エフビー介護サービスとは
エフビー介護サービス株式会社は、長野県を拠点に信越・北関東5県で介護サービスを展開する上場介護事業者です。1987年に「エフビー信州株式会社」として創業し、当初はインテリア・宝飾・衣料の卸売業を営んでいましたが、2000年に介護事業へ参入。以後、地域の高齢化ニーズに応えながら着実に規模を拡大し、2022年4月に東証スタンダード市場(証券コード:9220)へ上場を果たしました。
長野県の介護事業者として初の上場企業という位置づけは、同社の信頼性と社会的認知度を高める大きな要素となっています。代表取締役の栁澤美穂氏(女性経営者)のもと、「地域密着、24時間・365日、すぐやる、必ずやる、できるまでやる、すべては利用者様のために」という理念を全社で共有しながら、介護の質向上とES(職員満足)向上の両立を経営の柱に据えています。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | エフビー介護サービス株式会社 |
| 英語名 | FB Kaigo Service Co., Ltd. |
| 証券コード | 9220(東証スタンダード市場) |
| 設立 | 1987年4月(介護事業開始:2000年4月) |
| 本社所在地 | 長野県佐久市 |
| 代表取締役 | 栁澤美穂 |
| 従業員数 | 約1,250名(2024年3月現在) |
| 売上高 | 約109億6,700万円(2025年3月期) |
| 営業利益 | 約6億5,900万円(2025年3月期) |
| 事業内容 | 介護事業・福祉用具事業 |
| 主な展開エリア | 長野・新潟・群馬・栃木・埼玉の5県 |
| 上場年月 | 2022年4月 |
主な事業内容
介護事業
同社の主力セグメントである介護事業では、要介護者の状態やニーズに応じた多様なサービスを提供しています。
施設系サービス
- 介護付き有料老人ホーム:24時間の介護体制で、要介護度の高い入居者を受け入れる旗艦サービス
- 住宅型有料老人ホーム:自立〜軽度介護の高齢者向け住まいで、外部サービスを組み合わせて利用できる
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護):認知症の方が少人数で共同生活を送るための施設
居宅系サービス
- 小規模多機能型居宅介護:「通い・泊まり・訪問」を一つの事業所で組み合わせる地域密着型サービス
- 看護小規模多機能型居宅介護:上記に訪問看護機能を加えた医療ニーズへの対応サービス
- デイサービス(通所介護):日中の通所で入浴・食事・レクリエーションを提供
- 訪問介護:ホームヘルパーが自宅を訪問して身体介護・生活援助を行う
- 訪問看護:看護師が自宅を訪問して医療的ケアや健康管理を行う
- 居宅介護支援:ケアマネジャーがケアプランを作成し、適切なサービス利用を調整
福祉用具事業
介護保険制度に基づく福祉用具のレンタル・販売事業を展開しています。車椅子・特殊寝台・歩行補助用具などをレンタルするほか、入浴用品など購入対象の特定福祉用具の販売も行います。福祉用具専門相談員が利用者の身体状況や住環境に合った福祉用具を提案し、定期的なメンテナンスや用具の変更にも対応します。
この福祉用具事業が介護事業と組み合わさることで、「在宅での福祉用具利用→状態変化による施設入居」という、利用者のライフステージに沿ったワンストップ支援が実現しています。
エフビー介護サービスの強み
1. 長野県初の介護事業者上場企業という信頼基盤
2022年4月の東証スタンダード市場上場は、単なるステータスにとどまらず、財務情報の透明性確保・ガバナンス強化・採用力向上に直結しています。上場企業として法定開示義務を果たすことで、求職者・取引先・利用者家族からの信頼を獲得しやすい立場にあります。地域の介護事業者が乱立する中で、上場というブランドは差別化の強力な武器となっています。
2. 信越・北関東5県のドミナント戦略
長野・新潟・群馬・栃木・埼玉という隣接5県に事業を集中させるドミナント戦略により、エリア内でのブランド認知・採用力・サービス連携の効率を最大化しています。ブランクなく同一エリア内で利用者の状態変化に対応できる点は、「在宅から施設へ」のスムーズな移行を可能にする地域密着型サービスの核心です。
