KANAMEL株式会社は、テレビCM制作で長い歴史を持つ株式会社AOI Pro.と株式会社TYOの経営統合によって2017年に誕生した映像・クリエイティブグループの持株会社です。2024年4月に「AOI TYO Holdings株式会社」から現社名へ改称し、さらに2026年3月には日本テレビホールディングスの完全子会社となるという、業界にとっても大きな転換期を迎えています。
テレビCM制作の国内シェアNo.1を誇るグループ企業を傘下に持ち、年間2,000本超のCM制作実績を有します。映画「万引き家族」(2018年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞)など高い品質で国際的評価を受けた作品にも関与しており、コンテンツ制作領域での実力は業界随一です。
一方、「老舗×変革期」という複雑な立ち位置にある企業でもあります。平均年収483万円という口コミベースの数字、残業手当が固定残業代に含まれる給与体系、そして日本テレビグループ入りという環境変化。転職を検討するなら、その実態をフラットに把握することが不可欠です。本記事では人材エージェントの目線から、KANAMELの強みと注意点を余すところなく解説します。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | KANAMEL株式会社(旧:AOI TYO Holdings株式会社) |
| 設立 | 2017年1月4日(AOI Pro.とTYOの経営統合により発足) |
| 代表取締役 グループCEO | 中江 康人 |
| 代表取締役 グループCOO | 上窪 弘晃 |
| 本社所在地 | 東京都品川区東品川2-2-24 天王洲セントラルタワー 13F |
| 資本金 | 50億円 |
| 従業員数 | 151名(単体)/1,786名(連結)※2024年12月31日時点 |
| 売上高 | 704億円(2024年12月期) |
| 主要株主 | 日本テレビホールディングス株式会社(2026年3月より完全子会社) |
| 事業内容 | コンテンツプロデュース事業・コミュニケーションデザイン事業 |
| グループ会社数 | 国内外25社(AOI Pro.、TYO、FIELD MANAGEMENT、TREE Digital Studio等) |
| 海外拠点 | 7カ国 |
社名「KANAMEL」は日本語の「要(かなめ)」に由来します。クリエイティブの力で新たなアイデアや概念という「要」を生み出し、それらを実現可能なカタチに作り上げるという意志が込められています。パーパスとして掲げる「つくるチカラで世の中を明るくつくり変える」が、グループ全体の行動指針となっています。
主な事業内容
KANAMEL株式会社はグループ持株会社として、傘下のグループ各社が二つの主要事業を展開しています。
コンテンツプロデュース事業
グループのコア事業であり、国内外における広告映像制作、ポストプロダクション、xR(拡張現実)コンテンツの企画・制作などを手掛けます。この事業の中核を担うのが株式会社AOI Pro.と株式会社TYOです。
**株式会社AOI Pro.**は1963年創業の映像制作の老舗で、CMヒットメーカーランキング6年連続1位を誇り、年間1,000本超のCMを制作してきた実績を持ちます。KDDI「au 三太郎」シリーズ、JR東海「そうだ 京都、行こう。」シリーズなど、誰もが知る名CMを世に送り出してきました。国際舞台では是枝裕和監督の映画「万引き家族」(2018年カンヌ国際映画祭パルム・ドール)の制作にも関与し、高いクリエイティブクオリティを証明しています。
株式会社TYOは1978年創業のCM制作会社で、ストーリー性のある映像表現に強みを持ち、国内外の広告賞を多数受賞しています。AOI Pro.とは異なるアプローチで、独自の映像表現を追求してきた企業です。
グループ全体では年間2,000本超のCMを制作しており、「テレビで放映されるCMの3本に1本はKANAMELグループ制作」と言われるほどの業界シェアを誇ります。また、TREE Digital Studioがデジタル映像・CG制作、株式会社祭がイベント・プロモーション制作を担うなど、映像コンテンツにまつわる制作機能を総合的にグループ内で保有しています。
コミュニケーションデザイン事業
広告・マーケティングソリューション領域において、映像制作にとどまらず、デジタルソリューション・PR・イベント・空間デザインまで全方位型の実行支援を提供します。
