーマーケティング事業

子会社VAZを中心とした事業セグメントです。主にYouTuber・TikTokerなどのデジタルクリエイターのマネジメント・キャスティング・施策設計を担います。2024年12月期は営業利益が前年比約107%増と急成長しており、グループの成長ドライバーとして機能しています。PR発想を活かしたインフルエンサー起用が特徴で、「タレントを使う広告」ではなく「ストーリーで伝える情報設計」が競合との差異です。

3. AI・ビッグデータソリューション事業

スクレイピングサービス「Shtock Data」、メディアモニタリングツール「CERVN」、データ分析プラットフォーム「Dataiku」「Tableau」の導入支援を展開しています。2025年には「AICセンター(AI Consulting Center)」を新設し、「AIで勝つPR会社」を掲げてAI活用型PRコンサルティングの体制整備を本格化。PR業務の自動化と高付加価値化の両面から同事業の成長を加速させています。

共同ピーアール株式会社の強み

強み1. 独立系最大手という稀少なポジション

電通・博報堂グループに属さない「完全独立系」のPR専業会社として、国内最大規模を誇る唯一の存在です。広告代理店系列に縛られないことで、メディア・クライアント双方との中立的な関係を維持できます。これは「あらゆるメディア・あらゆる業種のクライアントと対等に向き合える」という実務上の自由度につながっています。転職者にとっては、「広告代理店ではなくPR専業でキャリアを積みたい」という志向に直接応える環境です。

強み2. 60年超のメディアネットワーク

1964年の創業以来、テレビ・新聞・雑誌・ウェブメディアにわたる取材記者・編集者との人的ネットワークを蓄積してきました。このネットワークは短期間では再現不可能な同社固有の資産であり、特にパブリシティ獲得の質と量において他社との差が出やすい領域です。「メディアを動かす力」を実際の業務の中で学びたい人にとって、これは非常に価値の高い経験環境です。

強み3. 3セグメントの複合成長モデル

PR(人的コンサルティング)・インフルエンサーマーケティング(デジタル)・AI・ビッグデータ(テクノロジー)の3事業が相互に補完し合っています。一つのクライアントに対してトラディショナルなPRとデジタル・AIソリューションを組み合わせて提供できる体制は、単純なPR会社との差別化になっています。転職後のキャリアとしても、PR実務からデジタル・データ領域への横断的な習得が可能です。

強み4. 「AIで勝つ会社」への本格転換

2024年のAICセンター設立を起点に、AI活用型PRコンサルティングを推進しています。AIによるリリース自動作成(「AI-Press」)、メディアモニタリングの高度化、データ分析基盤の整備など、業務効率化と提案品質の向上を同時に追求しています。「PRの仕事を人力でこなすだけでなく、テクノロジーで変えていきたい」という人には環境が整いつつあります。

強み5. 2024年12月期・全セグメント過去最高を達成

2024年12月期決算では全3セグメントで過去最高の売上・利益を更新。特にインフルエンサーマーケティング事業の営業利益が前年比107%増と急拡大しており、財務的な安定感が増しています。東証スタンダード上場・1964年創業という老舗PRの安心感と、成長中のビジネスへの参加という両面を得られる局面です。

共同ピーアール株式会社の年収事情

平均年収については複数の情報源で数値にばらつきがありますが、OpenWork・各転職サイト・年収ラボ等の集計から、目安として以下の水準が参照されています。

職種別・年次別の想定年収レンジ

職種・年次想定年収の目安
新卒入社3〜5年目(PRコンサルタント)350万〜450万円
中堅(入社6〜10年目)450万〜550万円
リーダー・チーム長(課長クラス)550万〜680万円
マネージャー・部長クラス650万〜870万円
営業職(平均)約522万円
全社平均(各媒体推計)約483万〜585万円

