株式会社ファンケルは1980年に「無添加化粧品」というコンセプトを掲げて創業した東証プライム上場の化粧品・健康食品企業です。「マイルドクレンジングオイル」をはじめとする無添加スキンケア製品で日本市場に革命をもたらし、その後栄養補助食品(サプリメント)・発芽米という独自事業に拡大。売上高約740億円(2024年3月期)を誇る「美と健康」を追求するライフスタイルブランドとして確固たる地位を築いています。
転職市場においてファンケルは、「コンセプトが明確で顧客ロイヤリティの高い、D2C型の化粧品・健康食品企業」として評価されています。直販(自社EC・カタログ通販)と百貨店・ドラッグストアを組み合わせたハイブリッドチャネル戦略により、多様なマーケティング・販売職の実務経験を積める環境が整っています。2019年のキリンホールディングスとの資本業務提携は、健康経営・機能性食品・発酵技術という新たな成長軸として機能しています。
本記事ではファンケルへの転職を検討している方に向けて、事業内容・強み・年収・社風・転職難易度・選考対策をキャリアコンサルタントの視点から詳しく解説します。化粧品・ヘルスケア・D2C業界でのキャリアを考えている方の判断材料としてお役立てください。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ファンケル |
| 英語名 | FANCL CORPORATION |
| 設立 | 1980年5月 |
| 代表者 | 島田和幸(代表取締役社長) |
| 本社 | 神奈川県横浜市中区山下町89-1 |
| 資本金 | 約69億円(直近有価証券報告書ベース) |
| 従業員数 | 連結約3,200名・単体約2,200名(直近開示ベース) |
| 上場区分 | 東証プライム |
| 売上高 | 約740億円(2024年3月期) |
| 平均年収 | 550〜600万円程度(有価証券報告書ベース全社平均) |
| 平均年齢 | 40歳前後(推計) |
| 平均勤続年数 | 約10年前後(推計) |
| 事業内容 | 化粧品(無添加スキンケア)・栄養補助食品(サプリメント)・発芽米・直販・百貨店展開 |
ファンケルは1980年の創業以来、「お客様の不満を解消する」という原点を守り続けてきた企業です。創業当初は「肌荒れの原因になる防腐剤・着色料を使わない化粧品が欲しい」という消費者の声から生まれた無添加化粧品が出発点でした。現在は化粧品・サプリメント・発芽米という独自の3事業ポートフォリオを持ち、直販(EC・カタログ)と店舗(百貨店・ドラッグストア)を組み合わせたチャネル展開で幅広い顧客層にリーチしています。
2019年にキリンホールディングスとの資本業務提携を締結したことで、キリンの発酵技術・免疫研究の知見とファンケルの無添加・健康食品ノウハウの融合が進んでいます。この提携はファンケルが「化粧品会社」から「美と健康を科学的根拠に基づいて提供するライフスタイルブランド」へと進化するための重要な戦略的決断でした。
主な事業内容
ファンケルの事業は「化粧品事業」「ヘルスサイエンス(栄養補助食品)事業」「発芽米事業」の3つを柱としています。それぞれが「美と健康」というブランドコンセプトのもとに有機的に結びついており、同一顧客に複数カテゴリの商品を提供するクロスセルモデルが高い顧客ロイヤリティの源泉となっています。
チャネル戦略においても独自の強みがあります。自社EC・カタログ通販という直販チャネルと、百貨店・ドラッグストアへの卸販売チャネルを組み合わせたハイブリッド展開により、D2Cブランドの顧客直接関係と小売チャネルの広い認知度を同時に確保しています。
化粧品事業(スキンケア・メイクアップ)
ファンケルの化粧品事業は売上の中核を担うコア事業で、「マイルドクレンジングオイル」「エンリッチプラス」などの無添加スキンケアシリーズが主力です。防腐剤・着色料・香料・酸化防止剤等を使用しない「無添加」へのこだわりは、敏感肌・肌トラブルに悩む顧客層から絶大な支持を得ており、40年以上にわたって同カテゴリのロングセラー商品として市場をリードしています。
