アソインターナショナルとは

株式会社アソインターナショナルは、1982年の創業以来40年以上にわたって歯科矯正専門の技工業を手がけてきた東証スタンダード上場企業です。代表取締役の阿曽敏正氏が東京・墨田区で1人で矯正専門の歯科技工所を開業したことが始まりで、その後グループ企業を拡大しながら国内最大級の規模へと成長しました。

歯科技工物の中でも「矯正」に特化しているのが同社の最大の特徴です。一般の歯科技工所がクラウン(差し歯)や義歯(入れ歯)などを広く手がけるのに対し、アソインターナショナルは矯正ブラケット・ワイヤー装置・リテーナー・マウスピース型矯正装置など、歯科矯正専門の技工物に集中しています。審美意識の向上・マウスピース矯正市場の拡大という時代の潮流を受け、業績は着実に伸長しています。

日本の歯科矯正市場は従来、子どもを対象とした「機能的矯正」が中心でしたが、近年は大人の「審美矯正」需要が急増しています。透明で目立たないマウスピース矯正(アライナー)の普及がその最大の牽引役であり、アソインターナショナルはこの成長波を正面から捉えている企業です。2022年の上場はその成長ステージへの移行を示すマイルストーンと言えます。2025年6月期では純利益が最高水準の4億3,800万円を記録するなど、業績も着実に拡大しています。

企業概要

項目内容
正式社名株式会社アソインターナショナル(ASO INTERNATIONAL CO., LTD.)
証券コード9340
上場市場東京証券取引所 スタンダード市場
上場日2022年12月23日
設立1988年(創業1982年)
代表取締役阿曽 敏正
本社所在地東京都中央区銀座2-11-8
資本金3億5,000万円
従業員数連結276名(臨時165名)、単体66名(臨時72名)
売上高約40億円(2026年6月期通期予想)
事業内容歯科矯正技工物の製作・加工・修理・販売
グループ構成当社+連結子会社4社(計5社)
公式サイトhttps://www.aso-inter.co.jp/

主な事業内容

歯科矯正装置の製作・販売

アソインターナショナルのコア事業です。全国の歯科医院・矯正歯科クリニックを顧客とし、患者一人ひとりの口腔内データをもとにオーダーメイドの矯正装置を製作します。主な製品はブラケット矯正装置・歯列矯正用ワイヤー装置・保定装置(リテーナー)などです。

マウスピース型矯正装置(アライナー)

近年急成長している分野で、同社が最も注力している事業領域の一つです。口腔内スキャナで取得した3Dデータをもとに、CAD/CAMシステムで透明なマウスピース矯正装置を設計・製造します。インビザラインに代表されるアライナー矯正の需要増加が同社の売上成長を牽引しています。

デジタル技工サービス(CAD/CAM)

デジタルワークフローを活用した高精度技工物の設計・製作サービスです。口腔内スキャナで取得した口腔内データをデジタルモデル化し、専用CADソフトウェアで設計後、CAD/CAMミリングマシンや3Dプリンターで製作します。アナログ技工では難しかった精度と再現性を実現しています。

修理・アフターサービス

製作した矯正装置の修理・調整サービスも展開しています。長期にわたる矯正治療のなかで発生する装置の破損・変形・調整ニーズに対応し、顧客歯科医院との継続的な関係を築いています。

海外事業

グループ子会社を通じて海外展開も推進しています。アジアを中心とした海外の歯科医院・技工所との取引拡大を目指し、デジタル技工技術の国際展開を進めています。

歯科技工教育・人材育成

歯科技工士の育成にも積極的に取り組んでいます。代表の阿曽氏が日本歯科大学付属歯科技工士学校出身であり、アメリカで先端技術を学んだバックグラウンドを持つことから、技術者育成を重視する企業文化が根付いています。

アソインターナショナルの強み

強み1:矯正専門ラボとしての国内最大級の規模と専門性

一般的な歯科技工所が多品目を扱うジェネラリスト型であるのに対し、アソインターナショナルは矯正一本に絞ったスペシャリスト型です。矯正専門として国内最大級の取引歯科医院数・技工物製作数を誇り、ノウハウの蓄積量で他社を圧倒しています。専門特化による品質・スピード・コストの最適化が競合他社との差別化につながっています。

強み2:デジタル技工(CAD/CAM・口腔内スキャナ)への先行投資

アナログ技術に留まらず、早期からデジタルワークフローへの転換を推進してきた点が重要な強みです。口腔内スキャナによるデジタルデータ取得・CAD/CAMシステムによる精密設計・製造という一連のデジタルワークフローを社内で完結できる体制は、中小技工所との最大の差別化ポイントです。

