株式会社青山商事は「洋服の青山」を筆頭に、全国約900店舗を運営するスーツ専門小売の国内最大手企業です(東証プライム上場、証券コード:8219)。1964年の創業以来、広島県福山市を本拠地としながら、郊外ロードサイドへの大型店舗展開という独自戦略で日本全土にリーチし、紳士服・スーツ専門チェーンとしての規模では競合他社を大きく引き離してきました。売上高は約1,700億円前後(2024年3月期)に達しており、業界の構造変化にさらされながらも、その規模と店舗網は依然として国内最大です。
転職を検討する際に青山商事を正確に理解するうえで欠かせない視点は、「スーツ需要の構造的変化」という課題です。コロナ禍によるテレワーク拡大・ビジネスカジュアルシフトはスーツの日常需要を永続的に変容させ、青山商事のビジネスモデルの中核を直撃しました。こうした背景から、同社は現在、EC事業の本格強化・カジュアルウェアの拡充・店舗の選択的集約という構造転換の真っ只中にあります。転職者にとってこの変化は、「業界衰退のリスク」と「改革への参画機会」の二面性を持っています。
転職エージェントの立場から見ると、青山商事は「大手安定」と「変革期のリスク」が同居する独特の企業です。全国規模の小売チェーンにおけるマネジメント経験・商品MD・EC推進・店舗オペレーション設計といった実務スキルを積む場としての価値は引き続き高いと評価しています。一方で、広島県福山市という地方本社文化・創業家の影響が色濃く残る経営スタイル・紳士服という特定市場への依存という要素は、すべての転職者に合うとは言えません。本記事では年収・働き方・転職難易度・選考対策まで詳しく解説します。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社青山商事 |
| 英語名 | AOYAMA TRADING CO., LTD. |
| 設立 | 1964年(昭和39年) |
| 代表者 | 代表取締役社長(最新情報は公式IR参照) |
| 本社 | 広島県福山市王子町1丁目3番5号 |
| 資本金 | 約41億円(2024年3月期) |
| 従業員数 | 約7,000名前後(連結、パート・アルバイト含む) |
| 上場区分 | 東証プライム(証券コード:8219) |
| 売上高 | 約1,700億円(2024年3月期・グループ連結) |
| 平均年収 | 約500万円(有価証券報告書ベース) |
| 平均年齢 | 約39〜41歳(正社員ベース) |
| 平均勤続年数 | 約13〜16年程度 |
| 事業内容 | 紳士服・スーツ・カジュアルウェアの製造小売、EC事業 |
青山商事は持株会社ではなく事業会社として「洋服の青山」「THE SUIT COMPANY」「ドミニク・コルビ」などのブランドを直接運営しています。売上の大部分は実店舗での紳士服販売が占めていますが、近年はEC事業への積極投資により、デジタルチャネルでの売上比率を高める取り組みが続いています。
本社が広島県福山市に置かれているという点は、転職者にとって重要な情報です。東京都内に営業拠点・仮の本部機能を持つものの、経営機能の中枢・創業家との連絡拠点は福山市に根を張っています。本部職(経営企画・MD・IT・人事等)への転職を検討する場合は、勤務地や出張頻度について事前に確認することをお勧めします。
主な事業内容
青山商事の事業は「紳士服・スーツを核とした小売業」に特化しており、これを複数の業態ブランドを通じて展開しています。近年はスーツ需要の構造的変化に対応するため、カジュアルウェア・ライフスタイル用品への拡充も積極的に進めています。事業区分は大きく「実店舗販売」「EC事業」「付帯サービス」に分けられ、業態ごとに異なるターゲット顧客・価格帯・売り場づくりを追求しています。
転職の観点から見ると、事業の変化の方向性を正確に理解することが面接対策においても重要です。会社が「どこに向かっているか」を語れる候補者は、選考において大きなアドバンテージを持ちます。
洋服の青山(コア業態)
洋服の青山は、青山商事の売上の大半を占める中核業態です。郊外ロードサイドへの大型店舗展開という独自モデルで1970〜90年代に急速に拡大し、現在は全国600〜700店舗規模を維持しています。低〜中価格帯のスーツを多品種・大量在庫で揃え、「手頃な価格でフォーマルウェアを調達したい」というすべての年齢層をターゲットとしてきました。
