東陽倉庫とは

東陽倉庫株式会社は、名古屋港を主要拠点とする中部圏最大級の総合物流企業です。1926年(大正15年)に名古屋倉庫株式会社(1893年設立)と東海倉庫株式会社(1906年設立)が合併して誕生し、来年2026年には創業100周年を迎えます。

「倉庫」という社名ながら実態は総合物流商社として機能しており、港湾運送・通関・国内配送・EC物流・不動産賃貸まで幅広い事業を展開。東証スタンダード市場に上場し、中部圏のサプライチェーンを支えるインフラ企業として確固たる地位を築いています。


企業概要

項目内容
正式社名東陽倉庫株式会社
証券コード9306(東証スタンダード)
本社所在地名古屋市中村区名駅南2丁目6番17号
設立1926年(大正15年)3月13日
資本金34億1,200万円
売上高連結291億8,600万円・単体213億2,900万円(2025年3月期)
経常利益予想19億1,000万円(2026年3月期・連結予想)
従業員数単体286名・連結724名
上場区分東証スタンダード市場
決算期3月31日
主要拠点名古屋港・名古屋市内・東海地区・関東地区
事業セグメント物流事業・不動産事業

主な事業内容

1. 倉庫業(保管・流通加工)

創業以来のコア事業です。名古屋港周辺を中心に、自動車部品・機械・食料品・日用品など多様な商材の保管・ピッキング・流通加工(ラベル貼付・セット組み等)を担います。近年は通販業者向けのフルフィルメントサービスにも注力しており、EC物流の需要拡大を取り込んでいます。

2. 港湾運送業

名古屋港における港湾荷役の担い手として、輸出入貨物の船積み・陸揚げ・コンテナ取扱い・ヤード管理を行います。トヨタグループをはじめとする自動車産業との取引が多く、名古屋港の完成車輸出インフラを支える重要なポジションを占めています。

3. 通関業

輸出入の税関申告・手続き代行を担う通関業者として機能します。港湾運送と通関をワンストップで提供できる体制が荷主企業から高く評価されており、複数の拠点で通関業ライセンスを保有しています。

4. 国内輸送・配送

工場・倉庫間の幹線輸送から、ラストワンマイルまでの配送ネットワークを構築しています。愛知県内の主要工業地帯へのルート便や、小口混載配送にも対応しています。

5. 不動産事業

名古屋市中心部の「テラス納屋橋」(マンション・商業施設・オフィスビルの複合開発)への参画など、物流倉庫用地の活用・転用による不動産収益が安定した収益ピラーとなっています。物流需要の変化に応じて不動産ポートフォリオを組み替える柔軟な経営戦略を採っています。


東陽倉庫の強み

強み1:名古屋港における100年近いインフラと信頼

名古屋港は日本最大の貿易港(輸出金額)のひとつであり、特に自動車・自動車部品の輸出拠点として世界的に知られています。東陽倉庫はこの名古屋港で1926年から事業を続けており、港湾荷役ライセンス・現地拠点・行政との関係性など、後発が短期間で追いつけない参入障壁を保有しています。

強み2:倉庫×港湾×通関のワンストップ提供

「倉庫に預けて、港で船積みして、通関もお任せ」という一貫サービスが荷主企業の業務負担を大きく軽減します。複数業者を分散発注するよりコスト・コミュニケーションコスト共に削減できるため、長期的な取引関係に発展しやすい構造です。

強み3:自動車産業との深いリレーション

名古屋・東海地区はトヨタグループをはじめとする自動車産業の集積地です。完成車・部品双方の物流に深く関わることで、自動車産業の生産変動に連動した安定的な物流需要を確保しています。

強み4:物流+不動産の複合収益モデル

景気変動の影響を受けやすい物流事業を、不動産収益でヘッジする複合収益構造を持ちます。名古屋中心部の不動産資産は長期にわたって安定したキャッシュフローを生み出しており、財務健全性の維持に貢献しています。

