「大阪王将」を看板に持つ株式会社イートアンドホールディングスは、単なる外食チェーン運営会社ではない。外食事業と食品事業の二軸体制のもと、店舗展開・食品製造・物流・販売まで一貫して手がける食品持株会社だ。東証プライム市場に上場し、2026年2月期には売上高404億円を達成。2027年には500億円・650店舗という中期目標を掲げており、積極的な成長投資を続けている。
転職市場においてイートアンドグループは「外食系の安定上場企業」として認知度が高い。飲食店舗の現場職から食品工場の製造管理職、さらにはコーポレートの企画・財務職まで、採用対象の幅が広いことも特徴だ。業界経験者はもちろん、未経験から挑戦できるポジションも存在するため、「食に携わるキャリア」を軸に考える転職者には特に検討に値する選択肢といえる。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社イートアンドホールディングス |
| 設立 | 1977年8月(創業:1969年9月) |
| 代表者 | 代表取締役会長CEO 文野 直樹/代表取締役社長COO 仲田 浩康 |
| 本社 | 東京都品川区東品川4丁目12番8号 品川シーサイドイーストタワー15階(東京ヘッドオフィス) |
| 本店所在地 | 大阪府大阪市淀川区宮原3丁目3番34号 新大阪DOIビル3階 |
| 資本金 | 31億86百万円(2026年2月末現在) |
| 従業員数 | 1,853名(2026年2月末現在、グループ社員+パートアルバイト8h換算) |
| 上場区分 | プライム市場(証券コード2882) |
| 売上高 | 404億円(2026年2月期) |
| 平均年収 | 約587〜588万円程度(各種求人データより推計) |
| 平均年齢 | 非公開(グループ全体) |
| 勤続年数 | 非公開(グループ全体) |
| 事業内容 | 外食事業(大阪王将等)・食品事業(冷凍餃子・惣菜等)の持株会社 |
イートアンドホールディングスは、傘下に大阪王将を運営する株式会社イートアンドフードサービスと、冷凍食品製造を担う株式会社イートアンドフーズなどを持つグループ持株会社だ。外食部門は国内外約469店舗体制を誇り、食品部門は「羽根つき餃子」の国内販売シェアトップを維持している。2026年には宮崎県に新工場の竣工が予定されており、生産能力の拡大も続く。
主な事業内容
イートアンドホールディングスの事業は大きく「外食事業」と「食品事業」の二軸に分かれる。持株会社として両事業の戦略策定・資源配分・ガバナンスを行うのが本体の役割だ。
外食事業(大阪王将・その他)
グループ中核の外食事業は「大阪王将」を主力ブランドとする。中華料理をベースにした大衆向けメニューで、全国約469店舗(国内外含む)を展開している。フランチャイズと直営を組み合わせた多店舗展開モデルで、既存店の収益改善と新規出店の両輪で成長を目指している。
また、「アールベイカー(R Baker)」などのサブブランドも傘下に持ち、外食ポートフォリオの多様化を図っている。店舗運営スタッフだけでなく、SV(スーパーバイザー)・エリアマネージャー・加盟店開発営業など上位職も定期的に採用している。
食品事業(冷凍餃子・惣菜)
食品事業はイートアンドフーズが担い、スーパーや量販店、ECなどを通じて冷凍餃子・冷凍惣菜を販売する。「羽根つき餃子」は国内の市販冷凍餃子カテゴリにおいてトップシェアを持つとされ、同社を代表する商品だ。
製品開発・品質管理・工場管理・物流まで一貫して手がけており、食品メーカーとしての機能も備えている。B to Cの量販ルートに加え、業務用の外食向けOEMなど多様な販路を持つ。2026年に宮崎県で竣工予定の新工場により、製造能力をさらに拡大する計画だ。冷凍食品は家庭内での食の簡便化トレンドとも合致しており、中長期的な需要成長が見込まれる事業軸だ。
グループ経営・コーポレート機能
持株会社であるホールディングス本体では、経営企画・財務・人事・法務・広報・IR等のコーポレート機能を担っている。グループ全体の中期経営計画の立案・管理や資本政策など、経営の中枢機能が集約されている。上場企業のコーポレート機能への転職を希望するプロフェッショナル層にも注目度が高い。外食グループとしては比較的整備されたコーポレートガバナンス体制を持ち、IR・内部統制・コンプライアンスの各機能でプロ人材を継続採用している。
イートアンドホールディングスの強み
強み1. 「大阪王将」ブランドの認知力と全国網羅性