コロナ禍以降は業態としての試練の時期にあり、店舗の集約・業態転換・カジュアルラインの導入が進められています。店舗数は既に2019年のピーク時から減少しており、採算の見込めない店舗のスクラップ&ビルドが継続しています。しかし依然として全国最多の店舗網を誇る業態であり、地方・郊外の買い物需要を捉える観点からは、競合他社にない強みを持ち続けています。
THE SUIT COMPANY(都市型業態)
THE SUIT COMPANYは、ターミナル駅・繁華街近辺に展開する都市型の業態です。洋服の青山より価格帯が高く、トレンドを意識したデザインのスーツやジャケットを、よりスタイリッシュな売り場空間で提供します。20〜40代の都市部在住ビジネスパーソン・ファッション感度の高い層が主要ターゲットです。
洋服の青山よりもブランドイメージが高く、競合としてAOKIの「ORIHICA」、はるやまの「P.S.FA」と直接競合します。EC展開も積極的で、デジタルリテラシーの高い顧客層へのアプローチが進んでいます。
ドミニク・コルビ(高価格帯業態)
ドミニク・コルビは、青山商事グループの高価格帯・セレクトショップ的な位置づけの業態です。既製スーツよりも上質な素材・デザインを提供し、こだわりを持つビジネスパーソン向けの価格帯をカバーします。店舗数は限られており、グループ全体の売上に占める割合は小さいものの、ブランドポートフォリオの幅を広げる役割を担っています。
EC事業・オムニチャネル戦略
近年の青山商事が最も力を入れている領域の一つがEC事業です。実店舗での顧客体験とECを組み合わせたオムニチャネル戦略を推進し、試着はリアル店舗・購入はオンラインといった購買行動への対応を強化しています。EC担当者・デジタルマーケター・データアナリスト等の採用需要がこの分野で継続しており、転職市場での求人としても目立ち始めています。
カジュアルウェア・ライフスタイル商品拡充
スーツ需要の構造的な減少を補うために、青山商事はカジュアルウェア・ビジネスカジュアル・ライフスタイル雑貨等の取り扱いを拡大しています。既存の大型店舗スペースを活用しながら、スーツ以外の売上比率を高める取り組みです。商品企画・MDの観点では、この領域に知見を持つ人材の需要が生まれています。
青山商事の強み
強み1. 業界最大規模の全国店舗網と顧客基盤
「洋服の青山」ブランドは、全国の郊外・地方都市を含む幅広いエリアに店舗を持ち、AOKI・はるやま・コナカなどの競合と比較しても圧倒的な店舗数を誇ります。この規模の大きさは、仕入れ交渉力・物流コスト・広告効率のすべてにおいて競合を凌ぐコスト競争力を生み出しています。
転職者にとってのメリットとしては、全国規模のチェーンだからこそ得られる「大量の顧客接点と店舗マネジメントの経験」があります。どの地域でも通用する店舗運営のノウハウは、小売業でキャリアを積みたい人材にとって価値ある資産になります。
強み2. 紳士服における高い商品調達力と価格競争力
青山商事は国内最大の紳士服専門チェーンとして、メーカー・素材メーカーとの長年の取引関係から強力な価格交渉力を持っています。「1万円台のスーツ」から「10万円超のスーツ」まで幅広い価格帯の商品を安定的に調達・提供できる体制は、長年にわたる商品調達ネットワークの賜物です。
この強みはスーツが儀礼的な需要(就活・冠婚葬祭・入学式等)を持ち続ける限り有効であり、底堅い市場を確保する基盤となっています。MD・バイヤー職に従事する転職者にとっては、このネットワークの中で専門性を磨けるという魅力があります。
強み3. 東証プライム上場・財務基盤の安定性
青山商事は東証プライム上場企業として、継続的なIR開示・コーポレートガバナンス体制を整えています。コロナ禍で売上が大幅に落ち込んだ局面でも財務基盤が維持されたのは、無借金経営に近い健全な財務構造があったためです。転職者にとっては「大企業としての安定性」を評価ポイントの一つとして挙げることができます。
中小・ベンチャー企業からの転職を考える場合、福利厚生の充実度・就業規則の整備・コンプライアンス体制という観点でも、上場大手の水準を確保しています。
強み4. 構造転換への取り組みと変化対応力