強み5:EC物流・3PL分野への積極投資

通販物流の需要拡大に対応し、倉庫の自動化・在庫管理システムの高度化・ラストワンマイル対応を強化しています。既存の倉庫インフラをEC物流向けに転換する動きが収益の新たな柱となりつつあります。

強み6:東証スタンダード上場による経営の透明性

上場企業としての厳格な情報開示・内部統制体制が整備されており、荷主企業・金融機関・採用候補者に対して高い信頼性を提供しています。安定した財務基盤と透明な経営姿勢は長期取引先の継続に寄与しています。


東陽倉庫の年収事情

東陽倉庫の平均年収は約384万円(口コミ情報)で、物流・倉庫業界の中では標準水準です。特筆すべきは「昨年度賞与4.6ヶ月分」という高水準のボーナス実績があり、基本給は控えめでも年収全体では業界平均と遜色ない水準となるケースがあります。

職種別・推定年収レンジ

職種推定年収レンジ
一般職・事務職280〜400万円
総合職(営業・物流管理)350〜550万円
通関士380〜560万円
港湾オペレーション320〜480万円
倉庫管理・3PL担当330〜490万円
不動産・施設管理370〜550万円
管理職(課長クラス)550〜750万円
部長・役員クラス700万円〜
  • 賞与は業績連動の要素が強く、好業績年は4ヶ月超の実績がある。
  • 総合職は社宅制度(家賃補助あり)を活用することで実質的な可処分所得が高まる。
  • 通関士資格保有者は資格手当が付き、資格なしと比べて年収差が生じやすい。

東陽倉庫の働き方・福利厚生

東陽倉庫で確認されている主な制度・特徴は以下の通りです。

  1. 基本土日祝休み — 週休2日制が基本。物流業としては休暇取得のしやすさが評価されている
  2. 賞与実績4.6ヶ月分 — 業績連動型。好業績年は高水準のボーナスが期待できる
  3. 社宅制度 — 遠方からの転入者向けに社宅・寮を提供。家賃負担が軽く貯蓄しやすい
  4. 通勤交通費支給 — 定期代半年分の一括支給制度あり
  5. 各種社会保険完備 — 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険
  6. 資格取得支援 — 通関士・フォークリフト・危険物取扱者等の業務関連資格を支援
  7. 産育休取得実績 — 女性・男性問わず取得実績あり
  8. 退職金制度 — 長期勤続に対応した退職金制度を整備
  9. 研修制度 — 新入社員研修・OJT・業務別スキルアップ研修
  10. クラブ・サークル活動 — 社内コミュニティ形成の場が整備されている
  11. 健康診断・メンタルヘルスケア — 定期健康診断・産業医相談窓口あり
  12. 慶弔見舞金 — 結婚・出産・弔事への福利厚生的支援

東陽倉庫の社風・カルチャー

老舗企業ならではの安定志向と堅実な組織文化

東陽倉庫は100年近い歴史を持つ老舗企業であり、組織文化は安定・着実・信頼を重視する傾向があります。急激な変革よりも継続的な改善・信頼関係の蓄積を大切にするカルチャーで、長期的に腰を据えて働きたい人に向いています。

地域密着型の中部圏企業

名古屋を拠点とする地域密着型企業として、地元・名古屋への強いコミットメントがあります。名古屋港・名古屋駅周辺に主要拠点を置き、地元の産業(自動車・機械・食品等)とのリレーションを大切にした経営スタイルです。

人材育成への積極姿勢

「勉強する風土」を積極的に整えているとの口コミがあり、社内研修・資格取得支援・OJTを通じた人材育成に力を入れています。若手が専門スキル(通関・港湾・3PL)を体系的に学べる環境が整っています。

現場力を重視する文化

物流・倉庫・港湾という現場業務が事業の核であるため、「現場を知る」人材が評価される組織文化があります。オフィスワークよりも現場での実務経験を積んだ人材が管理職に就くキャリアパスが一般的です。