化粧品事業の販売チャネルは直販(自社EC・カタログ・コールセンター)と百貨店・直営店・ドラッグストアを組み合わせており、顧客との直接的なリレーションシップを重視したマーケティングが特徴です。商品開発においては科学的根拠に基づく処方開発と消費者モニタリングを徹底しており、「正直なものづくり」という姿勢が商品の信頼性を担保しています。
ヘルスサイエンス事業(サプリメント・機能性食品)
「ファンケル」「ボディメンテ(キリンとの協業)」などのブランドで展開するサプリメント・機能性食品事業は、化粧品と並ぶ主力カテゴリです。ビタミン・ミネラル・美容系・健康維持系など幅広いカテゴリをカバーしており、化粧品顧客とのクロスセルが高いロイヤリティにつながっています。
2019年のキリンHDとの提携以降、キリンの発酵技術・免疫研究を活用した機能性食品の共同開発が進んでいます。「腸活」「免疫サポート」「睡眠サポート」などの健康トレンドに対応した商品展開を強化しており、消費者の健康意識の高まりを受けてヘルスサイエンス事業は成長が続いています。
発芽米事業
「発芽米」はファンケル独自の研究から生まれた事業で、白米と玄米の中間的な食感・栄養バランスを持つ「芽ぐみ米」などのブランドで展開しています。食の健康意識の高まりとともに認知度が上昇しており、食品という切り口からファンケルの「美と健康」ブランドを補完する役割を果たしています。
発芽米は化粧品・サプリメントとは異なるターゲット・流通チャネルを持つため、ファンケルの事業ポートフォリオの分散化という観点でも重要な存在です。
ファンケルの強み
強み1. 「無添加化粧品」という40年以上のブランド資産
ファンケルの最大の強みは、1980年の創業以来40年以上にわたって「無添加化粧品」というコンセプトを一貫して守り続けてきたブランド資産です。「マイルドクレンジングオイル」は年間数百万本が売れる超ロングセラー商品であり、敏感肌・肌トラブルに悩む顧客層の絶大な信頼を獲得しています。
このブランド資産は競合他社が短期間で模倣できる性質のものではなく、40年以上の顧客との関係性・製品の実証データ・ブランドへの信頼という形で蓄積されてきたものです。転職者にとっては、このブランド資産を活かしたマーケティング・商品開発という仕事に誇りを持って取り組める環境があります。
強み2. D2Cと小売を組み合わせたハイブリッドチャネル戦略
ファンケルは自社EC・カタログ通販という直販チャネルと、百貨店・ドラッグストアへの卸販売チャネルを組み合わせたハイブリッドチャネル展開を持っています。この戦略は顧客との直接的なリレーションシップ(D2Cモデル)から得られる詳細な購買データ・顧客インサイトと、小売チャネルから得られる幅広い認知度・新規顧客獲得を同時に実現しています。
転職者にとっては、EC運営・カタログマーケティング・百貨店販売という異なるチャネルのマーケティング手法を横断して学べる機会があり、化粧品・ヘルスケア業界でのキャリアを多角的に広げられる環境です。
強み3. キリンHDとの資本業務提携による健康領域での拡張
2019年のキリンホールディングスとの資本業務提携は、ファンケルの成長戦略において転換点となりました。キリンの発酵技術・免疫研究・ビール以外の健康飲料ビジネスのノウハウと、ファンケルの無添加製品開発・健康食品の顧客基盤が組み合わさることで、単独では実現困難だった「科学的根拠に基づく美と健康」というポジションを強化しています。
この提携は商品開発にとどまらず、販路・マーケティング・研究開発の面でもシナジーを生み出しており、ファンケルの成長ドライバーとして機能しています。
強み4. 顧客ロイヤリティの高さとリピート率
ファンケルの顧客ロイヤリティは業界内でも特に高い水準にあります。無添加化粧品という特定のコンセプトに強い共感を持つ顧客は、ブランドへの信頼から長年にわたってリピート購入を続ける傾向があります。この高いロイヤリティは安定した収益基盤となっており、景気変動の影響を受けにくい事業特性につながっています。
さらに化粧品顧客がサプリメント・発芽米も購入するクロスセルが高い顧客生涯価値を実現しており、「一度獲得した顧客を長く大切にする」というビジネスモデルが強みとして機能しています。
強み5. 科学的根拠に基づく製品開発力
ファンケルは自社の研究開発部門を持ち、皮膚科学・栄養科学・発酵科学に基づく製品開発を行っています。「正直なものづくり」という企業姿勢のもと、効果の科学的実証・成分の安全性検証を重視しており、これが長期的なブランド信頼性の基盤となっています。
