「不動産投資は富裕層のもの」——その常識を崩しにいった企業がクリアル株式会社だ。2011年の創業から13年余り、同社はオンラインプラットフォーム「CREAL」を軸に、個人・プロ・機関投資家が参加できる不動産ファンドのエコシステムを構築してきた。

不動産×テクノロジーという文脈で語られる企業は多いが、クリアルが際立つのはその収益化までの道筋だ。2025年3月期には売上高418億円(前期比約2倍)を記録し、累計投資金額も1,000億円を突破。数字の成長が証明するように、構想段階を超えて事業が本格的に離陸している段階にある。

転職を検討する方にとっては、平均年収750万円というデータも見逃せない。成長企業でありながら待遇も整いつつある——そんな「旬のフェーズ」にある企業として、転職市場でもクリアルへの注目度が高まっている。

企業概要

項目内容
会社名クリアル株式会社
設立2011年5月11日
代表取締役横田大造(代表取締役CEO)
本社所在地東京都港区新橋2-12-11 新橋27MTビル8階
資本金約34億5,240万円(2026年4月末時点)
従業員数225名(単体)/307名(グループ)
上場区分東証グロース市場(証券コード:2998)
売上高約418億円(2025年3月期実績)
平均年収約750万円(2025年3月期)
平均年齢30代前半〜中盤程度
事業内容不動産ファンドオンラインマーケットプレイス「CREAL」の運営、プロ向け・個人向け不動産投資運用サービス

クリアルは不動産業でもFintech企業でもある、ハイブリッドな業態の企業だ。コアとなる「CREAL」プラットフォームは不動産を裏付け資産とするファンドを一般投資家に提供するもので、当局から第二種金融商品取引業・不動産特定共同事業の登録を受けた信頼性の高いサービスだ。

資本金34億円超という水準は、同規模のスタートアップとしては厚い財務体力を示している。SBIホールディングスとの資本業務提携による後ろ盾もあり、中長期的な成長基盤が着実に整いつつある。

主な事業内容

クリアルの事業は「個人向け」「プロ・機関向け」「ウェルスマネジメント」「新領域」の4軸で構成されている。各ビジネスが相互に補完し、単なるクラウドファンディング事業の域を超えた総合的な資産運用プラットフォームを形成している。

ファンドの種類も多様で、住居系・ホテル系・商業系など異なるアセットクラスを揃えることで、市場環境の変動に対するポートフォリオの分散を意識した設計になっている。

CREAL(不動産クラウドファンディング)

個人投資家向けの主力サービス。1万円から参加可能な小口不動産ファンドをオンラインで募集・運用する。投資家会員数13.8万人、累計投資金額1,047億円(2026年3月末時点)を達成しており、国内の不動産クラウドファンディング市場でトップクラスの規模を誇る。投資対象はレジデンス・ホテル・商業施設など多様なアセットにわたる。

CREAL PRO(機関投資家・超高資産家向けサービス)

証券会社・信託銀行・ファミリーオフィスなど機関投資家や超高資産家(UHNWI)を対象とした不動産ファンドサービス。個人向けとは異なる大型案件を扱い、プロ向け金融商品としての専門性を提供する。「個人向け」で培った不動産のソーシングと運用ノウハウをプロマーケットで応用する展開だ。

CREAL PB(個人向けウェルスマネジメント)

高資産個人向けのプライベートバンキング的サービス。不動産投資を中心に資産形成・運用をトータルでサポートする。単純なクラウドファンディングの申込を超え、個別のポートフォリオ設計から出口戦略まで伴走するコンシェルジュ型のサービス形態だ。

ホテル運営事業

SBIホールディングスとの提携を活かし、ホテル運営事業にも参入。不動産ファンドの投資対象としてのホテルアセットを自社運営することで、収益の内製化を図る戦略的な取り組みだ。不動産×ホスピタリティの融合という新しい事業ドメインでの挑戦が続いている。

クリアル株式会社の強み

強み1. 国内トップクラスの不動産クラウドファンディングブランド

「CREAL」は不動産クラウドファンディングの代名詞として業界で認知されている。累計投資金額1,000億円超、投資家会員13.8万人というスケールは、信頼性の面でも競合他社との差異化要因になっている。プラットフォームの規模が大きくなるほど、資金調達力・案件ソーシング力が高まるネットワーク効果が働く仕組みだ。

強み2. 個人〜機関投資家までをカバーするマルチセグメント戦略

CREAL(個人)・CREAL PRO(機関・超富裕層)・CREAL PB(高資産個人)と、顧客セグメントを上下に広げたことで、単一セグメント依存のリスクを分散している。一方でブランドとオペレーションのノウハウは共通化されており、コスト効率の高い多角化が実現している。