2023年に新たに発足した「FIELD MANAGEMENT」ブランドがこの事業の成長エンジンとなっています。株式会社FIELD MANAGEMENT STRATEGY(FMS)がコンサルティング機能を、株式会社FIELD MANAGEMENT EXPAND(FMX)が実行支援機能を担い、コンサルティングとクリエイティブの両軸で企業課題を解決するというアプローチが特徴です。
「制作会社から脱却し、戦略から実行まで一気通貫でクライアントの事業に貢献する」という意志が、この事業展開に込められています。
日本テレビグループ入りとIPビジネスの方向性
2025年4月に日本テレビホールディングスとの資本業務提携を締結し、2026年3月には約483億円の投資を経て完全子会社となりました。この提携により、KANAMELが持つ映像制作力と日本テレビグループのIPコンテンツ企画・開発力を掛け合わせ、世界市場向けオリジナルIPの企画・制作体制の構築を加速する方針です。「世界を動かすコンテンツビジネス」の確立が今後の大きなテーマとなっています。
KANAMEL株式会社の強み
強み1. テレビCM制作国内シェアNo.1という圧倒的な実績と信頼
AOI Pro.とTYOというCM制作を代表する2社が経営統合したことで、業界内の競合他社が簡単には追いつけない規模の制作実績とクライアントネットワークを保有しています。CMヒットメーカーランキングで連続上位を維持してきた実力は、単なる制作本数の多さではなく、「ブランドの価値を映像で表現する力」の蓄積に裏付けられています。
転職者にとっては、「業界のリーディングカンパニーで、一流クライアントの大型案件に携わることができる」という経験価値が最大の魅力です。KDDI、JR東海、大手食品・飲料・流通企業など、国内を代表する広告主とのパイプを持つグループでの業務経験は、キャリア市場での希少性を高めます。
強み2. 映像・CG・xR・イベントまで一気通貫で対応できる制作力
多くの広告制作会社は得意領域を持ちながらも、CG・デジタル・イベントなどは外部委託となりがちです。KANAMELグループはAOI Pro.・TYO(映像)、TREE Digital Studio(デジタル・CG)、祭(イベント)という専門会社を傘下に抱え、コンテンツ制作のほぼ全機能をグループ内で完結できます。クライアントからの多様なニーズに「ワンストップ」で応えられる総合制作グループとしての強みは、競合に対する大きな差別化要素です。
xRコンテンツの企画・制作においても早期から取り組んでおり、デジタルと映像を融合した次世代コンテンツ領域への対応力は高まっています。
強み3. カンヌ・日本アカデミー賞など国際水準のクリエイティブ品質
2018年カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した映画「万引き家族」への関与をはじめ、国内外の広告賞での受賞実績は業界トップクラスです。「大量制作できる」だけでなく「高品質な作品をつくれる」という二つの次元を同時に満たしている制作グループであることは、クリエイターとして働く環境の水準を示しています。
クリエイティブディレクター・プロデューサー・ディレクターとして、高い美意識と表現力が求められる現場で腕を磨きたい人にとって、国内でここまでの環境はほかにほとんどありません。
強み4. 7カ国の海外拠点を持つグローバル制作体制
国内の広告映像制作に留まらず、7カ国に海外拠点を持ち、グローバルな制作案件にも対応できる体制を整えています。日本テレビグループとの連携によって「世界市場向けオリジナルIP」の制作・流通が今後の戦略的重点に置かれており、グローバルコンテンツビジネスに関与できる機会が増えていく見通しです。
英語対応力や海外プロダクションとの協業経験を持つ方、あるいは「日本発コンテンツの世界展開に携わりたい」という志向の人には、長期的なキャリアの方向性と合致する環境になりつつあります。
強み5. コンサルティング×クリエイティブという新しい事業モデルへの挑戦
FIELD MANAGEMENTブランドの発足により、従来の「クリエイティブ制作を受注する」モデルから、「企業課題の戦略立案から制作・実行まで一気通貫で支援する」モデルへの転換を進めています。コンサルティングとクリエイティブの両軸を組み合わせることで、クライアントの課題解決に深く関わり、制作会社としての枠を超えた価値提供を目指しています。