強み3:上場による信用力・資金調達力の向上

2022年12月の東証スタンダード市場上場により、大手歯科医療機関や病院歯科への営業展開が容易になりました。上場企業としての財務透明性・コンプライアンス体制が、大口顧客獲得のための信用基盤として機能しています。また、上場による資金調達が設備投資(デジタル技工機器の拡充)を加速させています。

強み4:創業40年超の顧客基盤と全国ネットワーク

1982年の創業以来40年以上にわたって積み上げてきた全国の矯正歯科医院・歯科医院との関係が、安定した受注基盤を形成しています。矯正治療は数年単位の長期的な治療であり、技工所との関係も継続性が高いため、一度関係を築いた顧客は長期にわたって継続するビジネス特性があります。

強み5:審美歯科・矯正市場の成長トレンドとの合致

日本における歯科矯正需要は、審美意識の高まりとともに拡大傾向にあります。特にマウスピース型矯正(アライナー)の普及により、成人の矯正治療ニーズが急増しています。アソインターナショナルはこの成長市場の中核プレーヤーとして、追い風を受けた事業拡大が見込まれます。

強み6:代表・創業者のアメリカ先端技術習得バックグラウンド

阿曽代表が矯正歯科の本場アメリカで先端技術を学んで帰国し創業したという歴史が、技術水準の高さと革新性への指向性として企業DNAに刻まれています。単なる国内技工所に留まらず、グローバル標準の技術水準を目指す姿勢が長期的な競争力の源泉です。

アソインターナショナルの年収事情

アソインターナショナルの平均年収は約360万円(平均年齢34歳)です。歯科技工士業界全体の平均年収と比較するとほぼ標準的な水準にあります。

職種別・年収目安

職種年収目安
歯科技工士(ベテラン・シニア)450万〜600万円
歯科技工士(中堅 5〜10年)320万〜450万円
歯科技工士(入社〜5年)250万〜340万円
デジタル技工・CADデザイナー350万〜500万円
営業・カスタマーサポート300万〜450万円
管理・コーポレートスタッフ300万〜500万円

残業代は定額制のケースがあるとの口コミもあり、残業時間が多い場合には実質的な時給換算が低下する可能性があります。入社前に残業制度の詳細を確認することを推奨します。

年収アップの可能性

デジタル技工(CAD/CAM・口腔内スキャン対応)スキルを習得した技工士は、市場価値が高く、昇給幅も大きい傾向があります。アソインターナショナルはデジタル技工への投資を積極的に行っており、デジタル技術に習熟した社員の評価・報酬が向上しやすい環境にあります。

アソインターナショナルの働き方・福利厚生

項目内容
勤務形態原則出社(技工作業のため在宅不可が基本)
所定労働時間8時間(休憩1時間)
年間休日120日以上(土日祝+夏季・年末年始)
残業月平均20〜30時間(繁忙期は増加傾向)
育児休業制度取得実績あり(復職支援あり)
社会保険健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険完備
交通費支給全額支給
技術研修制度デジタル技工・新技術習得のための社内研修あり
資格取得支援歯科技工士免許更新・関連資格の取得支援
設備環境最新CAD/CAM機器・口腔内スキャナ等の先端設備
キャリアパス技工士→チーフ技工士→ラボ管理職・管理職への昇進

技工作業の性質上リモートワーク対応は難しい職種ですが、上場後は職場環境整備・福利厚生拡充に積極的に取り組んでいます。

アソインターナショナルの社風・カルチャー

アソインターナショナルは「技術者集団」としての誇りを持った組織文化が特徴です。全社員の約60%が歯科技工士という専門職集団であり、技術の質を最優先する職人気質のカルチャーが根付いています。

仕事量は多い傾向があるとの社員口コミが見られますが、大手ラボならではの症例数の多さが技術習得スピードを高める環境でもあります。「大手企業のため仕事が多く大変な面もあるが、技術を磨くチャンスがたくさんある」というのが正直な評価です。

上場後は経営の透明性・人材育成・職場環境改善に取り組んでおり、制度面の整備が進んでいます。若い技工士が最先端のデジタル技工技術を学べる環境として、業界内での認知度は高まっています。

競合・類似企業との比較

歯科技工士として転職先を検討する際に、アソインターナショナルとあわせて比較しておきたい企業を整理します。

企業特徴アソインターナショナルとの違い
大手歯科グループ(医療法人)補綴・一般歯科中心矯正特化ではなく、一般技工全般を担当
デンタルサポート口腔ケア・訪問歯科訪問診療・介護系、技工より臨床補助が中心
国内歯科メーカー(GC等)材料・機器製造製造販売側、技工士の技術よりR&D・営業職
デジタル技工専門ラボ(新興)アライナー特化小規模・成長期、技術習得スピードは同等だが安定性は低い
フリーランス歯科技工士独立・個人委託収入上限なし・自由度高いが安定性・設備は自前