強み3. SBIホールディングスとの資本業務提携

国内最大級の金融グループであるSBIHDとの提携は、信用力の補完・顧客基盤の拡大・資金調達力の強化など複数の相乗効果をもたらしている。SBIのネットワーク経由で機関投資家へのリーチが広がり、CREAL PROやCREAL PRO向け案件の組成力が高まると期待されている。

強み4. 高い平均年収が示す人材への投資姿勢

平均年収750万円(2025年3月期)は、同じグロース上場のスタートアップ比較でも際立って高い水準だ。人材への投資を惜しまない姿勢は、優秀な金融・テック・不動産のプロを引きつける好循環を生む。転職者にとっても、待遇面でのリスクが相対的に低い点は重要なポイントだ。

強み5. テクノロジーを活用した不動産民主化のビジョン

「不動産投資を変え、社会を変える」というミッションは、単なるスローガンではなく事業設計の根幹に組み込まれている。オンラインで完結する申込フロー、デジタル契約、データドリブンなファンド運用評価など、不動産業界の慣習を技術でアップデートし続ける姿勢が同社の差別化軸だ。

強み6. アセットクラスの多様化と運用実績

住居系だけでなく、ホテル・商業施設・物流など多様なアセットを扱う実績が積み上がっている。特定のアセットクラスの相場変動に左右されにくいポートフォリオ設計は、ファンド組成の安定性に寄与している。多様なアセットを経験できる環境は、転職者がキャリアの幅を広げる機会にもなる。

クリアル株式会社の年収事情

クリアルは東証グロース上場企業として有価証券報告書で給与情報を開示しており、2025年3月期の平均年収は750万円と公表されている。これはIT・フィンテック業界の中でも高水準だ。

職種別の想定年収レンジ

職種想定年収レンジ
ファンドマネージャー・ポートフォリオマネージャー700〜1,200万円程度
不動産アクイジション(用地・物件取得)600〜950万円程度
ファンド営業(機関・富裕層向け)600〜900万円程度
プロダクト/エンジニア550〜900万円程度
マーケティング・グロース500〜800万円程度
コーポレート(経理・財務・法務)500〜800万円程度
カスタマーサクセス・CS400〜650万円程度

給与制度の特徴

金融系スタートアップらしく、業績連動の賞与と基本給の両立が基本構造とみられる。機関投資家向けビジネスや案件組成のような高度な専門職では、成果に応じたインセンティブが上積みされるケースが多い。ストックオプション制度については採用条件の中で個別に確認することを推奨する。

年収を見る際の注意点

  • 平均750万円はポジション・経験によって大きな幅がある。フロント(投資・営業)系は高く、コーポレート・CSは相対的に低め
  • 急成長期にある企業のため昇給機会は多い一方、業績変動の影響を賞与が受けやすい
  • 平均勤続年数2.2年程度(推計)という短さは、スタートアップ特有の流動性の高さを示している
  • グループ全体305名規模への急拡大段階であり、待遇整備が追いついていないポジションがある可能性も

クリアル株式会社の働き方・福利厚生

勤務時間・休日 フレックスタイム制を採用しており、コアタイム内であれば柔軟な時間管理が可能な体制が整いつつある。土日祝日休み・完全週休2日制が基本で、不動産業にしては珍しく金融機関寄りのカレンダーに近い。

リモートワーク 本社は東京都港区新橋。テクノロジー系部門を中心にリモートワーク・ハイブリッドワークが導入されている可能性が高い。一方、投資家・機関投資家との対面折衝が多い業務は出社比率が高くなる傾向がある。

福利厚生(推定・採用時要確認)

  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 交通費支給
  • フレックスタイム制
  • 昇給・業績賞与制度
  • ストックオプション制度(対象者による)
  • 有給休暇(法定付与・入社時付与制度)
  • 育児・介護休業制度
  • 各種資格・研修支援(宅建・ファイナンシャルプランナー等)
  • 書籍購入補助・学習支援制度

注意点 急成長フェーズにある企業の宿命として、制度整備が追いついていない可能性がある。入社前に現在の福利厚生内容を人事担当者に直接確認することを推奨する。

クリアル株式会社の社風・カルチャー

一言で表すなら「ミッションドリブンのプロ集団」

「不動産投資を変え、社会を変える」というミッションへの共感が、採用・組織文化の軸になっている。金融・不動産・テックの専門人材が集まり、それぞれの強みを持ち寄って課題に向かう、クロスファンクションなチームワークが特徴的だ。