スーツ需要の減少という向かい風の中で、青山商事はEC事業の本格投資・店舗の業態転換・カジュアルウェア拡充という複数の打ち手を同時に進めています。これは「変化を拒む硬直した大企業」ではなく「変化を認識して対応策を打つ組織」としての側面を示しています。
転職者の視点でこれを捉えると、「構造転換の真っ只中にいる企業で変革に参画できる」という体験価値が得られます。特にEC推進・新業態開発・デジタルマーケティング等の領域では、変化に意欲的な人材がスキルを磨ける環境があります。
強み5. 広域の雇用機会と地方配属の選択肢
全国展開チェーンならではの強みとして、「地元に近いエリアで働きたい」というニーズに応えやすい雇用体制があります。地方在住で転職を検討しているが大企業で働きたいという人材や、家族の都合で特定地域に根ざして働きたい人材にとって、青山商事の全国店舗網は実質的な機会の広さを意味します。
強み6. 業界経験者のノウハウ・文化の蓄積
60年以上にわたる紳士服小売の歴史の中で蓄積された商品知識・スタイリング技術・接客サービスのノウハウは、専門職として深く学べる環境を形成しています。「スーツ・ファッション業界のプロとして成長したい」という明確な意欲を持つ人材には、業界随一の学習環境といえます。
青山商事の年収事情
青山商事の有価証券報告書ベースの平均年収は500万円前後と推計されており、紳士服小売業界の中では概ね標準的な水準です。給与水準は年功序列的な要素を残しつつも、近年は成果・役割に応じた処遇見直しが進んでいます。初期のキャリアアップとして、店舗スタッフから店長・エリアマネジャーへの昇格が年収の大きな分岐点となります。
職種別の想定年収レンジ
| 職種・役職 | 想定年収レンジ | 備考 |
|---|---|---|
| 店舗スタッフ(正社員・入社初期) | 300〜380万円 | 試用期間終了後の基準 |
| 店舗スタッフ(中堅) | 370〜450万円 | 経験3〜5年目 |
| 店長(小型店) | 420〜520万円 | 店舗規模による差あり |
| 店長(中〜大型店) | 490〜650万円 | エリア・業績連動あり |
| エリアマネジャー | 580〜750万円 | 複数店舗管理職 |
| 本部スタッフ(MD・企画等) | 450〜650万円 | 職種・経験による |
| 本部管理職(課長〜部長) | 700〜950万円 | グレード・評価次第 |
| EC・デジタル専門職 | 500〜750万円 | 需要高まりで相場上昇傾向 |
給与制度の特徴
青山商事の給与体系は月給制を基本とし、年2回のボーナス(業績・評価連動)が加わる仕組みです。店舗勤務者は売上・目標達成率などの業績指標が評価に反映される仕組みになっており、高業績の店長は定期昇給以上の報酬改善が期待できます。
一方、本部職は職務グレード制に近い体系が採用されており、役職に応じた基本給レンジが設定されています。店舗から本部への異動は社内公募・上司推薦などを通じて行われることが多く、本部職を目指す場合は店舗でのマネジメント実績を積むことが近道です。
年収を見る際の注意点
- 有価証券報告書の平均年収は正社員全体の数値であり、パート・アルバイトは含まれていない
- 店舗勤務者は残業代込みの総支給額が実態に近く、残業時間が多い時期の繁忙期には変動する
- 地域手当の設定は限られており、東京勤務でも広島県福山市本社勤務との基本給差は小さい
- エリアマネジャー以上の役職に就くためには、原則として全国転勤への対応が求められる
- EC・デジタル系の中途採用では、即戦力として市場相場に近い水準での採用交渉が可能な場合がある
青山商事の働き方・福利厚生
勤務時間・休日制度
店舗勤務者はシフト制(10時〜21時の間で所定労働時間8時間)が基本です。土日祝日に営業する店舗の性格上、週に1〜2日の休日は平日に取得する形になります。年次有給休暇の取得推進は近年進んでいますが、年末年始・GW・お盆といった繁忙期は人員配置の都合から連続休暇が取りにくい傾向があります。
本部勤務者はフレックスタイム制(コアタイムあり)を導入している部門もあり、店舗勤務と比べると勤務時間の自由度は高まります。ただし年度末・期初の商品計画・予算策定期は残業が増える時期もあります。
働く場所・リモートワーク