「クリエイティブの力で企業の経営課題を解決したい」「制作現場だけでなく、上流の戦略立案にも関わりたい」という志向の転職者には、この新事業の拡大過程に参画できることが一つの魅力です。
強み6. 日本テレビグループ参画によるIP・コンテンツビジネスの拡大可能性
完全子会社化により、日本テレビが持つ人気IPやコンテンツ開発力と、KANAMELの映像制作力が組み合わさることで、映画・ドラマ・アニメなどエンターテインメントコンテンツの企画・制作領域への展開が加速すると見られています。広告CMという特定カテゴリにとどまらず、エンターテインメントコンテンツへと事業領域が広がることで、キャリアの選択肢も拡大していく可能性があります。
KANAMEL株式会社の年収事情
口コミ情報(OpenWork・エン カイシャの評判等)をもとにした平均年収は483万円前後とされています。グループ内でも所属会社・職種・役職によって大きく差があることを前提に捉える必要があります。
職種別の想定年収レンジ
| 職種例 | 想定年収 |
|---|---|
| プロデューサー(若手・中堅) | 400万〜600万円 |
| プロデューサー(シニア・エグゼクティブ) | 600万〜900万円超 |
| ディレクター | 350万〜600万円 |
| CG・デジタルアーティスト | 350万〜550万円 |
| コンサルタント(FIELD MANAGEMENT) | 450万〜700万円 |
| コーポレート(経理・法務・人事) | 350万〜550万円 |
| 営業・ビジネスディベロップメント | 400万〜650万円 |
※上記は公開求人・採用情報・口コミをもとにした目安です。実際の年収はグループ会社・グレード・評価によって大きく異なります。
給与制度の特徴と注意点
口コミによると、固定残業代(45時間分)が月給に含まれる形の給与体系が採用されているケースがあります。45時間を超えた場合のみ追加の残業代が支給される仕組みのため、「基本給が低く見える」「残業が多いわりに賃金が上がりにくい」という声が複数の口コミで確認されています。
また、賞与は年1回が基本とされており、業績連動の度合いや支給額の変動幅については、選考過程でしっかり確認することをお勧めします。
年収を見る際の注意点
- 平均年収483万円は口コミベースの限られたサンプルであり、グループ会社・職種・役職によって実態は大きく異なります
- 映像制作業界全体として「クリエイティブの仕事×業界水準」の範囲内に収まる水準であり、IT・コンサル・金融業界と単純比較すると高いとは言えません
- 一方でシニアプロデューサークラスやマネジメント層では600万〜900万円超のレンジも存在しており、スキルと役職次第でのアップサイドはあります
- 日本テレビグループ入り後の待遇水準の変化については、現時点では不確定要素が大きいため、選考時に最新情報を必ず確認してください
KANAMEL株式会社の働き方・福利厚生
勤務時間・休日
- 所定労働時間: 9:30〜18:30(実働8時間、所属会社により異なる)
- 年間休日: 土日祝日・年末年始(グループ会社ごとに異なる場合あり)
- 有給休暇: 法定基準に準拠(消化実態は部署・業務量により差あり)
- 振替休暇: 休日出勤分の振替制度あり
リモートワーク・柔軟な働き方
口コミによると、フレックスタイム制が採用されているケースがあり、月初に多く働いた分を月中〜月末に調整するといった柔軟な運用が可能とされています。ただし、制作現場の性質上、撮影・納品前などの繁忙期には集中した稼働が必要になります。
ワークライフバランスについては「非常にいい」という評価がある一方、業務量や担当案件の規模によって大きく差があるという実態もあります。
女性活躍・育休・産休
グループ会社の会長が女性であることもあり、産休・育休への理解・支援が手厚いという口コミが複数見られます。男女問わず育休取得を推進する文化が育まれており、ライフイベント後の復職事例も多いとされています。
福利厚生
- 各種社会保険完備
- 健康診断
- グループ内での異動・出向機会
- スキルアップ支援(グループ会社ごとに異なる)
働き方を見る際の注意点
