株式会社オーリーズは、「NPS経営の運用型広告代理店」という看板を掲げる、デジタル広告領域の専門エージェンシーです。Google Ads・Meta広告・Yahoo!広告などの運用型広告の運用代行と、企業が自社内で広告運用を完結させるための「インハウス支援」を2本柱とした事業を展開しています。

多くの広告代理店が「営業・プランニング・運用」を分業化する中、オーリーズは1人の担当者が提案から運用まですべてを担う「非分業体制」を採用し、1担当者が関与できるクライアント数を最大4社に制限しています。2025年下期時点での顧客不満率0%・平均プロジェクト継続期間3.2年・平均NPS 34ptという数字が、この体制の結果です。

人材エージェントの視点から見ると、オーリーズは「広告運用のプロフェッショナルとしてのキャリアを深めたい人」にとって非常に魅力的な選択肢である一方、規模が小さいことに由来する「キャリアパスの多様性の限界」という課題も正直に把握しておく必要があります。本記事では、同社の実態・強み・注意点・選考対策まで徹底解説します。

企業概要

項目内容
会社名株式会社オーリーズ(ALLIS Inc.)
設立2011年9月
代表取締役鈴木 多聞
本社所在地東京都港区赤坂4丁目8番15号 赤坂KOSENビル7階
資本金3,300万円
従業員数約75名(2025年時点)
上場区分未上場
事業内容運用型広告の運用代行・インハウス支援・マーケティングテクノロジー導入支援
平均年収550万〜700万円(公開求人・口コミ情報ベース)

設立から15年を経た今も未上場を維持しており、売上情報は非公開です。ただし求人情報には「年比200%成長中」という記載もあり、中規模ながら着実に成長していることは読み取れます。

主な事業内容

運用型広告 運用代行

Google Ads(検索・ディスプレイ・ショッピング)・Meta広告(Facebook/Instagram)・Yahoo!広告・LinkedIn広告など、主要な運用型広告プラットフォーム全般の運用代行サービスです。広告戦略の立案から媒体設定・クリエイティブの管理・効果計測・レポーティングまでを1人の担当者が担います。

最大の特徴は「1担当者=最大4社」という制限ルールです。多くの代理店では1人の運用担当者が10社以上を担当することも珍しくありませんが、オーリーズは意図的に担当社数を制限することで、各クライアントへの深い理解と迅速な対応を実現しています。

インハウス支援

クライアント企業が自社内で運用型広告を完結させる体制(インハウス体制)を構築するための支援サービスです。単に広告アカウントを引き渡すのではなく、クライアント社員の教育・ナレッジ移管・運用プロセスの設計・KPI設定まで包括的に支援します。

「自社でやり切れる体制を作ること」を支援するため、プロジェクト終了後に代理店依存が生まれない関係性を目指している点が、業界の常識とは逆行する独自の哲学です。

マーケティングテクノロジー導入・運用支援

Google Analytics 4(GA4)・各種アトリビューションツール・広告効果計測ツールの選定・導入・運用支援を行います。「広告を打つだけでなく、効果を正確に把握する仕組みをつくる」という思想が根底にあります。

BtoB特化の広告運用支援

近年はBtoB企業向けの広告運用支援を強化しています。BtoB領域では「商談創出数」「リード獲得コスト」「パイプライン貢献額」など、BtoCとは異なるKPI体系への理解が必要であり、同社はBtoB広告運用の専門知識を持ったコンサルタントを配置しています。リードナーチャリングの観点からも施策を横断的に設計する能力を持ちます。

株式会社オーリーズの強み

強み1. 非分業体制×担当4社制限による「深い事業理解」

業界の標準とは真逆の「担当社数を絞る」という経営判断が、オーリーズの最大の差別化です。1人の担当者がクライアントの事業課題・組織・予算・KPI・商流まで深く理解したうえで広告戦略を設計するため、「広告運用の作業者」ではなく「事業成長のパートナー」としての関係性が生まれます。顧客継続期間の長さ(平均3.2年)は、この信頼関係の結果として現れています。

強み2. NPS 34pt・顧客不満率0%という顧客満足の実績

2018年の調査開始以来200回以上の顧客インタビューを通じて計測してきたNPS(Net Promoter Score)で平均34ptを維持しています。一般的に広告代理店のNPSはマイナスになることも多い業界であり、34ptという数字は際立っています。2025年下期の顧客不満率0%は、現在の運用品質の高さを端的に示しています。

