JPYC株式会社は、日本円と1対1で交換できるステーブルコイン「JPYC」を発行・運営するWeb3スタートアップです。ステーブルコインとは、価格が特定の資産(この場合は日本円)に連動するよう設計された暗号資産・電子決済手段のことで、価格変動の大きい一般的な暗号資産と異なり、日常の送金や決済に使いやすいことが特徴とされています。
同社は2025年8月に資金移動業者として金融庁に登録され、2025年10月27日に国内初の円建てステーブルコインとしてJPYCの発行を開始しました。発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を通じて、銀行振込で日本円を入金してJPYCを発行し、保有するJPYCを日本円へ償還できる仕組みを提供しています。
金融の中核である「お金」そのものをブロックチェーン上で扱うという性質から、同社は規制当局との対話を重ねながら事業を進めてきました。裏付け資産を日本円の預貯金および国債で保全する「資金移動業型」を採用し、利用者自身が資産を管理するノンカストディ型のモデルを取っている点も特徴です。
本記事では、JPYC株式会社の事業内容や強み、年収・働き方、そして転職難易度までを、良い面だけでなく気になる点も一次情報ベースで正直に扱いながら解説していきます。非上場企業であるため非公開の指標も多くありますが、確認できた事実に絞って中立的に整理します。
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | JPYC株式会社(英: JPYC inc.) |
| 設立 | 2019年11月 |
| 代表取締役 | 岡部典孝(おかべ のりたか) |
| 本社所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目6-1 大手町ビル4階 FINOLAB内 |
| 資本金 | 20億1467万円(シリーズB等の増資反映後) |
| 従業員数 | 非公開(2022年5月時点の自社開示では56名) |
| 上場区分 | 非上場 |
| 売上高 | 非公開 |
| 平均年収 | 非公開(一次統計なし) |
| 平均年齢 | 非公開(2022年時点で最高60歳〜最低16歳と幅広い) |
| 平均勤続年数 | 非公開 |
| 主な事業 | 電子決済手段の発行および償還、ステーブルコイン等ブロックチェーンに関するコンサルティング 他 |
JPYC株式会社は非上場のスタートアップであるため、売上高・営業損益・平均年収といった財務・人事指標の多くが一次情報として開示されておらず、非公開となっています。この記事では、こうした指標を推測で埋めることはせず、確認できた事実のみを扱います。
なお資本金については、設立当初から増資前は1億円と記載する二次情報もありますが、公式PR TIMESの会社概要欄ではシリーズB等の増資を反映した20億1467万円と記載されています。従業員数については、2022年5月に同社が自社開示した人的資本レポートで、2021年8月の41名から2022年2月に56名へ拡大したことが公表されています。それ以降の最新の従業員数については、確認できた一次情報がありません。
主な事業内容
JPYC株式会社の事業は、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行・運営を核としています。単なる暗号資産の発行にとどまらず、資金決済法という金融規制の枠組みの中で「電子決済手段」を提供している点が事業の特徴です。ここでは主な事業を整理します。
JPYCの発行・運営
同社の中核事業は、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行と運営です。JPYCは資金決済法上の「電子決済手段」として発行され、1JPYC=1円で交換できます。裏付け資産は日本国債と預金で構成され、当初は国債と預金を半分ずつで運用し、将来的に国債を8割まで(短期国債中心に)引き上げる方針が公表されています。
発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」の運営
利用者が日本円とJPYCを行き来するための入口として、発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を運営しています。銀行振込で日本円を入金してJPYCを発行し、保有するJPYCを日本円へ償還できる仕組みで、2026年5月30日時点で累計口座開設数19,000件、累計発行額30億円を突破したと開示されています。