「福利厚生が充実している」という口コミがある一方で、「他社と比べて福利厚生が少ない」という声も存在します。グループ会社によって制度・環境に差があることが背景にある可能性が高く、面接段階でどのグループ会社への所属になるかも含め、具体的な制度内容を確認することが重要です。また、制作業務の特性上、プロジェクトの状況次第では長時間稼働が発生するケースもゼロではありません。
KANAMEL株式会社の社風・カルチャー
一言で表すなら「クリエイティブの誇りと、変革の最中にある過渡期」
AOI Pro.(1963年創業)、TYO(1978年創業)というCM制作を長年牽引してきた老舗が母体のため、「映像・クリエイティブへの深いこだわりと誇り」がグループ全体の文化的DNAとして根付いています。職人気質のクリエイターたちが高い品質基準を維持し続けてきた文化です。
同時に、2024年の社名変更・FIELD MANAGEMENTブランドの立ち上げ・2026年の日本テレビグループ入りと、ここ数年で立て続けに大きな環境変化が起きており、「変革期の渦中にある企業」という側面も持っています。「老舗の安定感」と「急速な変化」が同居する稀有な状況です。
評価される人物像
- クリエイティブクオリティへの強いこだわりと当事者意識を持てる人
- プロジェクトの規模・複雑さに応じて柔軟に対応できる人
- クライアントの課題を深く理解し、制作を通じて解決しようとする人
- 変化を受け入れ、新しい事業モデルへの挑戦を楽しめる人
- チームワークを大切にしながらも、自分のクリエイティブ領域で主体性を発揮できる人
表面的なイメージと実態の差
「テレビCMの大手制作会社」というイメージから「華やかな制作現場」を期待する人は多いですが、実態は締め切りと品質基準の厳しさが共存するプロフェッショナルな現場です。有名CMを手掛けるプレッシャーと喜びが同居しており、「クリエイティブで妥協したくない」という強い意志がなければ、ペースについていくのが難しい場面もあります。
また、グループ会社によって文化・雰囲気の差が大きいことも実態として知っておくべきです。AOI Pro.・TYO・FIELD MANAGEMENTではそれぞれ働き方やカルチャーが異なる場合があります。
KANAMEL株式会社の転職難易度
難易度:中〜やや高め(職種・所属グループ会社によって差あり)
理由1. 業界内での認知度と志望者の競争率
CM制作業界・エンタメコンテンツ業界においてAOI Pro.・TYOの名はブランド力が高く、「この会社の現場で学びたい」という志望者が一定数存在します。特にクリエイティブ職(プロデューサー・ディレクター・アートディレクター等)は定員が限られており、競争率が高まりやすい傾向があります。
理由2. クリエイティブ職は作品・実績による選別
映像制作・CM制作関連のポジションでは、ポートフォリオや過去の制作実績が最重要の選考材料となります。「CM制作に興味があります」という水準では通らず、「これまでどんな作品を、どんな役割で手掛けてきたか」を具体的に示せることが前提です。作品の質・規模・クライアントの質が問われます。
理由3. FIELD MANAGEMENTのコンサル・ビジネス職は事業理解が必要
コンサルタントやビジネスプランナーなどFIELD MANAGEMENTポジションでは、クリエイティブ産業への理解に加え、企業課題のヒアリング・構造化・解決策の立案という上流のビジネスコンサルティングスキルが求められます。「クリエイティブとビジネスの掛け算」を体現できる人材は希少で、選考ハードルは相応にあります。
理由4. 日本テレビグループ入り後の変化への適応力
2026年3月の完全子会社化以降、グループ戦略や組織方針が変化していく過渡期にあります。「変化の中で自分のキャリアを主体的に切り拓ける」という適応力とコミットメントが、これまで以上に選考で見られるようになると予想されます。
KANAMEL株式会社に向いている人
1. 映像・クリエイティブを追求することにキャリアの軸を置きたい人
「テレビCMの最高峰の現場で、一流クリエイターと一緒に仕事がしたい」「映像表現の技術・センスを徹底的に磨きたい」という志向の人には、国内最高峰の制作環境の一つです。年間2,000本超の制作量と高い品質基準が両立する現場は、業界内でも稀有な存在です。
2. 大手クライアントの大型ブランド案件に関わりたい人
KDDI・JR東海・大手食品・流通・金融など、日本を代表する企業のブランドCMに関わりたい人にとって、このグループ以上の制作実績を誇る会社は国内にほとんどありません。「自分が手掛けた作品が全国のテレビで流れる」という体験を積みたい人に向いています。