キリンとの提携によって免疫・発酵という新たな研究領域が加わったことで、機能性食品・ヘルスケア分野での製品開発力はさらに強化されています。
ファンケルの年収事情
ファンケルの平均年収は有価証券報告書ベースの全社平均で550〜600万円程度です。総合職・専門職のみでは600〜750万円程度と推定されています。資生堂・花王・コーセーなどの業界大手と比較すると低い水準ですが、化粧品・健康食品業界全体の平均と比べると標準的な水準です。
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| マーケティング・ブランドマネージャー | 500〜850万円 |
| ECデジタルマーケティング | 450〜750万円 |
| 商品企画・商品開発 | 450〜750万円 |
| 研究開発(スキンケア・栄養科学) | 450〜800万円 |
| 営業(百貨店・直販) | 400〜700万円 |
| カスタマーサポート | 350〜550万円 |
| 管理部門(人事・経理・法務) | 450〜750万円 |
| グローバル事業(海外展開) | 500〜800万円 |
給与制度の特徴
ファンケルの給与体系は月給制+賞与(年2回)が基本で、職種・グレード・評価によって昇給が決まる制度を採用しています。東証プライム上場企業として安定した賞与水準を保っており、業績連動賞与の比率も一定程度あります。
総合職では入社後数年でのグレードアップが比較的明確な評価基準のもとに行われており、キャリアパスの透明性は比較的高い方です。管理職になると役職手当・業績連動報酬の割合が増える構造になっています。昇格スピードは業界大手と比べると標準的で、突出した高収入を短期間で狙うよりも長期的に安定したキャリアを積むことに適した給与体系といえます。
年収を見る際の注意点
- 有価証券報告書の平均年収にはパート・アルバイト・契約社員等が含まれる場合があり、正社員総合職との差異が生じることがあります
- 資生堂・花王等の業界最大手と比較すると年収水準は低めになる傾向があります
- 転職にあたっては現職との年収比較だけでなく、安定性・福利厚生・キャリア形成の観点を総合的に評価することをお勧めします
- 研究開発職は専門性・学歴(大学院修士以上)によって給与レンジが大きく変わります
- 海外事業・グローバル職は赴任手当等で実質年収が上乗せになるケースがあります
ファンケルの働き方・福利厚生
勤務時間・休日制度
ファンケルの勤務時間は職種によって異なりますが、本社・管理系はフレックスタイム制(コアタイムあり)が一般的です。年間休日は125日前後で、完全週休2日制(土日)+祝日+夏季休暇・年末年始休暇・有給休暇が付与されます。残業時間は職種・繁忙期によって異なりますが、業界全体の傾向として新商品発売前後・決算期は業務量が増える傾向があります。
働く場所・リモートワーク
本社は神奈川県横浜市ですが、東京都内にもオフィスを持ちます。コロナ禍以降はリモートワーク・ハイブリッドワークの体制が整備されており、管理系・マーケティング・デジタル職を中心にリモート対応が進んでいます。百貨店・ドラッグストア向けの営業職はクライアント先への訪問・店頭対応があるため出社・外勤が中心になります。
研究開発職は実験・製品評価のためにラボ出勤が必須となる場合が多く、フルリモートの適用は限られています。
主な福利厚生
- 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 確定拠出年金(企業型DC)
- 社員持株会
- 慶弔見舞金・各種祝金制度
- 育児休業・育児短時間勤務制度(男性取得推奨)
- 介護休業制度
- 健康診断・定期的なウェルネスチェック
- 社員向け自社商品割引(化粧品・サプリメント等)
- フィットネス施設優待・健康支援プログラム
- 書籍購入・自己啓発費補助
- 社内研修制度(階層別・職種別)
- 交通費支給
- 財形貯蓄制度
働き方を見る際の注意点