東陽倉庫の転職難易度

難易度:C級(やや低め)

物流・倉庫業界の中では安定した知名度を持つ東証スタンダード上場企業ですが、採用倍率は大手総合物流会社ほど高くなく、実務経験・資格・志望動機が明確であれば内定を狙えるレンジです。ただし、名古屋での勤務が前提となるため、UIターン希望者以外の首都圏在住者は注意が必要です。

評価軸難易度
書類選考★★☆☆☆
一次面接★★★☆☆
最終面接★★★☆☆
資格・スキル要件★★★☆☆(通関士は優遇)
全体難易度★★☆☆☆

東陽倉庫に向いている人

  • 名古屋・中部圏で長期的に働きたい人:拠点の多くが名古屋港・名古屋市内に集中しており、地元定着志向の方に最適
  • 物流・倉庫のプロとしてキャリアを築きたい人:倉庫・港湾・通関・3PLまで総合的に学べる環境が整っている
  • 安定した企業で長く働きたい人:創業100年近い上場企業の安定感・賞与4.6ヶ月分の実績が魅力
  • 通関士資格を持っている・取得を目指している人:資格保有者は優遇され、専門職としてのキャリアが描ける
  • 地方移住・UIターンを検討している人:社宅制度が整備されており、名古屋への移転を検討している人に利便性が高い
  • 倉庫・港湾業務の実務経験がある人:即戦力として評価されやすく、入社後もスキルを発揮しやすい

東陽倉庫に向いていない人

  • 東京・大阪など大都市圏での勤務を希望する人:主要拠点が名古屋中心のため、首都圏在住者には不向き
  • 急速な昇格・高年収を短期で求める人:老舗企業らしい年功的なカルチャーがあるため、急激な昇給は期待しにくい
  • 最先端テクノロジー・スタートアップ環境を求める人:老舗物流企業として安定志向が強く、変化のスピードは大手ITや新興企業より緩やか
  • リモートワーク中心の働き方を希望する人:物流・港湾の現場業務が多く、テレワーク適用は限定的と見られる
  • グローバルな海外業務に主軸を置きたい人:国際貨物の取扱いはあるが、海外駐在・海外法人展開は限定的

東陽倉庫の選考対策

戦略1:物流・倉庫業界への理解と志望動機を具体化する

「なぜ東陽倉庫なのか」「なぜ物流・倉庫業界なのか」を具体的に語れるように準備しましょう。名古屋港の貿易量・自動車産業との連携・EC物流の成長など業界トレンドを把握した上で、同社が取り組んでいる事業領域との接点を明確に言語化することが重要です。

戦略2:名古屋での長期勤務意欲を示す

面接では「なぜ名古屋なのか」「長期的に名古屋で働く意欲があるか」を必ずと言っていいほど問われます。UIターン希望者はその理由・ライフプランを具体的に説明できるよう準備してください。地元出身者・名古屋在住者はその点で有利です。

戦略3:通関士・フォークリフト等の関連資格をアピールする

通関士資格は採用において大きなアドバンテージになります。フォークリフト免許・危険物取扱者・貿易実務検定なども保有していれば積極的にアピールを。資格取得を勉強中の場合も「取得予定」として意欲を示すことが有効です。

戦略4:現場経験・実務エピソードを具体的に用意する

倉庫管理・港湾業務・通関手続き・配送管理など、これまでの物流実務の具体的なエピソードを数字・成果と共に整理しておきましょう。「何トン・何件・何ヶ月で改善」といった定量的な実績が伝わる話し方を練習してください。

戦略5:安定志向・長期勤続の姿勢をアピールする

老舗企業文化のある東陽倉庫では、腰を据えて長期的に貢献する人材を好みます。「転職回数が多い」「前職を短期で辞めた」などのネガティブ要因は事前に説明できるよう準備し、今回の転職が長期的なキャリア構築の延長線上にあることを示してください。