強み3. 月残業10時間以内・働きやすさと高い専門性の両立

広告運用の世界は長時間労働が常態化している職場も多い中、オーリーズは月残業10時間以内という水準を維持しています。この背景には、担当社数制限によって業務を適切に分散させる設計思想があります。高い専門性と人間的な働き方を両立できる環境は、デジタルマーケティング業界では希少です。

強み4. 「成長を応援するカルチャー」が文化として根付いている

面接時に担当者が必ず候補者にフィードバックを返す文化、入社直後の不安を払拭するためのオンボーディング設計、あだ名で呼び合う横断的なコミュニケーション文化など、「人の成長を支援する」という価値観が組織のあちこちに実装されています。自己啓発手当(月1万円)・フィットネスクラブ月会費補助(月5,000円)・書籍購入補助なども、この考え方の表れです。

強み5. AIツール自社開発による次世代の広告運用体制への投資

2025年10月には独自開発のAIツールを発表し、広告運用業務の効率化と顧客への提供価値向上を推進しています。「運用型広告+AI・テクノロジー」の掛け合わせを自社で内製化しようとする姿勢は、人手に頼った広告運用から脱却しつつある業界トレンドへの対応力を示しています。

株式会社オーリーズの年収事情

年収レンジの目安

職種・グレード想定年収レンジ
広告運用アシスタント(入社〜2年)350万〜450万円
広告運用ストラテジスト(中堅)450万〜600万円
広告運用マネージャー(上位)550万〜700万円超
月額1,000万円以上の運用経験保有700万〜800万円以上

※上記は公開求人・口コミ情報をもとにした目安です。実際の年収は個人の経験・スキル・評価により異なります。

給与制度の特徴

  • 月給制:基本給+固定手当(30,000円)
  • 昇給:年2回
  • 運用インセンティブ(業績給):一部ポジションで支給
  • 新卒4年目で年収700万円以上になったケースも公表されており、成果に対する報酬の反応速度は業界水準より高い傾向にあります

年収を見る際の注意点

  • 未上場企業のため財務情報は非公開です。給与水準の情報は求人票・口コミに限られます
  • 会社規模が小さいため、給与テーブルの上限に達しやすい可能性があります
  • 月残業10時間以内という働き方の結果、残業代はほぼ発生しません。「基本給+インセンティブ」での総支給額で判断することが重要です
  • 年収より「成長速度」と「働き方の質」を重視する候補者に向いている環境です

株式会社オーリーズの働き方・福利厚生

勤務形態・休日

  • 勤務体系: フレックスタイム制(コアタイム:11:00〜16:00、実働8時間)
  • 年間休日: 121日(完全週休2日制・土日・祝日・年末年始)
  • 有給休暇: 年次有給休暇・特別休暇
  • 残業: 月平均10時間以内

福利厚生・ユニークな制度

制度内容
自己啓発手当月1万円(書籍・セミナー等に使用可)
フィットネスクラブ補助月5,000円(ジム月会費補助)
借上社宅制度あり(条件は要確認)
健康診断人間ドックレベルの検診補助
運用モニター・PC支給業務環境の充実
服装自由ドレスコードなし
慶弔金支給あり
各種社会保険雇用・労災・健康・厚生年金完備

働き方を見る際の注意点

月残業10時間以内は同社の強みですが、その分「担当4社の深い支援」を実働8時間で完結させる高い集中力と効率が求められます。「残業が少ない=楽な仕事」ではなく、「限られた時間でプロとしての成果を出す」という文化です。クライアントの課題に向き合う時間は短くならず、自分の専門性を常に磨く自律的な姿勢が前提となります。

株式会社オーリーズの社風・カルチャー

一言で表すなら「真剣でありながら、温かいプロ集団」

採用候補者から「真面目で優秀な人が多そう」と評される一方で、「あだ名文化」が浸透し、上下関係なくニックネームで呼び合う組織です。Slackでは業務連絡と雑談が入り混じり、コミュニケーションの風通しのよさが社風として定着しています。

評価される人物像

  • クライアントの事業成長を自分ごととして考えられる人
  • 論理的に思考し、端的にコミュニケーションできる人
  • 広告運用だけでなく、ビジネス全体の文脈で施策を設計できる人
  • 変化する広告プラットフォームの仕様・アルゴリズムを自律的に学び続けられる人
  • 成果が出なかったとき、言い訳より改善策を考えられる人

選考時に見られる文化面

最終面接ではカルチャーマッチに加え、「話の論理性」と「端的さ」が強く求められます。長い説明を好まず、結論→理由→事例の順でコンパクトに話せる人が好まれます。面接後には担当者から必ずフィードバックが返ってくる文化があり、「成長を応援するカルチャー」が選考プロセス自体にも表れています。