3. クリエイティブ×ビジネスの掛け合わせでクライアントに貢献したい人
FIELD MANAGEMENTブランドの拡大により、制作受注にとどまらず、クライアントの戦略立案から実行支援まで関わるポジションが増えています。「ビジネス的視点と制作力を掛け合わせたい」「クライアントの事業成長に深く貢献したい」という人には新しいキャリアパスが開けています。
4. 日本発コンテンツのグローバル展開に関わりたい人
日本テレビグループとの連携によって、世界市場向けオリジナルIPの開発・制作が今後の重点戦略となっています。「日本のコンテンツを海外に届けたい」「エンタメコンテンツのグローバルビジネスに関わりたい」という志向の人には、これから参画するタイミングとして面白い局面です。
5. 老舗企業の変革期に「変化の担い手」として関わりたい人
2024年社名変更・2026年日テレグループ入りという節目を経て、組織・ビジネスモデルが大きく変わっていく過程にあります。「既存の制作会社の枠を超えた新しいKANAMELを作る側に回りたい」という主体性のある人にとっては、貴重な経験が積める環境です。
KANAMEL株式会社に向いていない人
向いていない人を書くのは企業批判ではなく、入社後のミスマッチを防ぐためです。
- 年収水準を最優先する人: 映像制作業界の水準内に収まる報酬体系であり、IT・コンサル・金融と比較すると見劣りする場合があります。キャリアの軸が「高年収」に置かれている人は他業界を検討した方がよいでしょう
- 安定した大企業環境を求める人: 日本テレビグループ入りとはいえ、現在は組織変革の過渡期にあります。「明確に決まったルーティン業務をこなしたい」という人には、変化の多さがストレスになる可能性があります
- リモートワーク中心の働き方を希望する人: 撮影・制作業務の性質上、現場に出向くことが多く、フルリモートワークは難しい職種が多い傾向があります
- クリエイティブへの関心が薄い人: コーポレート職であっても、グループのアイデンティティはクリエイティブにあります。映像・コンテンツへの興味関心が薄い人は、文化的にフィットしにくいでしょう
- 短期間での急激な昇給・昇進を求める人: 老舗企業の文化を引き継ぐ組織であり、年功要素が完全にゼロではありません。超短期でのキャリアジャンプを期待すると、ギャップを感じる可能性があります
- グループ会社の違いを気にしない人: 所属グループ会社(AOI Pro.・TYO・FIELD MANAGEMENTなど)によって業務内容・文化・待遇に差があります。「どのグループ会社のどのポジションか」を正確に把握せず入社すると、想定と異なる環境になるリスクがあります
KANAMEL株式会社の選考対策
1. 所属グループ会社と職種を正確に把握して志望動機を練る
「KANAMEL株式会社」という持株会社への応募であっても、実際の業務はAOI Pro.・TYO・FIELD MANAGEMENT等のグループ会社での勤務となる場合がほとんどです。「なぜKANAMEL(またはAOI Pro.・TYO等)でなければならないのか」を、各グループ会社の事業特性・作品・文化への理解と紐付けて語れるよう準備してください。公式サイト・各グループ会社の採用ページ・制作実績・受賞歴を必ず事前に調べましょう。
2. クリエイティブ職はポートフォリオが命
プロデューサー・ディレクター・アートディレクター等のクリエイティブ職では、ポートフォリオの質と量が選考の最重要ポイントです。「自分がどんな案件を、どんな役割で、どんな考えで手掛けてきたか」を過去作品で明確に示してください。受賞歴・規模の大きな案件・ブランド力のあるクライアントとの仕事は高く評価されます。
3. 「クリエイティブへの哲学」を言語化する
面接では「なぜ映像・クリエイティブの仕事をするのか」「あなたにとって良いCM・良いコンテンツとはどういうものか」という問いに直面します。技術・スキルだけでなく、クリエイティブに対する自分の考え方・美意識・こだわりを具体的なエピソードとともに語れるよう準備してください。「こんなCMが好き」「こんな表現をやりたい」という熱意が伝わる言葉が選考での印象を大きく左右します。
4. FIELD MANAGEMENT職はビジネス×クリエイティブの二軸で語る