3. 福祉用具からサービス入居までのワンストップ体制
他の介護事業者の多くは「施設系」か「居宅系」のどちらかに特化していますが、同社は福祉用具・居宅・施設という3層すべてをカバーします。利用者が介護度の進行に合わせてサービスを移行する際も、ケアマネジャーや営業担当が内部完結で調整できるため、利用者家族の負担が軽減されます。
4. M&Aによる積極的なエリア拡大
有機的成長(既存事業の拡大)に加え、M&Aを活用した戦略的拡大を推進しています。すでに南関東エリアへの進出も視野に入れており、上場で得た資金調達力を活かして事業エリアを段階的に広げています。
5. 介護テックの先進的導入
2023年7月、全30床の施設に介護見守りシステム「ライフリズムナビ」を法人として初導入しました。夜間の見守り負担を軽減し、介護士の身体的・精神的負担を削減することで、人材定着率の向上を図っています。介護テックへの積極投資は、人手不足が深刻な介護業界において同社の採用競争力を高める要素の一つです。
6. 女性代表取締役による多様性推進
代表取締役の栁澤美穂氏が率いる経営体制は、介護業界の主力人材である女性スタッフへの共感を生みやすく、ES(職員満足)重視の経営方針とも一致しています。女性が活躍しやすい職場づくりという観点でも、同社のカルチャーは業界内で一定の評価を受けています。
エフビー介護サービスの年収事情
エフビー介護サービスの年収水準は、全国的な介護業界の平均と同等かやや低めの水準です。以下は目安となる職種別年収レンジです(口コミ・公開情報をもとにした推定値)。
| 職種 | 年収目安 |
|---|---|
| 介護職員(未経験・資格なし) | 250〜290万円 |
| 介護職員(初任者研修修了) | 280〜330万円 |
| 介護福祉士 | 310〜380万円 |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 350〜430万円 |
| 福祉用具専門相談員 | 300〜380万円 |
| サービス提供責任者 | 320〜400万円 |
| 訪問看護師 | 380〜480万円 |
| 施設長・管理職 | 450〜550万円 |
- 平均年収:約381〜394万円(推定)
- 賞与:4ヶ月分(福祉用具専門相談員の例)
- 年間休日:120日
介護業界全体の平均年収(420〜450万円程度)と比較するとやや低い水準ですが、上場企業として処遇改善に継続的に取り組んでいる点、賞与が年4ヶ月分程度確保されている点は評価できます。介護業界では政府の処遇改善加算制度の充実が続いており、今後の年収改善も期待されます。
エフビー介護サービスの働き方・福利厚生
勤務形態
介護業界の特性上、シフト制勤務(早番・日勤・遅番・夜勤)が基本です。施設系では夜勤専従や夜勤手当(1回あたり数千〜1万円程度)が別途支給されます。
主な福利厚生・制度(10項目)
| 制度・福利厚生 | 内容 |
|---|---|
| 社会保険完備 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 |
| 年間休日 | 120日 |
| 資格取得支援 | 初任者研修・実務者研修・介護福祉士等の費用補助 |
| 夜勤手当 | 夜勤1回あたりの別途手当支給 |
| 賞与 | 年2回(計4ヶ月分程度) |
| 昇給 | 年1回 |
| 育児休業・産後パパ育休 | 法定基準以上の取得推進 |
| 介護テック活用 | 見守りシステム等の導入で夜間業務の負担軽減 |
| 制服・ユニフォーム貸与 | 作業に適した制服の無償貸与 |
| 慶弔見舞金 | 結婚・出産・弔事等に応じた給付 |
エフビー介護サービスの社風・カルチャー
エフビー介護サービスの組織文化を一言で表すなら「現場を大切にする地域密着型」です。
経営理念「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」に象徴されるように、現場のスタッフが利用者のために即断即決で動くことを重視しています。本社から遠い現場スタッフも「自分が地域の介護インフラを支えている」という自負を持ちながら働いている声が見られます。