※上記は公開求人・口コミ情報・有価証券報告書の記載内容をもとにした目安です。実際の年収はグレード・評価・職種・グループ会社により大きく異なります。

給与制度の特徴

  • 賞与は年2回(夏・冬)支給
  • 評価制度はMBO(目標管理)をベースとした実力主義
  • 中途採用の場合は前職経験・職種・スキルに応じた個別の給与設定

年収を見る際の注意点

  • OpenWork等の口コミには「残業が多く、時給換算すると割高感は薄い」との声があります
  • 「賞与はあまり期待しないほうがいい」という口コミも複数存在します
  • 年収のピークが大手広告代理店と比較すると低めになりやすいという指摘があります
  • 平均残業時間は約50.8時間/月との口コミ情報があり、業務量との見合いで総合判断が必要です
  • 平均年収には新卒・若手の低い年次から管理職まで含まれるため、自分の年次・スキルレベルと照らし合わせることが重要です

共同ピーアール株式会社の働き方・福利厚生

勤務時間・休日

  • 所定労働時間: フレックスタイム制(コアタイムあり)
  • 年間休日: 土日祝日+年末年始
  • 有給休暇: 法定通り付与、消化状況は担当案件による
  • リモートワーク: ハイブリッド勤務を導入(詳細は配属部門・時期により異なる)

福利厚生

  • 各種社会保険完備
  • 財形貯蓄制度
  • 社員旅行(2年に1回実施との口コミあり)
  • 産前産後休暇・育児休業制度(女性が取得しやすい環境との口コミ多数)
  • 健康診断

働き方を見る際の注意点

PRの仕事はクライアントのリリース対応・記者会見・プロジェクト納期が集中する時期があり、案件によって業務負荷の波があります。口コミには「繁忙期は残業が多い」「顧客案件の締め切りが重なると消耗する」といった声も見られます。制度としてのフレックス・リモートは整いつつありますが、「PRの仕事そのものの性質」として、イベントや発表日に合わせた稼働が求められる場面があることは事前に理解しておくべきです。

一方、口コミでは「女性が多く働きやすい」「産休・育休を取りやすい雰囲気がある」「社員の人柄が良い」という評価も多く、職場環境の質は比較的高いといえます。

共同ピーアール株式会社の社風・カルチャー

一言で表すなら「メディアへの敬意と情報設計への誠実さを持つPR専業集団」

同社の社是は「世論を形成する」です。1964年の創業時から受け継がれるこの言葉には、単にクライアントの広報を代行するのではなく、「世の中の認識をどう変えるか」という強い信念が込められています。「カラーシャツ」や「消費者金融」という言葉を日本に根付かせるなど、社会を巻き込んだPRを得意とする歴史が企業文化の根幹にあります。

評価される人物像

  • 情報の価値を見抜き、「なぜこれが今ニュースになるのか」を説明できる人
  • メディア・記者との誠実な関係を長く維持できる人
  • クライアントの課題を自分ごととして捉え、粘り強く取り組める人
  • データや数字を読みながら、PRの効果を客観的に評価できる人
  • チームで協調しながら案件を推進できる人

表面的イメージと実態

PRの仕事は「華やかに見える」一方、実際はかなり地道な作業の積み重ねです。メディアリスト作成・記者への電話・資料修正・進捗報告・発表資料の何度もの見直し、といった業務が日常です。「大きな記者発表の場で注目を集める仕事」というイメージだけで入社すると、日常業務のギャップに戸惑う可能性があります。

口コミでは「組織がやや保守的」「意思決定に時間がかかる場面がある」という声もあります。一方で、「穏やかで誠実な人が多い」「チームワークを大切にする文化」という評価も多く、人間関係のストレスは比較的少ない環境と言えます。

共同ピーアール株式会社の転職難易度

難易度:★★★☆☆(中程度〜やや高め)

理由1. 業界知名度と応募者の多さ

PR専業最大手として認知度が高く、「PRキャリアを積みたい」という転職者から常に注目される企業です。職種の専門性が高いため無差別な応募は少ないですが、コンサルタント職などの主要ポジションには経験者が集まります。