アソインターナショナルは「上場企業の安定性」「最先端デジタル設備」「矯正専門の深い知識」の三拍子が揃っており、歯科技工士として腰を落ち着けてスキルを磨くには適した環境です。

アソインターナショナルの転職難易度

難易度:C級(比較的入りやすい)

アソインターナショナルへの転職難易度は業界水準でみると比較的平易です。歯科技工士免許保有者であれば中途採用の門は広く開かれており、経験年数・デジタル技工スキルの有無が採用の判断軸となります。

選考フロー(一般的な流れ)

書類選考 → 一次面接(現場マネジャー・人事)→ 実技評価(技工スキル確認)→ 最終面接 → 内定

書類選考では歯科技工士免許の保有と実務経験年数が基本要件です。実技テストでは矯正技工物の製作精度・作業スピードが見られます。未経験・第二新卒でも免許さえあれば選考対象となる場合があります。

主なポジション別難易度

ポジション難易度必要スペック
歯科技工士(矯正経験あり)低〜中歯科技工士免許+矯正技工実績
歯科技工士(CAD/CAM経験あり)デジタル技工スキルが評価される
歯科技工士(一般技工士から転向)矯正特化への意欲・学習意欲が必要
営業・カスタマーサポート歯科業界知識があれば有利

アソインターナショナルに向いている人

  • 矯正歯科技工の専門スキルを深めたい歯科技工士
  • アナログ技工からデジタル技工(CAD/CAM・アライナー)へ転向したい人
  • 大手ラボで多様な症例をこなし、技術習得スピードを高めたい若手技工士
  • 安定した上場企業でキャリアを積みたい歯科技工士
  • 歯科矯正市場の成長トレンドに乗り、将来性ある職場を求める人
  • 職人としての技術力に誇りを持ち、品質を最優先できる人
  • デジタル技術への学習意欲が高く、最新機器の操作習得に積極的な人
  • 将来的にデジタル技工専門家・ラボ管理職・独立開業を視野に入れている人
  • 東証上場企業の福利厚生・雇用安定性を享受しながら専門職キャリアを積みたい人
  • 矯正という専門フィールドで日本トップクラスの技術レベルを身に付けたい人

アソインターナショナルに向いていない人

  • 高収入(600万円以上)を早期に実現したい人(業界平均水準のため)
  • リモートワーク・フレックスを重視する働き方を求める人(技工作業のため現場出社必須)
  • 一般歯科・補綴・義歯など矯正以外の技工分野を幅広く経験したい人
  • 残業が少なく定時退社できる職場環境を最優先する人
  • 管理職・マネジメント職への早期昇進を強く望む人(技術職主体の組織構造)
  • 歯科技工士免許を持たない未経験者(原則として専門職採用が中心)
  • 一社に長く腰を落ち着けるより、多様な業種・職種を渡り歩きたい人
  • 大企業・有名ブランド企業で働くことを重視する人(ニッチ専門企業のため一般知名度は限定的)
  • 個人の成果に応じた高い成果報酬(インセンティブ・ボーナス)を期待する人(技工士職は成果連動より基本給体系が中心)

アソインターナショナルの選考対策

戦略1:矯正技工経験を具体的に整理して提示する

選考で最も重視されるのは矯正技工物の製作経験です。「どのような矯正装置を製作してきたか」「月間製作件数・品質管理の実績」「ブラケット・ワイヤー・リテーナー・アライナーのうちどれを経験しているか」を具体的に整理しましょう。件数・精度・スピードを数値化できるとより説得力が増します。

戦略2:デジタル技工スキルをアピールする

CAD/CAMシステム・口腔内スキャナ・3Dプリンターの操作経験がある場合は、最大限にアピールしてください。アソインターナショナルはデジタル技工への投資を積極化しており、デジタルスキル保有者は即戦力として高く評価されます。使用経験のある機種・ソフトウェアを具体的に書き出しておきましょう。

戦略3:「矯正に特化したい」という志望理由を明確にする

「なぜ矯正専門ラボを選ぶのか」「なぜ一般技工所ではなくアソインターナショナルなのか」を明確に語れる準備が必要です。「矯正市場の成長性」「デジタル技工の最先端環境」「専門性を深めたい」という具体的な動機を面接で示すことが重要です。

戦略4:アライナー矯正への知識と関心を示す

マウスピース型矯正(アライナー)は同社が最も力を入れている成長分野です。アライナー矯正の仕組み・デジタルワークフローへの理解、さらにはインビザラインなどの市場動向に関する知識を持ち合わせていると、面接での評価が高まります。