ブロックチェーン関連のコンサルティング
公式の会社概要欄では、電子決済手段の発行・償還に加えて、ステーブルコイン等ブロックチェーンに関するコンサルティングも事業内容として挙げられています。円建てステーブルコインの国内先行事業者として蓄積した知見を、他社の取り組みに提供する余地があると考えられます。
他社・他基盤との連携
同社は自社単独での発行にとどまらず、外部プラットフォームとの連携も進めています。2026年5月22日には、LINEアプリ上のステーブルコインウォレット「Unifi」でJPYCの利用が開始されました。また三菱UFJ信託銀行・Progmatと「JPYC(信託型)」の共同検討を開始しており、協業と競合が併存する動きも見られます。
JPYC株式会社の強み
強み1. 国内初の円建てステーブルコインという先行者ポジション
JPYCは、資金移動業者として金融庁に登録されたうえで発行された国内初の日本円建てステーブルコインです。規制の枠組みに沿った形で「お金」をブロックチェーン上で扱う事業を、国内で先行して形にしている点は大きな強みといえます。国内ステーブルコイン市場で99%以上のシェアを持つとも報じられています。
強み2. 規制対応を積み重ねた事業モデル
同社は資金移動業者(関東財務局長 第00099号)としての登録を取得し、資金決済法上の枠組みの中で発行・償還を行っています。裏付け資産を日本円の預貯金および国債で保全する設計により、価格変動リスクの小さい安定した価値を提供しようとしている点が特徴です。金融規制と向き合いながら事業を組み立ててきた実績は、後発が容易に真似できない強みになり得ます。
強み3. 有力な出資者による資金基盤
シリーズBで累計約50億円を調達しており、資金基盤の面でも注目されています。2026年2月のファーストクローズで総額17.8億円、4月のセカンドクローズで追加28億円を調達し、メタプラネットやSUMISEI INNOVATION FUND、北洋銀行、横浜キャピタルをはじめ、地方銀行系・事業会社系のファンドなど10社以上が参加したと報じられています。
強み4. 明確な収益モデルと成長シナリオ
同社の収益源は、裏付け資産となる国債・預金の運用金利です。想定利回りは1%程度とされ、岡部代表は「1兆円分を発行できれば約50億円の金利収入が得られる」と説明しています。発行規模の拡大がそのまま収益につながる分かりやすいモデルであり、金利上昇局面ではこの収益構造が追い風になり得ます。
強み5. 柔軟で先進的な働き方の制度
同社は週32時間の所定労働時間、フルリモート勤務、フルフレックスといった柔軟な働き方の制度を整えています。月数時間からフルタイムまで、副業・兼業・時短が可能な制度が用意されており、契約労働時間を柔軟に変更できる点は、多様な働き方を求める人材にとって魅力的な環境といえます。
強み6. 運用実績とインシデントゼロの姿勢
会社側は、5年間インシデントゼロの運用実績を強調しています。金融インフラとしての信頼性が事業の生命線となる領域において、こうした安定運用の姿勢を打ち出している点は、事業の継続性という観点で評価できる要素です。
JPYC株式会社の年収事情
JPYC株式会社は非上場のため、目論見書や公式の平均年収統計は確認できません。ここで示す職種別レンジは、あくまで一般的なWeb3スタートアップの傾向と、後述する個別クチコミを踏まえた推計であり、公式に開示された数値ではない点に留意してください。
職種別の想定年収レンジ(推計・公式値ではありません)
| 職種 | 想定年収レンジ(推計) |
|---|---|
| エンジニア・開発職 | 500万〜800万円程度 |
| ビジネス・事業開発職 | 450万〜700万円程度 |
| 管理・コーポレート職 | 400万〜650万円程度 |
上記はあくまで推計です。実際にはOpenWorkの個別クチコミで年収500万円・540万円といった記載例が確認できますが、いずれも母数が極めて小さく、個人の申告値である点に注意が必要です。
給与制度の特徴