戦略6:地元産業(自動車・製造業)への理解を示す

名古屋港を通じた自動車輸出・部品物流に関する基礎知識があると面接官の印象に残ります。トヨタグループの生産システム・ジャスト・イン・タイム物流への理解を示すことで、「業界の文脈をわかっている人材」として評価されやすくなります。


東陽倉庫への転職で評価されやすい経験

転職エージェントの視点から、東陽倉庫で高評価につながる経験・スキルを整理します。

  1. 倉庫管理・WMS(倉庫管理システム)の運用経験
  2. 通関士資格・通関業務の実務経験
  3. 港湾荷役・港湾運送業での実務経験
  4. フォークリフト免許・大型免許・玉掛け技能講習修了
  5. 3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の企画・運営経験
  6. EC・通販物流のフルフィルメント業務経験
  7. 国際物流・貿易実務(インコタームズ・船積書類)の知識
  8. 危険物取扱者(甲・乙種)資格
  9. 在庫管理・物流コスト削減の実績(数字で示せるもの)
  10. 自動車・製造業サプライチェーンの物流経験
  11. 不動産・施設管理の実務経験(不動産事業部門向け)
  12. 多拠点間の輸配送コーディネート経験
  13. 顧客折衝・荷主企業との交渉経験
  14. ISO認証対応・品質管理の業務経験
  15. Excel・基幹システムを活用した在庫・配送管理の経験

まとめ

東陽倉庫株式会社は、1926年創業・東証スタンダード上場という100年近い歴史と信頼を持つ、名古屋港基盤の総合物流企業です。倉庫・港湾・通関・不動産の複合収益モデルと、自動車産業をはじめとする中部圏製造業との深いリレーションが競争優位の源泉です。

連結売上291億円・従業員724名という規模感は、大手総合物流会社と地域物流会社の中間に位置しており、幅広い業務に関われる環境が整っています。賞与4.6ヶ月分・基本土日祝休み・社宅制度といった待遇面も含め、中部圏で安定した物流キャリアを構築したい人にとって魅力的な選択肢です。

転職エージェントとしては、「名古屋・中部圏に腰を据えて物流のプロを目指したい」「通関士資格や港湾スキルを活かせる環境を探している」という方に特におすすめできる企業です。選考では地域定着の意思・実務スキル・資格の3点を軸に準備を進めることが内定への近道です。

転職を検討する際のチェックリスト

東陽倉庫への転職を検討している方は、以下の点を自己確認しておくと面接準備が整いやすくなります。

  • 名古屋・中部圏での長期勤務に前向きである(UIターン含む)
  • 物流・倉庫・港湾・通関のいずれかで実務経験がある
  • 通関士・フォークリフト・危険物取扱者など関連資格を保有(または取得予定)
  • 過去の業務で在庫削減・コスト改善・処理件数改善などの数字実績がある
  • 安定企業で長期的にキャリアを積む意思を明確に説明できる
  • 自動車産業・製造業サプライチェーンの物流知識の基礎がある

不安な項目は事前準備で解消できます。老舗・安定の東証スタンダード上場企業として、100年近く中部圏の物流を支えてきた東陽倉庫は、安心して長く働けるフィールドを求める転職者にとって有力な選択肢です。転職エージェントを活用しながら、着実に選考を進めることをお勧めします。

競合他社との比較ポイント

同じく中部圏・名古屋港周辺で物流事業を展開する企業と比較した場合、東陽倉庫の優位性は「倉庫×港湾×通関×不動産の4事業を自社で完結できる体制」にあります。一機能特化の物流会社では学べない幅広い物流スキルを習得できることが東陽倉庫の人材育成上の大きな強みです。物流業界で専門性と総合力の両方を身につけたいキャリア志向の方に特に向いた企業です。