女性代表取締役のもと、女性スタッフが働きやすい環境づくりにも力を入れており、育児と両立しながら長く働き続けるためのサポート体制を整えています。介護業界は離職率の高い業種として知られていますが、同社はES(職員満足度)向上を全社方針として掲げることで、定着率の改善に取り組んでいます。
上場企業として内部統制や情報開示の整備も進んでおり、「地方の中小介護事業者」という印象とは異なる、組織的・体系的な運営が行われています。一方、地域密着の温かみと「家族のように利用者を支える」という介護本来の精神も大切にしており、規模と温かさを両立した職場環境が同社の特徴です。
エフビー介護サービスの転職難易度
難易度:低〜中級
介護業界全体が深刻な人手不足に直面しているため、エフビー介護サービスの採用難易度は全業種の中では比較的低い水準です。ただし、上場企業として一定の選考基準を設けており、「誰でも受かる」というわけではありません。
難易度が低いポジション
- 介護職員(未経験・無資格可)
- 初任者研修修了者の介護補助
難易度が中程度のポジション
- 介護福祉士(有資格者は歓迎度が高い)
- ケアマネジャー(有資格者のみ)
- 福祉用具専門相談員(有資格者が優遇)
難易度がやや高いポジション
- 施設長・管理職(マネジメント経験必須)
- 看護師(資格必須・実務経験重視)
介護資格(初任者研修・介護福祉士・ケアマネジャー等)を保有している方は採用確率が高く、未経験者でも介護職への熱意と学習意欲が伝われば書類選考を通過しやすい環境です。
エフビー介護サービスに向いている人
エフビー介護サービスへの転職が向いているのは、以下のような方です。
- 信越・北関東エリアに住んでいる、または引っ越せる方:ドミナント戦略を採るため、現時点では主要5県内での就業が前提となります
- 介護の仕事に強いやりがいを感じている方:利用者の生活を直接支えるサービス業としての本質的な魅力を理解している人が定着しやすい
- 資格取得によってキャリアアップしたい方:介護職員→介護福祉士→ケアマネジャーという明確なキャリアパスが存在し、資格取得を評価する文化がある
- 上場企業の安定性を介護業界で求めている方:中小介護事業者の経営リスクを避け、上場企業の透明性と安定性を求める方に適している
- 介護テックに興味があり、変化を前向きに捉えられる方:見守りシステム等の先進的テクノロジー導入を推進しており、新しいことに積極的な方に合う
- 地方でのワーク・ライフ・バランスを重視する方:都市圏と比べて通勤負担が少なく、地域コミュニティに根ざした働き方ができる
エフビー介護サービスに向いていない人
逆に、以下のような方にはミスマッチが生じる可能性があります。
- 高収入を最優先する方:介護業界の構造的な課題として、年収水準が全産業平均を下回るため、収入面での不満が生じやすい
- 土日・祝日を必ず休みたい方:施設・居宅ともに365日サービスを提供するため、シフト勤務で土日出勤が生じることがある
- 都市部(東京・大阪等)での勤務を希望する方:現時点の事業エリアは信越・北関東中心であり、大都市圏勤務は難しい
- 介護の直接ケアを避けたい方:事務・管理系ポジションは限られており、現場に近い業務への配属が多い
- 明確なリモートワーク制度を求める方:介護サービスは対面・現場での提供が基本であり、在宅勤務の適用範囲は限定的
エフビー介護サービスの選考対策
1. 介護への動機を具体的に語る
「なぜ介護業界なのか」「なぜエフビー介護サービスなのか」という2層の動機を具体的なエピソードで語れるよう準備しましょう。家族の介護経験・ボランティア経験・前職での接点など、実体験に基づくストーリーが説得力を持ちます。
2. 地域への定着意思を明確に伝える
ドミナント戦略を採る同社にとって、長期的に地域で働き続けてくれる人材は特に歓迎されます。「なぜ長野(または展開エリア)で働くのか」を伝えられると好印象です。
3. 保有資格・取得予定資格をアピール