注意すべき文化面

  • 小規模組織のため、組織変更・役割変化は急に起きることがあります
  • 全員が高い専門性を持つプロ集団のため、「自分だけできない」状況への耐性が必要です
  • 「自律性」が前提の組織のため、「細かく指示してほしい」「答えをすぐ教えてほしい」というタイプとは相性が悪いことがあります

株式会社オーリーズの転職難易度

難易度:中〜高め

理由1. 専門性のハードルが明確に高い

月額1,000万円以上規模の運用型広告の実務経験を求める求人が公開されており、ある程度の広告運用実績がないと選考対象外になります。「デジタルマーケティングに興味がある」という水準ではなく、「実際に運用して成果を出してきた」という実績が前提です。

理由2. カルチャーフィットの審査が厳しい

最終面接では論理的思考力・コミュニケーションの端的さ・事業成長への関心をセットで見られます。スキルがあっても、「伝え方が冗長」「自分視点の話しかできない」「クライアントの事業への解像度が低い」と評価されると選考を通過しにくいです。

理由3. 採用枠が小さい

全社員約75名規模の会社のため、採用人数は年間で数名〜十数名程度と推測されます。求人が出ていても競争率は高く、タイミングによっては希望ポジションが埋まっている場合もあります。

難易度を下げる要素

  • 運用型広告(リスティング・SNS広告)の実務3年以上の経験
  • 1担当で管理してきた広告費の規模(月額数百万〜数千万円規模)
  • BtoB領域の広告運用経験(リード獲得・パイプライン管理など)
  • GA4・アトリビューションツールの活用経験
  • クライアントへの提案書作成・プレゼン経験

株式会社オーリーズに向いている人

1. 広告運用の「プロ」として深さを追求したい人

「幅広くデジタルマーケティングを経験したい」ではなく、「運用型広告の領域で圧倒的な専門家になりたい」という方向性が明確な人に最適です。1担当4社・非分業体制という環境は、各クライアントの業界・事業・競合を深く学ぶ機会を与え、「広告運用の本質的なスキル」を短期間で高めることができます。

2. 長期的なクライアント関係を築きながら、事業成長に貢献したい人

短納期・多案件を回転させる仕事よりも、1社1社の事業を深く理解して中長期的に貢献することに喜びを感じる人に向いています。「代理店担当者」ではなく「事業パートナー」として認められる関係性を大切にできる人が活躍します。

3. 高い専門性とプライベートの充実を両立させたい人

月残業10時間以内・フレックスタイム制・自己啓発手当など、「プロとして働きながら、人間らしい生活を維持する」ことを会社が設計として重視しています。「広告代理店は激務が当たり前」という常識を変えたい人には、オーリーズの働き方は非常に魅力的です。

4. 成長を応援されるカルチャーの中でキャリアを積みたい人

面接フィードバック・あだ名文化・自己啓発手当など、「人の成長を大切にする」という価値観が組織全体に浸透しています。上下関係に縛られず、率直なフィードバックを受けながら成長できる環境を求めている人には居心地がよい組織です。

5. BtoB広告の専門家として市場価値を高めたい人

BtoB領域の広告運用専門家はデジタルマーケティング市場において需要が高まっており、オーリーズで積むBtoB広告運用経験は市場価値向上につながります。特にSaaS・製造業・HRtech・金融など複雑な商流を持つBtoB企業の広告を担当した経験は、業界での希少性が高いです。

株式会社オーリーズに向いていない人

  • 「広告代理店の規模・ブランド力」を評価軸にする人: 未上場・小規模企業のため、大手総合代理店のような社会的知名度や組織の厚みはありません
  • 多様なマーケティング施策を横断的に経験したい人: 運用型広告に特化した会社のため、SEO・コンテンツマーケ・CRM・オフライン施策などへのキャリア転換機会は限られます
  • 将来的に幅広いキャリアパスを会社内で探したい人: 小規模組織のため、人事・事業開発・新規事業立ち上げなどへのキャリアチェンジ機会は大きな企業より少ないです
  • 収入の絶対額の最大化を最優先する人: 大手総合代理店や外資系企業と比較すると、年収の上限には壁があります
  • クライアントワーク(代理店業)から卒業したい人: 事業会社インハウスへの転換をすでに志向している人には、さらに代理店経験を積む環境は最適とはいえません