OpenWorkの個別クチコミでは「時給制だった」旨の記載があり、これは同社が公表している「契約労働時間を自在に変更できる制度」と整合します。週32時間を基準としつつ、月数時間からフルタイムまで柔軟に働ける制度設計であるため、労働時間に応じた給与体系が採られていると考えられます。フルタイムで働く場合と時短で働く場合とで、年収水準が大きく変わる可能性があります。
年収を見る際の注意点
前述のとおり、同社は非上場であり、公式の平均年収統計は確認できません。参照できるのはOpenWorkの少数のクチコミに限られ、母数が極めて小さいため、これらの数値を「同社の平均年収」として一般化することはできません。年収については、選考過程で自身の職種・稼働時間に応じた条件を直接確認することが最も確実です。
20〜30代のキャリア相談(無料)→JPYC株式会社の働き方・福利厚生
勤務時間・残業
同社は所定労働時間を週32時間としており、一般的な週40時間より短い設定です。OpenWorkの集計では月間残業が7.1時間と、比較的少ない水準が示されています。ただしOpenWorkの回答母数は6人と少なく、あくまで一つの傾向として参考にとどめるべき数値です。
リモートワーク
フルリモート勤務が基本で、フルフレックスの制度が採られています。人的資本レポート(2022年)では、海外居住の従業員(アイルランド・米国)も在籍していたことが開示されており、居住地に縛られない働き方が実際に運用されてきたことがうかがえます。
福利厚生
有給休暇について、人的資本レポートでは「10日以上付与された社員の5日以上取得は100%」と記載されており、これは労働基準法上の年5日取得義務の遵守を指すものです。また健康診断・ストレスチェックの対象者100%受診が記載されています。全国社会保険労務士会の経営労務診断の適合企業認定を取得しており、労務管理面での外部診断を受けている点も特徴です。
注意点
OpenWorkの集計では有給休暇消化率が52.1%と開示されています。前述の人的資本レポートの「5日以上取得100%」は年5日取得義務の遵守を指すもので、OpenWorkの消化率とは算出基準が異なる点に留意が必要です。また残業時間・有給消化率などのデータはいずれも回答母数が少なく、最新の実態を反映しているとは限りません。福利厚生の詳細については、選考過程で直接確認することをおすすめします。
JPYC株式会社の社風・カルチャー
一言で表すなら
「規制と向き合いながら新しい金融インフラを形にする、柔軟な働き方のWeb3スタートアップ」といえます。フルリモート・週32時間・フルフレックスという制度に象徴されるように、働き方の自由度が高く、多様なバックグラウンドの人材が集まる環境です。2022年時点では最高60歳から最低16歳まで年齢幅が広く、外国籍・海外居住のメンバーも在籍していました。
評価される人物像
自律的に働ける人材が評価される環境と考えられます。フルリモート・フルフレックスの制度は、裏を返せば自己管理と成果へのコミットが求められる働き方です。自社のエンゲージメントサーベイでは「評価」「権限と裁量」の項目が上昇していると自己分析されており、裁量を持って動ける人が力を発揮しやすい文化がうかがえます。
表面的なイメージと実態の差
「先進的で自由な環境」という表面的なイメージがある一方、実態としては急拡大に伴う組織課題も同社自身が開示しています。人的資本レポート(2022年)では、従業員数が約1.4倍に拡大した時期に、自社サーベイの「組織の健全さ」の項目が有意に低下したと開示されており、同社はこれを「組織が不健全になったのではなく、拡大に伴い潜在的な問題が顕在化したもの」と説明しています。自由な制度の裏側で、組織づくりの過渡期にある点は理解しておくとよいでしょう。
JPYC株式会社の気になる点・入社前に知っておきたいこと(事実ベース)
ここでは、良い面だけでなくネガティブな面も正直に、一次情報で裏取りした事実のみを中立的に整理します。いずれも公表資料に基づく内容であり、過度に不安を煽るものではありませんが、入社を検討するうえで知っておきたい論点です。
事業規模はまだ初期段階にある
同社の公式発表によると、JPYCは2025年10月に発行を開始し、2026年5月30日時点で累計発行額30億円・累計口座開設数19,000件に達したと開示されています。一方、先行するUSドル建てステーブルコインは2026年8月時点でUSDTが約1,830億ドル、USDCが約720億ドルの時価総額と報じられており、JPYCは規模の面でこれらに比べ小さく、事業として比較的初期の段階にあると位置づけられます。(出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000321.000054018.html )
