「エージェントって、何社登録すればいいんですか」。これもよく聞かれる質問です。答えは「2〜3社」。ただし、この数字だけを覚えて帰ると、あまり意味がありません。

大事なのは数ではなく、何を目的にどの会社を使うか、そしてどこで線を引くかです。

1社だけだと起きること

エージェントごとに持っている求人は違います。1社だけだと、その会社が強い業界や企業規模に求人が偏り、「市場にはこれしかない」と思い込んでしまいます。

担当者の当たり外れも避けられません。経験の浅い担当者に当たると、相場感の説明が雑だったり、決まりやすい求人を優先して勧められたりします。比較対象がないと、それが普通だと思ってしまいます。

多すぎると起きること

逆に5社も6社も登録すると、連絡が回らなくなります。面談の日程調整だけで時間が溶け、どの担当者に何を伝えたかが分からなくなります。

いちばん困るのは、同じ求人に別のエージェントから重複して応募してしまうことです。企業側はこれを嫌います。管理ができていない印象を与えますし、エージェント同士の調整が必要になって、選考そのものが止まることもあります。

基本は「大手1社+特化型1社」

おすすめの組み合わせは、大手の総合エージェントを1社、自分の職種や業界に特化したエージェントを1社です。

大手は求人の量と、応募書類や面接対策の仕組みが整っています。特化型は求人の深さと、業界の内情に詳しい担当者が強みです。この2社で、量と質の両方を押さえられます。相性の良い担当者に出会えたら、3社目を足しても構いません。

使い分けの実際:同じ求人は1社に絞る

応募する前に、「この求人はどのエージェント経由で出すか」を決めてください。基本は、その企業との関係が深いエージェントです。担当者に「御社はこの企業への紹介実績がありますか」と聞けば、たいてい正直に答えてくれます。

複数のエージェントから同じ求人を勧められたときは、最初に紹介された方に義理を感じる必要はありません。推薦文を書く力と、企業との関係で選んでください。

良い担当者の見分け方

良い担当者には共通点があります。求人の悪い点も言う、業界の実態を具体的に語れる、そして急かさない、の3つです。

「この求人は残業が多めです」「この会社は中途の定着率が低いと聞いています」と言える担当者は、あなたが入社後に後悔しないことを優先しています。逆に、良い点しか言わず、「早く決めないと枠が埋まります」と繰り返す担当者は、自分の成約を優先しています。見分けるのは難しくありません。

何社かより、「主導権」を手放さないこと

エージェントは便利な存在ですが、あなたのキャリアに責任を持つわけではありません。最終的に決めるのも、その結果を引き受けるのも、あなたです。

何社使うかは手段の話です。本当に守るべきは、どの求人に、どの経路で、なぜ応募するのかを自分で決めること。その主導権さえ手放さなければ、エージェントは2社でも3社でも、心強い味方になります。