ファンケルは比較的働きやすい企業環境との評価が多い一方で、部署・チーム・繁忙期によって実態に差があることも事実です。特に商品発売ラッシュ時・EC販売キャンペーン期間・決算期は業務負荷が高まる傾向があります。面接プロセスで実際の部署の働き方・残業実態・有給取得状況を直接確認することを推奨します。
ファンケルの社風・カルチャー
一言で表すなら「誠実・顧客重視・堅実志向」
ファンケルの社風を一言で表すなら「誠実・顧客重視・堅実志向」です。「正直なものづくり」という企業姿勢は社内文化にも浸透しており、誇大な広告や品質に妥協する姿勢よりも「本当に良いものを誠実に届ける」というスタンスが組織の行動規範になっています。外資系化粧品ブランドのような派手さやトレンド重視の文化ではなく、科学的根拠と顧客との長期的な信頼関係を重視する堅実な文化が根付いています。
組織風土は比較的フラットで、階層よりも専門性・実力が重視されます。大手コスメブランドのような過度なブランド意識や社内政治は少なく、地道な業務改善・製品の品質向上に真剣に向き合う人材が評価される傾向があります。
評価される人物像
ファンケルで活躍する人材の特徴は「顧客への誠実さと共感能力」「地道な努力と改善意欲」「ファンケルの製品・ブランドへの本質的な愛着」の3つです。特に「肌悩みを持つ顧客の立場で製品を考えられる」「健康・美容に対して自分自身の信念を持っている」という人材は、ブランドの本質を理解した上で行動できるため社内で高く評価されます。
マーケティング職では顧客インサイトを深く掘り下げる能力、研究開発職では科学的な思考と消費者視点の両立、営業職では顧客の課題を丁寧に聞いて長期的な関係を築く能力が求められます。
表面的なイメージと実態の差
「無添加・自然派=緩やかでゆったりした職場」というイメージを持つ方もいますが、実際のファンケルは数値目標へのコミットメント・商品競争力の向上・デジタルトランスフォーメーションへの対応など、一般的なBtoC企業と同様のビジネス課題に真剣に取り組んでいます。また大手化粧品企業と比べて組織の規模が中程度であるため、一人あたりの業務範囲が比較的広くなることもあります。
ファンケルの転職難易度
難易度:Bランク(化粧品・ヘルスケア・D2C業界経験者には開かれた選考)
ファンケルの転職難易度はBランク(標準)です。化粧品・ヘルスケア・D2C・健康食品業界での実務経験を持つ方には、マーケティング・商品企画・デジタル・研究開発などの各職種で選考機会が広く開かれています。ブランドコンセプトへの理解と顧客重視の姿勢が選考の重要な評価ポイントです。
選考ではスキル・経験の適合性に加えて、「ファンケルの無添加化粧品というコンセプトへの共感」「美と健康というテーマへの本質的な関心」が重視される傾向があります。
理由1. 化粧品・ヘルスケア業界経験者に継続した採用ニーズ
ファンケルはマーケティング・商品企画・デジタルマーケティング・EC運営などの職種で継続的に中途採用を行っています。特に「D2C×デジタルマーケティング」の強化や、キリンとの協業による機能性食品・健康科学分野での人材強化のニーズが高まっています。
化粧品・ヘルスケア・D2C業界での実務経験者は、ファンケルの業務に即した専門知識を持つことから書類選考通過率が高い傾向にあります。
理由2. ブランドコンセプトへの共感が必須
ファンケルの選考では、スキル・経験の適合性と同じくらい「ブランドコンセプトへの共感」が重視されます。「無添加化粧品のコンセプトを信じているか」「顧客の肌悩み・健康課題に対して本気で向き合えるか」という姿勢は、面接を通じて評価されます。
化粧品・健康食品への表面的な関心だけでなく、「なぜファンケルでなければならないか」という核心的な志望動機の深さが選考通過のポイントになります。
理由3. 研究開発職は高い専門性が求められる
研究開発職(皮膚科学・栄養科学・発酵科学)は大学院修士以上の専門教育と実務研究経験が基本的な応募要件となることが多く、専門性の高さから競争率が高い傾向があります。研究機関・大手化粧品企業・食品企業での研究経験が選考で強みになります。
ファンケルに向いている人
タイプ1. 「美と健康」というテーマに本質的な関心がある人
化粧品・スキンケア・サプリメント・発芽米というファンケルの商品ラインナップへの関心・愛着を持つ方は、仕事へのモチベーションを長期的に維持しやすい環境です。自分自身がファンケル製品のユーザーである・または使ってみたいという方は、顧客視点での仕事への取り組みが自然と深まります。