掲げる目標と現時点の実績には大きな開きがある
岡部代表は複数の媒体で「今後3年で発行残高10兆円規模」を目標として掲げていると報じられています。一方、同社公式発表によると、JPYC EXの累計発行額は2026年5月時点で30億円を突破したと開示されています。10兆円はあくまで将来目標であり、現時点の実績(累計発行額約30億円規模、目標の約0.03%)とは大きな開きがある点に留意が必要です。(出典: https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2058390.html / https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000321.000054018.html )
収益構造が金利・規制環境に左右されやすい
JPYCの裏付け資産は日本円の預貯金および国債で構成され、発行事業は改正資金決済法上の「電子決済手段」・資金移動業の枠組みで運営されていることが公表されています。同社代表は自社の公式発信で、日本国債金利の上昇傾向により裏付け資産の国債運用収益が見込めるようになったと述べており、裏付け資産の運用収益が金利環境に左右される性質を有すると開示されています。したがって、収益構造が金利・規制環境の変動の影響を受けやすい面があると考えられます。(出典: https://note.com/jpyc_okabe/n/n1084ded8db18 )
口コミ評価は一部項目で相対的に低い(ただし母数は極小)
口コミサイトOpenWork(回答者6人)では、総合評価3.02に対し、「人材の長期育成」2.8、「人事評価の適正感」2.9、「社員の相互尊重」2.9が相対的に低いスコアとして開示されています。ただし回答母数が6人と極めて少ないため、あくまで一つの傾向として参考にとどめるべき数値です。また転職会議の同社ページ(旧・日本暗号資産市場名義を含む)では口コミが5件と少なく、総合評点が算出されておらず、平均年収・残業時間・有給消化率もいずれも「-」で数値が開示されていないことが確認できます。(出典: https://www.openwork.jp/company.php?m_id=a0C2x00000WoZgL / https://jobtalk.jp/companies/10163282 )
急拡大期の組織課題を同社自身が開示している
同社が2022年5月に自社開示した人的資本レポートによれば、従業員数は2021年8月の41名から2022年2月に56名へと約1.4倍に拡大し、この時期の自社エンゲージメントサーベイで「組織の健全さ」の項目が有意に低下したと開示されています。定着率は86.5%(2021年2〜7月)から85.0%(2021年8月〜2022年1月)へとほぼ横ばい(微減)と開示されています。同社はこの低下を「組織が不健全になったのではなく、拡大に伴い潜在的な問題が顕在化したもの」と説明しています。数値はいずれも2022年5月時点の開示に基づくものです。(出典: https://assets.jpyc.co.jp/ir/2022/hcr/hcreport.pdf )
マネジメント層の負荷を課題として自己開示している
同社は人的資本報告書(2022年)において、全国社会保険労務士会の経営労務診断の適合企業認定を取得したうえで、「業務負荷等に起因する不調者が、主にマネジメントを行う社員から発生することが多い」ことを課題として自ら開示しており、制度的フォローや早期発見の仕組み構築により構造的な解決を図るとしています。(出典: https://assets.jpyc.co.jp/ir/2022/hcr/hcreport.pdf )
発行・償還には1回100万円の上限がある
JPYCは第二種資金移動業として登録されており、発行・償還は1回あたり100万円が上限と公式に開示されています。一方で信託型ステーブルコイン(JPYSC等)は送金額に上限がなく高額・企業内資金管理向けとされ、資金移動型のJPYCは大口の機関送金には不向きと指摘されています。なお「1億円保有に100日を要する」といった表現は100万円上限からの単純計算に基づく解説上の試算であり、公式に明示された数値ではない点に留意が必要です。(出典: https://coinpost.jp/?p=709070 )