「大阪王将」は日本全国に約469店舗を展開し、ファミリー層から一人客まで幅広い顧客基盤を持つ。長年にわたって育ってきたブランド認知は外食業界でも有数であり、新店舗の集客力と既存顧客のロイヤルティが高い。転職者にとっては、知名度の高い事業ブランドに携わることができるという点で、キャリアの訴求力が生まれやすい。
強み2. 冷凍食品「羽根つき餃子」の市場トップシェア
市販冷凍餃子カテゴリにおける「羽根つき餃子」のトップシェアは、同社食品事業の最大の競争優位だ。量販店・ECのいずれでも安定した販売実績を持ち、コロナ禍以降の家庭内需要増においても恩恵を受けた。製造から販売まで一貫する体制が収益性を支えており、食品メーカーとしての技術蓄積も厚い。
強み3. 外食と食品製造の二事業軸によるリスク分散
外食事業は景気や社会環境の影響を受けやすい一方、家庭向け食品事業は相対的に安定した需要が続く。この二軸構造が業績の安定性に寄与しており、外食単独の企業と比較して業績の波が小さい。転職者にとっては「環境変化に強い会社」という点が長期的な安心感につながる。
強み4. 上場企業としての財務規律とIR透明性
東証プライム市場上場企業として、財務情報の開示や株主向けIR対応を行っている。コーポレートガバナンスの枠組みが整備されており、働く社員にとっても組織の財務健全性や経営方針の透明性が確保されている。上場企業での経験を積みたい転職者に適した環境といえる。
強み5. 2027年500億円・650店舗に向けた成長フェーズ
中期経営計画では2027年2月期に売上高500億円・650店舗体制を掲げており、現時点で達成に向けた積極投資が続く。宮崎新工場の竣工計画もその一環だ。成長局面の企業に転職することで、新規プロジェクトや機能拡充に関わるチャンスが多く、経験の幅を広げやすい環境がある。
強み6. 食のバリューチェーン全体に携われる経験価値
製品開発・製造・物流・店舗運営・販売・マーケティング・コーポレートまで、食品業界の各機能が一社グループ内に存在する。これにより、ひとつの会社での経験でも食バリューチェーン全体の視野を持つことが可能だ。キャリアの多様性という観点からも、食品・外食業界での転職軸がある人に評価されやすい環境だ。
イートアンドホールディングスの年収事情
職種別の想定年収レンジ
| 職種 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| 店舗スタッフ(正社員) | 280〜380万円程度 |
| 店長・エリアリーダー | 380〜480万円程度 |
| SV・エリアマネージャー | 450〜600万円程度 |
| 加盟店開発・FC営業 | 400〜580万円程度 |
| 食品製造・品質管理 | 350〜500万円程度 |
| 経営企画・財務 | 500〜750万円程度 |
| 人事・広報 | 450〜650万円程度 |
| マーケティング | 450〜620万円程度 |
給与制度の特徴
各種求人・口コミデータによれば平均年収は587〜588万円程度とされている。ただしこれはコーポレート職を含む平均であり、職種・グレードによって幅が大きい点には注意が必要だ。昇給は年次評価に基づくケースが多く、実力主義的な側面と年功的な側面が混在する。賞与は年2回が一般的で、業績連動の割合は役職が上がるほど大きくなる傾向がある。
福利厚生として社員持株会(奨励金5%支給)、社宅制度、慶弔見舞金、退職金制度があり、「食の福利厚生」として大阪王将や関連施設での食事補助的なメリットもある。
年収を見る際の注意点
- 持株会社本体とグループ子会社(イートアンドフードサービス等)で処遇が異なる場合がある
- 店舗系職種(店長以下)の年収レンジは業界平均並みかやや低めになるケースが多い
- コーポレート職・上位マネジメント職は年収水準が跳ね上がる傾向がある
- 月間残業時間は約29時間程度との口コミ情報があり、みなし残業の有無は求人票で必ず確認する
イートアンドホールディングスの働き方・福利厚生
- 勤務時間: 店舗系はシフト制・変形労働時間制が基本。コーポレート系は標準的な9〜18時型が中心
- 休日: 週休2日制(職種・部門によって異なる)。年次有給休暇の消化率は約58%程度との口コミがある
- リモートワーク: コーポレート部門を中心に一部導入。店舗・製造系職種はリモート対応困難
- 社宅・住宅: 社宅制度あり(詳細は職種・勤務地による)
- 社員持株会: 奨励金5%支給
- 退職金制度: あり
- 慶弔・見舞金: あり
- 健康診断: 定期健康診断あり
- 食事補助: 大阪王将等グループ施設での食事関連優待(食の福利厚生)
- 各種表彰制度: 優秀者への社内表彰あり
- 育児・介護: 法定水準の育児休業・介護休業制度あり