戦略5:品質へのこだわりと長期定着意欲を伝える

技工士として「精度と品質を最優先する」という職人気質をアピールすることは、アソインターナショナルの社風と合致します。また、大手ラボで長期的にキャリアを積む意欲を示すことで、採用担当者の安心感につながります。転職回数が多い場合は定着意欲をしっかり言語化しましょう。

戦略6:歯科医院との連携・コミュニケーション経験をアピール

技工士として優秀なだけでなく、担当歯科医師との技術的なコミュニケーション(製作指示の確認・修正対応・納期調整など)を円滑に行った経験があれば必ず盛り込みましょう。大手ラボはチームでの連携が必須であり、技術力と同時にコミュニケーション能力も重視されます。

アソインターナショナルへの転職で評価されやすい経験

  1. 歯科技工士免許(必須)
  2. 矯正歯科技工物(ブラケット・ワイヤー・リテーナー)の製作実務経験
  3. マウスピース型矯正装置(アライナー)の設計・製作経験
  4. CAD/CAMシステム(Exocad、3Shape、Dental Wings等)の操作経験
  5. 口腔内スキャナのデータ処理・デジタルモデル操作経験
  6. 3Dプリンター・CAD/CAMミリングマシンの操作経験
  7. 月間製作件数の多い大手ラボでの勤務経験
  8. 品質管理・検品プロセスへの関与経験
  9. 歯科医師・矯正専門医との技術的コミュニケーション実績
  10. 矯正装置の修理・調整対応の経験
  11. 複数の矯正システム(メタル・セラミック・マウスピース)への対応経験
  12. 歯科技工に関する最新技術への継続的な自己研鑽(学会・セミナー参加等)
  13. チームリーダー・先輩技工士としての後輩指導経験
  14. 英語での技術資料読解能力(海外製品マニュアル対応)
  15. 歯科業界における顧客管理・納品管理の実務経験

まとめ

アソインターナショナルは、歯科矯正専門ラボという明確なニッチ市場で国内最大級の地位を確立した東証スタンダード上場企業です。審美意識の高まりとマウスピース矯正の普及という強力な追い風を受け、売上高・利益ともに安定成長を続けています。

転職先として検討する場合の最大の魅力は、デジタル技工の最先端環境で矯正専門スキルを磨けること、そして上場企業としての安定性と福利厚生の整備です。一方で年収水準は業界平均程度であることと、技工作業の性質上リモートワークが難しい点は事前に理解しておく必要があります。

歯科技工士として「矯正の専門家」を目指すキャリアを構築したい方、デジタル技工でスキルアップしたい方、大手ラボで多くの症例に触れることで早期に技術を伸ばしたい若手技工士にとって、アソインターナショナルは有力な転職先の一つです。歯科技工の世界で「矯正のプロ」になるという明確な志向があるなら、ぜひ検討してみてください。

転職エージェントからのアドバイス

アソインターナショナルへの転職を支援するエージェントとして強調したいのは、同社が「歯科技工士の専門性を活かしてキャリアを築きたい人」に特化した職場であるという点です。一般の転職市場では「歯科技工士の高収入転職先」はなかなか見当たりませんが、デジタル技工スキルの習得により、中長期的な市場価値の向上を見込める環境です。

歯科技工士業界は全体として人手不足が続いており、専門特化ラボでの技術習得はキャリアのポータビリティを高める投資にもなります。アソインターナショナルでの経験を土台に、デジタル技工専門家として独立・開業するキャリアパスも視野に入れながら転職検討することをおすすめします。

アソインターナショナルの業績推移と将来性

2026年6月期の売上高予想は約40億円(前期比5.7%増)と、着実な成長軌道を描いています。売上高は5年前比較で1.5倍、純利益は1.8倍に拡大しており、歯科矯正市場の成長を確実に取り込んでいます。中期的にはアライナー矯正のさらなる普及・海外展開・デジタル化投資による生産性向上が成長ドライバーとなる見通しです。

転職者の視点では、上場後の経営基盤強化・待遇改善・キャリアパスの整備が進む段階に入っており、早期に入社することで会社の成長とともにキャリアアップを享受できる可能性があります。歯科矯正の世界的な需要拡大が続く中、専門ラボとしてのアソインターナショナルの存在意義はますます高まっています。アソインターナショナルに関する最新の採用情報は公式サイトのキャリアページ、または歯科業界専門の転職エージェントにお問い合わせください。

矯正歯科技工というフィールドで専門性を突き詰めることは、長期的には希少性の高いキャリアへとつながります。「矯正のプロフェッショナル」を目指す歯科技工士にとって、アソインターナショナルはその夢を実現できる数少ない舞台の一つです。

まずは公式サイトの採用情報を確認し、自身のスキルセットと照らし合わせてみてください。