決済ネットワークの広がりは既存キャッシュレスと差がある
Coincheckの解説記事では、JPYCについて「利用できるサービスはまだ限定的で、一般的な決済手段として広く普及している段階ではない」と説明されています。対応店舗・ECサイトは2026年時点で数十件規模にとどまるとされ、加盟店数が数百万規模に及ぶPayPay等の既存キャッシュレス決済と比べ、決済ネットワークの広がりには大きな差があると開示されています。(出典: https://coincheck.com/ja/article/666 )
メガバンク等の参入による競合環境の変化
三菱UFJ・みずほ・三井住友の3メガバンクは、信託型スキームでProgmat基盤を用いた円建てステーブルコインの共同発行を進めており、2026年度中の実取引開始を目指すと報じられています(金融庁も支援対象に採択)。信託型(3号電子決済手段)はJPYCが採用する資金移動業型(1号電子決済手段・発行/償還が実務上1回100万円)と法的区分・上限が異なると整理されています。こうした大手金融機関の参入は競合環境の変化要因として指摘されています。(出典: https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2116013.html )
これらは同社の事業が「新しい市場を規制と向き合いながら切り拓く」性質を持つがゆえの論点であり、成長機会と表裏一体でもあります。事実として認識したうえで判断することが大切です。
JPYC株式会社の転職難易度
難易度:A級(高め)
JPYC株式会社への転職難易度は高めと考えられます。国内初の円建てステーブルコインという先端領域で事業を展開しており、金融規制・ブロックチェーン・プロダクト開発といった専門性が求められること、また非上場スタートアップとして採用枠が限定的であることが背景にあります。以下、理由を整理します。
理由1. 先端領域ゆえの専門性が求められる
同社の事業は、資金決済法という金融規制の枠組みの中でブロックチェーン技術を扱うという、専門性の高い領域です。エンジニアであればブロックチェーンやスマートコントラクトの知見、ビジネス職であれば金融・規制対応の理解など、領域特有の専門性が評価されやすいと考えられます。
理由2. スタートアップゆえの採用枠の限定性
同社は非上場のスタートアップであり、大手企業のような大量採用は行っていないと考えられます。人的資本レポートでは急拡大期でも従業員数が数十名規模であったことが開示されており、ポジションごとの採用枠は限定的です。タイミングと職種のマッチが重要になります。
理由3. 自律的に動ける人材が求められる
フルリモート・フルフレックスという働き方は、自己管理と成果へのコミットを前提とします。裁量を持って自律的に成果を出せることが求められるため、指示待ちではなく自ら課題を設定して動ける人材が評価されやすいと考えられます。
20〜30代のキャリア相談(無料)→JPYC株式会社に向いている人
- ブロックチェーンやWeb3、フィンテックといった先端領域で挑戦したい人
- 金融規制と向き合いながら新しいインフラを形にすることにやりがいを感じる人
- フルリモート・フルフレックスなど、自律的で柔軟な働き方を求める人
- スタートアップの成長フェーズで、裁量を持って幅広い業務に関わりたい人
- 事業の初期段階ならではの不確実性を、リスクではなく成長機会と捉えられる人
- 「お金」という社会インフラに近い領域で、社会的インパクトの大きな仕事に携わりたい人
JPYC株式会社に向いていない人
以下は批判ではなく、あくまでミスマッチを防ぐための整理です。自分の志向と照らし合わせて、入社後のギャップを避ける参考にしてください。
- 安定した大企業で確立された制度・環境を求めるタイプ: 同社は非上場スタートアップで事業も初期段階にあるため、整った制度や安定性を最優先する人には不向きな可能性があります。
- 明確な指示のもとで働きたいタイプ: フルリモート・フルフレックスの環境では自律的な働き方が前提となるため、細かな指示や管理を求める人には合いにくい面があります。
- 短期的な事業規模や知名度を重視するタイプ: 累計発行額30億円規模と事業は初期段階にあり、掲げる10兆円目標との開きも大きいため、現時点の規模感を重視する人には物足りなく感じられる可能性があります。