- 注意点: 店舗勤務は土日・祝日出勤が基本となるため、家族との休日を合わせたい人は事前に確認が必要。外食業界全般の特性として、平日休みの生活サイクルへの適応を見込んでおくこと
イートアンドホールディングスの社風・カルチャー
一言で表すなら「現場主義・食への情熱」
同社の社風を一言でいえば「現場から学ぶ、食に真剣な人が集まる会社」だ。大阪王将という全国チェーンの現場感覚を重視する文化が根底にあり、コーポレート職であっても現場への理解度が評価に影響するケースがある。会長CEOがもともと創業家系の食への情熱を持つ文化的バックグラウンドがあり、食と顧客への姿勢が全社に浸透している。
評価される人物像
- 外食・食品の「現場」を尊重し、泥臭い課題解決を厭わない人
- 目標数値(売上・利益・店舗数)に対してコミットメントできる人
- 食そのものに対して本質的な興味・愛着がある人
- チームワークを重視しながら、自分の専門性も主張できる人
表面的なイメージと実態の差
「大阪王将」という親しみやすいブランドイメージから「のびのびした社風」を想像する人も多いが、成長フェーズの中で数値管理が厳格になりつつある側面もある。口コミには「ワーカーホリックであれば楽しめる」という声がある一方で、「仕事量が多い時期がある」という指摘もある。特に店舗系・SV職は業務量が大きいため、「外食業界のハードさ」は一定程度見込んでおく必要がある。
イートアンドホールディングスの転職難易度
難易度:3〜4級(5段階評価)
総じて「門戸は広いが上位職・コーポレート職ほど競争が激しい」という構造だ。店舗系・製造系の中途採用は継続的に行われており、未経験でも応募できるポジションが存在する。一方で経営企画・財務・人事・マーケティングなどのコーポレート中核職は枠が限られており、同業上場企業での実務経験と即戦力性が求められる。
理由1. 外食・食品業界のモデル企業として競争倍率が高い
大阪王将ブランドと上場企業という組み合わせは、食品・外食業界を志望するビジネスパーソンにとって「業界内での格上げ転職先」として映ることが多い。競合他社(大手外食チェーン・食品メーカー)からの転職希望者が集まりやすく、書類段階から競合が発生しやすい。
理由2. コーポレート職はポジション数が限られる
持株会社のコーポレート機能は規模が限られており、財務・IR・経営企画などのポジションは数名規模での採用となることが多い。採用があるかどうかも時期による不確実性が高いため、エージェント経由での情報収集が有効だ。
理由3. 現場経験を問われることが多い
コーポレート職であっても「外食や食品の現場感覚があるか」を面接で確認されることが多い。純粋なデスクワーク型のバックオフィス経験のみでは「食への解像度が低い」とみなされることがある。現場経験やフィールドでの経験値をアピールできると有利になる。
イートアンドホールディングスの主な募集職種
外食・食品グループとして幅広い職種を継続採用している。
- 店舗スタッフ(正社員)
- 店長候補・エリアリーダー
- スーパーバイザー(SV)
- 加盟店開発・フランチャイズ営業(食品・飲料・香料法人営業に近いスキルセット)
- 食品製造・生産管理
- 品質管理・品質保証
- 経営企画
- 採用担当
- 広報・PR担当
- 財務会計
イートアンドホールディングスに向いている人
タイプ1. 「食」を軸にキャリアを積みたい人
食品・外食業界での長期キャリアを志す人にとって、製造から小売・外食まで一貫して手がける同グループは格好の舞台だ。
タイプ2. 成長フェーズの上場企業で経験を積みたい人
中期目標達成に向けた積極投資局面であるため、新規プロジェクトや事業拡大に関わる機会を求める人に向いている。
タイプ3. 外食業界での上位職キャリアを目指す人
SV・エリアマネージャー・加盟店開発など、外食業界でのマネジメントキャリアを構築したい人に適したポジションが揃っている。
タイプ4. 上場企業コーポレートで「食」の文脈を学びたい人
食品・外食業界の上場企業でのコーポレート経験(財務・IR・人事等)を積みたいビジネスパーソンにとって、プライム市場企業という箔がキャリア上の付加価値になる。
イートアンドホールディングスに向いていない人
批判ではなく、ミスマッチを防ぐためにお伝えする。
- タイプ:土日完全休みを求める人: 外食業界の性質上、店舗系職種は土日が繁忙期となる。平日休みの生活サイクルが前提となる
- タイプ:食品・外食への興味が薄い人: 製品・ブランドへの愛着が薄いと長続きしない文化がある。食への本質的な関心が求められる
- タイプ:リモートワーク中心の働き方を希望する人: 現時点では製造・店舗系が中心で、フルリモート体制ではない