評価される人物像

  • 社会的意義のある事業に熱量を持って関われる人
  • 金融・不動産・テックのいずれかで高い専門性を持ち、他領域への好奇心がある人
  • データと論理で意思決定し、スピード感を持って実行できる人
  • 顧客(投資家・パートナー)の課題をオーナーシップを持って解決できる人
  • ゼロから仕組みを作ることを楽しめる人

表面的なイメージと実態の差

「不動産投資の会社」というイメージから、固い不動産業者を想像する人もいるが、実態はテクノロジー企業に近い文化を持つ。エンジニア・プロダクトチームが強い発言権を持ち、スピード感のある意思決定が行われる。一方で、金融規制・不動産規制への対応が必要なビジネスだけに、コンプライアンスへの意識は非常に高く、そのバランスを理解した上で入社することが重要だ。

クリアル株式会社の転職難易度

難易度:4級(やや高め〜高い)

金融・不動産・テックのいずれかで高い専門性を求めるポジションが多く、未経験からの参入はハードルが高い。一方で組織拡大フェーズゆえに採用枠が継続的に開かれており、「タイミングが合えば入れる」企業でもある。

選考は専門性の確認とカルチャーフィットの両軸で評価される傾向が強い。ミッションへの共感と専門スキルの掛け合わせが問われる構造で、「スキルはあるが方向性が合わない」候補者は落ちやすい。

理由1. 高専門性人材へのニーズが中心

ファンド組成・不動産アクイジション・機関投資家向け営業は、いずれも業界経験と専門資格を前提とするポジションが多い。RIAや宅建・ファイナンシャルプランナー・証券外務員などの資格があると有利になる。

理由2. ミッション・バリューへの高い共感要求

組織文化が強いスタートアップに共通するが、スキルだけでは通過しないケースが多い。「なぜCREALか」「不動産投資の民主化にどう貢献したいか」という志望動機の深さが問われる。

理由3. 競合他社からの転職者との競争

Fintech・PropTech企業や不動産AM、証券会社出身者からの応募が多い。ターゲット層が重なる候補者との競争になるため、自分ならではの差別化ポイントを整理しておく必要がある。

クリアル株式会社に向いている人

タイプ1. 金融×不動産のクロス経験を持つ人

証券会社・銀行・不動産ファンドなどでの経験を持ち、両領域を横断できる人材はクリアルの業務設計に直接フィットする。特に不動産ファンド組成・AMの経験者は高く評価される。

タイプ2. テクノロジーで金融・不動産を変えたい人

エンジニア・プロダクトマネージャーとして、既存業界の課題をテクノロジーで解決したいという意識を持つ人。PropTechやFintechへの関心を持つエンジニア人材が活躍できる環境だ。

タイプ3. ミッションドリブンで成長企業に乗りたい人

「社会の課題を解決しながら、成長企業の中核メンバーになりたい」という動機を持つ人。上場後も拡大フェーズにある企業で、組織の基盤づくりに携わりたい人に向いている。

タイプ4. 機関投資家・富裕層向け営業の経験を持つ人

CREAL PRO・CREAL PBの拡大に伴い、高資産個人・機関投資家向けのリレーションシップマネジメント経験者のニーズが高まっている。証券会社・プライベートバンク出身者は特に有力な候補となる。

タイプ5. データドリブンなマーケティング・グロースを得意とする人

不動産投資家13.8万人のプラットフォームを成長させるために、デジタルマーケティング・グロースハックの専門家を必要としている。SaaSやFintechでのユーザー獲得経験がある人に活躍の場がある。

クリアル株式会社に向いていない人

批判ではなくミスマッチ防止のため、向いていないタイプも整理しておく。

  • タイプ:ルーティン業務・安定志向が強い人 — 急成長フェーズゆえに業務フローや組織体制が変化し続ける。変化への適応に消耗を感じやすい人には辛い環境かもしれない
  • タイプ:専門外の業務を一切やりたくない人 — スタートアップ特有の「ハンズオン」文化があり、職種の壁を超えて動く場面がある
  • タイプ:短期間での安定した昇給・出世を求める人 — 組織が急拡大中のため、ポジション・待遇の設計が追いついていない部分もある
  • タイプ:不動産・金融への関心が薄い人 — ビジネスの根幹が不動産ファンドであるため、ドメインへの関心がないと業務理解が追いつかない可能性がある
  • タイプ:大企業の整ったインフラ環境を重視する人 — まだ整備途上の制度・ツール・仕組みを自ら改善する姿勢がないと摩擦を感じやすい