本部職の一部でテレワーク対応が進んでいますが、基本的には出社が中心です。店舗勤務は原則として現場対応のため、リモートワークは対象外です。EC・デジタル関連職はリモートワーク比率が高い傾向にあります。本社機能は広島県福山市にあるため、東京オフィス勤務者と本社とのコミュニケーションは出張または遠隔での対応になります。
主な福利厚生
- 各種社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 退職金制度(勤続年数に応じた一般的な退職金制度)
- 社員割引制度(グループ店舗での商品購入に適用)
- 従業員持株会制度(会社奨励金あり)
- 各種慶弔見舞金制度
- 育児休業・産前産後休業(法定基準)
- 介護休業・介護休暇
- 年次有給休暇(入社時からの付与)
- 特別休暇(慶弔・転勤等)
- 健康診断・人間ドック補助
- 研修・教育制度(接客スキル・マネジメント研修等)
働き方を見る際の注意点
店舗勤務の正社員は転勤の頻度が高く、数年に一度のエリア異動・店舗異動が一般的です。家族のライフイベント(子育て・介護等)に合わせた転勤回避は、制度上は申請できますが、組織の実態として運用が一律でないため、事前に確認することが必要です。また、郊外型の店舗が多いため、自動車通勤が前提となるケースもあります。
青山商事の社風・カルチャー
一言で表すなら「現場主義・着実・地道」
青山商事の社風を一言で表すなら「現場主義」です。創業以来、郊外店舗でお客様と直接向き合うことで成長してきた会社であり、「現場の声を大切にする」「数字と実績で評価する」という文化が根付いています。本社機能が広島県福山市に置かれていることも、派手さよりも堅実さ・地道さを重視する組織文化に影響しています。
経営スタイルはトップダウンの傾向が見られ、創業家や経営幹部の意向が戦略に色濃く反映されます。これは意思決定が比較的早い側面もある一方、ボトムアップでの提案が通りにくいと感じる社員もいるようです。口コミでは「上からの指示が変わりやすい」という声も散見されます。
評価される人物像
青山商事で評価される人物像は、「成果に責任を持てる実行力のある人材」です。店舗勤務では売上目標の達成・顧客満足の向上・スタッフの育成という複数の指標を同時にマネジメントできる人が評価されます。本部では、現場との連携を大切にしながら数値目標に向けて着実に業務を推進できる人が求められます。
また、「紳士服・スーツが好きである」「ファッションに関心がある」というパッションは、面接でも評価されやすいポイントです。単純に「大企業だから」という動機よりも、業界・商品への関心を言語化できる候補者の方が内定に近づきます。
表面的なイメージと実態の差
「スーツを売る保守的な会社」というイメージを持つ人も多いですが、近年はEC事業・デジタルマーケティング・データ分析という領域での人材投資を積極化させており、デジタル人材にとっては新しい挑戦の場にもなっています。一方で、「大企業ならではのスピード感の遅さ」「現場重視ゆえの本部改革の難しさ」といった課題も口コミで指摘されています。転職前の情報収集として、社員口コミサイトの複数の意見を参考にすることをお勧めします。
青山商事の転職難易度
難易度:B〜C級(中程度〜比較的入りやすい)
総合的な転職難易度はB〜C級と評価されます。小売業・紳士服業界の経験者であればC級(比較的入りやすい)、未経験職種・本部機能(IT・DX・経営企画)への応募ではB級(相応の専門性が求められる)という差があります。超大手・外資系コンサルティングファームと比べれば応募機会の間口は広く、実務実績と誠実な志望動機があれば書類選考を通過できる可能性は十分あります。
理由1. 継続的な中途採用ニーズ
店舗マネジメント・エリアマネジャー・MD・人事・IT系の職種では、年間を通じて中途採用の求人が出ています。全国約900店舗という規模ゆえ、人員の流動性は常にあり、中途採用者の受け入れ体制も整っています。一度応募機会を逃しても、数ヶ月後に再チャレンジできる可能性があります。
理由2. 競合他社経験者・小売業界経験者が有利
AOKI・はるやま・コナカ・ユナイテッドアローズ・UNITED TOKYOなど、アパレル・紳士服・小売業での実務経験は書類選考で有利に働きます。特に競合チェーンでの店長・エリアマネジャー経験は、即戦力として評価されやすい傾向があります。