理由2. PR実務経験の有無が大きく影響する

中途採用では、実際のPR業務経験(メディアリレーション・リリース作成・記者会見運営等)の有無が評価の大きなウエイトを占めます。全くの未経験からの転職は難しく、広告代理店・事業会社の広報部・メディア出身者が採用のメインターゲットになる傾向があります。

理由3. 企業理解・PRへの思想的な共感が求められる

「なぜPR専業なのか」「なぜ広告代理店ではなくPR会社なのか」を明確に語れなければ選考は通りません。独立系という立場、メディアとの関係構築を軸にしたアプローチへの深い共感が求められます。

共同ピーアール株式会社に向いている人

1. PR・広報の専門家として長くキャリアを積みたい人

「マーケティングの一部としてPRをやる」ではなく、「PRそのものを本職にしたい」という志向の人に向いています。広告代理店では広告運用やクリエイティブの比重が高くなりがちですが、同社ではPRが中心業務です。専業で深める環境として、国内で最も長い歴史と実績を持ちます。

2. 取材記者・編集者との関係構築に喜びを感じられる人

PRの本質はメディアとの信頼関係です。記者の締め切り事情・関心テーマ・発言のニュアンスを読みながら、適切な情報を届ける仕事です。「人と話すことが好き」「伝わることへの喜びを持てる」という人に強く向いています。

3. 企業・社会の課題を情報で解決したいと考える人

危機管理広報・ブランドリブランディング・スタートアップのパブリシティ獲得など、企業が情報面で抱える課題はさまざまです。広告費を投じた宣伝ではなく、情報の質と文脈で世の中を動かすアプローチに共感できる人に向いています。

4. デジタル・AIを活用したPRの新領域に挑戦したい人

AICセンター新設・「Shtock Data」「CERVN」「AI-Press」など、AIとPRを組み合わせた事業が本格拡大中です。「テクノロジーを使ったPRの未来を作りたい」という人には、業界最前線でその取り組みに関われる環境があります。

5. 女性としてPRの長期キャリアを築きたい人

口コミでは「女性の働きやすさ」の評価が比較的高く(3.6点)、産休・育休の取りやすさも複数の口コミで評価されています。PR業界で女性がライフステージを通じてキャリアを維持しやすい環境として定評があります。

共同ピーアール株式会社に向いていない人

向いていない人を書くことはミスマッチを防ぐためです。悪意はありません。

  • 年収の高さを第一優先にする人: 平均年収は約480〜580万円台であり、デジタルマーケティング系や大手広告代理店と比べると見劣りする部分があります
  • 残業ゼロを求める人: 案件繁忙期・記者会見・イベント前後は残業が発生します。平均残業50時間超との口コミを踏まえると、「完全定時退社」は難しい局面があります
  • 目に見えやすい成果のみを求める人: PRの効果は広告のCVRのように即時可視化しにくい側面があります。「メディア露出○件」「読者のトーン変化」など、間接的な成果指標に慣れる必要があります
  • 華やかさだけを期待する人: 日常業務の大半はリリース作成・メディアリスト整備・折衝・報告書作成です。地道な作業を厭わないタフさが必要です
  • 大企業的な組織安定を求める人: 東証スタンダード上場の独立系中堅企業であり、大手広告代理店グループのような組織規模や研修体制を期待すると差異を感じることがあります

共同ピーアール株式会社の選考対策

1. 「なぜPR専業なのか」を語れるようにする

「広告との違い」「広報との違い」を自分なりに定義し、なぜ共同ピーアールでなければならないのかを言語化してください。「独立系」「60年の歴史」「AIへの取り組み」「3事業セグメントの複合力」など、同社固有の要素に触れた志望動機が必要です。

2. 「なぜ今ニュースになるのか」を考える思考を鍛える

PRの選考では、「この商品・サービスをどうメディアに売り込むか」という観点の質問が出ることがあります。「ニュースバリュー」の考え方、社会トレンドとの掛け合わせ方、対象メディアの選定根拠を説明できるよう準備してください。