タイプ2. 「正直なものづくり・誠実なブランド」に価値を見出す人
ファンケルの「無添加・正直な製品づくり」というコンセプトに真剣に共鳴できる方は、業務の意義を感じながら働けます。トレンドに追われるのではなく、科学的根拠と顧客への誠実さを軸に製品を作るというファンケルの姿勢が自分のキャリアの信念と一致している方に向いています。
タイプ3. D2C・EC・デジタルマーケティングでキャリアを深めたい人
自社ECと直販チャネルを持つファンケルでは、D2C型のデジタルマーケティング・EC運営・CRMという領域での深い実務経験を積めます。化粧品・ヘルスケアD2Cという成長領域でのデジタルマーケターとしてのキャリアを構築したい方に最適な環境です。
タイプ4. 科学×マーケティングの融合に挑戦したい人
研究開発とマーケティングの橋渡しとなる商品企画・コミュニケーションプランニングに関わることで、科学的根拠に基づいたブランドメッセージを消費者に届けるという挑戦ができます。理系バックグラウンドを持ちながらマーケティング・事業側のキャリアを歩みたい方には特に魅力的な環境です。
タイプ5. 安定した環境で長期的なキャリアを築きたい人
東証プライム上場企業として安定した経営基盤を持つファンケルは、長期的なキャリア形成を希望する方にとって安心感のある選択肢です。顧客ロイヤリティの高さから業績の安定性も相対的に高く、腰を落ち着けて専門性を磨きながら働きたい方に合った環境です。
ファンケルに向いていない人
批判ではなく、ミスマッチ防止のためにお伝えします。
- タイプ:超高年収・急速な年収アップを求める人 資生堂・花王・外資系化粧品企業と比較すると年収水準は高くなく、短期間での急激な年収アップは難しい場合があります
- タイプ:大手化粧品ブランドの華やかさ・トレンド感を求める人 ファンケルのブランドは「誠実・堅実・科学的根拠」という価値観が軸であり、ラグジュアリーブランドや最新トレンドを追う文化とは異なります
- タイプ:BtoB・法人営業のみを希望する人 ファンケルの主事業はBtoC(一般消費者向け)であり、BtoB型の大型提案営業を主軸にしたいキャリアとは方向性が合わない可能性があります
- タイプ:組織の変化・新規事業への参加を最優先する人 ファンケルは安定したブランドと顧客基盤を持つ企業であり、スタートアップのような急速な事業変化・新規事業の立ち上げを主な経験として求める方には物足りなく感じることがあります
- タイプ:完全在宅ワークを希望する人 研究開発職・百貨店営業職・カスタマーサポート職など、出社・外勤が必要な職種が多く存在します。完全在宅のみを希望する方には適さないポジションが多いです
ファンケルの選考対策
戦略1. ファンケル製品への理解と共感を深める
選考前にファンケルの主力製品(マイルドクレンジングオイル・栄養補助食品・発芽米)を実際に使用・体験してみることを強く推奨します。「なぜファンケルの製品が40年以上選ばれ続けているか」「無添加化粧品というコンセプトが持つ本質的な価値は何か」を自分の経験として語れるようになることが、志望動機の説得力を大きく高めます。
また「なぜ資生堂・花王・コーセーではなくファンケルか」という質問に対して、「正直なものづくり・無添加という価値への共感」を具体的な言葉で語れるよう準備してください。
戦略2. デジタルマーケティング・EC領域での実績を整理する
ファンケルはECデジタルマーケティングの強化を重要課題として位置づけています。過去の職歴において「SEO・SEM・SNS広告の運用実績」「ECサイトのCVR改善・売上増加への貢献」「CRM・メールマーケティングの施策と成果」などを数字を伴って整理しておくことが重要です。
D2C・ECマーケティングの経験者は特に選考で強みを発揮できるため、具体的な施策・KPI・達成率を明確に説明できるよう準備してください。
戦略3. キリンHDとのシナジー戦略への理解を示す
ファンケルの中期成長戦略において、キリンHDとの協業(機能性食品・免疫・発酵領域)は重要な位置づけにあります。「キリンの発酵技術とファンケルのサプリメント事業がどのように融合できるか」「ヘルスサイエンス領域での新しいビジネス機会は何か」という視点を持って面接に臨むと、戦略的思考力が高く評価されます。