理由3. EC・デジタル職は専門性が高いほど有利
EC事業の強化を急ぐ青山商事では、デジタルマーケティング・EC運営・データ分析・UX/UIデザインなどの専門職に対して積極的な採用姿勢があります。この分野では業界未経験でも専門スキルがある人材が評価される傾向が高く、年収水準も交渉余地があります。
青山商事に向いている人
タイプ1. 全国規模の小売で着実にキャリアを積みたい人
大企業の安定した環境で店舗マネジメントを学び、店舗スタッフ→店長→エリアマネジャーというキャリアパスを着実に歩みたい人には、青山商事は有力な選択肢です。全国展開チェーンならではの異動・昇格機会の豊富さが、長期的なキャリア形成を支えます。
タイプ2. ファッション・スーツ業界に情熱がある人
「スーツが好き」「ファッションに関心がある」「顧客のスタイリングをサポートしたい」という明確なパッションを持つ人は、業界最大手でその熱意を活かせます。顧客の晴れ舞台を支える仕事に喜びを見出せる人に、この仕事は合っています。
タイプ3. 変革期の企業で改革に参画したい人
EC強化・カジュアルウェア拡充・デジタル化という構造転換の局面を「ピンチではなくチャンス」として捉えられる人には、青山商事は面白い環境です。変化を嫌わず、新しい取り組みに積極的に関われる人が組織に貢献できます。
タイプ4. 地方・郊外での安定した雇用を求める人
全国の郊外・地方都市に店舗を持つ青山商事は、大企業での就業機会が限られる地方在住者にとって有力な就職先です。地元に近い場所で大企業のキャリアを積みたいという人のニーズに応えられる数少ない選択肢の一つです。
タイプ5. 小売業界からステップアップしたい中堅人材
他の小売業・サービス業での店長経験・接客スキル・マネジメント経験を持ち、より大きな舞台でそれを活かしたい人。青山商事の規模と全国ネットワークは、そのような経験者に活躍の場を提供します。
青山商事に向いていない人
批判ではなく、ミスマッチを防ぐためにあえて正直にお伝えします。
- タイプ:スピード感を重視するベンチャー志向の人 大企業ならではの承認プロセス・現場優先のトップダウン文化は、スタートアップ的なスピードや自律的な裁量を求める人には合わない可能性があります。
- タイプ:フルリモート・都市型ライフスタイルを優先する人 店舗勤務が中心となるため、リモートワークを主とする働き方は難しいです。また転勤・エリア異動への対応が求められます。
- タイプ:ファッション・小売業界に関心が薄い人 スーツや紳士服への関心がなく、業界を単なる「通過点」として捉えている場合、選考でも職場でもモチベーションの維持が難しくなります。
- タイプ:高年収・外資系水準を求める人 平均年収500万円前後は小売業界の標準的な水準ですが、コンサル・IT・金融と比べれば低い水準です。報酬を最優先するキャリア設計には合いません。
- タイプ:急速なキャリアアップを志向する人 実績主義は進んでいますが、依然として年功序列的な文化も残っており、突出した実績があっても年次による上限がかかる場合があります。
青山商事の選考対策
選考戦略1. 業界への関心と変化への理解を伝える
選考において最も重要なのは「なぜ今、青山商事なのか」という志望動機の説得力です。「スーツ需要が変化している時代に、自分のスキルをどう活かして青山商事の変革に貢献できるか」というストーリーを持って臨むことが、競合候補との差別化につながります。スーツ業界・小売業界の動向を事前に調査し、自分の言葉で語れる準備をしましょう。
業界外からの転職者は特に、「なぜ青山商事なのか」「なぜ小売なのか」という問いに対する答えを丁寧に準備することが必要です。漠然とした安定志向ではなく、具体的な業務内容への理解と熱意を示すことが評価につながります。
選考戦略2. 実績の数値化と具体性
面接では、過去の業務における具体的な実績を数値で示す準備をしておきましょう。「担当店舗の売上を前年比で何%改善したか」「どのようなプロセスで目標達成したか」という因果関係を明確に語れるエピソードが求められます。曖昧な「頑張りました」「チームで成し遂げました」では差別化になりません。