クリアル株式会社の選考対策

対策1. CREALのプラットフォームを実際に使ってみる

選考前に「CREAL」に投資家会員登録し、ファンドの案件ページを一通り見ておくことを強く推奨する。「どんなアセットに投資しているか」「利回りの設計はどうなっているか」「競合サービスと何が違うか」を自分の言葉で話せる状態が最低ライン。実際に申込を体験するとさらに深い理解が得られる。

対策2. 金融・不動産の専門知識を整理して言語化する

ファンド組成、NOI、DCF、LTV、アセットクラスの特性など、不動産投資に関する用語と概念を理解していることを示す。自分の経験を「クリアルのビジネスにどう活かせるか」という観点で再整理しておくと、面接での説得力が増す。

対策3. ミッションへの共感を具体的エピソードで語る

「不動産投資の民主化に共感します」だけでは不十分だ。自分の経験や価値観の中で、どのような場面でそのビジョンとの接点を感じたかを具体的なエピソードで語れるよう準備する。社会課題への意識と、それを事業で解決することへの熱量が問われる。

対策4. データと数字を使った仕事の実績をまとめる

「データドリブン」「論理的思考」を重視する文化に合わせ、過去の業績を可能な限り数字で整理する。担当ファンドのリターン、顧客獲得数・コスト、管理資産額(AUM)など、具体的な数値を伴った実績提示が評価につながる。

対策5. 関連資格の保有・学習状況をアピールする

宅地建物取引士、証券外務員(一種・二種)、ファイナンシャルプランナー(CFP・AFP)、不動産証券化マスターなどの資格は選考での加点要素になる。未保有でも学習中・取得予定であることを示せれば意欲のアピールになる。

対策6. 競合・類似サービスとの比較を自分の視点で語れるようにする

SBISLやOwnersBook、利回りくんなど競合クラウドファンディングとCREALの差異を理解しておく。「なぜCREALか」を競合との比較を通じて語れると、業界理解の深さと選択の確信を同時に示すことができる。

クリアル株式会社への転職で評価されやすい経験

  • 不動産ファンド(AM・GM)の組成・運用・管理の実務経験
  • 証券会社・投資銀行でのストラクチャードファイナンス・不動産証券化の経験
  • 機関投資家・ファミリーオフィス向け営業(IB・プライベートバンク経験)
  • 不動産アクイジション・デューデリジェンスの経験
  • オルタナティブ投資(REIT・PE・インフラ等)の運用・営業経験
  • SaaS・Fintech・PropTechプロダクトの開発・PM経験
  • デジタルマーケティング・グロースハックによる会員獲得実績
  • コンプライアンス・リスクマネジメントの専門経験(金融規制対応)
  • データ分析・BI構築(不動産・金融データの活用)
  • IRや投資家向け広報(IR・SR)の実務経験
  • ホテル・観光業の運営管理経験(新規ホテル事業参入に伴うニーズ)
  • 宅建・証券外務員・ファイナンシャルプランナーなど関連資格の保有
  • 不動産特定共同事業・クラウドファンディング関連規制への知識
  • 財務・経理(不動産ファンド会計・連結会計の経験)
  • 資金調達・エクイティファイナンスの実務(上場企業での経験)

特に評価されやすいのは、不動産AM・証券会社・プライベートバンクでの高度な業務経験を持ちつつ、テクノロジーや事業成長への強い関心を持つ人材だ。 金融のプロとしての専門性と、スタートアップのスピード感に適応できる柔軟性を合わせ持つ候補者が、クリアルの採用で最も高く評価される。

まとめ

クリアル株式会社は、不動産クラウドファンディング「CREAL」を核に急成長を続ける東証グロース上場のFintechスタートアップだ。累計投資金額1,000億円超、平均年収750万円、従業員数225名(単体)——これらの数字が示すのは、「ミッション×成長×待遇」を同時に追求できる、転職市場での希少な存在感だ。

転職先として見た場合、金融・不動産・テックのどれかで高い専門性を持つ人材にとっては、それぞれの知見がクロスする場で新たな価値を生み出せる唯一無二の環境だ。SBIとの提携、ホテル運営進出、機関投資家向け事業の拡大と、次の成長ドライバーも明確に動き始めている。

一方で、まだ整備途上の組織体制や、急成長に伴う変化への適応力が求められる点は、安定を重視する方にとってリスクとなる。自分のキャリア志向と照合した上で、「今のクリアルが求めるもの」に合致するかを確認することが重要だ。

「不動産投資を変え、社会を変える」というビジョンに共鳴し、その実現を担う側に立ちたい人には、クリアル株式会社は今がまさに乗るべき波に乗っている企業だと言える。