健康食品・機能性食品・ウェルネス市場のトレンド(腸活・免疫サポート・パーソナライズ栄養など)への理解を示すことも有効です。
戦略4. STAR法による行動事例の準備
ファンケルの面接では「過去にどのような課題に直面し、どのように解決したか」という行動事例ベースの質問が多く使われます。STAR法(状況・課題・行動・結果)に沿って、過去の職歴から複数の具体的エピソードを準備しておいてください。
特に「顧客視点で課題を発見した経験」「数字の改善にコミットした経験」「チームで協力して難しい目標を達成した経験」は、ファンケルの評価軸と整合性が高いエピソードです。
戦略5. グローバル事業への関心をアピールする
ファンケルは香港・台湾・シンガポールなどアジア市場へのグローバル展開を進めています。語学力(英語・中国語等)を持つ方はグローバル事業志向を積極的にアピールしてください。アジア市場での化粧品・健康食品ビジネスへの理解と語学力の組み合わせは、希少なスキルセットとして評価される可能性があります。
戦略6. 研究開発職は論文・研究実績の明確化を
研究開発職を志望する場合は、大学院・研究機関・企業での研究テーマ・発表論文・特許・研究成果を具体的に整理したポートフォリオを準備することが有効です。「皮膚科学・栄養科学・発酵科学という専門分野とファンケルの研究テーマがどう重なるか」を明示できると、書類選考・面接での評価が高まります。
ファンケルへの転職で評価されやすい経験
- 化粧品・スキンケア・ヘアケア業界でのマーケティング・ブランドマネジメント経験
- 健康食品・サプリメント・機能性食品業界での商品企画・マーケティング経験
- D2C・通販・カタログ販売でのマーケティング・CRM・顧客管理経験
- ECサイト運営・デジタルマーケティング(SEO・SEM・SNS広告・メルマガ)経験
- 百貨店・ドラッグストア・量販店への営業・販売促進・バイヤー経験
- 皮膚科学・栄養科学・食品科学・発酵科学での研究開発経験(大学院修士以上)
- 消費財メーカーでの商品開発・品質管理・規格設計経験
- カスタマーサポート・コールセンター運営・VOC(顧客の声)分析経験
- グローバルマーケティング・アジア市場での事業展開経験
- データ分析・BI・CRM分析での顧客インサイト抽出経験
- ブランドコミュニケーション・広告制作・パブリシティ管理経験
- サプライチェーン・調達・品質保証の実務経験
特に評価されやすいのは、化粧品・ヘルスケア・D2C業界での実務経験を持ち、「ファンケルの無添加コンセプトへの本質的な共感」と「顧客に正直に価値を届けたいという強い姿勢」を持つ方です。スキルの適合性と同時に、ファンケルというブランドへの愛着と誠実さへの共鳴が、選考においてもっとも大切な評価軸のひとつとなっています。
まとめ
株式会社ファンケルは「無添加化粧品」という40年以上のブランド資産を持ち、化粧品・サプリメント・発芽米という独自の3事業ポートフォリオとD2C×小売のハイブリッドチャネルで安定した収益基盤を持つ東証プライム上場企業です。2019年のキリンHDとの資本業務提携により、機能性食品・健康科学という成長領域での新たな事業展開が加速しており、「美と健康を科学的根拠に基づいて提供するライフスタイルブランド」への進化が続いています。
転職先としてのファンケルの魅力は「40年以上の信頼を持つブランド資産の下でのマーケティング・開発経験」「D2C×デジタルという成長領域での実務機会」「誠実な企業文化と比較的安定した働き方」の3点に集約されます。「美と健康」というテーマへの本質的な関心と「正直なものづくりへの共感」を持つ方にとって、ファンケルは自分の価値観と深く共鳴できる職場になり得ます。
平均年収は業界最大手と比べると高くはありませんが、安定した経営基盤・働きやすい環境・顧客から愛されるブランドという点では高い評価を持つ企業です。化粧品・ヘルスケア・D2C業界でのキャリアを長期的に積みたいと考えている方は、ファンケルへの転職を選択肢の一つとして積極的に検討してみてください。あなたのキャリアとファンケルのミッションが重なる部分を見つけて、ぜひ自分らしいキャリアを築いていただきたいと思います。