3. 実務経験を「課題→戦略→実行→効果」で整理する

過去の広報・PR・営業・マーケティング経験について、クライアントが抱えていた課題・自分が立案したアプローチ・実行のプロセス・得られた成果(メディア露出数・認知変化・売上への貢献等)を定量・定性両面でまとめてください。

4. メディアへの日常的なアンテナを示す

最近、自分が「うまいPR事例だ」と感じたニュースやキャンペーンを具体的に挙げ、「なぜ広がったか」「どのメディアが取り上げたか」「自分ならどう改善するか」を話せるようにしてください。PRへの日常的な関心と分析力を示す材料になります。

5. デジタル・AIへの適応意欲を示す

AICセンター設立・AI活用型PRの体制整備が進む中、「PRの仕事にAIをどう活用できると思うか」「データをどう活用してPRの効果を高めたいか」という視点を持てる候補者は評価が上がります。

6. 危機管理広報への理解も示す

危機管理広報はPR会社の重要な収益源であり、同社も力を入れています。「不祥事が起きたとき企業はどう情報発信すべきか」「炎上リスクをどう事前に管理するか」という視点を持っておくと、選考での会話の幅が広がります。

共同ピーアール株式会社への転職で評価されやすい経験

  • PR会社・広報エージェンシーでのコンサルタント・PR実務経験
  • 事業会社の広報部・IR部でのメディア対応・リリース作成・記者発表運営経験
  • 新聞・テレビ・WEBメディア等のメディア側での取材・編集・記者経験
  • 広告代理店での広報PR部門の業務経験
  • インフルエンサーキャスティング・SNS施策の企画・実行経験
  • 危機管理広報・リスクコミュニケーションの対応経験
  • プレスリリースの執筆・配信・効果測定経験
  • デジタルPR(SNS運用・オウンドメディア構築・SEO等)の実務経験
  • メディアモニタリング・情報収集ツールの活用経験
  • AIツール(Dataiku・Tableau等)を用いたデータ分析・活用経験
  • イベント・記者会見の企画・運営経験
  • 複数ステークホルダー(社内・クライアント・メディア)を調整したプロジェクト推進経験
  • スタートアップ・ベンチャー企業の認知拡大・ブランド構築支援経験

特に評価されやすいのは、「メディアとの誠実な関係を積み上げながら、クライアントのパブリシティ獲得と認知拡大に成果として貢献した経験」と「PRの効果をデータで測定・改善するPDCAを回した経験」の組み合わせです。

まとめ

共同ピーアール株式会社は、PR専業会社として国内初の上場・60年超の歴史・独立系最大手というポジションを持つ、PRキャリアを本格的に歩みたい人にとって国内最も信頼性の高い選択肢の一つです。

2024年12月期に全セグメント過去最高を達成し、AICセンター設立によるAI活用型PR事業の本格化という成長局面にある企業ですが、平均年収の水準・残業の多さ・昇給の速度などは大手広告代理店と比較すると見劣りする側面があります。「PRの専門家として長く深く関わりたい」という意志が明確な人にとっては非常に魅力的な選択肢であり、「まずは年収や待遇」を優先する人には慎重な比較検討を勧めます。

転職を目指すなら、「なぜPR専業なのか」「なぜ広告代理店ではなくPR会社なのか」「自分の経験を同社のどの事業領域でどう活かせるか」の3点を明確にしてから選考に臨んでください。

メディアの力を信じ、情報の設計で社会を動かすことにやりがいを感じられる人にとって、共同ピーアール株式会社は長くキャリアを育てることができる環境です。


参照した主な情報源

  • 共同ピーアール株式会社 公式サイト(kyodo-pr.co.jp)
  • 共同ピーアール IR情報・業績ハイライト・有価証券報告書(kyodo-pr.co.jp/investor)
  • ログミーファイナンス(finance.logmi.jp)各社説明会記事
  • OpenWork・エン カイシャの評判(社員口コミ)
  • doda・リクルートエージェント 求人情報
  • 年収ラボ・digireka.jp 平均年収集計情報
  • Yahoo!ファイナンス 企業情報・業績ページ