株式会社オーリーズの選考対策

1. 広告運用実績を「事業成長の文脈」で語る

「CPC(クリック単価)を何円改善した」ではなく、「その結果としてクライアントの月間リード数・商談数・売上がどう変化したか」まで語れる準備をしてください。オーリーズが大切にするのは「広告数値の改善」ではなく「クライアント事業への貢献」です。指標の改善とビジネス成果を接続して語れる人材が評価されます。

2. 「端的さ」と「論理性」を意識したコミュニケーション

最終面接では「話の論理性と端的さ」が審査基準の一つです。長い前置き・回り道の説明は逆効果です。「結論→根拠→具体例」の順で話す習慣をつけ、1分以内で核心を伝える練習をしてから臨んでください。

3. NPS・顧客満足への感度を示す

「なぜオーリーズなのか」という動機を話す際、同社の「NPS経営」「顧客不満率0%」「非分業体制」への理解と共鳴を具体的に伝えてください。「顧客のことを深く考えた経験」「長期的な顧客関係を築いた経験」を自分のエピソードとして語れると有効です。

4. インハウス支援への理解と意見を持つ

「インハウス化は代理店ビジネスの否定ではないか」という問いへの自分なりの考えを持っておいてください。オーリーズのインハウス支援は「クライアントが自走できる体制を作る支援」という哲学のもとにあり、この考え方への共感と自分なりの解釈が語れると深い理解を示せます。

5. 自分が担当したいクライアント業界・課題領域を明確にする

BtoB・BtoC、業界別のマーケティング課題への関心を具体的に語れると、「この候補者はどのクライアントを担当させると活躍するか」という面接官の想像力を刺激できます。自社サービス(allis-co.com)のブログ記事や事例紹介を読み込んだうえで面接に臨むことが重要です。

株式会社オーリーズへの転職で評価されやすい経験

  • Google Ads・Meta広告・Yahoo!広告の実務運用経験(月額数百万〜数千万円規模)
  • リスティング広告・ディスプレイ広告・P-MAX・DSAなど多様なキャンペーンタイプの運用経験
  • BtoB企業(SaaS・HR・製造業・金融等)の広告運用・リード獲得支援経験
  • GA4・Looker Studio・各種アトリビューションツールの活用経験
  • クライアントへの定例報告・提案書作成・プレゼン経験
  • 広告効果計測の仕組み設計(タグ設定・コンバージョン設定)経験
  • インハウス化支援・広告知識のクライアント教育経験
  • クライアント企業の事業KPI(売上・LTV・CAC・パイプライン)を踏まえた施策設計経験
  • LinkedIn広告・Twitter広告・TikTok広告など新興プラットフォームの運用経験

特に評価されやすいのは「月額数百万円以上の広告予算を1人でマネジメントし、クライアントのビジネス成果(商談数・売上・CPO等)に直接貢献した経験」と「クライアントの社内担当者と並走しながら、運用ナレッジを移管した経験」です。「運用作業者」ではなく「事業パートナー」としての経験値が問われます。

まとめ

株式会社オーリーズは「NPS経営の運用型広告代理店」という独自のポジショニングのもと、業界常識である分業体制・多数案件担当を真逆に設計した小規模エリート専門集団です。NPS 34pt・顧客不満率0%・平均継続3.2年という数字は、このビジネスモデルの健全性を証明しています。

月残業10時間以内・フレックスタイム制・自己啓発手当など、「プロとして高い仕事をしながら人間らしく生きる」ことを組織設計として重視している点は、競合他社には少ない大きな魅力です。

一方で、企業規模が小さく、運用型広告という特定領域への特化から来る「キャリアの幅の限界」「年収の上限」「キャリアパスの選択肢の少なさ」は正直に理解しておく必要があります。「広告運用の専門家として圧倒的な深みを追求したい」という方向性が明確な人には理想的な環境ですが、「幅広いマーケティングを経験してキャリアの選択肢を広げたい」という人には向きません。

転職検討の際は「自分がなぜ広告運用の専門家でありたいのか」「長期的なクライアント支援のどこに喜びを感じるのか」という自己理解を深めたうえで、同社の採用サイト・ブログ・公式事例紹介を徹底的に読み込んで選考に臨んでください。


参照した主な情報源

  • 株式会社オーリーズ 公式サイト(allis-co.com)
  • オーリーズ 会社概要ページ・採用ページ(allis-co.com/company, allis-co.com/recruit)
  • オーリーズ 公式ブログ(allisblog)
  • OpenWork・エン カイシャの評判・転職会議(社員口コミ)
  • doda・Green・キャリアインデックス(求人情報)
  • STARTUP DB・initial.inc(企業情報データベース)
  • Unyoo.jp(デジタルマーケティング専門メディア)