- 収益や事業の安定性を確約された環境を望むタイプ: 収益構造が金利・規制環境に左右されやすいため、外部環境に左右されにくい安定を最優先する人には慎重な検討が必要です。
- 年収などの条件が明確に開示された環境を求めるタイプ: 非上場のため平均年収などの統計が非公開であり、条件の透明性を重視する人は選考過程での確認が不可欠です。
JPYC株式会社の選考対策
1. 事業モデルと法的位置づけを理解しておく
JPYCが「資金移動業型」の電子決済手段であること、裏付け資産が国債・預金で構成され収益源が運用金利であることなど、事業の基本構造を公表情報で押さえておきましょう。競合となる信託型(Progmat基盤)との違いを整理しておくと、事業理解の深さを示せます。
2. 先端領域への関心と学習姿勢を示す
ブロックチェーン・ステーブルコイン・フィンテックは変化の速い領域です。最新動向を自ら追い、学び続けている姿勢を具体的なエピソードで示すことが評価につながると考えられます。
3. 自律的に成果を出した経験を用意する
フルリモート・フルフレックスの環境で力を発揮するには、自己管理と成果志向が欠かせません。過去に裁量を持って課題を設定し、成果を出した経験を整理しておきましょう。
4. 規制対応や不確実性への向き合い方を語れるようにする
同社の事業は規制と向き合い、初期段階の不確実性を伴います。曖昧な状況の中で意思決定し前進させた経験や、コンプライアンスを意識して仕事を進めた経験があれば、強い訴求材料になります。
5. 事業の課題も踏まえたうえで貢献意欲を伝える
規模の小ささや競合環境など、同社が直面する課題を理解したうえで、自分がどう貢献できるかを語れると説得力が増します。良い面だけでなく課題も踏まえて志望動機を組み立てましょう。
JPYC株式会社への転職で評価されやすい経験
- ブロックチェーン・スマートコントラクトの開発経験
- ステーブルコインや暗号資産関連プロダクトの開発・運用経験
- フィンテック・決済サービスの企画や開発経験
- 金融規制(資金決済法・資金移動業等)への対応経験
- スタートアップでの事業立ち上げ・グロース経験
- フルリモート環境での自律的なプロジェクト推進経験
- 金融機関や事業会社とのアライアンス・提携推進経験
- 高い信頼性が求められるシステムの運用・保守経験
- セキュリティやリスク管理に関する実務経験
- 新規事業や新市場の立ち上げに関わった経験
- 規制当局や外部専門家と連携しながら業務を進めた経験
- 多様なバックグラウンドのメンバーと協働した経験
特に評価されやすいのは、金融規制への理解とブロックチェーン等の技術的専門性を兼ね備え、不確実性の高い初期フェーズの事業を自律的に前進させられる経験です。 規制と技術の両面をつなぐ視点を持つ人材は、同社の事業特性と高く親和すると考えられます。
20〜30代のキャリア相談(無料)→まとめ
JPYC株式会社は、国内初の日本円建てステーブルコイン「JPYC」を発行・運営するWeb3スタートアップです。資金移動業者として金融庁に登録し、規制の枠組みに沿って「お金」をブロックチェーン上で扱う先端的な事業を、国内で先行して形にしている点が最大の魅力です。週32時間・フルリモート・フルフレックスといった柔軟な働き方の制度も整い、多様な人材が集まる環境が用意されています。
一方で、同社は非上場のため財務指標の多くが非公開であり、累計発行額30億円規模と事業はまだ初期段階にあります。掲げる10兆円目標との開き、金利・規制環境に左右される収益構造、既存決済ネットワークとの規模差、メガバンク等の参入による競合環境の変化など、入社前に押さえておきたい論点も少なくありません。急拡大期の組織課題を同社自身が開示している点も、誠実さの表れであると同時に、過渡期にあることの裏返しでもあります。
これらの課題は、裏を返せば「新しい市場を規制と向き合いながら切り拓く」事業ならではの成長機会でもあります。先端領域で自律的に挑戦したい人、社会インフラに近い領域で大きなインパクトを目指したい人にとっては、得がたい経験を積める環境といえるでしょう。
転職を検討する際は、良い面だけでなく本記事で整理した気になる点も踏まえ、自身の志向やキャリアプランと照らし合わせて判断することをおすすめします。特に年収や勤務条件など非公開の情報については、選考過程で直接確認し、納得したうえで意思決定することが大切です。