コンサルタントやビジネスプランナー職では、過去のコンサルティング・事業開発経験をクリエイティブ産業の文脈に結びつけて語ることが求められます。「なぜ広告・コンテンツ業界なのか」「クリエイティブをビジネスに活かした経験があるか」「クライアントの課題解決においてどんな成果を出してきたか」を具体的に準備してください。
5. 日テレグループ入り後の変化への向き合い方を言語化する
2026年の完全子会社化という大きな転換期を経た企業であるため、「環境変化をどう捉え、自分はどう貢献したいか」という問いへの答えを準備しておくと差が付きます。「変化を楽しめる」ことを具体的なエピソードとともに語れると、選考での評価が上がります。
6. カルチャーフィット(クリエイティブへの敬意)を示す
老舗制作会社の文化を受け継ぐ組織であり、「映像・クリエイティブに対するリスペクト」は暗黙の前提として求められます。「グループ作品をいくつか見た・調べた」「このCMに感動した・刺さった理由」を具体的に話せると、熱意と相性の良さを自然にアピールできます。
KANAMEL株式会社への転職で評価されやすい経験
- テレビCM・映像コンテンツ制作のプロデュース・ディレクション経験
- 広告代理店・制作会社でのクリエイティブ業務経験(大手クライアント担当歴)
- CG・VFX・xR(AR/VR/MR)制作の実務経験
- デジタルコンテンツ・SNS動画・OTT向けコンテンツの制作経験
- 映画・ドラマ・アニメなどエンタメコンテンツ制作経験
- コンサルティングファームでの事業戦略・マーケティング戦略立案経験
- クリエイティブ産業でのビジネスデベロップメント・営業経験
- IPビジネス・コンテンツ流通・ライセンシング経験
- イベント・空間デザイン・プロモーション制作のプロデュース経験
- グローバル案件(海外クライアント・海外制作スタジオとの協業)経験
- M&A推進・事業開発・新規事業立ち上げ経験(グループ経営戦略関連職)
- AI・データ活用を活かしたコンテンツ制作・業務効率化経験
特に評価されやすいのは、「大手クライアントのブランドCMや映像コンテンツを、プロデューサーまたはディレクターとして主体的に手掛け、高いクオリティと具体的な成果(受賞・視聴率・ブランドリフト等)を達成した経験」です。
まとめ
KANAMEL株式会社は、AOI Pro.とTYOという国内CM制作の巨人二社の経営統合から生まれた、映像・クリエイティブ業界を代表するグループ持株会社です。年間2,000本超のCM制作実績・CMヒットメーカーランキング連続上位・カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作への関与など、クリエイティブ品質での実績は国内最高峰の一角を占めます。
一方、口コミベースの平均年収483万円・固定残業代込みの給与体系・グループ会社間での待遇差という現実もあります。「ブランドや実績に惹かれてなんとなく転職」では、待遇や環境とのギャップで後悔するリスクがある企業です。
2024年の社名変更と2026年の日本テレビグループ入りという大きな転換期を経て、「広告CM制作会社」から「コンテンツIPの世界展開を担うクリエイティブグループ」へと進化しようとしている過渡期にあります。この変化に参画したいという意志がある人、そしてクリエイティブへの深い情熱を持っている人にとっては、これ以上ない刺激的な環境になりえます。
転職を検討するなら「どのグループ会社のどの職種か」「クリエイティブへのこだわりがあるか」「変化を楽しめるか」の三点を自分の中で明確にした上で、選考に臨んでください。
参照した主な情報源
- KANAMEL株式会社 公式サイト(kanamel-inc.com)
- KANAMEL株式会社 会社概要
- KANAMEL株式会社 グループ会社
- KANAMEL株式会社 日本テレビHD完全子会社化のお知らせ
- KANAMEL株式会社・日本テレビHD資本業務提携プレスリリース(PR TIMES)
- AOI TYO Holdings社名変更プレスリリース(PR TIMES)
- OpenWork – KANAMELの社員クチコミ
- doda – KANAMEL株式会社転職・企業概要
- 転職会議 – KANAMEL(旧AOI TYO Holdings)口コミ
- Geekly Review – KANAMEL社員の評判
- アドタイ – 日本テレビHD、KANAMELを完全子会社に
- KANAMEL Wikipedia
- AOI Pro. Wikipedia