介護業界の資格は評価が明確です。初任者研修・実務者研修・介護福祉士・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員・看護師など、保有している資格はすべてアピールしましょう。未取得の場合も「〇月に受験予定」という意欲を示すことが有効です。
4. 前職での具体的な成果・数字を準備
介護経験者であれば「担当利用者数・件数」「夜勤回数」「作成したケアプラン件数」など具体的な数字を準備しましょう。他業界からの転職の場合でも、チームへの貢献・対人サービスの経験・粘り強さを示すエピソードが有効です。
5. 上場企業への理解を示す
介護事業者の中では珍しい上場企業であることを把握し、「財務情報の透明性」「ガバナンスの整備」「中期経営計画への共感」などの観点から志望理由を語ると、採用担当者の印象に残りやすいです。
6. ES重視の経営理念に共鳴する姿勢を見せる
「職員が満足しなければ利用者も満足できない」という同社のES経営への理解と共感を示すことが重要です。チームワーク・職場の雰囲気を大切にする姿勢、後輩育成への意欲なども積極的にアピールしましょう。
エフビー介護サービスへの転職で評価されやすい経験
書類選考・面接で特に評価されやすいポイントを挙げます。
- 介護福祉士資格の保有
- ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の保有
- 初任者研修・実務者研修の修了
- 福祉用具専門相談員の資格保有
- 看護師・准看護師免許の保有
- 施設系介護サービスでの実務経験(年数が多いほど評価される)
- 夜勤対応の実績(施設勤務の場合)
- ケアプラン作成の実務経験(ケアマネジャー職志望の場合)
- チームリーダー・ユニットリーダーの経験
- 新人・後輩スタッフへのOJT経験
- 利用者・家族への相談援助・コミュニケーション実績
- 介護記録・業務マニュアル整備の経験
- 介護テック(見守りシステム・ICT記録システム等)の活用経験
- 医療機関・地域包括支援センターとの連携実績
中期経営計画と今後の成長見通し
エフビー介護サービスは、上場後の中期経営計画において5年後に売上高150億円・営業利益10億円を目標として掲げています。2025年3月期の売上高が約109億6,700万円であることを踏まえると、年率5〜7%程度の成長を見込んでいる計算になります。
成長の柱は次の3点です。
- 既存エリアでのサービス密度向上:長野・新潟・群馬・栃木・埼玉の5県内で、サービス拠点を増やしてドミナントの優位性をさらに高める
- M&Aによる新エリア開拓:南関東(東京・神奈川・千葉等)への進出を視野に入れた買収・提携を進める
- 介護テックによる生産性向上:見守りシステム・ICT記録システムの全施設展開で介護士1人当たりの担当利用者数を増やし、人手不足下での収益性改善を図る
高齢化の進展により、介護サービスの需要は今後20〜30年にわたって構造的に拡大することが確実視されています。その需要をいち早く取り込む体制を整えた上場介護事業者として、エフビー介護サービスは転職先としての将来性も含めて評価できる企業です。
まとめ
エフビー介護サービス株式会社は、長野県初の介護事業者上場企業として、信越・北関東5県での地域密着型介護を着実に拡大している企業です。福祉用具から施設介護までのワンストップ体制、女性代表取締役によるES重視の経営、介護テックへの先進的投資など、業界内でも際立った特徴を持っています。
転職先として検討する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
こんな方に特にオススメ:信越・北関東エリア在住で介護業界でのキャリアを築きたい方、上場企業の安定性を介護業界に求めている方、資格取得によるキャリアアップを目指している方。
注意点:年収水準は全産業平均を下回るため、収入面での期待値を調整しておく必要があります。また、シフト制・土日出勤が基本となる点も事前に確認が必要です。
介護業界への転職を検討している方にとって、同社は上場企業の信頼性と地域密着の温かさを両立した、バランスのよい選択肢のひとつといえます。転職エージェントに相談する際は、保有資格と地域の定着意思をしっかり伝えることで、マッチ度の高い求人提案を受けやすくなります。