- タイプ:短期的な高年収を最優先にする人: 業界特性から、金融・コンサルと比較して総報酬は控えめ。食の仕事そのものに価値を見出せるかが重要
- タイプ:外食業界のスピード感・変化が苦手な人: 店舗数が多く、トレンドや顧客動向の変化に即対応する文化がある
イートアンドホールディングスの選考対策
選考対策1. 外食・食品業界への「本気度」を伝える
面接は比較的和やかな雰囲気との口コミが多いが、「なぜ食品・外食業界なのか」「なぜイートアンドグループなのか」という志望動機の深さが問われる。「大阪王将が好き」という個人的な親しみに留まらず、事業への理解と自分のキャリアとの接続を論理的に語れるよう準備する。
選考対策2. 「大阪王将」以外の事業も把握しておく
多くの応募者は大阪王将の知識しか持たずに面接に臨む。アールベイカーや食品事業(冷凍餃子の製造・販売)、グループ戦略まで把握していると「解像度の高い候補者」として差別化できる。公式サイトのIRページや決算資料に目を通しておくことが有効だ。
選考対策3. 数値管理・目標設定の経験を具体化する
外食・食品の成長フェーズにあるため、数値管理・KPI設定・目標達成プロセスの経験が評価される。前職での実績数値(売上目標達成率・コスト削減額・採用人数等)を具体的なエピソードとともに語れるよう整理しておく。
選考対策4. 現場理解を示すエピソードを準備する
コーポレート職志望であっても、「現場を大切にする感覚」を面接でアピールできると評価されやすい。アルバイトや飲食関連の経験、または類似業界での現場経験があれば積極的に話す。なければ、グループ店舗への訪問・体験から得た考察を語ることも有効だ。
選考対策5. 中期経営計画への理解を示す
2027年500億円・650店舗体制という中期目標を念頭に、「自分がその達成に何を貢献できるか」を志望理由の軸にする。単なる自己PRではなく、企業の成長戦略と自分のスキルを結びつける思考を面接で示すことが重要だ。
選考対策6. 外食業界特有の「タフさ」への適応意思を示す
口コミからは業務量の多さを指摘する声もある。「外食業界の現実を理解したうえで入社したい」という覚悟を率直に示すことで、入社後のミスマッチリスクを低減できる。
イートアンドホールディングスへの転職で評価されやすい経験
- 外食チェーンでのスーパーバイザー・店長経験
- フランチャイズ本部での加盟店開発・管理経験
- 食品メーカーでの製造管理・品質保証経験
- 上場企業でのIR・財務・経営企画経験
- 多店舗展開企業での人事・採用担当経験
- 食品・飲料系のマーケティング・ブランド担当経験
- 飲食業界での物流・SCM管理経験
- 製造業での工場管理・生産改善経験
- コンビニ・スーパー等での食品バイヤー・MD経験
- 食品ECでの運営・販促経験
- 飲食グループでのコーポレート法務・コンプライアンス経験
- 食品業界に特化したコンサルティング経験
特に評価されやすいのは「外食チェーンのSV・店長経験×数値目標への強いコミット実績」の組み合わせで、グループの主力である大阪王将店舗網の拡大・品質管理に直結するスキルとして、面接での評価が高い傾向がある。
また、食品工場での製造改善経験・HACCPや食品衛生管理の資格・食品業界でのデジタルマーケティング実績なども、同グループの成長戦略に合致した付加価値として評価されやすい。コーポレート職では、食品・外食セクターをカバーした証券アナリスト・IR担当・M&Aアドバイザリー経験者も採用視野に入る。
まとめ
株式会社イートアンドホールディングスは「大阪王将」の外食ブランドと「羽根つき餃子」の食品事業を両輪とする、東証プライム市場上場の食品持株会社だ。売上高は2026年2月期で404億円、2027年に500億円・650店舗体制を目指す成長フェーズにある。食に本質的な関心を持ち、成長企業の中で幅広い機能に関わりたい転職者に向いている。
平均年収は約588万円程度とされ、外食業界の中では比較的高水準だが、職種によって幅が大きい。コーポレート職は即戦力性が問われる一方、店舗系・製造系は未経験でも応募しやすいポジションが存在する。選考では「食への本気度」と「現場への理解」が一貫して評価されるため、事業研究と現場理解の深さが合否を分けるポイントとなる。
食のバリューチェーン全体に関わるグループ企業という特性を最大限に活かし、自分のキャリアをどの軸で重ねていくかを明確に言語化した上で、転職準備を進めることを推奨する。
「大阪王将を知っているから」ではなく、「この会社の成長戦略に自分がどう貢献できるか」を起点に志望動機を構築した候補者が、最終的に選ばれる傾向がある。事業理解の深さが選考突破の鍵だ。