定量実績だけでなく、「困難をどう乗り越えたか」という問題解決プロセスを説明できる準備も有効です。リーダーシップ・問題発見・解決策立案という流れで語れるエピソードを2〜3つ準備しておきましょう。
選考戦略3. EC・デジタル職は専門スキルを具体的に提示
EC・デジタルマーケティング系の職種に応募する場合は、実際に使用したツール・実績・KPI達成事例を具体的に提示することが重要です。「GA4での分析経験」「Google Ads・Meta Adsの運用実績」「CVR改善の具体的な施策と成果」という形で、即戦力であることをポートフォリオや実績資料で示すと効果的です。
選考戦略4. 転勤・異動への対応を明確にしておく
青山商事の正社員採用では、転勤・異動への対応可否は選考の重要な確認事項となります。「原則として転勤可能」「一定の地域内に限定」といった自分の制約条件を事前に整理し、正直に伝えることが長期的なミスマッチ防止につながります。嘘をついて入社しても、後で困るのは自分です。
選考戦略5. 競合他社比較と差別化ポイントを押さえる
AOKI・はるやま・コナカとの違いを理解したうえで「なぜ青山商事か」を語れると説得力が増します。規模の大きさ・全国展開の強み・複数業態の保有などを軸に、自分のキャリア目標との接点を具体的に述べましょう。
選考戦略6. 採用フローと対策のポイント
一般的な選考フローは「書類選考→SPI等の適性検査→1次面接(現場管理職)→2次面接(人事・上位管理職)→最終面接→内定」です。適性検査の準備(特にSPI言語・数理)を怠らないこと、面接では礼儀・服装の清潔感も見られることを意識しましょう。スーツを販売する会社の選考において、服装への無頓着さは印象を下げるリスクがあります。
青山商事への転職で評価されやすい経験
- スーパーバイザー・エリアマネジャーとして複数店舗を統括した経験
- 店長として売上目標を達成した実績と、そのプロセスを語れること
- 競合他社(AOKI・はるやま・コナカ等)での店舗運営・マネジメント経験
- アパレル・小売業界でのMD・バイヤー経験(商品計画・仕入れ・在庫管理)
- EC運営・デジタルマーケティングの実務経験(GA4・広告運用・CVR改善等)
- 大手小売・チェーンストアでの標準化・マニュアル整備経験
- OJTによる人材育成・店舗スタッフへのコーチング経験
- データ分析を活用した売上・客数・在庫の改善提案経験
- SaaS・ERPシステムの導入・活用経験(小売・物流系)
- カジュアルウェア・ビジネスカジュアル領域の商品企画・仕入れ経験
- SNS・コンテンツマーケティングを活用した集客施策の立案・実行経験
- 新店舗立ち上げ・業態転換に関わったプロジェクト経験
- 顧客データ活用(CRM・ポイントプログラム等)の実務経験
特に評価されやすいのは、「スーパーバイザー・エリアマネジャーとして複数店舗の売上目標を達成した経験」と「EC事業での数値改善実績を具体的に語れるデジタル人材」です。
まとめ
青山商事は「スーツ専門小売国内最大手」という盤石な地位と、「スーツ需要の構造的変化」という逆風が交差する、転職市場においても独特のポジションにある企業です。全国約900店舗という規模・東証プライム上場の財務基盤・業界随一のブランド認知は、転職者にとって魅力的なポイントとして機能します。一方で、テレワーク普及に伴うスーツ需要の減少・広島県福山市本社という地理的制約・転勤が前提となる正社員像は、全員に合うとは言えません。
転職エージェントとして正直に申し上げると、青山商事は「変革を担いたい人」と「地道に小売のプロを目指したい人」の両方に機会を提供する企業です。EC強化・カジュアル拡充という構造転換の局面は、デジタル人材・MD人材・新規事業志向の人材にとっては面白いタイミングです。一方、堅実に店舗マネジメントのキャリアを積みたい人にとっても、全国最大規模の店舗網が学習の場を提供しています。
選考に向けては「なぜ今、青山商事なのか」という明確なストーリーの構築と、具体的な実績の数値化が差別化の核心となります。業界の動向・同社の変革施策を事前に調べ、自分のキャリア目標と結びつけて語れる準備をして臨んでください。スーツ業界の変化の真っ只中にある青山商事で、変革に参画するという選択は、キャリアの観点から見ても価値のある経験になり得るでしょう。
